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Cランクになろう
3-6 行方不明
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ギルドに戻り、ルシアさんに達成報告をしに行こう。
「ルシアさん、クエストの制作物です」
「おかえりなさい! すぐに確認いたしますね」
俺の渡した成果物を確認する中で、魔石だけ微妙な反応をもらう。
一応成果物として提出はできるレベルだが、昨日より質が明らかに落ちたからだ。
理由を知ったからには少し申し訳なくなる。
「そ、そういえばそろそろドラカは戻ってきましたか?」
俺は話題を変えてみた。
と思ったのだが、ルシアさんの表情はますます曇った。
「それが……まだ何も音沙汰がなくて」
「え…?」
「クエストでもないのに2日間ギルドに来ないのは初めてで、私も心配していたんです。嫌な予感もしますし……」
数多くの冒険者を見送ってきたルシアさんがこう言うのであれば、もしかして俺が思っている以上にドラカが危ないのかもしれない。
「……行方不明ってことですか?」
恐る恐るたずねると、ルシアさんはこくりと頷いた。
ルシアさんに何も連絡が無いのならオオカミの駆除が完了したとも、ドラゴン討伐に行ったわけでもないということだ。
どこをほっつき歩いてるんだと思っていたが、もしかして強襲にでもあって命が危なかったり、最悪は……。
そこまで考えて俺は想像をやめる。
仮にもSランクだぞ。
俺なんかよりずっと強いはずだ。
絶対大丈夫だ。
「……俺、様子を見てきます」
「え!? 危ないですよ、救助隊を派遣しますから!」
ルシアさんは必死に止めてくるが、ドラカがいないと俺も困るしまず安全なことを俺自身の目で確かめたい。
「もし俺が戻らなかったら救助隊を派遣してください」
「だ、ダメですよ! 今呼びます!」
「そんなことしたらプライドの高いドラカは恥ずかしくてギルドに顔を出せなくなっちゃいますよ」
俺が冗談混じりに笑って言うと、ルシアさんはぐっと躊躇う。
「大丈夫です。行ってきます」
「ロイズさん!」
ルシアさんの制止の声を聞きながら、俺はギルドを出た。
真っ直ぐ王都から出る馬車に乗り、アルテナの森に急ぐ。
1時間ほどかけて森の入口に着いた。
「よし、待ってろドラカ!」
意気込んでずんずん森を歩いていく。
サクサク歩いて母ウサギの墓を建てた地点まで来たが、ここまで人がいた痕跡すらない。
「おーい、ドラカー!」
叫んでも返事は無い。
更に奥へと進んでいく。
以前オオカミを見かけた場所まで来たが、まだ気配すら感じられない。
「おーい! ……どこ行ったんだ」
アルテナの森は割と広い。
全部探していたら明日になってしまう。
まだオオカミが残っているかもしれない以上、暗くなる前には帰らないといけない。
しばらく歩いていると、小さな湖のほとりを見つけた。
ここがあるということは、随分深くまで歩いてきたな。
「ドラカー、いるかー」
念の為水の中も見てみるが、澄んだ美しい水があるだけで何も無い。
ふと木陰に何か物体を見つける。
オオカミか?
いや、もっと小さい。
俺は包丁を取りだし、ゆっくり近づく。
「これは……」
物体は人の荷物だった。
このポーチは見覚えがあるぞ。
「……ドラカのものだ」
やっと手掛かりを見つけた。
しかし何故こんなところに置き去りにしているんだろう。
こんな奥までおそらく人は来ないだろうが、置き去りにするほど大荷物でもない。
まだ近くにいるのかもしれないと辺りをキョロキョロ見回すと、草むらから何かが飛び出してくる。
「……げっ」
オオカミだ。
しかも4匹。
個体としては前より2回りほど小さいが、数が倍だ。
しかも前はバフを付けてもらって、かつ1体はセレスに倒してもらっている。
後ろから来たってことは俺の匂いを辿ってきたのか。
どうする。
今の俺じゃ何も出来ない。
冷や汗が流れる。
オオカミがジリジリと迫ってくる。
「……どきな!」
風を切る音と怒鳴り声が聞こえたと思ったら、人影が目の前を通り過ぎ、俺は反射で頭を伏せる。
次の瞬間、短い悲鳴と地面に物体が倒れる音が響く。
「……な、なんだ」
ゆっくり顔を上げると、たたき潰された4体のオオカミが横たわっていた。
その奥には、見た事のある無造作な髪の女が立っている。
「ドラカ!」
駆け寄ろうとした途端、ドラカはドサリと糸が切れたように倒れた。
「お、おいドラカ!? どうしたんだよ」
駆け寄り息を確認してみると、辛うじて呼吸音が聞こえる。
心音も鳴っている。
気を失っているみたいだ。
しかし顔色が悪く、苦しそうに顔を歪めている。
「た、大変だ」
俺はドラカの荷物を手早く回収し、ドラカをおんぶして森を出た。
もうほとんど日が落ちてしまっている中、何度もオオカミに襲われるんじゃないかと本気でビビりながら抜けた。
