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第一部 久住家にようこそ
優しい唇から獰猛な獣へ
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匠真がプログラムを直しに行ったT高校で散々乱されてしまった綾人は我に返った後、下着の中の惨状に青ざめていた。
幸い匠真が持っていたタオルで後始末をして事なきを得たが、濡れた感触がかなり気持ち悪い。
「……ごめんって、綾人。ちょっとたがが外れた」
だから最初からこんなところでって言ったのに!
それに拒否しきれなかった俺も悪いけど、それにしても……
帰り道も綾人は一切口を開かなかった。俺がS商事を勝手に退職したことになっているよう仕向けた愁一さんに腹が立ったし、高校に仕事で来てるのに俺のスーツに欲情した匠真さんにも腹が立つ。
「ごめんって、綾人……」
流石に俺があまりにも不機嫌に歩く姿を見てやばいと思ったのか、珍しく匠真さんが慌てていた。
「……ッ」
悔しい。意味もなくリストラされて、今は金持ちに好き勝手される身分。
俺だって男だ。人間なんだよ。なんで、言われたらホイホイついていって、したくもない変態みたいなことを。
同僚は今もイキイキと仕事をしていた。俺もあそこにいたはずなのに。
「綾人……」
「すいません、今日だけは別行動にさせてください」
「……わかった。帰ってきてよ」
俺がグズグズ泣いていたのが珍しかったのだろう。匠真さんはそれ以上引き止めることもなく、携帯で使用人を呼びつけていた。
◇
約2週間ぶりに戻る我が家は家主を失って相当空気が悪いかと思っていたのだが、中のものが全く何もないことに気づく。
「あ、あれ?! なんで、何もないんだ」
元々そんなに荷物は無かったので別に金目のものがあるわけではないのだが……これも俺が久住家の家政夫になった時点で愁一さんが根回ししていたのだろう。
「そんなあ……」
ついてない。
こういう時何て言うんだろう……もうあの家に戻らないくらいの勢いで出たのに、まさかの逃げ場所だった自分の家に何も無い。
どこかの格安ホテルに身を隠そうと思いとぼとぼ歩いていると、急に目の前で黒塗りのベンツが止まった。
後部座席から黒のスタイリッシュなスーツに身を包んだ愁一さんが不機嫌な様子で出てきた。
「綾人、乗りなさい」
「し、愁一さん……戻られていたんですか?」
「お前が何時までも帰ってこないから探しに出ていたんだ」
出張帰りで疲れているはずの愁一は最初こそ不機嫌だったが、俺が拒否なく車に乗り込んだ瞬間表情を和らげた。
「何か嫌なことがあったのか? 私が居ない間のことはひとつずつ聞こう」
「…………はい」
彼に訊きたいことも言いたいことも山のようにある。
(でも、あの兄弟のことは嫌いじゃない……)
糾弾するのは簡単なのだが、それを求めているわけではない。
沈黙に包まれたまま、車は玄関へ到着した。
「あ、綾人! ごめん……俺……」
「おかえりなさい、愁一兄さん。綾人もおかえり」
出迎えてくれた匠真と渉に愁一はただいまと笑みを浮かべ、すぐさま俺の背中を抱いてそのまま二階へと上がった。
「綾人!」
「お前達は暫く綾人に接触することを禁じる」
長兄にそう言われてしまっては従わざるを得ない。匠真はポロポロと涙を流し、ごめん、と綾人の背中に詫び続けた。
「来なさい」
促されるまま愁一の部屋に入れられた。俺はちょこんとベッドの隅に座り、何から話すべきか頭の中を整理する。
彼は俺を急かすでもなく、スーツのジャケットを脱ぎ、ネクタイを外した。
「愁一さん、俺のS商事をやめる手続きと、家の引き払いをしたのは貴方ですか?」
「……そうだ」
「どうして、勝手に……」
確かに仕事はリストラされたから仕方がない。でも、けじめというものがある。勝手に外部からあれこれされたくなかった。
おまけに、アパートを勝手に引き払われたことも。せめて、一言説明があれば納得したのに、相談もなく闇処理されてしまっては今後彼らを信用することが出来ない。
「幻滅したか? 勝手にお前の周りから囲っていったことに。正直、お前と会うのは初めてではない」
「え……?」
「お前がS商事に勤めて、T商事に仕事を持ってきた時に見せた笑顔に一目惚れしてしたんだ。あいつは誰だとあちこち調べ尽くして今に至る」
