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第109話 さてと、出発する準備をしますかね。
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前回のあらすじ:町に戻って報告を一通りした。
ギルド長がこの場を去り、冒険者ギルドへと戻った後、アンジェリカはフロストに詰め寄っていた。
「アイスさん? フロスト領に新しいダンジョンが見つかったと仰いましたね?」
「ええ、ギルド長にも伝えましたし、そのダンジョンは『恵みのダンジョン』とは異なり、一般の冒険者にも開放する予定ですが何か?」
「何か? ではありませんわよ!! 何故、ワタクシ達をお誘いもせずに、そういった場所へと赴かれるのです?」
「ああ、そのことですか。簡単な話ですよ。私達だけしかいませんでしたし、何より暇でしたからね。誘うにしても、アンジェリカさん達はタンバラの街へと行かれていた訳ですし、誘いようがないでしょうに。」
「そ、それでも、ワタクシ達と一緒に行くために、その場所は我慢して他の場所へと行くとか、他にも暇をつぶす手段はたくさんおありでしょう?」
いや、なんでそこまで問い詰められないとならないんだろうか、、、。私達+カムイちゃんだけだったし、他にすることないから、偵察も兼ねて探索した結果そうなっただけなのに、、、。
アンジェリカさんはセイラさんとルカさんに宥められて、少し落ち着きを取り戻す。
「まあ、納得できませんが、一応承知しましたわ。しかし、アイスさん、後日、そのダンジョンへは案内していただけるんですよね?」
「しばらくは無理でしょうけど、空いたら案内するのはもちろん構いませんよ。」
「そうおっしゃるなら、一度引き下がりますわ。」
「・・・一緒にこっちに来たのは、ダンジョン探索ではありませんよね? 外交の一環として、ここに来たんですよね?」
「ええ、もちろん、外交の一環として、こちらにお邪魔しておりますわ。けど、それとこれとは話が違いますの。アイスさんが、ワタクシ、いえ、ワタクシ達を誘わずに、そういったおもしろい場所へと行かれるのが問題だと、申し上げたいのです!!」
「・・・そう仰いましてもね、しばらくは余計なことが増えてそれどころではないのは、ご承知ですよね?」
「ええ、もちろん存じ上げておりますわ。その点についてはご心配なく。」
何か、こちらとしても理不尽に詰め寄られた感があり、訳が分からなかったけど、気を取り直して皇帝陛下への謁見に加えて、トリニトの町への陣中見舞いもついでに行おうということで話はまとまった。
まずは、トリニトの町に持っていくべきものであるが、報告によると、街道側の城壁と城門が破壊されていると聞いた。基礎となる材料かな。あとは土魔法で固めるなりしてもらえばいいかな。アッシュも最近は火魔法以外の属性魔法でも差別することがなくなったようなので、その辺は大丈夫かな。ということは、基礎部分の建築資材となるかな。とはいえ、鉄筋にするには素材が足りないかな。我が領でも鉱石が足りていない、というか、加工できる人がいないんだよねえ、、、。やはり木材かな。魔樹をいくらかと、普通に木材、は、そちらの方は我が領でも心許ないか、、、。
我が領の森って、自然の木材ではなくほとんどが魔樹だと狩り採集班からの報告を聞いたときは驚いた。いや、その分木材には事欠かなくなったのは有り難いことなんだけどね。まあ、アッシュだから魔樹でいいか。
あとは肉、と。折角だから美味い肉を差し入れたいところであるが、トリニトの町の人口はフロストの町の人口と比べると圧倒的に多い。いや、フロストの町が少なすぎるというのもあるけど、それは置いといても流石にドラゴンやらオークジェネラルクラス以上の肉は流石に渡せるほど量はない。となると、やはり質より量となってしまうか、まあ、それは致し方ないかな。ねぐらにも在庫はあったはずだから、そっちで確認して用意するとしますかね。
とりあえず、トリニトの町への陣中見舞いはその辺でいいだろうか。あとは陛下への拝謁だけど、今回は手土産どうしようかな。あの人、何が好みなのかサッパリわからん。リトン伯爵もわからんと言っていた位だから、こちらが分かるわけがない。今回はアンジェリカさんも連れての謁見になるだろうから、手ぶらでいいかな。うん、そうしよう。援軍出すとき何もくれなかったから、おあいこということで。
そんな感じで話はまとまった。いや、普通の国ならまずいのかもしれないけど、そこはトリトン帝国であるので、こんな感じでいいのではないかな。それでは、魔樹の在庫を確認してから、夕食の準備かな。