森を抜けると幸いニギル村が目の前にあったため、そのまま医者のもとまで急ぐ。
「す、すみません。お医者さまはどこに……」
「医者なら、宿の隣にいるよ」
「ありがとうございます!」
息を切らし、医者の家に転がり込んだ。
だが、もう夜だ。
当然だが助手を名乗る女性に止められる。
「急にすまない、この人を診て欲しいんだ」
「こ、困ります。急にこられても……」
「頼む、顔色もどんどん悪くなっていて、呼吸も浅い。すぐに診てほしいんだ!」
「し、しかし……」
「どうされました?」
俺が懇願していると、奥から服に医者のマークを付けた男性が現れる。
「おや? あなたは先日の料理人さまではないですか」
「あ、ああそうだ。それより頼む、金は払う。こいつを診てくれないか」
「……分かりました。あなたは私たちの命の恩人ですから」
医者はにこりと笑って俺たちを奥へと招き入れた。
ドラカをベッドに寝かせ、様子を見てもらう。
「……ふむ、感染状態ですね」
「か、感染!?」
「ええ、この腕の傷から菌が入り込み、全身に感染しています」
感染は特定の菌でしか起こり得ない症状で、主に風邪、病を引き起こす。
だがそれ以外にも毒状の菌が存在し、しびれ、全身の痛み、吐血など謎の症状を引き起こす。
最悪の場合、死に至らしめる菌も存在する。
ドラカの場合はおそらく後者の毒の感染だ。
「料理人さまは何ともないですか?」
「あ、あぁ、そいつはすぐに気絶してしまったから、俺には特に何も」
「それは良かった。この菌は傷から傷へ感染しますので、無事で何よりです」
怪我をしていなくてよかった。
もし気が付かずに触れていたらと思うとゾッとする。
「……助けられますか?」
自分でも驚くくらい弱々しい声が出た。
すると医者は優しい笑顔を俺に向ける。
「大丈夫です。幸い抗体がうちにありますので、すぐに打ちましょう」
その言葉を聞いて、安心した。
同時に身体の力が抜け、俺の意識が遠のいていく。
「料理人さま! 大丈夫ですか」
医者の声が遠くで聴こえる。
すまない。少し疲れたみたいだ。
俺はそのまま意識を手放した。
「ルシアさん、クエストの制作物です」
「おかえりなさい! すぐに確認いたしますね」
俺の渡した成果物を確認する中で、魔石だけ微妙な反応をもらう。
一応成果物として提出はできるレベルだが、昨日より質が明らかに落ちたからだ。
理由を知ったからには少し申し訳なくなる。
「そ、そういえばそろそろドラカは戻ってきましたか?」
俺は話題を変えてみた。
と思ったのだが、ルシアさんの表情はますます曇った。
「それが……まだ何も音沙汰がなくて」
「え…?」
「クエストでもないのに2日間ギルドに来ないのは初めてで、私も心配していたんです。嫌な予感もしますし……」
数多くの冒険者を見送ってきたルシアさんがこう言うのであれば、もしかして俺が思っている以上にドラカが危ないのかもしれない。
「……行方不明ってことですか?」
恐る恐るたずねると、ルシアさんはこくりと頷いた。
ルシアさんに何も連絡が無いのならオオカミの駆除が完了したとも、ドラゴン討伐に行ったわけでもないということだ。
どこをほっつき歩いてるんだと思っていたが、もしかして強襲にでもあって命が危なかったり、最悪は……。
そこまで考えて俺は想像をやめる。
仮にもSランクだぞ。
俺なんかよりずっと強いはずだ。
絶対大丈夫だ。
「……俺、様子を見てきます」
「え!? 危ないですよ、救助隊を派遣しますから!」
ルシアさんは必死に止めてくるが、ドラカがいないと俺も困るしまず安全なことを俺自身の目で確かめたい。
「もし俺が戻らなかったら救助隊を派遣してください」
「だ、ダメですよ! 今呼びます!」
「そんなことしたらプライドの高いドラカは恥ずかしくてギルドに顔を出せなくなっちゃいますよ」
俺が冗談混じりに笑って言うと、ルシアさんはぐっと躊躇う。
「大丈夫です。行ってきます」
「ロイズさん!」
ルシアさんの制止の声を聞きながら、俺はギルドを出た。
真っ直ぐ王都から出る馬車に乗り、アルテナの森に急ぐ。
1時間ほどかけて森の入口に着いた。
「よし、待ってろドラカ!」
意気込んでずんずん森を歩いていく。
サクサク歩いて母ウサギの墓を建てた地点まで来たが、ここまで人がいた痕跡すらない。
「おーい、ドラカー!」
叫んでも返事は無い。
更に奥へと進んでいく。
以前オオカミを見かけた場所まで来たが、まだ気配すら感じられない。
「おーい! ……どこ行ったんだ」
アルテナの森は割と広い。
全部探していたら明日になってしまう。
まだオオカミが残っているかもしれない以上、暗くなる前には帰らないといけない。
しばらく歩いていると、小さな湖のほとりを見つけた。
ここがあるということは、随分深くまで歩いてきたな。
「ドラカー、いるかー」
念の為水の中も見てみるが、澄んだ美しい水があるだけで何も無い。
ふと木陰に何か物体を見つける。
オオカミか?
