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悪役令嬢のお家でした
しおりを挟む馬車から降りた私の第一声
うぅ…馬車ってめちゃくちゃお尻が痛い…
最初は外の景色を楽しんでいたんだけど、まさか3時間もかかるとは…
痛むお尻を堪えて、クロムハート家の門を叩く
叔母さん家も広かったが更に大きなお屋敷だ
「すみませーん」
ノックを3回して待つ
「これはこれはウェルスニード様でしたか」
「ひゃっ!?」
いきなり背後から声をかけられた
今全く気配感じなかったけどどっから現れたこの人!?
「あぁ、申し訳ございません
庭師のものに怪しいものがドアを叩いていると言われたので見にきたのですが、どうやら勘違いだったようです」
あ、怪しいものって私じゃない!?
前髪と眼鏡で顔を隠してるからかな…
まぁ自分の容姿は諦めてるからいいとして、この白髪でダンディな雰囲気と優しそうな風貌の男性はクロムハート家の執事長、セバスチャンさん
叔母さん家にわざわざ来てくれて面接して採用してくれた人だ
「荷物は私が運びますよ」
スッと手元からトランクを奪られる
さすが執事長さん!こういう紳士な対応をサラッとできちゃう所素敵です!!
「あ、ありがとうございます!!」
セバスチャンさんに案内されてついて行く
「ここがウェルスニード様の下宿先になります」
おぉ…!
7畳くらいの広さだけどトイレやバスも別々だし、ベッドも1人なら丁度いいサイズだ
前世では妹ラブだったから実家から出ようなんて思わなかったけど、一人暮らしちょっと憧れてたんだよね
あぁ、早くベッドにダイブしたい!!
けどセバスチャンさんがいるのでなんとかウズウズする身体を抑える
「ふふっ…ではウェルスニード様が担当するお嬢様の元にお連れしますね」
「あ、はい」
今笑われた?まさか思考を読まれた??
そんなわけないよね…
私はセバスチャンさんに案内されて奥の豪華な扉の前に進んだ
コンコン
「失礼します」
「なぁに?セバスチャン、私今忙しいんだけど…」
「お嬢様に新たにお仕えする侍女を連れて参りました」
「あぁ…」
先に入ったセバスチャンさんとなんだか気怠そうなお嬢様の会話が聞こえる
「ウェルスニード入ってきなさい」
「はい、失礼します!」
セバスチャンさんに呼ばれ私は礼をして入る
お嬢様は侍女に髪を結ってもらっている為後ろを向いている
あ、挨拶しなきゃ!
「おお初にお目にかかります!
この度お嬢様にお仕えすることになりました、子爵家のマナ・ウェルスニードと申します」
淑女の礼をとり頭を下げる、お嬢様があげていいというまで顔はあげられない
「顔をあげてよくてよ」
お嬢様から了承を得て顔を上げたら目を見開いた
「なぁに?この地味な子…まぁ私の美しさの引き立て役にはなりそうね」
こ、この嫌味たっぷりの物言いとゴージャスな金髪の縦巻きロールお嬢様…小説の挿絵にあった悪役令嬢のヴィヴィアンヌ・クロムハート様にそっくり
てかクロムハート家って本人じゃありません!?
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