家政夫は大変です

蒼龍葵

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第一部 久住家にようこそ

優しい変態にご用心

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「綾人、自分でそれ入れてみて?」

 目の前には突起のついた長い棒と、満面の笑みでこちらを見つめる瑛太さん。
 俺は今究極の選択を迫らていた。

 ことの始まりは、イタリア産のアンティークカップを割ってしまったことだ。それも俺の不注意で割れたわけではなく、この人が背後から悪戯してきて、抵抗したら彼の手から滑り落ちて割れた。
 一点物なのでもう手に入らない。

「お詫びの気持ちがあるなら、綾人が俺の趣味に付き合ってくれるかな」

 趣味──ということは、メインのホテル経営の方ではない。
 大事に今まで使っていたものを壊してしまった責任はある。嫌な予感しかしなかったけど断ることは出来なかった。

「あのお……流石にこれは無理かと」
「何言ってんの綾人。いつももっと太いの挿れてるでしょう? ちゃんとローションもあるから大丈夫」

 いや、そういう問題じゃなくて! 何でこの人は玩具大好きなんだ!
 ノーマルに28年生きてきたのに、瑛太さんと居ると最初っから変態プレイお好みのドMに思われてしまいそうだ。
 訝しんでいる綾人を見かねた瑛太がしょうがないなあと苦笑しながら近づいてきた。

「わっ」
「じゃ、途中まで気持ちよくしてあげる」

 甘い香りのする瑛太のベッドに仰向けにされ、シャツをゆっくり脱がされる。
 露わになった肌に瑛太の舌と手のひらが往復し、小さく尖った乳首を指先でいじられ、ぷくりと膨らんだところで軽く歯を立てられる。

「んんっ!!」
「木苺みたいになってるよ、綾人……胸でも感じるようになっちゃった?」
「あ……や、やだ……」

 男も女も、数えきれない程抱いてきた瑛太のテクに綾人が勝てるわけなどない。
 このまましてもらえるのかと身を委ねていると、綾人の指先に温められたローションを垂らされた。

「な、なっ」
「手伝ってあげるよ。目標は2本か3本かな」

 瑛太の手が重ねられた自分の手が蕾の中に侵入する。
 自分でこんな、こんな場所いじるなんて恥ずかしすぎる!!

「い、っ……は、はぁ……はぁ」
「力抜いて、大丈夫……ゆっくり息吐いて」

 いくら快楽に身を委ねたくても自分でほぐしているという現実に下半身は一気に萎えた。

「んー。やっぱまだ自分じゃ無理かぁ」

 すっかり萎えてしまった俺の半身を見て瑛太が難しいなあと考え込んでいる。考え込む暇があるなら服を着させて欲しい。

「よし! じゃあ綾人の後ろがとろとろになるまで俺が手伝うから」
「……はぁ?」

 どうしても綾人に一人エッチをさせたいらしい瑛太は鼻息荒くそう言った。
 先ほど綾人に垂らしたローションを使い再び蕾に指を入れていく。

「ちょ、瑛太さ……」
「綾人……」

 いきなり甘い声で囁くのは反則だ。それだけで背中がゾクリと粟立つ。名前を呼ばれ、耳の中をぴちゃぴちゃと舐められるだけで頭が白く霞んでいく。
 脱力した瞬間、長い指が一気に中を貫いた。

「ああっ!!」
「んん、きつ……今日はやけに締めてくる……何、もしかして怖い?」

 あの異様な物体をどう使うのか想像は出来る。怖いに決まっているだろう。

「ごめんね。もうちょっと綾人が殻を破るまで待ってるから、その時にアレは楽しみにとっておくよ」
「殻…って……んんっぅ」

 先ほどの玩具を使うのは諦めたらしい。瑛太の眸が細められたと共に、後頭部を押さえつけられ息も苦しい程激しいキスの雨を浴びた。

「は、はぁっ……はぁっ」
「色っぽいなあ綾人、ゾクゾクする。本当はもっと啼かせて虐めたいけど、今日は優しくする」

 そう言うと瑛太は綾人の太腿の間に顔を埋め、熱を孕み屹立したものを両手でそっと持ち、根元まで舌先を這わせてきた。

「ッ……瑛太さん!」
「渉ちゃんにはさせてるだろう? 俺だって別に嫌いじゃないよ、好きな子には気持ちよくなってもらいたいし」

 んなもん舐めながらエロい目でこっち見ないでください!!
 先端を執拗にいじられるとそれだけで全神経が下半身に集中してしまった。

「だ、だめ……イきそ……」

 瑛太の頭を引きはがそうとするが、全く離してくれる気配すらない。

「あ、あ、あっ……!」

 我慢する程足先がぴくつく。切ないため息と共に吐き出してしまったそれを瑛太は何事もなかったかのように呑み込んでいた。

「綾人、良かった?」
「は、い……」

 綺麗な瑛太さんを穢してしまった……いや、渉さんはいいってわけじゃないんだけど、ものすごい罪悪感。

「じゃ、ほぐれたところで本番いってみようか! 今ならアレも入ると思うよ、筋肉もしっかりほぐれたし」
「えっ……諦めたんじゃ……」

 さっきまで優しくする、とか。殻を破るまで待ってる。とか言っていたのは何だったのか?
 吐精した後の気だるい躰では抵抗も出来ず、両手を引かれてベッドから上体を起こされた。

「だって、綾人が悶えるところ見たいもん。ほら、これに乗って」

 軽々と腰を持ち上げられたかと思いきや、尻を割られて先ほどの黒い物体の上に座らされた。
 やはり脱力していたせいか、一瞬の圧迫感と強烈な異物感はあるものの、抵抗なくあっさり奥までそれを呑み込んでしまった。

「お楽しみは、これからだよ?」

 リモコンを持ち不敵に笑う瑛太が怖い。


 その後、俺は散々玩具に前立腺を刺激され、悲鳴に近い鳴き声を上げて何度も果てた。
 やっぱり瑛太さんは危険な香りしかない……。
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