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第一部 久住家にようこそ
優しい雇い主の謎仕事
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久住家は謎だらけだ。愁一さんは一体何時にどこで仕事をしているのだろうか?
ここで働いてもう三ヶ月目に突入した。そろそろ愁一さんの仕事を知りたいのに、未だに何の仕事をしているのか不明のまま。
黒いことはないと笑いながら言うが、ならば、何の仕事をしているかだけでも知りたい。
朝一に出勤前してしまう愁一よりも早く起床して彼の部屋をノックする。
「おはようございます、愁一さん。モーニングコーヒーをお持ちしました」
朝食は基本食べない愁一さんと話をする為に俺はコーヒーだけ持ってきた。
上等なスーツに身を包んだ愁一が丁度仕上げのネクタイを締めていた。俺も前はああやって毎日スーツを着ていたのに、今は……。
「どうした綾人?」
「あ、いえ……愁一さん、今晩は遅いですか?」
「いや。会社の方だからそこまで遅くはない」
「そうですか……あの、俺も愁一さんのお仕事に同伴させてもらうことって……無理、でしょうか」
って、俺はいきなり何言ってんだ!!
無理に決まってんだろ普通! 愁一さんが例え社長だとしても、何もスキルを持たない俺を同伴させたところで荷物持ちくらいにしかならない。車は一応運転出来るけど、愁一さんには専属のボディガード件運転手がいる。
「あ、いや、ごめんなさい。寝ぼけてたみたいです。失礼しました!」
「まて綾人」
部屋に帰ろうと踵を返した瞬間、愁一の大きな手に手首を掴まれた。
「……私の仕事が知りたいのか?」
「はい……」
「スーツに着替えて私の供をしなさい」
◇
連れて来られた場所はやはりT商事だった。リストラされたあの日、俺はここの前で愁一さんに拾われた。
そういえば、愁一さんは以前俺が仕事をここに持ってきた時に見せた笑顔に一目惚れしたと言っていたが、一体いつの話だろう。
「このエレベーター、鍵なんですね」
「ああ、30階から上の部分は全て会社の重役が使っている」
まるで高級ホテルのようなセキュリティだ。一般人が絶対入れないような仕組みになっている。
初めて入った最上階でインテリ秘書が愁一さんを待ち構えていた。
「……愁一様、この者は?」
「あぁ、私の大事なひとだ」
意味深な笑みの中でもかなりご機嫌な愁一を見て秘書はため息をついた。
「お前、愁一様の邪魔を邪魔をするなよ。あの方のスケジュールは分刻みだ」
「は、はい……」
そんな怖い目で睨み付けないで欲しい。大体、愁一さんが何も仕事の話をしないから悪いんだ。
社長室と思われる場所に入り、やはりなという気持ちと、ここの社長なら最初から言って欲しかったという気持ちが交錯する。
「愁一さん、この部屋って……」
「あぁ、仕事で時々私が監禁される場所だ」
え、何それ怖い。さらりと怖いことを言ったこの人。
でもよく考えてみると、セキュリティガードがないと易々と外に出られない、外部から入れる人間は僅か、そして社長室とは思えないほど広いこの部屋はまるでホテルのスイートルームだ。冷蔵庫、ベッド、バスルーム、キッチン、トイレ、巨大なテーブルに置かれたパソコン……必要なものは全て揃っている。
「愁一さんはここの社長なんですか?」
「T商事は抱えている会社の一つだ。ただ、私は便宜上ここをスタートにしたから、ここを中心として活動しているに過ぎない」
T商事だけでも売り上げ兆を超えてるのに、それが抱えている会社の一つって、一体愁一さんは何個会社を回しているんだ!?
