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第2章・まるで夢のような日々(リュディ視点)
16・侍女の誤認識と、愛しい彼を想うこと⑤
しおりを挟む花は日増しに増えていく。
その全てを、僕は丁寧に保存した。
一輪ずつ。
それも決して毎日というわけではない。
なにせ他の小物の時もあったし、贈り物自体がない日もあった。
だけど数ヶ月も経つ頃には用意した花瓶はいっぱいになったし、塔へ入って階段を昇って、扉を開けてすぐにある、居間のようにして使っている一室はもとより、他の部屋にまで花があふれた。
ここへ来た当時の様子が、随分と寂しかったようだと思うほどだ。
寝室にも飾ってあるし、壁のそこ彼処にも花。
僕はルナス様が下さるものを全部、頂いた時のままの状態で保存魔法をかけておいたので、どれだけ時間が経ったって、早々枯れることもない。
ただし、いい加減増えすぎてきた物に関してはユセアナが流石に眉を顰めるようになってきていて。
とは言え、僕の気持ちを知っているユセアナは、それらを捨てろなんてことは決して僕に向かっては言わなかった。
だってルナス様が下さったものなのだ。
どうして捨てることなんて出来るというのだろう。
たとえこの塔の中が花でいっぱいに埋まっていったとしても、僕はどれ一つだって手放したりしないことだろう。
勿論、何か対策を考えなければとは思っているけれども、幸いにしてと言えばいいのか、階下には使っていない部屋もあると聞いているので、最終的にはきっとそこが花でいっぱいになっていくのだと思う。
つまり僕の宝物部屋になるということだ。
今はまだそこまでではないけれども。
ルナス様は何か月経っても、そのうち僕が子供を産んでも、いつだって優しくてかっこいい。
子供もルナス様ご本人が取り上げて下さって、僕はやっぱり感動して泣いてしまった。
正真正銘、僕とルナス様の子供。
僕とルナス様のみの魔力で構成されている存在。
それが嬉しくて仕方がない。
ああ、なんて愛しくて可愛いんだろう!
生まれた子供は勿論、ルナス様の次に大切な存在となった。
申し訳ないけれども、ルナス様が絶対的に一番なんだ。勿論、比べるようなものではないのだけれども。
僕は相変わらずいつも泣くばかり。
特にルナス様を前にするとダメだった。
ユセアナと二人、否、子供も合わせて三人の時にはそうでもなくても、ルナス様を思うだけでどれだけだって泣いてしまう。
ああ、だって。
「かっこいいんだよぉ~~! ヤバすぎる……」
どれだけ時間が経ったって、同じ熱量でうっとりするばかりの僕にユセアナははっきりあきれ顔。
だけど僕はわかっている。
ユセアナはそうして呆れているけれども、ちゃんと何度もルナス様に、僕の気持ちを伝えてくれているってことを。泣くばかりで、まともに話し一つできない僕に変わって。
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