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シルクロードとイザベラの二人の思い出
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「はっ⁉︎此処何処?」
知らない所。花園?
「......」
「誰⁉︎」
「......」
「もしかして貴方がイザベラなの?」
コクリ
「此処は何処?」
「......」
「答えられないってこと?」
コクリ
「......」
考えろ。考えろ。この世界にも必ず出口があるはず。シルクロードとの決着がついてない。まだ終わるわけにはいかない。でも此処が結界の中だとしたら厄介だ。
「君大丈夫?」
「お前は誰だ?」
「イザベラとシルクロード......いや違う。シルク.ロンド‼︎」
「大変!怪我してる。私ちょうど絆創膏持ってるの。だから使って」
「要らない」
「君は冒険者?」
「そうだと言ったら?」
「じゃあ私も一緒に旅をしてあげる」
「は?なにを言って......」
「だって君を放置したらまた怪我をそのままにしてその辺で倒れそうなんだもん」
最初はなんだこいつって思ってた。変な奴でお節介で人のことを人一倍気にかけるお人好し。でもいつの間にかこいつに惹かれていた。そう気付いた。
「シルクに言ってなかったことがあるの」
「なんだ?」
「実は私......下級精霊なの」
「え?お前精霊だったのか?」
「うん。私は君の召喚でこっちに来た者。でもあの時は少し失敗をして君の目の前に現れなかっただけなの。だから最初から君と旅をするつもりだった。ただそれだけ」
「俺の精霊......」
「もしかして怒った?」
「いや。ただ驚きを隠せないだけだ」
「うふふ。私、イザベラはシルク.ロンドを主人と認め契約をする」
「これでお前は俺の精霊だな?」
「そうだね」
二人の記憶が流れ込んでくる。
「お前がシルクか?」
「そうだが、お前らは誰だ?」
「僕はライダー.アッシュ。このパーティーのリーダーさ」
「私はシルラ.メイリ。神の加護を受けた者。つまり信者なのです」
「あーしはクララ.ベンルー。魔法使いだ」
「どうだ。君達がこのパーティーに入ってくれれば最強となる。悪い話じゃないだろ?」
「......」
「シルク。君はどうしたい?君が選んだ道を私も信じて着いて行くよ」
「......イザベラ。わかった。お前らに着いて行く」
「決まりだな。じゃあ早速だが、この魔獣退治に行くぞ」
「おう!」
更に数年が経過した。
「お前ら!一体これはどうゆーことだよ!」
「どうゆーことってなんのことだ?」
「魔獣や魔物を売り飛ばすなんて......それでもお前らは人間か!」
「は?魔獣や魔物が居るだけで迷惑がかかるんだよ。だから売り飛ばせば多少は金になる。それがなにがいけない?」
「お前らは人の心がないのか?」
「......神がそうしろって言っているのです。私はそれに従います」
「人間じゃない奴をわざわざあーしが守る必要ねぇからな」
「お前らには失望した。明日このパーティーから抜ける。お前らにもう従うつもりも一緒に旅をするつもりもない」
「別にいいが、イザベラは置いて行けよ」
「は?イザベラは俺の精霊だ!置いて行けるわけないだろうが‼︎」
「なに言っているのですか?精霊は本来勇者になるべく人に使えるものです。貴方は勇者にはふさわしくありません。だからライダーに従ってもらいます」
「そんなことできるわけがない」
「あんたらさぁ、さっきから生意気なのよ。あーし達が言ってるの。だから黙って言うこと聞けよ」
「......嫌だ。俺はなにがなんでもイザベラを連れて行く。お前らなんかにイザベラは渡さない」
「その言葉後悔するといい」
「......」
なにこれ?冒険者が魔獣や魔物を売る?そんなの法律違反じゃない⁉︎
次の日の朝
「貴様を魔族反逆罪と精霊殺しの罪で死刑とする」
「......は?」
「可哀想に主人に殺されるなんて......せっかく超上級精霊になれたというのに......」
「待ってくれ。なんの話をいているんだ?」
「今日の早朝にイザベラが死体で発見された。目撃者によれば貴様がイザベラを殺し魔獣達を売り飛ばしていると証言も取れた」
「そんなわけがない!俺は無実だ!」
「そんなはずないだろ?目撃者が居るのだからおとなしくしていろ」
「ぐっ......」
グサッ
「は?」
「俺は悪くない!」
「んああああ⁉︎ぐああ!」
「俺は悪くない。俺はなにもしていないんだ!」
そしてシルクロードは二度とこの町に足を踏み入れることも近付くとこすらできなくなった。イザベラの葬式にも出られなくて彼は絶望した。
「お前は力が欲しくないか?」
「お前は何者だ?」
「俺様か?俺様は悪魔さぁ。魔王になればなんでも手に入る。どうだ?悪くない話だろ?お前の好き勝手にできるんだ。この怒りを世界に人間共に思い知らせろ!」
「シルク!」
「......イザベラ」
「どうする?」
「俺は契約する。この世界にも俺の怒りを知らしめる」
「......」
「イザベラのために復讐を違う」
「私のためなんかじゃない。こんなの私は望んでない」
その場で崩れ落ちるイザベラをただ黙って見つめることしかできなかった。
知らない所。花園?
