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37.イケメンは鬼畜でした ※
しおりを挟む「わぁああああっ、ちょっと待て待て待て!!
無理無理無理無理ぃいいいい!!」
トイレだろうがなんだろうが、自分の貞操のためなら俺は叫ぶぞ!!
ていうかチャイムの音を聞き逃しているだけで、次の授業なんて絶対始まってんだろっ
なら構うもんか!
「早まるな悠! 俺のケツには、そんな愉快な機能なんがついてねーよ!」
どこの自動ドアの話をしてんだよ、コイツは!
とにかく必死だ。
無理って言ってんだから、潔く諦めてくれっ!!
「つーか、お前のチンコは絶対女性向けだろ! 男の俺に、そんな凶器を受け入れさせようとすんなっ。ケツが裂けるわ!!」
「心配しなくてもいい。無理なように見えても、Ωのそこはちゃんと丈夫に出来ているんだよ、アキ」
挿れる側が、それを言ってんじゃねぇよ!
受け入れるのは俺なんだぞ!!
「だから無理だって言ってんだろうがっ。ちゃんと俺の話を聞けよっ! そもそも俺は、Ωなんかじゃねぇって!」
「それを調べる為にも、一度中に挿れさせてくれ。Ωの器官はかなり奥にあるせいで、指だと届かない可能性がある」
「どアホがっ! 一度で俺のケツは流血沙汰だよ!! とにかく無理なもんは無理っ!」
悠が切羽詰まった状態なのは分かるけど、必死すぎだろ。
なんだよその理由。
だからと言って、俺は断固反対の姿勢は崩さねーぞ!
絶対無理だし! 嫌ったら嫌だ!!
確かにΩならギリギリ大丈夫なのかもしれないよ。
だがな、俺の身体のことは俺が一番良く分かってんだ。
さっき二度も達したおかげで、身体が徐々にβ寄りに戻ってきている。
まだフェロモンは効いているけど、だんだん薄まってきている感覚はあるし。
明日辺りは、悠の香りがまた分からなくなってそう。
それくらい今の俺のバースは不安定に揺れている最中なんだよ。
だから流血沙汰も怖いけど、悠のちんこを中に受け入れるのも、もの凄く危険な気がしてならない。
なんかさ、今受け入れると、一気にバースがΩ寄りになっちゃいそうじゃねぇ?
それでなくてもめっちゃ項も噛まれているし。
それに、こんな濃いフェロモンの中にずっといるのも、あまり良くない傾向だと思うんだよ。
ていうか俺、フェロモンらしきものを身体から出してるんだっけ?
もうそれだけでかなりマズイじゃん!
俺のβとしてのバースが、風前の灯火に晒されているのなら、もうこれは最後まで『断る』一択しか無ぇ!
「つーか、こんな所で犯ろうとすんなよ馬鹿! オレのΩだって言うなら、もっと俺のことを大事にしてくれよ!」
こんな所で流血沙汰なんて御免だ、と思って叫んだら、悠がハッとしたように動きを止めた。
え? 止まったの?
あれ? 今の言葉のどこに、思い留まる要素なんてあったんだろ?
いや、正気に戻ってくるんなら、何だっていいんだけどさ。
悠が俺の言葉に今頃気づいたように、周りを見渡してため息を吐いている。
「……確かにここは場所が酷いな。悪かった。匂いに当てられて、ちょっと自我を失っていたようだ」
あれでちょっとかよ!と怒鳴りたくなったけど。
落ち着け俺っ。これ以上悠を刺激するのは良くない。
広い心。広い心。
「……いーよ。俺としては思い留まってくれるんなら何でもいいし。えっと、あとはこの体勢を何とかしてくんない? 足広げられてて、すげー恥ずかしいんだけど」
壁に背中を預けているとはいえ、ずっと片足立ちをしているようなもんだから、地味にきついんだよこの体勢。
今の悠ならすぐにでも、右足を下ろしてくれるものとばかり思っていたのに、いつまで経っても下ろしてもらえない。
あれ? 俺の声、聞こえてない?
「悠?」
「……ごめん」
小さな声で謝ってきたかと思ったら突然、恐怖で縮んでいた俺のクララと自分の凶悪ペニスを、悠が一緒に握り込んできた。
「ちょ…っ、何してんのお前!?」
「ごめん。さすがにアキのフェロモンにあてられ過ぎてて、このままだと治まりそうにない」
言われて下を見ると……
あぁ、うん。なんか凄いね、それ。
確かに一度抜かないと、そこまで行ったら鎮まんないのも分かる。
分かるけど。
「だからって、挿れんのは無理だってさっきから──」
「挿れないよ。だから代わりにアキで抜かせてくれ」
切羽詰まったように俺を見つめた悠が、そのまま俺のクララにぶつけるように自分のペニスを押し付けてきた。
──うわ、マジかっ。
一緒にちんこ、擦り合わされてんだけど!
