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1・ナウラティスの魔女
*1-12・堕落
しおりを挟む少年が開く唇の動きが、やけにゆっくりと男たちの目に映る。
そこから響いてくる声もまるで天上の調べのよう。
「そんなの決まってるじゃない。貴方達のしたいこと。好きにしていいよ? ねぇ」
少年がゆらり、手を差し伸べた。
誰にというわけではない。だけど明確に男たちの内の誰かに向けて。
ふらり。
その手に誘われるように男の一人が、少年へと近づいていく。
「っ?! おいっ!」
焦った声でまるで止めるかのように、声を上げた男は、だけど果たして理性を残していたのだろうか。
そんな呼びかけでは止まらなかった男は、他の男たちの目の前ですぐにも少年の手を取った。恭しく、おそるおそる。それでいて一度触れてからは力強く。
「あ……ぁあっ!」
そのまま、少年の手を引いた男が、細い肢体をかき抱く。
「うふ。ははっ……いい子」
少年が声を立てて笑い、持ち上がったたおやかな手が、くしゃ、男の髪をかきまぜた。
そうしている間に少年に触れている男の息はすっかりと興奮で上がり切り、はぁはぁと荒く息を吐いては何度も何度も唾を飲みこみ、ほっそりとした少年の体をいっそ乱雑な様子で弄っている。
今にもそのままその場に倒れ込みそうな二人の様子に触発されたのか、あるいは初めから少年の色香に迷ってでもいたのか、一人、また一人と男たちが順番に彼らへと近づいていく。
新たな男が少年に触れたかと思うと、男は少年の項に衝動的に嚙みつき、
「ぁあっ!」
その衝撃にか、少年の真白い喉が逸らされた。
そうしているうちに、どの男の手なのだろう、少年の身に着けていた、ワンピースのようなすとんとした衣服が乱雑にまくり上げられて、そうしてあらわになった肌が真っ白で。目に眩しいほど。
「ああ」
溜め息のよう、感嘆の息を吐いたのは誰だろう。
男たちの浅黒い手が、その真白の上を這う。無遠慮に。競うように。
「ぁっ、ぁっ、」
男の手がどこにどう触れたというのか、少年があえかな息を吐いた。
その喘ぎに誘われるように、男たちの手の動きが乱雑さを増していく。
今、いったい少年は、何人の男たちに囲まれていることだろうか。
ゆらり、持ち上げられた手指の先、誰かが押し開きかかげた足の甲。
今や少年の肌の上で男たちの触れていない所がなく、塊のようになった男たちの中心で、響くのは少年の恍惚とした吐息だけ。
「ぁっ、ぁあっ、いぃよぉ、もっとぉ……!」
少年は下着を身に着けていなかった。つまり薄い服一枚まくり上げればすぐに少年のどこにでも触れられるということで。
男たちが我先にと、触れ違った少年の何処かなど決まっている。
「ぁっ、ぁあんっ」
ぐちゅ、湿った音は、いったい誰が慣らしたものだったろうか。
男たちの内の誰かに掬い上げられた少年の腰。すでに地面からは離れた両足。そして程なく。
「ぁあああっ!!」
迸った嬌声と広がった血の匂い。だけどそんなものの中心で少年は笑っていた。
ああ。
それはそれはひどく満足そうに。望むものがようやく与えられた。声音でそう告げるかのように。
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