確かにS商事に8年間働いていたが、T商事には数える程度しか行ったことがない。ましてライバル会社だったのだから、そんな場所で笑顔を見せた記憶すら思い出せない。
ぐるぐると考え込んでいる綾人を見かねたのか、先に答えが返ってきた。
「お前が私を知らないのも無理はない。こちらが一方的に知っているだけの話だ……」
項垂れたまま動かない綾人に、愁一は小切手の紙とペンを渡す。
「何ですか、これ……」
「好きな額を書くといい」
金持ちはすぐお金で何でも解決しようとするから、嫌いなんだ。苦労人のことを理解してくれない。
最初は月100万に惹かれて何も考えないでこの屋敷に来たのは事実だし、今もお金が沢山もらえるならそれはそれで両親に恩返しが出来るからありがたい。
ただ、ここで過ごした日々はあまりにも濃密すぎて、いきなり元の現実に戻るのも不安だった。
「それは……もう、俺が要らないってことですか?」
「違う」
愁一は頭がキレるくせにこういう時に言葉をうまく選べないらしい。項垂れる綾人をそっと抱きしめてきた。
「……私は、お前に一目惚れしたと言っただろう……此処に居て欲しい。何もしなくていいから」
何もしなくていい、という言葉にふっと笑いがこみ上げてくる。
「そんな、俺は今からニートになりたくないですよ」
「だから家政夫になってくれとお願いしたんだ」
分かれ、と顎をぐいっと持ち上げられ、唇を塞がれる。色男のトワレの香りと、熱い舌が触れ合い脳みそが蕩けた。
「んっ……」
大人のキスに酔いそうになる。腰を抱かれ、何度も唇を啄まれ、吐息まで奪われる。
触れ合う舌先が熱い。歯肉をなぞって敏感な上顎まで丁寧に舐められ耳の奥がざわついた。
静かにスーツのベルトを外され、ズボンを下ろしたところで愁一は眉間に皺を寄せて低い声で囁きながら綾人の耳朶を軽く噛んだ。
「綾人……匠真に何かされたのか?」
「ん、ぁ……こ、これは……」
そういえば、今日匠真さんに高校で後ろから犯されてそのまま下着が濡れていたままだった。
流石にスーツまではしみ込んでいなかったけど、触れられると嫌でも気づかれてしまう。
匠真と名指しで言っていたのは玄関で会った時の態度でバレバレだったと思う。
「えっと……その……」
「……そうか、あいつらは私が居ない間に綾人に好き勝手なことをしていたわけだ……」
愁一の眸が野性の色に変わる。知的なインテリが獣に変貌した瞬間だった。
って、この人はこんな問題児兄弟と一緒に生活していて今まで気づいていなかったのか!?
た、確かに愁一さんは朝早くに出かけて夜は一番遅い。つまりは日中俺が誰とどうしているということを知らないのも無理はない。
他の兄弟が口を軽くそんなこと言うはずもないだろうし。ってことは何だ、俺は無駄にみんなに襲われていたってことか!?
ぐいっと抱き上げられ、ベッドの上に転がされる。ぎしりと上にのしかかってきた愁一の眸に笑みは無かった。
「……綾人、お前が誰のものか、これからじっくりと教えてやる……私が居なかった2週間分たっぷりな?」
「い、いや、十分すぎるくらい存じ上げておりますので……」
こんな獰猛な愁一さんは初めてみる。インテリが切れると怖いって言うけど、まさしくそんな感じだ。
じりじりとヘッドボードまでずり下がると、愁一は本気のようでシャツを脱ぎ、サイドボードから手錠を取り出してきた。
何でそんなもん持ってるんですか愁一さん。貴方は出来れば清楚で居て欲しかったです!!
そんな俺の心の声なんて一切届くわけもなく、目の前の愁一さんは口元だけ笑みを浮かべかちゃりと手錠を嵌めた。
「……お前を穢した毒をきっちり洗って、俺を植え付けてやるから覚悟しなさい」
首筋を吸い上げられ、再び濃厚なキスをされてそれだけで俺の躰は抑えきれない熱を帯びた。
結局、出張帰りでお疲れのはずの愁一さんは3回戦こなし、先に俺の方がダウンした。
この兄弟は性癖に問題のある人ばかりだけど、決して悪い人ではない。
もう少しだけ、この浮世のような甘い空間で家政夫を続けてみようと思い、綾人は深い眠りについた。
幸い匠真が持っていたタオルで後始末をして事なきを得たが、濡れた感触がかなり気持ち悪い。
「……ごめんって、綾人。ちょっとたがが外れた」
だから最初からこんなところでって言ったのに!
