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最終決戦その2

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 どうして⁇どうしてこうなったんだろ?なんで私だけが生き残ったの?なんで皆んなが本来生きているはずの皆んなが死ななければならないの?たった一度の小さなミスが死を招く。
 数時間前
 ドーン
 「バリア?」
 「シルクロードの魔法か!」
 「あのバリアを破らない限りシルクロードは倒せない」
 「リーリエ!」
 「うん。リリア」
 「何人がかりでもこの俺を倒すことは不可能だ」
 「そうかなぁ?これならどう!」
 「ロケットランチャー⁉︎」
 「お前......そんなものまで作れるのか。世界を破滅させるなよ?」
 「するか!」
 「それは駄目‼︎」
 「え......」
 今の声は誰?
 「リーリエ‼︎」
 「どっせー!」
 バーン 
 「ぐふふ。こんな脆いおもちゃなどに負けるものか」
 「バリアが邪魔......」
 どうしたらいいの⁇数を打ち込めば倒せる?壊れるの?バリアは物理攻撃に強い。だったら......。
 ぱっちゃ
 「リーリエ⁇待って!水はシルクロードに効かなっ......」
 「愚かな娘だ」
 バーン
 「ぐっ......」
 そうだった。特殊な攻撃はシルクロードには効かない。まずい。怪我が思ったよりも深い。意識が持たない。
 「リーリエ!今すぐにこの空間から出なさい‼︎」
 「き、キーラ?いきなりなに?」
 「たった一度の小さなミスでも皆んなの命を脅かす。もう手遅れだ。私達の計画はこの時点で失敗に終わった」
 「何言っているの?失敗⁇シルクロードを倒せないの?」
 「うん。それどころか生き残るのはきっと......リーリエだけ」
 「......っ⁉︎」
 「早く目を覚ましなさい!貴方だけでも生き残ればまだやり直せるわ!」
 「何を言っているの⁇死んだら終わり。その先になにもない」
 「そうだね。貴方はまだ......禁断の魔術時間を操る力を使えない。使いこなせない。だから一度だけでいい。もう一度私と入れ替わって。もう言わないって思ってた。だけど今は緊急事態なの。文句を言っている場合じゃない」
 「ま、待って!まだ話が......」
 ゴオオオオ
 「はっ⁉︎」
 「お?起きたか?愚かで可哀想な娘だな。たったひとりだけ生き残るとはなんとも滑稽な姿だ」
 「......」
 どうして⁇どうしてこうなったんだろ?なんで私だけが生き残ったの?なんで皆んなが本来生きているはずの皆んなが死ななければならないの?たった一度の小さなミスが死を招く。
 そう思い知らされた。
 「リーリエよ。お前をまた俺の僕にしてやる。どうだ?生き残りたいだろ?」
 「私は......」
 「シルクロード様。今までのことは謝ります。お許しください......そう言えば許してやらんこともない」
 「私は......私の答えは決まっている!貴方なんかに従わない!」
 「そうか。じゃあ死ね」
 私は自分の顔を手で覆いもうひとりのリーリエと入れ替わった。
 「な、なんだ?精霊化が解けた⁇それに顔が真っ黒だ。なんなんだ一体」
 「......」
 スッ
 「なにをている?何故手を上げるんだ?」
 カチン
 「と、時計⁉︎」
 「我が名はリーリエ.クロムラム。我の声を聞き......我の声に応えよ。我はもう一度この時間をシルクロードと戦う少し前に戻してほしいと願う。その願いを聞き届けよ」
 カチカチカチ
 「タイムスリップ」
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