「......」
「誰⁉︎」
「......」
「もしかして貴方がイザベラなの?」
コクリ
「此処は何処?」
「......」
「答えられないってこと?」
コクリ
「......」
考えろ。考えろ。この世界にも必ず出口があるはず。シルクロードとの決着がついてない。まだ終わるわけにはいかない。でも此処が結界の中だとしたら厄介だ。
「君大丈夫?」
「お前は誰だ?」
「イザベラとシルクロード......いや違う。シルク.ロンド‼︎」
「大変!怪我してる。私ちょうど絆創膏持ってるの。だから使って」
「要らない」
「君は冒険者?」
「そうだと言ったら?」
「じゃあ私も一緒に旅をしてあげる」
「は?なにを言って......」
「だって君を放置したらまた怪我をそのままにしてその辺で倒れそうなんだもん」
最初はなんだこいつって思ってた。変な奴でお節介で人のことを人一倍気にかけるお人好し。でもいつの間にかこいつに惹かれていた。そう気付いた。
「シルクに言ってなかったことがあるの」
「なんだ?」
「実は私......下級精霊なの」
「え?お前精霊だったのか?」
「うん。私は君の召喚でこっちに来た者。でもあの時は少し失敗をして君の目の前に現れなかっただけなの。だから最初から君と旅をするつもりだった。ただそれだけ」
「俺の精霊......」
「もしかして怒った?」
「いや。ただ驚きを隠せないだけだ」
「うふふ。私、イザベラはシルク.ロンドを主人と認め契約をする」
「これでお前は俺の精霊だな?」
「そうだね」
二人の記憶が流れ込んでくる。
「お前がシルクか?」
「そうだが、お前らは誰だ?」
「僕はライダー.アッシュ。このパーティーのリーダーさ」
「私はシルラ.メイリ。神の加護を受けた者。つまり信者なのです」
「あーしはクララ.ベンルー。魔法使いだ」
「どうだ。君達がこのパーティーに入ってくれれば最強となる。悪い話じゃないだろ?」
「......」
「シルク。君はどうしたい?君が選んだ道を私も信じて着いて行くよ」
「......イザベラ。わかった。お前らに着いて行く」
「決まりだな。じゃあ早速だが、この魔獣退治に行くぞ」
「おう!」
更に数年が経過した。
「お前ら!一体これはどうゆーことだよ!」
「どうゆーことってなんのことだ?」
「魔獣や魔物を売り飛ばすなんて......それでもお前らは人間か!」
「は?魔獣や魔物が居るだけで迷惑がかかるんだよ。だから売り飛ばせば多少は金になる。それがなにがいけない?」
「お前らは人の心がないのか?」
「......神がそうしろって言っているのです。私はそれに従います」
「人間じゃない奴をわざわざあーしが守る必要ねぇからな」
「お前らには失望した。明日このパーティーから抜ける。お前らにもう従うつもりも一緒に旅をするつもりもない」
「別にいいが、イザベラは置いて行けよ」
「は?イザベラは俺の精霊だ!置いて行けるわけないだろうが‼︎」
「なに言っているのですか?精霊は本来勇者になるべく人に使えるものです。貴方は勇者にはふさわしくありません。だからライダーに従ってもらいます」
「そんなことできるわけがない」
「あんたらさぁ、さっきから生意気なのよ。あーし達が言ってるの。だから黙って言うこと聞けよ」
「......嫌だ。俺はなにがなんでもイザベラを連れて行く。お前らなんかにイザベラは渡さない」
「その言葉後悔するといい」
「......」
なにこれ?冒険者が魔獣や魔物を売る?そんなの法律違反じゃない⁉︎
次の日の朝
「貴様を魔族反逆罪と精霊殺しの罪で死刑とする」
「......は?」
「可哀想に主人に殺されるなんて......せっかく超上級精霊になれたというのに......」
「待ってくれ。なんの話をいているんだ?」
「今日の早朝にイザベラが死体で発見された。目撃者によれば貴様がイザベラを殺し魔獣達を売り飛ばしていると証言も取れた」
「そんなわけがない!俺は無実だ!」
「そんなはずないだろ?目撃者が居るのだからおとなしくしていろ」
「ぐっ......」
グサッ
「は?」
「俺は悪くない!」
「んああああ⁉︎ぐああ!」
「俺は悪くない。俺はなにもしていないんだ!」
そしてシルクロードは二度とこの町に足を踏み入れることも近付くとこすらできなくなった。イザベラの葬式にも出られなくて彼は絶望した。
「お前は力が欲しくないか?」
「お前は何者だ?」
「俺様か?俺様は悪魔さぁ。魔王になればなんでも手に入る。どうだ?悪くない話だろ?お前の好き勝手にできるんだ。この怒りを世界に人間共に思い知らせろ!」
「シルク!」
「......イザベラ」
「どうする?」
「俺は契約する。この世界にも俺の怒りを知らしめる」
「......」
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「私のためなんかじゃない。こんなの私は望んでない」
その場で崩れ落ちるイザベラをただ黙って見つめることしかできなかった。
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