それに拒否しきれなかった俺も悪いけど、それにしても……
帰り道も綾人は一切口を開かなかった。俺がS商事を勝手に退職したことになっているよう仕向けた愁一さんに腹が立ったし、高校に仕事で来てるのに俺のスーツに欲情した匠真さんにも腹が立つ。
「ごめんって、綾人……」
流石に俺があまりにも不機嫌に歩く姿を見てやばいと思ったのか、珍しく匠真さんが慌てていた。
「……ッ」
悔しい。意味もなくリストラされて、今は金持ちに好き勝手される身分。
俺だって男だ。人間なんだよ。なんで、言われたらホイホイついていって、したくもない変態みたいなことを。
同僚は今もイキイキと仕事をしていた。俺もあそこにいたはずなのに。
「綾人……」
「すいません、今日だけは別行動にさせてください」
「……わかった。帰ってきてよ」
俺がグズグズ泣いていたのが珍しかったのだろう。匠真さんはそれ以上引き止めることもなく、携帯で使用人を呼びつけていた。
◇
約2週間ぶりに戻る我が家は家主を失って相当空気が悪いかと思っていたのだが、中のものが全く何もないことに気づく。
「あ、あれ?! なんで、何もないんだ」
元々そんなに荷物は無かったので別に金目のものがあるわけではないのだが……これも俺が久住家の家政夫になった時点で愁一さんが根回ししていたのだろう。
「そんなあ……」
ついてない。
こういう時何て言うんだろう……もうあの家に戻らないくらいの勢いで出たのに、まさかの逃げ場所だった自分の家に何も無い。
どこかの格安ホテルに身を隠そうと思いとぼとぼ歩いていると、急に目の前で黒塗りのベンツが止まった。
後部座席から黒のスタイリッシュなスーツに身を包んだ愁一さんが不機嫌な様子で出てきた。
「綾人、乗りなさい」
「し、愁一さん……戻られていたんですか?」
「お前が何時までも帰ってこないから探しに出ていたんだ」
出張帰りで疲れているはずの愁一は最初こそ不機嫌だったが、俺が拒否なく車に乗り込んだ瞬間表情を和らげた。
「何か嫌なことがあったのか? 私が居ない間のことはひとつずつ聞こう」
「…………はい」
彼に訊きたいことも言いたいことも山のようにある。
(でも、あの兄弟のことは嫌いじゃない……)
糾弾するのは簡単なのだが、それを求めているわけではない。
沈黙に包まれたまま、車は玄関へ到着した。
「あ、綾人! ごめん……俺……」
「おかえりなさい、愁一兄さん。綾人もおかえり」
出迎えてくれた匠真と渉に愁一はただいまと笑みを浮かべ、すぐさま俺の背中を抱いてそのまま二階へと上がった。
「綾人!」
「お前達は暫く綾人に接触することを禁じる」
長兄にそう言われてしまっては従わざるを得ない。匠真はポロポロと涙を流し、ごめん、と綾人の背中に詫び続けた。
「来なさい」
促されるまま愁一の部屋に入れられた。俺はちょこんとベッドの隅に座り、何から話すべきか頭の中を整理する。
彼は俺を急かすでもなく、スーツのジャケットを脱ぎ、ネクタイを外した。
「愁一さん、俺のS商事をやめる手続きと、家の引き払いをしたのは貴方ですか?」
「……そうだ」
「どうして、勝手に……」
確かに仕事はリストラされたから仕方がない。でも、けじめというものがある。勝手に外部からあれこれされたくなかった。
おまけに、アパートを勝手に引き払われたことも。せめて、一言説明があれば納得したのに、相談もなく闇処理されてしまっては今後彼らを信用することが出来ない。
「幻滅したか? 勝手にお前の周りから囲っていったことに。正直、お前と会うのは初めてではない」
「え……?」
「お前がS商事に勤めて、T商事に仕事を持ってきた時に見せた笑顔に一目惚れしてしたんだ。あいつは誰だとあちこち調べ尽くして今に至る」
確かにS商事に8年間働いていたが、T商事には数える程度しか行ったことがない。ましてライバル会社だったのだから、そんな場所で笑顔を見せた記憶すら思い出せない。
