路地裏生活をしていた私ですが、実は騎士様の実の娘でした

上野佐栁

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第二章

アリス強制帰還中編

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 「今度こそ、その息の根止めて、俺様の食事となれ!」

 「私は負けない。もう躊躇ったりなんてしない」

 「アリスハート!」

 「だから、メリヤスもケルベロスも早く死んで?」

 「私がここまで、アリスを追い詰めたの?」

 「メリヤス何か言ったか?」

 「なんでもないわ。早くこの戦いを決着つけましょうって言ったのよ」

 「そうか」

 「お前たちの運命も今ここで終わらせる」

 「言ってくれるじゃな......」

 ブッシュー

 「えっ?」

 速かった。頬が切れた。何あの速さ。昔のアリスハートよりもずっと速く強い。

 「よくも私の体に傷を!」

 「言ったでしょ⁇お前たちの運命もここで終わると?もう忘れちゃったの?」

 イライラ

 「私はだって、赤き同盟団のリーダー。ここで負ければプライドがズタボロよ!」

 「あっそう」

 「本当に変わったわね」

 「俺様の前にひれ伏せばいい」

 「そう簡単には思い通りにはならないから」

 私たちは同時に飛び出しがむしゃらに戦った。

 その頃騎士団たちは

 「ほんとにこの時計台の下か?」

 「はい。下からアリスさんの魔力を感じます」

 「じゃあ行くしかねぇな」

 「魔物いるかなぁ?いたら持ち帰りたい」

 「誰だよ。このクソを連れて来たのは⁇」

 「あ、あれ?夏の団長はお呼びではないってこと?」

 「そうだ」

 「もうっ!私はお茶目な夏の団長様だよ。行かなちゃ損だよ」

 「もう突っ込むのに疲れた」

 「エルビスが諦めた⁉︎」

 ゴゴゴゴッ

 「開きました」

 みんながあれこれ言っている間にステファニーが仕掛けを解き、スペアが勝手に飛び出してしまったのだ。

 「あれ?スペアは?」

 「開いたのと同時に中に入ってしまいました。すみません」

 「いや、いい」

 「俺らも行くぞ」

 「誰も死ぬなよ!」

 「了解‼︎」

 ポタッ

 「な、なんなのよ?なんなのよ⁉︎アリスハートは⁉︎」

 なんで倒れない?なんで気を失わない?あれだけの怪我ならもう悲鳴をあげてもいいのに何も言わない。

 「まさか、痛みを感じないの?」
  
 そこまで追い詰めたの?アリスを追い詰めたかったんじゃない。

 「ただ、私は自分の幸せのために......」

 ブスッ

 「うわあああああ⁉︎」

 メリヤスの肩に深く剣が食い込む。

 「この牙で首元喰らって殺してやる!」
  
 ケルベロスがそう言いながら体当たりをして私は倒れ込む。

 そして、またもやケルベロスが間髪入れずに突っ込んできた。

 「シールド」

 「ぐっ!」

 「ケルベロス。貴様は私が殺す」

 「はぁはぁ、この片目の悪魔!」

 アリス。アリス!アリス‼︎

 「俺を置いてまたどこかに行きやがって......」

 前にも置いてかれた時は本当に悲しかった。自分はまだまだ弱いから置いてかれたんだって思った。だから強くなろうって決心した。

 「俺は強くなったんだ。だからもう置いていくなよ」
  
 ガシッ

 「離せ!」

 「た、たす......けて」

 「お前らを助ける義理はない」

 「お、おね、がい......あの、片目の、悪魔を、ころ......」

 「事切れたか」

 死んだ人間にどうこう言うつもりはない。だが、せめて安らかに眠るといい。

 「あんたはどっちの味方だ?」

 そう言いながら背の高い女性が出て来た。もちろん赤い目の人間だ。

 「あーしは賢い選択をする人の味方。だから赤き同盟団を裏切ろうが関係ない」

 「お前は誰だ?」

 「あーし?あーしは赤き同盟団の幹部、ファークトだ。まぁ、赤き同盟団にはいつか見切りをつけなければって思っていてね」

 「それで俺に何の用だ⁇」

 「あの子の......片目の悪魔と呼ばれた子の所に行きたい⁇」

 「アリスのことか?」

 「へぇー、あの子はアリスって言うんだ。でもあの様子だと長くは持ちそうにないね」

 「どういう意味だ?」

 「言葉通りだよ。あんな大怪我で戦っている方が不思議だよ。痛みを感じないのか?」

 「アリスはどこだ!」

 「この下の右の突き当たりだよ。それに行けば少なくてもメリヤスやケルベロスには会える。どうするかはあんた次第。あーしはここで見物させてもらうよ」

 「感謝する」
  
 「はい。はーい」

 数分前

 「う、うわあ‼︎」

 「死んでる?」

 「ウヒョーイ‼︎魔物のを持ち帰るぞ!」

 「誰かあの変人を止めろ!」

 「あんたはまじで、人の心と痛みを学ぶべきだ!」

 「エルビスが復活した!」

 「いいから団長を抑えろよ‼︎」

 「あんたら呑気だね?それでよく騎士団やれたもんだ」

 「誰だ!」

 「あーしのことわかる?」

 「えっ?元春の騎士団長ファークト.マグッチ⁉︎」

 「そうだよ。大きくなったなぁ?モンゴル」

 「何でお前がここに?」

 「あーしは賢い選択をした結果が今さ」

 「裏切ってたのか!」

 「あーあー、あーしは自由に選ぶ権利がある。それは皆も同じ」

 「じゃあなぜ、今更出て来られたんだ‼︎」

 「アリスって子を助けたいんでしょ?」

 「な、なぜそのことを?」

 「さっきも血相変えて走る少年を見たからね」

 「スペアか」

 「早く行かないと誰も助けられないしあの子死んじゃうよ?」

 「は......」

 「あと持って数分ぐらいかなぁ?」

 そう冷たく言い放つ元春の騎士団長なのであった。
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