まさか俺が異世界転生ものの主人公になるなんて!

越路遼介

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第11話 我が生涯に一片の悔いなし!

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「教えろ。あれから何があった?」
 と、カール。
 すでに遮音の魔法をかけてあるので盗み聞きは出来ない。カナとユイは気になり聞き耳を立てているが聞こえない。

「俺はあの時、ラオコーンに敗れた」
「なら、何で退却した?グランシアは目前だったじゃないか」
「だいぶ数は減らしたし、敗れたとはいえ、それなりにラオコーンを追い詰めた。退却したのは俺に敬意を払って、と本人が言っていた」
「本人?お前ラオコーンと話したのか…?」

「お前に斬られる覚悟で言おう。俺はつい最近まで魔王軍に属していた。従わねばグランシアを落とすと言われてな…。ま、本気でそんなことをする気はなかったんだろうが…」
「…………」
「魔王軍がここテインズ大陸に攻めてきたのは単純な理由だった。元はテインズ大陸に棲み処をもっていた亜人や獣人たち、数多の種族が人間の数の暴力に屈して追われ海に逃げ、命からがら西の大陸ノエルに着き、魔王が治める国ベルグランドに身を寄せた。棲み処を追われた種族たちはずっと人間への復讐の機会を伺い、そして攻めてきた」
「じゃ何か?大昔の人間がやったことを怨んで、いまを生きる者たちを殺戮したというのか!?」
「人間にとっては大昔の話だ。しかし彼らは直接体験している者たちばかりだ。長命種だからな。彼らにとっては昨日の話なんだよ」
「…………」

「俺は魔王軍に捕らえられたまま、種馬として毎日魔王軍の女たちを抱いていたよ。そして治癒師としてもな」
「種馬…。そうか、彼らは繁殖力が人間より劣る。武勇絶倫で魔力豊富のお前の子種がどうしても欲しかったということか」
「そうこうしているうち情が芽生えた女もいるし、生まれた子は可愛いとも思った。しかし、その女たちと同じ時間は生きられない。同じ人間の伴侶が欲しい。家庭を築きたいと思い、ラオコーンに暇乞いし、今に至る」
「すさまじい人生だな。たとえ一時とはいえ魔王軍にいた者を許すわけにはいかないが…グランシアを質に取られていたのでは仕方あるまい」

「そういうお前は、いい王様になれたか?」
「いや、まだまだだな。見ろよ、難民キャンプ…。魔王軍の攻撃から唯一逃れたテインズ大陸最大国家だと云うのに、彼らをロクに助けてやることも出来ない。魔王軍の退却から結構経つのに、いまだテント暮らし。何とかしてやりたいが…ままならぬことばかりでな」
「自分一人で全部背負いこむな。お前の悪い癖だ」
「お前が言うな。なあ、レンヤ…」
「ん?」

「人を育ててほしい」
「…………」

「魔王軍を打倒する旅の時に計画しただろう。次世代の引継ぎを。それは何も魔王との戦いに限ったことじゃない。国づくりもそうだ」
「カール…」
「子の代でも無理かもしれない。あの難民たちがグランシアの民として幸せに生きていくことは。だが孫の代ならば…。そのためにお前のチカラが必要なんだ」
「…人を育てるか…」

「それと…」
「ん?」
「エレノア…。ちゃんと責任取れ。彼女、お前がシチュー食べに来たの知っていたぞ」
「え…っ?」
「嫁の数、二人も三人も同じだろ。子供生ませておいて知らん顔は俺の治世では許されんぞ」
「分かった…。ありがとうカール」

