死亡確定の敵キャラに転生したので全力で回避します

上野佐栁

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リリアとリーリエ二人の共鳴

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 「死ぬ覚悟?」
 「そうだよ。少なても私は持っているわ。今のリーリエも死ぬ覚悟でリリアを助けようとしているの」
 「......」
 何も言えない。たとえこの世界を一度リセットしても自分の命と引き換えにしていない。ただ自分のことを守りたかっただけなの?あの時の罪を消したかっただけなんだ。
 ギュゥ
 「リーリエ⁇」
 「リリアは死ぬ覚悟もあるよ」
 「何を言っているの?貴方も知っているでしょ⁇所詮この人達は自分が一番大事」
 「......」
 「私達の目的はシルクロードを倒すこと。その願いを叶えるために此処までやって来たの。今更やめるなんて許されないから」
 「貴方は一体誰なの?」
 「今更そんなこと言うの?」
 「なんで貴方の顔だけが見えないの?どうして⁇」
 「そ、それは......」
 「......もしかして怖いの?リーリエに顔を見られるのが怖いの?」
 ギクッ
 「そん......なわけないでしょ‼︎」
 「図星だな」
 「そうだな」
 「お前は何がしたいのかは大体わかった。だが、俺達を......今のリーリエを巻き込むな‼︎」
 「ぐっ!貴方に何がわかるの?ずっと苦しい思いをして此処まで来たの。なのにいきなりやって来てもう大丈夫。貴方は救われるなんて言われて信じると思う?」
 「確かに信じられない」
 「だったら!」
 「だが、こんなことをするお前の考えも理解できない」
 「......っ」 
 「そう。此処はリーリエの想いや願いの空間。現実は何もできなくても此処ではなんでも叶う世界。だからそこより辛くなるのよ」
 「き、キーラ⁉︎」
 「お前死んだはずじゃ......」
 「えぇ。死んだわよ」
 「じ、じゃあなんで此処に?」
 「私は死ぬ前にリーリエに魔法をかけたの」
 「魔法?」
 「そうよ。正確にはシルクロードの精神支配の魔法陣を消し去るつもりだったのだけど......あの時の私の力じゃ足りなかったの。あの時に私の魔力がリーリエの中に入り今此処に居るのよ。だからもっと言えば私はキーラじゃないわ。キーラの魔力の結晶体ね」
 「そんなことが起きるなんて......」
 「世界には知らない事がたくさんあるんだな?」
 「皆んな急いで。リーリエを救いたいなら今すぐにこの扉を開きなさい。じゃないとリーリエは戻って来ないわ」
 「今此処に居るリーリエは?」
 「此処に居るリーリエはただの空想。本物はこの扉の向こうよ」
 「い、行こう!リーリエの元に!」
 「ああ!」
 「もちろんだ」
 「俺達ならあいつを救えるぜ」
 ダダダダダダッバーン
 「リーリエ‼︎」
 「顔が真っ黒だ」
 「あれが本体?」
 「悲しい気持ちが溢れてくる」
 「......」
 「私、リーリエと共鳴する。今度こそリーリエを連れ戻す」
 「そうはさせな......うっ‼︎」
 バーン
 「此処は俺達に任せてリリアはリーリエのところに行け!」
 「ぶちかませ‼︎」
 「リーリエを連れ戻さないならお前らを殺してやる!」
 「脅しかよ⁇」
 「ああ、そうだな!」
 「必ずリーリエと一緒に戻るから!だからそれまで足止めよろしく」
 「邪魔をするなああああああ‼︎」
 今行くから。
 「死ぬ覚悟すら持ってない貴方なんかにリーリエは守れない」
 「......」
 そう思うよ。でもやっぱり私はリーリエを......私にとってかけがえのない大切な可愛い妹を諦めることができない‼︎
 「たとえリーリエが諦めても私は......ううん。私達は絶対に諦めたりしない‼︎リーリエを連れ戻すの。私達にはリーリエが必要だから」
 お願い。この気持ち届いて。
 「リーリエ共鳴‼︎」
 「......」
 「帰っておいで。私達の元に!」
 「うぅっ......うゔぅ!」
 「......リーリエ」
 「お姉ちゃん⁇」
 「おいで。私と一緒に此処から出よう?」
 「無理だよ。此処から出たらまた怖い事や苦しいことがたくさん待ってるもん。だから此処から出ない」
 「......」
 「自分の居場所が無くなるものいや。独りぼっちはもっといや!寂しいことも苦しいことも全部もう嫌なの」
 「私本当にリーリエのこと何も知らなかったんだ」
 「しょうがないよ。五年間しか一緒に居なかったんだもん。リリアは悪くない。悪いのはわた......」
 「そんなこと言わないで⁉︎」
 「リリア⁇」
 「どんなに辛い過去があってもリーリエはリーリエなんだよ。たとえ貴方が栗原由梨だとしても!私は私の妹を大切に想う気持ちだけはわからない。だから一緒に帰ろう。お家に帰って今まで離れ離れになっていた時の話をしよう」
 「......」
 「どんな話でも聞くよ。だって私は貴方のリーリエのお姉ちゃんなんだから」
 ピキッ
 「......」
 この音はキーラが最後に使った魔法と同じ音。やっとわかった。この音はあの魔法陣が壊れてる音なんだ。
 「私が皆んなの輪に入ってもいいの?」
 「もちろんだよ。否定する奴はお姉ちゃんが叩いてあげる」
 「クスッ!それは駄目だよ」
 「さぁ帰ろう」
 「うん。帰ろう」
 バキッ......バキバキバキ......パキーン
 「......」
 「此処って元の場所⁇」
 「戻って来たのか?」
 「リリアとリーリエは⁉︎」
 「......リリアありがとう」
 「私の方そこ貴方を救わせてくれてありがとう。リーリエ」
 「......リーリエ」
 「......リリア」
 「共鳴」
 「うふふ」
 「あはは」
 「リーリエが元に戻ってる?」
 「や、やったのか?」
 「どうして⁇どうして貴方もそっちに行っちゃうの?独りぼっちはいやだよ」
 
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