夕食の宴会では大いに盛り上がった。肉は私達が手に入れたドラゴンやオークエンペラーだけではなく、領民達が倒して手に入れた魔物の肉を惜しげもなく投入したのだ。それ以上に、今回は私達だけではなく、領民全員がそれぞれ大活躍したのだ。あの戦いはこうだった、ああだったという話があちこちから聞こえてきていた。
折角なので、私はこの場で領民達に用意していた土産を渡すことにした。基本的には某ゲームと同じマップのダンジョンから手に入れたものがほとんどではあったが、そのことを説明しつつ、そのダンジョンにはこれ以上に優れた武器防具が手に入る可能性があることもしっかりと伝えると、さらに領民達は気合がはいったようだ。
ウサギ族達にはそれぞれワイバーンの皮や爪を渡して、加工できる領民にお願いして装備を作ってもらうよう言うと、早速それぞれがお気に入りの職人の元へと走って行き、素材を見せて催促していた。コカトリス達には、宝石類を出して、各自気に入ったものをあげると、喜んで咥えていき、やはり、それぞれ加工できる職人の所に走って行き、加工の催促をしていた。
また、昼寝をすることによって、体力を回復して元気になった我が領のアイドル2人がこちらに飛びついてきた。うん、いつも通りのモフモフである。2人がどれだけ活躍したのかを聞きながらモフモフを堪能している時に、用意していた癒やしの腕輪を2人に渡す。2人は大喜びで受け取り、それを身につけると、嬉しそうにこの場を離れて周りに見せていた。いや、魅せていたの方が正しいかな。もちろん、周りはホッコリ状態でしたよ、ええ。
今回援軍として同行した、戦姫の3人、並びにウルヴとアインとラヒラス達にはすでにお土産は渡してあるので問題なし。ついでに手に入れた魔法の巻物を一通りラヒラスに渡して魔導具研究の肥やしにしてもらうことも忘れていない。あ、デュラハンナイトから手に入れた盾だけど、誰も気味悪がってもらう人はいなかったのは仕方ない。ってか、あれ、私とアイン以外には重すぎて誰も持てなかったんだよね。私は重量軽減持ちだから別として、そういったスキル無しで普通に持てるアインって一体何者? まあ、アイン自体は長柄の鈍器を好んで使う傾向があるから、あの重量でぶん殴るというのも手かと思ったけど、あっさりと却下されてしまった。
ちなみに、あれ、冒険者ギルドでも気味悪すぎていらないって言われた、、、。更に重すぎて扱えないし、今の段階では確認のしようがないんだとか、、、。というわけで、ねぐらに封印決定。
こんな感じで夕食は大盛り上がりで終了。後片付けを済ませて各自自分たちの家に戻る。
私達とアンジェリカさん達は領主館へと戻ったが、すぐにねぐらへと転移した。目的は主に3つ。1つ目はねぐらに置いておく、というか、ねぐらに封印するアイテムを置きに。2つ目は、トリニトの町へと持っていく差し入れの品の準備。3つ目は一番重要で、風呂と洗濯である。何かねぐらも知らないうちに部屋が増えており、いつの間にか風呂場と洗濯場は同じ部屋だったけど、その2つ専用の部屋になっていた。
他には私達用の部屋、アンジェリカさん達戦姫用の部屋、それと客用の部屋があって、倉庫に関しては、冷凍用の部屋が3つ、常温の倉庫が3つ、創造神達が封印した部屋といった感じである。話を聞くと、私が眠っている間にマーブル達が作り替えたらしい。一言言って欲しかったけど、私のねぐらである以上、マーブル達のねぐらでもある。ってか、何で戦姫用に部屋が用意されているんだ? まあ、私達以外にここによく来るのは彼女たちではあるのだけど、、、。
まあ、最初は多少混乱はしたけど、使い勝手はほとんど変わっていなかったので良しとしますか。ちなみに湧き水の場所は風呂場と洗濯場のある部屋に一緒にある、というか、どうやってこれ構造変えたんだろうか。湧き水の場所と封印部屋については構造を変えられないから、それらを中心に上手く配置し直したんだろう。私では無理だ。
それはさておき、折角だからビッグボアなどの肉や毛皮を持っていくとしましょうか。最近ボア系のお肉を食べていないので、久しぶりに食べてみたい気もする。何より在庫がありすぎて消費しないと勿体ないし、こうして食料になってくれたボア達に申し訳が立たない。後は、オーガジャーキーかな。実はマーブル達が私の水術無しでジャーキーを作れるようになったらしく、ジャーキーの量がもの凄いことになっていた。今は腹一杯だから食べられないけど、明日辺り朝食にしてみるのもいいかもしれない。
