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婚約
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第四王子こと、ポット様が私に求婚をして、二ヶ月後
「お義父様。娘さんを僕にください」
「……」
父は考え込むように少し間を置いて一言。
「クリスタが十歳になる頃にお前が立派な王子としての政務を果たせるのならやる」
「えっ……」
それってつまり、私はただの仕事の人脈でしかないってこと?最低じゃん!
そう思っても今は何も言えない。ポット様に監禁をされようなら事態が起きたら逃げ出せる自信がない。だから今はおとなしく。おとなしくだね。
「いいでしょう。一年で皇帝の座を勝ち取ってあげます」
「……」
いいの⁉︎言ってはいけないけど、あの皇帝が簡単に皇帝の座を明け渡すとは思えない!
「いいだろう。もし無理ならキッパリと諦めろ」
父の顔は冷たいが、どこか安心したような顔になっていた。
その日の夜
「はぁー」
なんでいつも私が巻き込まれるの?一度死んだから?
「ポット様も何を考えているの?」
「呼んだ?」
「……」
「ん?クリスタ⁇どうしー……」
目の前にポット様⁇何で?それよりも今私の服って寝巻きだよね?そんな姿を見られたら……。
「ぎゃあああああああああ‼︎」
ドドドドバーン
「クリスタ⁉︎」
「お、お母様!へ、部屋に第四王子様が!」
「へっ?えっ⁉︎な、なぜあなたがここにいるのですか?」
「婚約者に会いに来て悪いですか?」
「い、いえ。悪くはないのですが、女性の寝室に勝手に入るのは酷いと思います」
さすがは母!あのポット様に堂々とした振る舞い!最高だよ‼︎
「ではないが問題なのです?」
当の本人はわかってない。
「それは……夫婦ならともかく、まだ恋仲の関係で子作りはどうかと思いますわ」
「は、はあ⁉︎」
子作り⁉︎私がこいつと‼︎ない!ありえないから‼︎
「まだお早いことだと思うので私は止めます」
「いやいやいや!私の実年齢忘れているの?四歳だよ!四歳‼︎なのにもう妊娠とかありえない!」
その言葉は誰にも届かない。
「クリスタは僕のお嫁さんですよ?だから子作りをして何か問題でも?」
まだ嫁でもなければ恋仲になるって承諾した覚えないんですが‼︎
「大有りです。私の娘はまだ幼いです。そんな子に母になれと言うのは酷な話です。あの子もまだまだ甘えたい年頃なんですよ?」
「そ、それは……」
少し怯むポット様。
い、今しかチャンスはない。
「お母様‼︎私、お母様は私のこと捨てちゃうの?」
「えっ!」
うるうる
「そんな訳ないじゃない!あなたのことを一番大切で愛しているのよ?」
「お父様や他のお兄様たちよりも?」
そう。実は私には四人の兄がいるのです。今まで言ってこなかった理由⁇そんなの四人のうち三人がクズだから!
一番上の兄、金で物を言わせ多くの女性を乱暴又は妊娠をさせてきたクズ中のクズ!
次に二番目の兄は横柄な性格で同年代の貴族を下に見まくり、人のお金を自分に使わせる最低なスクールニート!
四番目の兄はイタズラ大好きっ子。それだけならまだいいけど、(いやよくないけどね!)イタズラで何人もの生徒を病人送りにした問題児の中問題児!
唯一まともなのは三番目の兄だけ。彼は穏やかで優しく、周囲の人を気遣える人なんだけど、気遣えすぎてよく騙される。
「えぇ!他の子供たちももちろん愛しているわ。でも今はあなたが一番大切よ。だから夜の営みはやめなさい」
「は、はーい」
四歳の子供になんてこと言うんだ!私がおかしいの?私が変なの?やっぱり私の価値観だけがおかしくなっていくの?ねぇ!
「はぁー。今日のところは帰るけど、クリスタ逃げたらどうなるかわかるよね?」
めっちゃ冷たい目でこっちを見てる!
「も、もちろんですよ」
今の私の顔ってどうなってるかなぁ?絶対に顔真っ青だ。でも笑え!とりあえず笑え!閉じ込められたくないから笑うのよ‼︎
私の平和は遠いのかもしれない。
コツッ
「ひっさしぶりに帰ったな。俺が帰って来たらクリスタも喜ぶだろうな!」
これから起きる不運にまだ私は気づかない。
「お義父様。娘さんを僕にください」
「……」
父は考え込むように少し間を置いて一言。
「クリスタが十歳になる頃にお前が立派な王子としての政務を果たせるのならやる」
「えっ……」
それってつまり、私はただの仕事の人脈でしかないってこと?最低じゃん!