ぐるぐると考え込んでいる綾人を見かねたのか、先に答えが返ってきた。
「お前が私を知らないのも無理はない。こちらが一方的に知っているだけの話だ……」
項垂れたまま動かない綾人に、愁一は小切手の紙とペンを渡す。
「何ですか、これ……」
「好きな額を書くといい」
金持ちはすぐお金で何でも解決しようとするから、嫌いなんだ。苦労人のことを理解してくれない。
最初は月100万に惹かれて何も考えないでこの屋敷に来たのは事実だし、今もお金が沢山もらえるならそれはそれで両親に恩返しが出来るからありがたい。
ただ、ここで過ごした日々はあまりにも濃密すぎて、いきなり元の現実に戻るのも不安だった。
「それは……もう、俺が要らないってことですか?」
「違う」
愁一は頭がキレるくせにこういう時に言葉をうまく選べないらしい。項垂れる綾人をそっと抱きしめてきた。
「……私は、お前に一目惚れしたと言っただろう……此処に居て欲しい。何もしなくていいから」
何もしなくていい、という言葉にふっと笑いがこみ上げてくる。
「そんな、俺は今からニートになりたくないですよ」
「だから家政夫になってくれとお願いしたんだ」
分かれ、と顎をぐいっと持ち上げられ、唇を塞がれる。色男のトワレの香りと、熱い舌が触れ合い脳みそが蕩けた。
「んっ……」
大人のキスに酔いそうになる。腰を抱かれ、何度も唇を啄まれ、吐息まで奪われる。
触れ合う舌先が熱い。歯肉をなぞって敏感な上顎まで丁寧に舐められ耳の奥がざわついた。
静かにスーツのベルトを外され、ズボンを下ろしたところで愁一は眉間に皺を寄せて低い声で囁きながら綾人の耳朶を軽く噛んだ。
「綾人……匠真に何かされたのか?」
「ん、ぁ……こ、これは……」
そういえば、今日匠真さんに高校で後ろから犯されてそのまま下着が濡れていたままだった。
流石にスーツまではしみ込んでいなかったけど、触れられると嫌でも気づかれてしまう。
匠真と名指しで言っていたのは玄関で会った時の態度でバレバレだったと思う。
「えっと……その……」
「……そうか、あいつらは私が居ない間に綾人に好き勝手なことをしていたわけだ……」
愁一の眸が野性の色に変わる。知的なインテリが獣に変貌した瞬間だった。
って、この人はこんな問題児兄弟と一緒に生活していて今まで気づいていなかったのか!?
た、確かに愁一さんは朝早くに出かけて夜は一番遅い。つまりは日中俺が誰とどうしているということを知らないのも無理はない。
他の兄弟が口を軽くそんなこと言うはずもないだろうし。ってことは何だ、俺は無駄にみんなに襲われていたってことか!?
ぐいっと抱き上げられ、ベッドの上に転がされる。ぎしりと上にのしかかってきた愁一の眸に笑みは無かった。
「……綾人、お前が誰のものか、これからじっくりと教えてやる……私が居なかった2週間分たっぷりな?」
「い、いや、十分すぎるくらい存じ上げておりますので……」
こんな獰猛な愁一さんは初めてみる。インテリが切れると怖いって言うけど、まさしくそんな感じだ。
じりじりとヘッドボードまでずり下がると、愁一は本気のようでシャツを脱ぎ、サイドボードから手錠を取り出してきた。
何でそんなもん持ってるんですか愁一さん。貴方は出来れば清楚で居て欲しかったです!!
そんな俺の心の声なんて一切届くわけもなく、目の前の愁一さんは口元だけ笑みを浮かべかちゃりと手錠を嵌めた。
「……お前を穢した毒をきっちり洗って、俺を植え付けてやるから覚悟しなさい」
首筋を吸い上げられ、再び濃厚なキスをされてそれだけで俺の躰は抑えきれない熱を帯びた。
結局、出張帰りでお疲れのはずの愁一さんは3回戦こなし、先に俺の方がダウンした。
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