いや、もっと小さい。
俺は包丁を取りだし、ゆっくり近づく。
「これは……」
物体は人の荷物だった。
このポーチは見覚えがあるぞ。
「……ドラカのものだ」
やっと手掛かりを見つけた。
しかし何故こんなところに置き去りにしているんだろう。
こんな奥までおそらく人は来ないだろうが、置き去りにするほど大荷物でもない。
まだ近くにいるのかもしれないと辺りをキョロキョロ見回すと、草むらから何かが飛び出してくる。
「……げっ」
オオカミだ。
しかも4匹。
個体としては前より2回りほど小さいが、数が倍だ。
しかも前はバフを付けてもらって、かつ1体はセレスに倒してもらっている。
後ろから来たってことは俺の匂いを辿ってきたのか。
どうする。
今の俺じゃ何も出来ない。
冷や汗が流れる。
オオカミがジリジリと迫ってくる。
「……どきな!」
風を切る音と怒鳴り声が聞こえたと思ったら、人影が目の前を通り過ぎ、俺は反射で頭を伏せる。
次の瞬間、短い悲鳴と地面に物体が倒れる音が響く。
「……な、なんだ」
ゆっくり顔を上げると、たたき潰された4体のオオカミが横たわっていた。
その奥には、見た事のある無造作な髪の女が立っている。
「ドラカ!」
駆け寄ろうとした途端、ドラカはドサリと糸が切れたように倒れた。
「お、おいドラカ!? どうしたんだよ」
駆け寄り息を確認してみると、辛うじて呼吸音が聞こえる。
心音も鳴っている。
気を失っているみたいだ。
しかし顔色が悪く、苦しそうに顔を歪めている。
「た、大変だ」
俺はドラカの荷物を手早く回収し、ドラカをおんぶして森を出た。
もうほとんど日が落ちてしまっている中、何度もオオカミに襲われるんじゃないかと本気でビビりながら抜けた。
森を抜けると幸いニギル村が目の前にあったため、そのまま医者のもとまで急ぐ。
「す、すみません。お医者さまはどこに……」
「医者なら、宿の隣にいるよ」
「ありがとうございます!」
息を切らし、医者の家に転がり込んだ。
だが、もう夜だ。
当然だが助手を名乗る女性に止められる。
「急にすまない、この人を診て欲しいんだ」
「こ、困ります。急にこられても……」
「頼む、顔色もどんどん悪くなっていて、呼吸も浅い。すぐに診てほしいんだ!」
「し、しかし……」
「どうされました?」
俺が懇願していると、奥から服に医者のマークを付けた男性が現れる。
「おや? あなたは先日の料理人さまではないですか」
「あ、ああそうだ。それより頼む、金は払う。こいつを診てくれないか」
「……分かりました。あなたは私たちの命の恩人ですから」
医者はにこりと笑って俺たちを奥へと招き入れた。
ドラカをベッドに寝かせ、様子を見てもらう。
「……ふむ、感染状態ですね」
「か、感染!?」
「ええ、この腕の傷から菌が入り込み、全身に感染しています」
感染は特定の菌でしか起こり得ない症状で、主に風邪、病を引き起こす。
だがそれ以外にも毒状の菌が存在し、しびれ、全身の痛み、吐血など謎の症状を引き起こす。
最悪の場合、死に至らしめる菌も存在する。
ドラカの場合はおそらく後者の毒の感染だ。
「料理人さまは何ともないですか?」
「あ、あぁ、そいつはすぐに気絶してしまったから、俺には特に何も」
「それは良かった。この菌は傷から傷へ感染しますので、無事で何よりです」
怪我をしていなくてよかった。
もし気が付かずに触れていたらと思うとゾッとする。
「……助けられますか?」
自分でも驚くくらい弱々しい声が出た。
すると医者は優しい笑顔を俺に向ける。
「大丈夫です。幸い抗体がうちにありますので、すぐに打ちましょう」
その言葉を聞いて、安心した。
同時に身体の力が抜け、俺の意識が遠のいていく。
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