そう思っても今は何も言えない。ポット様に監禁をされようなら事態が起きたら逃げ出せる自信がない。だから今はおとなしく。おとなしくだね。
「いいでしょう。一年で皇帝の座を勝ち取ってあげます」
「……」
いいの⁉︎言ってはいけないけど、あの皇帝が簡単に皇帝の座を明け渡すとは思えない!
「いいだろう。もし無理ならキッパリと諦めろ」
父の顔は冷たいが、どこか安心したような顔になっていた。
その日の夜
「はぁー」
なんでいつも私が巻き込まれるの?一度死んだから?
「ポット様も何を考えているの?」
「呼んだ?」
「……」
「ん?クリスタ⁇どうしー……」
目の前にポット様⁇何で?それよりも今私の服って寝巻きだよね?そんな姿を見られたら……。
「ぎゃあああああああああ‼︎」
ドドドドバーン
「クリスタ⁉︎」
「お、お母様!へ、部屋に第四王子様が!」
「へっ?えっ⁉︎な、なぜあなたがここにいるのですか?」
「婚約者に会いに来て悪いですか?」
「い、いえ。悪くはないのですが、女性の寝室に勝手に入るのは酷いと思います」
さすがは母!あのポット様に堂々とした振る舞い!最高だよ‼︎
「ではないが問題なのです?」
当の本人はわかってない。
「それは……夫婦ならともかく、まだ恋仲の関係で子作りはどうかと思いますわ」
「は、はあ⁉︎」
子作り⁉︎私がこいつと‼︎ない!ありえないから‼︎
「まだお早いことだと思うので私は止めます」
「いやいやいや!私の実年齢忘れているの?四歳だよ!四歳‼︎なのにもう妊娠とかありえない!」
その言葉は誰にも届かない。
「クリスタは僕のお嫁さんですよ?だから子作りをして何か問題でも?」
まだ嫁でもなければ恋仲になるって承諾した覚えないんですが‼︎
「大有りです。私の娘はまだ幼いです。そんな子に母になれと言うのは酷な話です。あの子もまだまだ甘えたい年頃なんですよ?」
「そ、それは……」
少し怯むポット様。
い、今しかチャンスはない。
「お母様‼︎私、お母様は私のこと捨てちゃうの?」
「えっ!」
うるうる
「そんな訳ないじゃない!あなたのことを一番大切で愛しているのよ?」
「お父様や他のお兄様たちよりも?」
そう。実は私には四人の兄がいるのです。今まで言ってこなかった理由⁇そんなの四人のうち三人がクズだから!
一番上の兄、金で物を言わせ多くの女性を乱暴又は妊娠をさせてきたクズ中のクズ!
次に二番目の兄は横柄な性格で同年代の貴族を下に見まくり、人のお金を自分に使わせる最低なスクールニート!
四番目の兄はイタズラ大好きっ子。それだけならまだいいけど、(いやよくないけどね!)イタズラで何人もの生徒を病人送りにした問題児の中問題児!
唯一まともなのは三番目の兄だけ。彼は穏やかで優しく、周囲の人を気遣える人なんだけど、気遣えすぎてよく騙される。
「えぇ!他の子供たちももちろん愛しているわ。でも今はあなたが一番大切よ。だから夜の営みはやめなさい」
「は、はーい」
四歳の子供になんてこと言うんだ!私がおかしいの?私が変なの?やっぱり私の価値観だけがおかしくなっていくの?ねぇ!
「はぁー。今日のところは帰るけど、クリスタ逃げたらどうなるかわかるよね?」
めっちゃ冷たい目でこっちを見てる!
「も、もちろんですよ」
今の私の顔ってどうなってるかなぁ?絶対に顔真っ青だ。でも笑え!とりあえず笑え!閉じ込められたくないから笑うのよ‼︎
私の平和は遠いのかもしれない。
コツッ
「ひっさしぶりに帰ったな。俺が帰って来たらクリスタも喜ぶだろうな!」
これから起きる不運にまだ私は気づかない。
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