こちらでいろいろと準備している間に、戦姫達の入浴と着替えが終わったようだ。着替えは洗濯場にしっかりと入っている。というのも、ねぐらで洗濯できるのは私だけであり、こればかりはマーブル達も無理なようだ。汚れを落とすだけなら、ライムやオニキス達スライムでもできるらしいけど、やはりここで洗濯する方が着心地など段違いらしい。ウルヴ達もそう言っていたのでそうなんだろう。
「あ、アイスさん、お風呂お先に頂きましてありがとうございます。おかげで心も体もサッパリしましたわ。それと、お手数ですが、服の洗濯もお願いできますか?」
「洗濯はお任せ下さい。こればかりは私にしかできないようなので。では、これから私達も風呂と洗濯を済ませますので、その間、部屋でくつろいでいて下さい。」
「ありがとうございます。マーブルちゃん達がワタクシ達専用の部屋を作って下さったので、少しずつではありますが、ワタクシ達の私物も少し置いてありますの。はあ、タンヌではなく、ここを本宅にしたい位ですわね。」
「王女殿下、それは言い過ぎでは、、、。でも、お気持ちはわかります。」
「・・・うん、ここ本当に居心地がいいから、賛成。」
「いやいや、マーブルの転送魔法あってのものですからね。ここってどこなのか地図でもわからないし、周りには何もないですからね、、、。」
「転移については問題ありませんわ。ルカの魔力でもここに転移できるようになりましたから。」
「うん、私達だけでも、ここに来られるようになった。1日1回が限度だけど、、、。」
「ミャア!」
「流石はマーブル殿です! ルカさんの魔力でもここに転移できるように転送ポイントを書き換えたみたいですよ、アイスさん!」
「はゐ? そこまで改造したの?」
「アイスさん、ご心配なさらずとも、アイスさん達と一緒でないときは、基本的にはこちらには転移致しませんから。万が一、避難しなければならない場合はその限りではありませんが。」
「いや、そっちは構わないのですが、タンヌ王国的には問題でしょうに、、、。」
「それについては一つ安心材料がありますの。何と、母上がご懐妊なさったみたいで、運良く男の子が誕生された暁には、ワタクシは後継者としてお役御免になる可能性が出てきましたので。」
「いや、もの凄く目出度いことをこんな場所でさらっと言わないでくださいよ。」
良い意味ではあるけど、今の段階では超国家機密クラスの情報ではないのか? こちらとしては、知らんがな、で済ませられる案件ではあるけど、アンジェリカさんにとっては非常に重要なんだろうな。まあ、大事な命ですからね、無事に生まれてくることを願いますかね。
そんなヤバイ話をあっさり聞かされつつ、私達は風呂を堪能しつつ洗濯を済ませて、乾かして畳んだ洗濯物を持って戦姫の部屋へと届けに行く。一応我が家とはいえ、彼女たちの部屋であるからノックは忘れずにしてから部屋に入ると、部屋の中は完全に王宮の一室と変わらない感じになっていた。これって少しばかりじゃないよね? それとも流石は王族と言うべきなのか、、、。気を取り直して洗濯物を渡してフロストの町へと戻る。
フロストの町へと戻り、3人は自分たちの部屋へと戻っていった。とりあえず一通り明日の準備は完了したので、あとは出発するだけかな。トリニトの町へは普通に移動して、帝都へは転送魔法で行くことにしますかね。移動で日数をかけるのは面倒だしね。途中で寄りたい場所って特にないしね。
そんなことを思いつつ、マーブル達のモフモフを堪能しながら睡魔に誘われて行った。
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勇者(笑)達「おい、俺たちを無視するなヽ(`Д´)ノ 何勝手に美味いもん食ってんだよ(つд⊂)」
ギルド長がこの場を去り、冒険者ギルドへと戻った後、アンジェリカはフロストに詰め寄っていた。
「アイスさん? フロスト領に新しいダンジョンが見つかったと仰いましたね?」
「ええ、ギルド長にも伝えましたし、そのダンジョンは『恵みのダンジョン』とは異なり、一般の冒険者にも開放する予定ですが何か?」
「何か? ではありませんわよ!! 何故、ワタクシ達をお誘いもせずに、そういった場所へと赴かれるのです?」
「ああ、そのことですか。簡単な話ですよ。私達だけしかいませんでしたし、何より暇でしたからね。誘うにしても、アンジェリカさん達はタンバラの街へと行かれていた訳ですし、誘いようがないでしょうに。」
「そ、それでも、ワタクシ達と一緒に行くために、その場所は我慢して他の場所へと行くとか、他にも暇をつぶす手段はたくさんおありでしょう?」
