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65 新しい振り付け

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皆と一時間ほど話した後、彼女たちの部屋に行き、衣装を見せてもらった。

上半身からスカートの裾まで真ん中が薄い紫、両脇が濃い藍色の二色。襟ぐりを鎖骨まで見えるくらいに下げ、縁にフリルがついている。ふっくらとしたちょうちん袖。スカート部分は襟と同じくフリルが裾についている。腰には太い幅のリボンがつけられている。

「私に考えがあるんですが、皆さんはどこまで出来ますか?」

私は今から衣装に弱冠手を加えたいことと、踊りについて、いくつか自分の考えを二人に話した。

「実際にやってみますね」

私はズボンのまま、腰にシーツを巻いてスカートに見立て実践してみせた。

「ここに今言ったような手を加えると、より効果的なんですが………もし抵抗があるならもう少し控えめな方法を考えますが」

ミーシャさんとフレアは私の説明を聞いて、目を合わせた。

「確かに、すごく注目は浴びると思いますが、衣装自体は控えめですし、決まりの範囲内だと思います。踊りは少し練習しないといけませんが」

「代表に確認してみます。私はいいと思う」

ミーシャさんが覚悟を決めて言う。

「私も、これくらいなら頑張る」

フレアも続いて賛同する。

「じゃあ、試しに三人で踊って見ますか?時間があまりないので、さっきの踊りを基本に途中でアレンジを加えるようにしたらいいと思います」

「わあ、助かる。全部始めからだと大変だもの」

「他のみなさんとは練習はどうしますか?私はしばらくお休みはもらえないかもしれませんので、街に出る時間が取れないかもしれませんので」

「ここで練習できないかマーサさんに訊いてみるわ」

フレアは善は急げと慌てて部屋を出ていった。

ほどなくしてフレアはマーサさんを引き連れて戻ってきた。

「話はフレアから聞きましたよ。許可するのは構いませんが、どんな踊りか一度見せてもらってもいいかしら」

マーサさんはフレアから聞いただけではわかりにくいと、実際にやってみせるように言う。

私はさっきミーシャさんたちが踊った踊りを思いだし、そこに自分が考えた振り付けを追加してひと通り踊って見せた。

「さっきちょっと見ただけなのに、私たちの踊りもう覚えたの?」

ミーシャさんが驚いて言う。

「まあ、振りを覚えるのは得意なので、どうですか?マーサさん」

踊り終えてマーサさんに感想をきく。彼女くらいの年代の女性の意見は貴重だ。
踊りも一歩間違えば卑猥にも下品にもなりうる。

「正直、今の踊りに目くじらを立てる人もいるでしょうね」

「……そうですね。それはわかっています」

「でも考えとしては面白いわね、私は嫌いではないわ」

にやっとマーサさんが笑う。

「でも、あなたたちの内、一人でも今の踊りが嫌だと言う子がいたら、無理強いはいけないわ。やっぱり抵抗があるならやるべきではないし」

「「もちろん、それは約束します」」

「期待しているわね」

マーサさんは私たち三人を眺め、頑張るのよと言って部屋を出ていった。

「じゃあ、少し練習してみますか?」

翌日の仕事に影響がでないように、その日はアレンジしたところを中心に練習した。


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