死亡確定の敵キャラに転生したので全力で回避します

栗原由梨 リーリエ.クロムラム二人の過去リーリエ編

　死にたくない。リリアと戦いたくない。バッドエンド回避できるならやりたい。でも私にはそんな力はない。わかってる。わかってたはずなのにどうかで期待をしていた。叶うはずのない未来を見据えて頑張り続けて来た。
　「それがなんの意味もないただの妄想で自分を追い込むだけだってわかってたのはずなのに......」
　「リーリエ‼︎リーリエ気付いて！私達はリーリエの側に居る。貴方が言うバッドエンドを私が変える。だから私達の元へ帰って来てよ。リーリエ‼︎」
　「......」
　バンッ
　「何?銃声?」
　「気を付けろ。何が起きるかわからない」
　「はぁはぁ......全然的に当たらない。これじゃリリアを守れない」
　「リーリエ......」
　バンッブス
　「あ、当たった⁉︎やったー」
　「すごい。あんなに外してたのに一発当てた」
　「......リリアを守れるぐらい強くなる。そうすればこのバッドエンドを回避できるよね?リリア」
　「......」
　「居たぞ！」
　「絶対に逃すな！」
　「あーもう！なんで毎回追いかけられなければならないの⁉︎」
　ダダダッ
　「殺せ！」
　「くっ......」
　駄目。攻撃をしたらこの人達を傷付けることになる。それだけは......。
　ぐらっ
　「あ......」
　やばい。意識が飛ぶ。駄目。お願いやめて⁉︎誰も殺したくないの‼︎
　「な、なんだ?」
　「いきなり動きが止まった?」
　「諦めたのか?」
　「うふふ。うふふふふふふ」
　「何あれ?気持ち悪い」
　バンバンバンバン
　「あがっ⁉︎」
　「こいつ！」
　数分後
　「......」
　「なんて......力だ。俺達じゃか、敵わない」
　ドサッ
　「......」
　「リーリエにこんな過去があったなんて......」
　「いきなりどうしてあんな攻撃的に......」
　「それはリーリエがシルクロード様の意志を反したんだろ?だから意識が飛んで精神支配の状態になった」
　「......」
　「リーリエは悪くない。悪いのはシルクロードだけ」
　「......そうかもな」
　「あのデイモンが認めた⁉︎」
　「うるせ」
　「お前本当にリーリエが好きなんだな?」
　「う、うるせよ」
　「リーリエは渡さないわ。特に貴方なんかに渡すもんですか‼︎」
　「り、リリア⁇なにデイモン相手にムキになってるんだ⁇」
　「おい。それどう言う意味だ?俺は男として見られてないのか?」
　「多分......」
　「全員で言うことないだろがよ⁉︎」
　「リーリエなの?」
　「......リリア」
　「あの時、私はリリアに会いたくなかった」
　「......」
　リーリエの中では姉はいらないの?そうなっているの?だとしたら心が押し潰されそうになる。
　「シルクロードを倒して汚れた私じゃなくて綺麗な私でリリアと出会いたかった。リリアに迷惑かけたくなかった」
　「......リーリエ」
　「もう帰ってよ」
　「リーリエ⁉︎」
　「もう十分私の過去を見たでしょ⁇だから帰って」
　「リーリエ。私の話を聞いて‼︎」
　「......」
　「私はリーリエのことを何も考えてなかった。リーリエがどんな過去を持っていても私はリーリエを信じるよ」
　「今更......今更そんなこと言われたってもう私じゃないのに......なのになんで?そんなに私を求めるの?私を探すの?私なんて所詮この世界の異物なんだから‼︎」
　「違うよ。リーリエは異物なんかじゃない‼︎私の妹だよ。たとえ栗原由梨だとしても。私は妹のリーリエを......今のリーリエ.クロムラムを見てるの！」
　「......リリア」
　「一緒に貴方のバッドエンドを死を回避しよう。今度は皆んなと一緒に‼︎」
　「リリア。私は......」
　「はい。そこまで」
　そう手を鳴らす不思議な少女が立っていた。
　「ねぇ、リリア。貴方の覚悟ってその程度のものなの?そんな覚悟でリーリエを守れると思っているの?死ぬ覚悟すら持ってないリリアなんかにリーリエは守れない」
　そう冷たく笑う不思議な少女の顔だけが見えなかった。