ギョッとしながらも、悠の行為から目が離せなくなってしまった。
ちんこ同士を擦り合わせるなんて、キモッ!とか思っていたけど。
(あ…あれ? けっこう気持ちいい……?)
悠の親指が自分の鈴口から溢れ出した先走りを、俺と自分の亀頭に伸ばすように塗りつけている。
ぬるぬるになった亀頭同士が擦れ合うのって、すげー気持ちいいんだな。
敏感な亀頭周辺を濡らし終えると、今度は全体を扱かれる。
悠の凶悪ペニスと一緒にもみくちゃにされながら、俺のクララもどんどん悠の先走りによって濡らされていった。
悠の手に煽られて、俺のクララが再び硬くなってくる。
「うわ…っ、あ、ぁ、やばっ、これやばっ!」
「は…っ、気持ちいい?」
「ん、あっ、はぁ、は…っ、ん…、ぃいっ」
やはりちんこは大正義だったらしい。
さっきはクララに触りもしないでイッてしまったけれど、どうせイクならやっぱりちんこでイキたい。
慣れ親しんだ気持ち良さが一番だと痛感した。
興が乗ってきた俺は悠の首に縋り付くと、指の動きに合わせるように、自ら腰を揺らし始める。
理性はこの際捨てる。
あんなもん、邪魔邪魔!
どうせイクまで止まらないなら、俺は恥なんてもんは捨ててやる!
さっきは痛い思いだってしたんだから、悠の指くらいオナホ代わりに使ったっていいだろ、って気分になってきた。
ぐちゅりとした水音が、絶えず性器から聞こえてくる。
お互いの性器を擦り合わせていると、何だかおかしな気分に襲われる。
悠の首に縋り付きながら、お互いの体温と呼吸を感じながら動いていると、悠と本当にセックスをしているみたいだ。
擦りつけている腰が、快感に痺れてくる。
ぬるついて滑りが良くなってきたせいで、悠と俺の動きが早くなってきた。
内ももがピクンピクンと痙攣する。
(やばい……。限界が近いかも……)
腰がぶるりと震えるけど、悠より先にイキたくない。
変なプライドに突き動かされて、イクのを必死に堪える。
イキそうな俺に気がついたのか、悠が俺の敏感な裏筋を自分の張り出したモノで、ゴリゴリと擦りあげてきた。
一気に射精感が強まる。
(くそっ、この野郎!!)
可愛くないことをしてくるじゃねーか。
腹いせに、悠の肩にガブリと噛み付いてやる。
「……んっ」
悠が小さく呻く。
その声が色っぽくて、思わず噛んでいた肩から悠に視線を向けてしまった。
だって何か可愛い声だったし。
ちょっとドキッとしたんだけど。
「煽るな、アキ」
熱に浮かされたような瞳で一度俺の事を睨んだ後、悠が屈むように俺の胸に顔を寄せてきた。
何をするつもりだ?と思ったら、そのままチュッと胸に吸い付かれる。
「んんん……っ!」
熱い咥内で乳首を舐め溶かすようにしゃぶられて、腰が抜けそうになった。
ガクガクと快感に揺れる俺の身体に追い打ちをかけるように、悠が俺のクララを扱きあげてくる。
「あ、あん、あっ、んん──~っ!!」
悠の舌と指に翻弄される。
どこもかしこも気持ちが良くて堪らない!
扱き上げながら、ダラダラと先走りをこぼす俺の鈴口をこじ開けるように、悠の親指が動く。
ヌルリと移動するその感触に、身体が戦慄いた。
わけが分からないまま、快感が身体を貫くように襲いかかってきた瞬間。
「は……っ、あぁあああああんん──~っ!!」
腰を浮かすような勢いで、射精する。
押さえつけられていた鈴口の隙間から、勢い良く精子が飛び出した。
「あ、あ、あ、悠っ、やだ!…やだぁあっ!」
腰ががくんがくんと大きく飛び跳ねるほどのオーガズムに耐えている最中なのに、悠が胸の突起を舐めるのを止めてくれない。
イッた余韻で過敏になった乳首を舐められるのは、快感が強すぎるせいで逆に辛い。
下半身は快感に震えているけど、上半身は地獄だ。
もうやだっ、鬼かよコイツ!!
「いっぱい出して……可愛いな、アキ」
乳首から顔を離した悠が、顔にかかった精子を指にとって舐めている。
「……甘い」と呟きながら、そのまま俺にキスをしてきた。
(バ…ッ、精子舐めた舌で、キスなんかしてくんじゃねぇよ!!)