「で、返事は?」
「そんな面白そうな仕事を断るわけがないだろう」
「ふふ、レンヤの像の横に、シュウの像が建てられるかもな」
「それはやめてくれ」

 シュウは決めた。元々この人生はオマケのようなものと思っていた。
 女運はなかったが消防士として堂々と生きた前世は悔いていない。
 そして現世、一時とはいえハーレムも持ち、あらゆる種族の美女を堪能できた。
 再びグランシアに戻り、伴侶を得て、親友より男子一生の仕事を任された。
 こんな幸せでいいのか、と思う。
 いや、いけない。己が幸せを世の人に分けねばならない。それがシュウ、一生の仕事だ。
 まず、その初めの一歩、途中だった難民キャンプの患者たちの治療再開だ。
 手を振るカナとユイの向こう、シュウを待つ人々がいる。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「あんな像を建てなければ、俺はレンヤとして、この町でやり直せたのに」
 冒険者ギルドの一角、以前のような窓口ではなく心地よい日差しが差す片隅にシュウとエルザはいた。窓の向こうに『義勇の士レンヤ』の像が見える。
「そう言ってやるな。お前の武功にはそれくらいでしか報えないと言っていたし、何よりあの当時は国民たちに英雄が必要だった」

 日本の歴史で言えば『爆弾三勇士』のようなものかとシュウは思う。
 1932年、第一次上海事変で敵陣鉄条網に対して三人の兵士が爆弾筒を持って突撃して自爆、味方の攻撃の突破口を開いた英雄とされた。
 死んだ英雄ほど為政者にとって都合のいいものはない。カールは親友レンヤにすまないと思いつつも家臣と民衆をまとめるためレンヤを英雄として称えたのだ。

「レンヤのゴールドカードは返納する。改めてシュウの登録を願う」
「分かった。まあ、今後お前にとってギルドは王室との繋ぎと銀行として利用するくらいかね」
「たまには臨時治療院とかやるよ。ほら、これ」
「湿布かい?シュウの処方する湿布は効くから助かるよ」

「完全に腰痛を治すことはできるんだが、一人にでもそれをやると話が広まり整骨やマッサージを生業にしている者が仕事を失う。すまないな」
「それでいいんだよ。心地よい痛みというのもある。もう戦の世じゃないし、ヒトには病の苦しみとケガの痛みというのは必要なもんだよ。即、命にかかわるものでない限り、そうチカラを使うもんじゃないさ」
「ありがとう、エルザ」
「ん?ほら、私のようなおばさんじゃない、可愛い子が迎えに来てくれたよ」
「ああ、それじゃ」

 ギルドの入り口にエレノアが立っていた。彼女はシュウがシチューを食べに来た時点でレンヤだと分かっていた。姿形は変わっても肌を合わせた女には通じないということか。ギルドを出て町の中を歩く。

「エレノア、まずは詫びる…。生きていたのに、俺は戻ってこなかった」
「もう、いいのよ。グランシアの一人の民として魔王軍を退けてくれたこと、それ以上に感謝することなんてないもの…。国王陛下やギルドも私たち親子によくしてくれたから生活にも困らなかったし、この子もこんなに丈夫に育った。ほらジムサ、お父さんよ」
「そうか…。俺の子か」
 さっきからエレノアの後ろに隠れていた幼少の男子。シュウは腰を落としてジムサを見つめた。

「ごめんな、今まで放っておいて」
「…………」
「これからずっと一緒だ。いっぱいジムサのお父さんをさせてくれ」
「……うん」
「正直、ホッとしたのも確かよ。貴方が死んでいたら、本気でこの子を剣士として育てるつもりだった。お父さんの仇を取れ、ってね」
「そんな思いをさせずによかった」
 シュウはジムサを抱き上げた。ジムサは戸惑いつつ、その後は笑顔となった。
「カナとユイとも話したわ。私は第三夫人として…貴方の伴侶となる」
「ありがとう…。俺は幸せ者だよ」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

…時が流れた。

 シュウは診療所の傍ら、私塾を開いた。寮を設け、難民や孤児たちを積極的に受け入れ教育を施した。この私塾から後々、グランシア王国を支えていく人材が育っていった。

 こんな逸話が残っている。建築業界のドンとして君臨するバーンズという男がいた。怖い者なし、匠聖とも称される腕前に加えて、何百人もの職人を率いて魔王軍に滅ぼされた国々の復興に尽力した人物。
 そのバーンズが唯一頭の上がらないのが、彼自身が師父と呼ぶ男。

