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第一部 久住家にようこそ
高貴な猫と変態さん
しおりを挟むキッチンに向かう途中で鼻歌を歌い珍しくかなりご機嫌の瑛太とすれ違った。
「あれ、瑛太さん。食事ですか?」
「ううん。綾人にこれあげる」
手の平に乗せられたものは3cmくらいのベンガル猫のクリップのようなものだった。マーブルの尻尾がふわふわと動いているのが可愛い。
そう、見た目だけは可愛い。
可愛いんだけど、文房具ではない。
俺にこれを渡してきたのは誰だ? これは、瑛太さんから貰ったもの。絶対に危険な香りがする。野生の勘がそう告げた。
「何ですかこれ……」
「何だと思う~?」
新作だよ、と語尾にハートマークでもついていそうなくらい嬉しそうに微笑む瑛太さんが非常に怖い。
って、ことはこの可愛いベンガル猫のクリップは、まさか玩具!?
いや、見た目だけだったら全然可愛いんですけど、でも一体何に使うんだこれ。
「ふふっ。色々想像してるね綾人……試してみる?」
「いや、結構です。今から夕飯の支度──って、何脱がしてるんですかっ!! おれは料理を──んんっ」
器用な瑛太は俺にキスをしながらベルトをするりと外し、ズボンと下着を一気に下げてきた。
抵抗した手は片手で易々と押さえつけられ、さらに着ているニットも胸の上まで捲られ、露わになった乳首に優しいキスが落とされる。
「ふ、っ……あ」
シンクに背中を預ける格好となり膝がガクガク震えて力が抜けそうになるのを慌てて耐える。
「はっ……あ」
「綾人はどこを触っても柔らかくて気持ちいい。この白い肌にベンガルちゃんは映えるかな?」
とろとろになりかけていた脳が近づいて来た小さなベンガル猫を見て少しだけ現実に戻された。
尖った乳首に金色のクリップ部分が噛みついた瞬間、綾人の視界が赤く光った。
「って、痛えええええ!!!」
「あ、やっぱり? じゃあ1にしようか」
何事もなかったように瑛太は遠隔操作のスイッチをカチカチ押している。
1でも2でも変わらない。って、何だこれ。やっぱりただの文房具じゃないのかっ!!
そうだよな、瑛太さんが俺に笑顔で文房具おすすめしてくる方がありえない光景で笑えない。
「これ、クランプって言ってココ攻めるのに使うんだけど、猫の絵が可愛いでしょう?」
「い、痛い……で、す……」
弱い電動刺激を与えられているせいで躰の芯が疼くような変な感じはずっと続いている。下半身にぐっと膝を入れられ、それだけで躰が熱くなった。
「んー。綾人はムードが悪いと何をしても痛いのか。一回外してあげる」
「あっ!」
クランプに噛みつかれた乳首はまだヒリヒリと痛んだ。
「もう一回やり直し」
「んぅっ……」
角度を変えて何度もキスを落とされる。少し身じろぐと首筋や耳の裏までぺろりと舐められた。変態プレイさえ無ければ、瑛太さんのキスは甘くてすぐに蕩けそうになる。愁一さんとまた違うトワレの香りも重なり下半身が疼いた。
「え、……たさ……」
潤んだ眸で瑛太を見上げると王子様の微笑みを向けられ、再び乳首にベンガル猫をつけられていた。
「さっきよりイイ?」
「あ、わ……わかん…ない…で、す」
大体乳首を玩具で、攻められたことなんてないんだからそんな感想を求められても困る。
もしかして、俺に玩具を使うのは初心者の感想を求めているからなのか!?
「あ、……い、たい……」
「クランプでも気持ちよくなるくらいいじってあげる」
「ひぁっ!」
もう一度猫を外されて赤くなったそこに瑛太の舌がゆっくりと這う。吐息を吹きかけられて全身がゾクリと粟立った。
「あ……ヒリヒリ……する……う、あっ!」
舌先で尖った先端を転がされ軽く吸い上げられると下の方も熱を孕んでいく。
むき出しの半身をゆるゆるとしごかれ、先走りの液を乳首の周りにぬるりとつけられる。
それを綾人の味、と言いつつぺろりと舐め、さらに舌なめずりする瑛太さんのエロい表情にぞくっとした。
「乳首いじられるだけで綾人をイけるようにしたかったんだけど……俺もまだまだかな」
「なに、言って……ああっ!!」
ぬるぬるした乳首に再び高貴な猫をつけられる。ふわふわの尻尾が躰をさらりと撫で、小さな電流を流される。
「あ……もぅ……変──」
揺れる猫の甘い刺激によって綾人は小さく躰を震わせていた。まさか玩具に悪戯されてここまでなるなんて。
軽く弄られていた肉棒から白濁した液が飛び散り、瑛太のズボンを濡らした。
「ご、ごめ……なさ、い」
肩で息を整えていると瑛太がよくできましたと額にキスを落としてきた。
「俺の作った玩具で綾人がこんなに感じてくれるのが嬉しい。──俺も、限界だから」
「こ、ここで!?」
せめて部屋に連れて行って欲しい。キッチンで、しかも少し離れたところに専属シェフのいるというのに。
あの人達は決して久住兄弟の行為に一切干渉しないとは言え、他人に見られたくはない。
部屋で続きをして欲しいと哀願して何とか運んでもらえたものの、その代わりに、とペルシャ猫とは違うクランプを試され、幹の先端にもあやしいリングが嵌められて散々泣かされる羽目となった。
機嫌のいい瑛太さんに近づくのはやめよう。そう心に誓う綾人であった。
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