苦情を言いたいのに、俺の声は悠の口の中に消えてしまう。
(この野郎……! )
今日改めて思ったけど、悠は淡白そうに見えて、なかなかのねちっこさを誇っている。
そしてかなりの鬼畜王子だ!
キスも止めてほしいけど、イッたばかりの敏感なクララを擦ってくんのも止めてほしい。
悠がイッていないのは分かっているけど、俺まで一緒に擦られるとなんか……。
なんか、おしっこがしたいような気がする……。
まさか悠に向けておしっこは出来ないとばかりに、俺は必死に耐えた。
下ろしてもらった足で、両足を突っ張るようにしながら堪える。
耐えているってのに、この鬼畜王子はまたもや悪さをしかけてくるから始末が悪い。
──もういい、お前はさっさとイッてくれよ!
くそぅ。
口を塞がれているせいで抗議が出来ない。
それをいい事に、悠が再び俺の後ろの穴に指を突っ込んできている。
「…んんぐぅ…っ……ん─っ、んーっ」
さっき俺が出した精子をローション代わりに使っているのか、スムーズに指が抜き差しされている。
けどマジ、ホント止めて!
擦られるちんこはおしっこが漏れそうだし、後ろは強制排泄させられているみたいで、すごく気持ちが悪い。
本気の本気で俺は泣くぞ!!
「んぶぶっ……んう゛ぅ、う゛~~っ」
と泣き声のような情けない声を上げていたら、突然身体がビクリと跳ねた。
「──んんっ!?
ん゛─────~~~っっ」
勝手に身体がビクビクする。
ゾワゾワする感覚とともに、さっきまでおしっこがしたくて堪らなかったクララが、勢いを取り戻してきた。
(うぇええええ、何だこれっ!?)
鳥肌が立つような刺激に、慌てて悠の唇から口を離す。
「悠っ!それっ、そこ触んな! まじ止めろって…!」
「ここ? 気持ちいいの? ……コリコリしてるけど」
「ヒィ…ッ! い…っ、あぅうう……んンッ」
うあっ、なんか甲高い声出た!
それを聞いた悠が、ますます腰と指の速度を上げてくる。
アホ! バカ! ヤリチン!
俺は止めろって言ってんだよっ!!
悠に対する罵詈雑言が頭を飛び交ってはいても、実際の俺の口からは喘ぎ声しか出てこない。
くそっ、くそっ、くそぉおおお!!
静かなトイレ内にぐちゃぐちゃ、ぬちゅぬちゅと淫らな水音と、俺の喘ぎ声だけが響いている。
思わず耳を塞ぎたくなった。
気持なんて良くねーのに、意志に反して身体がどんどん勝手に昂ぶっていく。
途中からお尻付近がキツくなったような気がするけど。
おい、お前……指を増やしてないよな?
「あ…っ、あああ、んん…っ ああぅっ」
──あぁ、ダメだ。思考が散乱する……。
気持ち悪いけど、気持ちいい。
悠の指が抜き差しされるたびに、無意識に中にいる指を締めつけてしまう。
ちんこが辛いと言わんばかりにふるるっと震えだした。
──ああ、もう、出したくて堪らない……っ
「…あ…あっ…あっ、ゆぅう…っ…も、ヤダって、ぇ…っ」
「……イキそう? いいよ。一緒にいこうアキ」
艶っぽい顔で笑いながら悠が深く口付けてきた。
そのまま後ろと前を激しく責め立てられる。
腰がビクビクと痙攣し始めた。つま先が勝手に丸まってくる。
──あっ、ダメだ! そんなにしたら…!
も……イクッ!!
達する瞬間にクララに何か柔らかいものが被さった気がしたけれど、それどころじゃなかった。
身がよじれるほどの快感に背中が仰け反る。
ビクビクビクと勝手に痙攣する後孔が、悠の指をぎゅーぎゅーと締め付けて、その刺激でまた達したような気がする。
上がった快感がなかなか下に下がらずに、俺は口をはくはくさせながら痙攣を繰り返していた。
やっと鎮まってきた頃には、俺は息も絶え絶えになり、倒れそうなほど疲弊していた。
「はぁっ、はぁっ…はぁ…っ」
「………はぁ、アキ…。アキ…っ」
悠も玉の汗を体中に流しながら、俺の顔や髪に愛しげにキスをしている。
あぁもう、息が苦しすぎる。
ちょっと触らないでもらいたい。
そんな余韻はいらねーんだよ。
息をするのに邪魔邪魔。
それに今触ってこられると、快感の名残で身体がまた震えだしそうなんだって。
出来れば俺のことは放っておいてくれ!
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