 完成した街並み、下水道などを見に来た師父に腰を低く案内していく様をバーンズの下で働く職人たちは驚くばかり。そして師父が『いい仕事をしたなバーンズ』と言うと、バーンズは子供のように泣いて喜んだという。バーンズの出自は難民で、かつ孤児でもあった。飢え死に寸前のところを拾われ、そして厳しくも優しく養育した人物。彼が敬愛し尊敬する、その師父こそがシュウである。

 多くの英傑を育て、師父と呼ばれた男シュウ、彼は生涯王室に仕えず平民のままだった。長男ジムサは現在宰相となり、カールの後を継いだグランシア九世を支えている。

 カナの生んだアイカは歌舞の道に進み、ユイの生んだミューズもアイカと同じ歌舞の道に。
 どうしてそうなったか?
 シュウはやってしまった。悪目立ちするから、令和日本のオーパーツは持ち込まないでおこうと思いながら、この男はこの世界に『アイドル』を持ってきてしまった。

 生まれた愛娘たちを溺愛し、ついうっかり『アイドルにしたい』と言ったのが始まりだった。
 そろそろ年頃になろうというアイカとミューズは『アイドルとは何ぞや』と訊ね、父からそれを聞くや、やってみたいという話になった。

 そうなると、もうシュウは止まらない。前世のアプリゲーム『アイドル☆DREAM!!』の課金兵であった彼、音楽と服飾のスキルも全開放、娘たちに楽曲ときらびやかなステージ衣装も作り、エレノアの生んだ三女ナディアも加わって、グランシア王国で瞬く間に大人気三姉妹トリオとなった。

 娘のしていることとはいえ、豪華絢爛なステージ衣装を着て舞台に立ち、大観衆の前で歌って踊るさまを見てカナとユイは羨ましくてならず舞台袖で満足げにいる夫に『どうして私たちが若いころアイドルにしてくれなかったのよ!』と激怒したという話が残っている。無論エレノアもチクチク嫌味を言ったそうな。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 そして彼も老いた。現在76歳となっている。
 今朝、起きて自分が今日か明日召されるということを悟り、すでに宰相から引退し、シュウの私塾、現在『俊英館』の校長になっていた長男のジムサ、城下町でアイドル商会の会頭になっていた次女のミューズを呼んだ。
 シュウの屋敷は、海が見える小さな庵だった。そこへ

「父さん」
「お父さん」
「おお、忙しい時に呼んですまぬな…」
 縁側に座り海を静かに見つめつつシュウは言った。
「今朝起きた時に分かった。儂は遠からず召されよう…」
「…………」
「お父さん…!」

 ジムサは沈黙、そしてミューズは涙を溢れさせた。アイドルにしてくれた大好きな父、商会立ち上げの時も色々とチカラになってくれた。
「カール…。カナ、ユイ、エレノアも召され、長女のアイカ、三女のナディアも逝った…。もう俗世に未練は無い」
「お父さん…。ぐしゅっ」
「この庵で儂の世話を焼いてくれたメイドのドリス、どこかで雇ってやってほしい。まだ子供が小さいのでな」
「承知しました」
 ジムサが短く答えた。
「儂は死出の旅に出る。霊峰ベロニカを見つめながら召されたいのよ。供はいらぬ」
「「…………」」
 こう言ったら父は聞かないことを分かっているジムサとミューズ、父の背中に深々と頭を下げて庵から出ていった。


 言葉通り、シュウは旅に出た。といってもグランシアから老爺の足で歩いても二日間くらいの旅路だ。
 それは始まりの地、立川廉也がレンヤとして降り立った草原、朝日に映える霊峰ベロニカの美しいことといったら。その向こうには海もある。何と贅沢な光景か。

 冷える。老爺には堪えるだろう。しかし、さすが元は武人、何事も無いように腰を下ろして、ずっとベロニカと海を見つめていた。雪が降ってきた。それでもシュウは動かず座ったままだった。体に雪が積もっていく。そして

「美しいですよね。冠雪したベロニカ、白い平原、そして海…」
 ついに待ち人が来た。
「ええ、素晴らしい…」
「久しぶりですね。レンヤ…いやシュウさん」
「会いたかったよ、死神さん」
「いい人生を生きましたね」
「ええ、我ながらそう思います」

