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ラカトリア学園 高等部

138 ダンジョンを攻略した先にある後悔 1

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 それからというもの、その階層にいる全ての魔物を排除するかのように、魔物を倒して行った。
 数は多いが、索敵を阻害される程多くはない。前のダンジョンに比べるとここの魔物は絶対数が少ないのだろうか?

「あれから何日経ったんだろうな? 今は多分八階層ぐらいだったと思うけど……スォークランみたいなことはないよな?」

 ここまで来たというのに、また戻るのも考えたくはない。
 とはいえ、レイスがいたせいなのか、ここでの戦闘も悪くない。
 上級のアンデッドはどれ程のものかと思っていたけど、俺にとってはただの経験値に過ぎない。

「そして……俺は父上から直々に行けと言われた。だから何日経とうとも、俺が怒られるということはありえない」

 俺にとって家族から怒られる心配がないということは、まさに思うがままということだ。
 二人のことだから、きっと俺がこんな所で死ぬなんて思ってもいないはず。
 魔力の制御ができなくなった時は焦りもしたが、今はそんなことも無くあそこまで追い込まなければ色々と実験もできる。

「さぁて……何から始めていこうか?」

 俺の最終目的は決まっている。
 ラスボスを倒すにも、ミーアたちの強さを考えれば、一緒に戦うことはかなり厳しい。
 ゲームだから出来たこと、現実だから出来ないこと。

 だから、できることをもっと知るためにもやれることはやっておくべきだ。
 楽しい楽しい狩りの始まりだ……。

 そんなバカみたいなテンションだったが……三日も過ぎれば、ある程度冷静にもなってきていた。

「つーか、何処まで続くんだ? もう十二階層だぞ?」

 ここに来て多分四日ほど経っている。時計なんか持っていないし、寝たい時に寝ているため、時間の感覚はいつもながらおかしくなる。
 太陽もなく、腹ごしらえはちょいちょいしている。

 時間の感覚は無くなっていき、ただひたすら魔物を倒す日々。
 気にするのは、収納に入っている残りの食料だけだ。
 そして、更に四日。多分寝た回数的に……本当に四回寝たんだっけという、記憶すらかなり曖昧になっていた。

 十四階層までやって来ていた。それでも、ここが何階層かなのはちゃんと分かる。
 ここまで奥へ来ると、魔物は当然のように強く、風球による連撃ですら中には耐える奴も現れてくる。
 しかし、これ以上斬撃回数を増やしても、一発打つのも二発打つのもあまり変わらないので、進行の妨げにはならない。

「それにしても、六連撃を耐えるのか……だとしたら、この辺りなら稼ぎ場として良いのだろうけど、あまり時間も掛けていられないからな。今更だけど父上達は上手くいったのだろうか?」

 ここに来るまでにかなりの時間が経っている。
 これは多分であり、もしもを考えることすら想像したくない。今はまだ八月で、九月になっていないことを祈るしか無いよな……。

 俺は父上からここに行けと言われたが……ミーアたちには九月には帰ると約束していることを思い出していた。
 あんなことさえ言わなければ、素敵なダンジョンライフを過ごせていたというのに、何でこんな事になっているんだ?

「うーん……やっぱり少し惜しいよな」

 十五階層へ来ると、何もないただの一本道になっていて魔物の反応がなく、レイスの再来を気にしつつ警戒をしながらゆっくりと奥へ進んでいく。

 そして、辿り着いた先には大きな扉が待ち構えていた。

 その扉に手を置く、これまでの体験して来たことが頭の中を駆け巡り、本当にこれで良いのか? と、誰かが話しかけてきた気がした。

 俊敏な動きと多彩な攻撃を繰り出す、ゾンビ系と骨系が合わさったかのようなアンデッドロード。
 バンパイアより下位種だけど、このダンジョンで唯一俺の風魔法に耐えられた、吸血種のノスフェラトゥ。
 数多くの闇魔法や、アンデッドの召喚魔法を使う。ゲームでは経験値稼ぎにもなった、リッチ。
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