別にそれを知ったからって、愁一さんの邪魔や足を引っ張るつもりなんて無かったし、いくら俺がライバル会社の社員だとしても今更情報をリークするなんてことはない。
最初から教えてくれなかったのは、信頼されていなかったのかな。
「ごめんなさい愁一さん……俺、邪魔ですね」
「そんなことはない。お前が居てくれるだけで仕事も捗りそうだ」
愁一の表情はいつもより穏やかで機嫌も良かった。ただひとつ、秘書が横で俺を睨み付けている視線がものすごく痛い。
「滝川、次の会議まで2時間だな」
「はい」
「資料は纏めておくから1時間だけ席を外してくれ」
パソコンを打ちながら秘書の滝川にそう告げる愁一はいつもより仕事のペースが速い。
「……分かりました。愁一様、1時間だけですよ、それ以上は間に合わなくなりますので」
秘書は言っても無駄と悟ったのか大人しく出て行った。二人きりになった瞬間、愁一に背後から抱きしめられる。
「綾人、ベッドに座りなさい」
「はい……」
解放された瞬間、俺は言われるままスーツのジャケットを脱ぎ、キングサイズのベッドの端に座った。
「んっ」
そのままシーツの上に押し倒され、何度も唇を啄まれる。カチャカチャとベルトを外されたと思いきや一気にズボンまで下げられる。
「あ……!」
下着越しで熱を持っている半身をきつく握られ、変な声が出る。その間もキスしていた唇はシャツのボタンも外して胸を舐った。
「しゅ、いちさん……!?」
「仕事場でこんなことを……我慢できなかったんだろう、私もだよ……」
「んぅっ……」
ネクタイはきっちり締められたままワイシャツがはだけた状態が妙に変な気分にさせられた。
「もうこんなになって……」
じわりと先走りが零れた先端をグチュグチュと指先で扱かれ、そこに唇があてられる。
「あ、ああっ!」
人の職場で、しかもこんな場所で!
止めないといけないのに、与えられる快楽に抗えない。
糸を引いた愁一の唇はそのまま綾人をひっくり返して蕾を舐め始めた。熱い舌が閉じられた入口をこじ開ける。
「あ、ああ、ああっ……!」
泣いても喚いても愁一は解放してくれず、散々優しく蕾をほぐされた所にローションをつけた指が蹂躙してきた。その間に萎えかけた肉棒を片手でゆるゆると断続的に刺激され、結局いつまでもイきたいのにイけない快感の波に溺れたまま約束の一時間が経過した。
結局、スーツを脱ぐこともなく一糸乱れぬ状態の愁一に2回もイかされた。
与えられた刺激が強すぎて身動きが取れなくなった綾人は社長室のベッドの中で会議に向かった愁一の帰りをただ待つことになった。
こんなつもりじゃなかったのに……。
後に秘書の滝川さんから、「愁一様が生き生きするのであれば、これから毎日奉仕して欲しい」ととんでもないお願いをされたが、躰が持ちませんと速攻お断りを入れることになった。
ここで働いてもう三ヶ月目に突入した。そろそろ愁一さんの仕事を知りたいのに、未だに何の仕事をしているのか不明のまま。
黒いことはないと笑いながら言うが、ならば、何の仕事をしているかだけでも知りたい。
朝一に出勤前してしまう愁一よりも早く起床して彼の部屋をノックする。
「おはようございます、愁一さん。モーニングコーヒーをお持ちしました」
朝食は基本食べない愁一さんと話をする為に俺はコーヒーだけ持ってきた。
上等なスーツに身を包んだ愁一が丁度仕上げのネクタイを締めていた。俺も前はああやって毎日スーツを着ていたのに、今は……。
「どうした綾人?」
「あ、いえ……愁一さん、今晩は遅いですか?」
「いや。会社の方だからそこまで遅くはない」
「そうですか……あの、俺も愁一さんのお仕事に同伴させてもらうことって……無理、でしょうか」
って、俺はいきなり何言ってんだ!!