 シュウは上着を脱ぎ、用意していた清水で首を洗った。
「さ、ひと思いにこの首を刎ねて下さい」
「…………」
「ああ、女神様にお会いしたらお礼を言っておいてくれますか。豚まん3つで、こんな素晴らしい世界に連れてきて下されたこと、心より感謝いたしますと」

「それはいいですが…シュウさん、死神を騙せるもんじゃありませんよ?」
「…………」
「変化の魔法、解いちゃいますからね」
 死神が大鎌を一振りすると、シュウの姿が霧に包まれた。
「…………」

 霧が晴れると、そこには十七歳くらいの少年、魔王軍と戦った当時のレンヤがいた。
「…ダメですか。年寄りのふりしていれば首を刎ねてもらえるかもと思っていたんですがね。所詮はヒトの浅知恵ですか」
 そう、レンヤは伴侶と子供たちの加齢と見合うよう変化の魔法を応用して、自分を老爺と示していただけだった。改めて上着を着なおした。

「そうなりますねぇ…。普通に生きている人の魂は持っていけません」
「もう十分に生きたからいいと思ったんですよ。それに…人間の精神力は元々長命に耐えられるよう出来てはいないと思います。死ねないというのも、またつらいものです」
「分かりますねぇ、アタシもムダに長生きしていますから」

「死神さん、こうなった理由分かります?それとも最初から俺は不老不死か何かで?」
「いえ、不死ではないですよ。重い病にかかれば死ぬし、致命傷を負えば死にます。運が良ければ長生きできるという点ではヒトと変わりません。ただ、貴方は若い時期がすごーく長くなります。運が良ければ、あと五百年は生きるかと」
「はあ?どうして!」
「言っておきますが、アタシはもちろん、アフロディーテ様も貴方の寿命に対して、何の作為もしていません。これは本当です。貴方が五百年の余命を得たのは、貴方自身の行動によるものです」
「おっ、俺自身の行動って…そんな覚えは」

「……シュウさぁん、アンタってばマーメイド何人抱きました?」
「……へ?」
「だから、マーメイドですよ」
「ええと…母親、娘、孫と三世代に渡り、俺が種付けしたので…はは、分かんないや」

 シュウは魔王ラオコーンやマーメイドたちとの約束を守り、最初に生ませた子供たちが年頃になったころ転移で魔王の国ベルグランドに赴き、実の娘、さらに後年には孫娘たちとも交わり種を与えている。これはこの世界、全く不道徳なことではなく、むしろ母親、娘、孫から望まれる。まさに所変わればである。

「アタシも数までは知りませんがね。その時にマーメイドと口づけしたり、そしてご自慢の逸物から彼女たちの膣に溢れる分泌液も吸収しているわけです。しかも大量に。貴方の前世でもあるでしょ、人魚の肉を食べて…」
「……!やっ、八百比丘尼伝説!?」
「そうです。それが御身に起きたと思えばよろしいかと」
 なに、サラッととんでもないことを言っているのかと思う。八百比丘尼伝説と異なるのは、長命の妙薬が人魚の肉ではなく、人魚の唾液と膣分泌液だということか。一人や二人ではない大量の。

「バカな…!そんなことが人間に知れ渡ればマーメイドの乱獲が起きるじゃないですか!」
「無理です。人間がどんなに強くなろうとマーメイドの入江は魔王領内。陸路は無論、空からも海からも辿り着けません」
「そ、そうか、それもそうですね…」
 死神の言うとおりである。この話は人間の耳に入ることはなくマーメイドの乱獲は今後も発生しない。

「しかし、あと五百年も生きるのか…。女房たち、あの世で寂しがるな」
「そうでもないかと。亭主元気で留守がいいと言うではないですか」
「かもしれません。苦労を掛けたから…。とにかく、死ねないのならあきらめます。俺はテインズ大陸、魔王の国があるノエル大陸以外の国々に行ってみます。人生、また振り出しから始めてみようかと」

「では運が良ければ五百年後にまたお会いしましょう」
「どんだけ生きるんですか、死神は」
「はははは」
 死神はそう笑って虚空に消えたのだった。
「…我が生涯に一片の悔いなし…。これは当分先になりそうだな」
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