無理に決まってんだろ普通! 愁一さんが例え社長だとしても、何もスキルを持たない俺を同伴させたところで荷物持ちくらいにしかならない。車は一応運転出来るけど、愁一さんには専属のボディガード件運転手がいる。
「あ、いや、ごめんなさい。寝ぼけてたみたいです。失礼しました!」
「まて綾人」
部屋に帰ろうと踵を返した瞬間、愁一の大きな手に手首を掴まれた。
「……私の仕事が知りたいのか?」
「はい……」
「スーツに着替えて私の供をしなさい」
◇
連れて来られた場所はやはりT商事だった。リストラされたあの日、俺はここの前で愁一さんに拾われた。
そういえば、愁一さんは以前俺が仕事をここに持ってきた時に見せた笑顔に一目惚れしたと言っていたが、一体いつの話だろう。
「このエレベーター、鍵なんですね」
「ああ、30階から上の部分は全て会社の重役が使っている」
まるで高級ホテルのようなセキュリティだ。一般人が絶対入れないような仕組みになっている。
初めて入った最上階でインテリ秘書が愁一さんを待ち構えていた。
「……愁一様、この者は?」
「あぁ、私の大事なひとだ」
意味深な笑みの中でもかなりご機嫌な愁一を見て秘書はため息をついた。
「お前、愁一様の邪魔を邪魔をするなよ。あの方のスケジュールは分刻みだ」
「は、はい……」
そんな怖い目で睨み付けないで欲しい。大体、愁一さんが何も仕事の話をしないから悪いんだ。
社長室と思われる場所に入り、やはりなという気持ちと、ここの社長なら最初から言って欲しかったという気持ちが交錯する。
「愁一さん、この部屋って……」
「あぁ、仕事で時々私が監禁される場所だ」
え、何それ怖い。さらりと怖いことを言ったこの人。
でもよく考えてみると、セキュリティガードがないと易々と外に出られない、外部から入れる人間は僅か、そして社長室とは思えないほど広いこの部屋はまるでホテルのスイートルームだ。冷蔵庫、ベッド、バスルーム、キッチン、トイレ、巨大なテーブルに置かれたパソコン……必要なものは全て揃っている。
「愁一さんはここの社長なんですか?」
「T商事は抱えている会社の一つだ。ただ、私は便宜上ここをスタートにしたから、ここを中心として活動しているに過ぎない」
T商事だけでも売り上げ兆を超えてるのに、それが抱えている会社の一つって、一体愁一さんは何個会社を回しているんだ!?
別にそれを知ったからって、愁一さんの邪魔や足を引っ張るつもりなんて無かったし、いくら俺がライバル会社の社員だとしても今更情報をリークするなんてことはない。
最初から教えてくれなかったのは、信頼されていなかったのかな。
「ごめんなさい愁一さん……俺、邪魔ですね」
「そんなことはない。お前が居てくれるだけで仕事も捗りそうだ」
愁一の表情はいつもより穏やかで機嫌も良かった。ただひとつ、秘書が横で俺を睨み付けている視線がものすごく痛い。
「滝川、次の会議まで2時間だな」
「はい」
「資料は纏めておくから1時間だけ席を外してくれ」
パソコンを打ちながら秘書の滝川にそう告げる愁一はいつもより仕事のペースが速い。
「……分かりました。愁一様、1時間だけですよ、それ以上は間に合わなくなりますので」
秘書は言っても無駄と悟ったのか大人しく出て行った。二人きりになった瞬間、愁一に背後から抱きしめられる。
「綾人、ベッドに座りなさい」
「はい……」
解放された瞬間、俺は言われるままスーツのジャケットを脱ぎ、キングサイズのベッドの端に座った。
「んっ」
そのままシーツの上に押し倒され、何度も唇を啄まれる。カチャカチャとベルトを外されたと思いきや一気にズボンまで下げられる。
「あ……!」
下着越しで熱を持っている半身をきつく握られ、変な声が出る。その間もキスしていた唇はシャツのボタンも外して胸を舐った。
「しゅ、いちさん……!?」
「仕事場でこんなことを……我慢できなかったんだろう、私もだよ……」
「んぅっ……」
ネクタイはきっちり締められたままワイシャツがはだけた状態が妙に変な気分にさせられた。
「もうこんなになって……」
じわりと先走りが零れた先端をグチュグチュと指先で扱かれ、そこに唇があてられる。
「あ、ああっ!」
人の職場で、しかもこんな場所で!
止めないといけないのに、与えられる快楽に抗えない。
糸を引いた愁一の唇はそのまま綾人をひっくり返して蕾を舐め始めた。熱い舌が閉じられた入口をこじ開ける。
「あ、ああ、ああっ……!」
泣いても喚いても愁一は解放してくれず、散々優しく蕾をほぐされた所にローションをつけた指が蹂躙してきた。その間に萎えかけた肉棒を片手でゆるゆると断続的に刺激され、結局いつまでもイきたいのにイけない快感の波に溺れたまま約束の一時間が経過した。
結局、スーツを脱ぐこともなく一糸乱れぬ状態の愁一に2回もイかされた。
与えられた刺激が強すぎて身動きが取れなくなった綾人は社長室のベッドの中で会議に向かった愁一の帰りをただ待つことになった。
こんなつもりじゃなかったのに……。
後に秘書の滝川さんから、「愁一様が生き生きするのであれば、これから毎日奉仕して欲しい」ととんでもないお願いをされたが、躰が持ちませんと速攻お断りを入れることになった。
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