いや、なんでそこまで問い詰められないとならないんだろうか、、、。私達+カムイちゃんだけだったし、他にすることないから、偵察も兼ねて探索した結果そうなっただけなのに、、、。
アンジェリカさんはセイラさんとルカさんに宥められて、少し落ち着きを取り戻す。
「まあ、納得できませんが、一応承知しましたわ。しかし、アイスさん、後日、そのダンジョンへは案内していただけるんですよね?」
「しばらくは無理でしょうけど、空いたら案内するのはもちろん構いませんよ。」
「そうおっしゃるなら、一度引き下がりますわ。」
「・・・一緒にこっちに来たのは、ダンジョン探索ではありませんよね? 外交の一環として、ここに来たんですよね?」
「ええ、もちろん、外交の一環として、こちらにお邪魔しておりますわ。けど、それとこれとは話が違いますの。アイスさんが、ワタクシ、いえ、ワタクシ達を誘わずに、そういったおもしろい場所へと行かれるのが問題だと、申し上げたいのです!!」
「・・・そう仰いましてもね、しばらくは余計なことが増えてそれどころではないのは、ご承知ですよね?」
「ええ、もちろん存じ上げておりますわ。その点についてはご心配なく。」
何か、こちらとしても理不尽に詰め寄られた感があり、訳が分からなかったけど、気を取り直して皇帝陛下への謁見に加えて、トリニトの町への陣中見舞いもついでに行おうということで話はまとまった。
まずは、トリニトの町に持っていくべきものであるが、報告によると、街道側の城壁と城門が破壊されていると聞いた。基礎となる材料かな。あとは土魔法で固めるなりしてもらえばいいかな。アッシュも最近は火魔法以外の属性魔法でも差別することがなくなったようなので、その辺は大丈夫かな。ということは、基礎部分の建築資材となるかな。とはいえ、鉄筋にするには素材が足りないかな。我が領でも鉱石が足りていない、というか、加工できる人がいないんだよねえ、、、。やはり木材かな。魔樹をいくらかと、普通に木材、は、そちらの方は我が領でも心許ないか、、、。
我が領の森って、自然の木材ではなくほとんどが魔樹だと狩り採集班からの報告を聞いたときは驚いた。いや、その分木材には事欠かなくなったのは有り難いことなんだけどね。まあ、アッシュだから魔樹でいいか。
あとは肉、と。折角だから美味い肉を差し入れたいところであるが、トリニトの町の人口はフロストの町の人口と比べると圧倒的に多い。いや、フロストの町が少なすぎるというのもあるけど、それは置いといても流石にドラゴンやらオークジェネラルクラス以上の肉は流石に渡せるほど量はない。となると、やはり質より量となってしまうか、まあ、それは致し方ないかな。ねぐらにも在庫はあったはずだから、そっちで確認して用意するとしますかね。
とりあえず、トリニトの町への陣中見舞いはその辺でいいだろうか。あとは陛下への拝謁だけど、今回は手土産どうしようかな。あの人、何が好みなのかサッパリわからん。リトン伯爵もわからんと言っていた位だから、こちらが分かるわけがない。今回はアンジェリカさんも連れての謁見になるだろうから、手ぶらでいいかな。うん、そうしよう。援軍出すとき何もくれなかったから、おあいこということで。
そんな感じで話はまとまった。いや、普通の国ならまずいのかもしれないけど、そこはトリトン帝国であるので、こんな感じでいいのではないかな。それでは、魔樹の在庫を確認してから、夕食の準備かな。
夕食の宴会では大いに盛り上がった。肉は私達が手に入れたドラゴンやオークエンペラーだけではなく、領民達が倒して手に入れた魔物の肉を惜しげもなく投入したのだ。それ以上に、今回は私達だけではなく、領民全員がそれぞれ大活躍したのだ。あの戦いはこうだった、ああだったという話があちこちから聞こえてきていた。
折角なので、私はこの場で領民達に用意していた土産を渡すことにした。基本的には某ゲームと同じマップのダンジョンから手に入れたものがほとんどではあったが、そのことを説明しつつ、そのダンジョンにはこれ以上に優れた武器防具が手に入る可能性があることもしっかりと伝えると、さらに領民達は気合がはいったようだ。
ウサギ族達にはそれぞれワイバーンの皮や爪を渡して、加工できる領民にお願いして装備を作ってもらうよう言うと、早速それぞれがお気に入りの職人の元へと走って行き、素材を見せて催促していた。コカトリス達には、宝石類を出して、各自気に入ったものをあげると、喜んで咥えていき、やはり、それぞれ加工できる職人の所に走って行き、加工の催促をしていた。
また、昼寝をすることによって、体力を回復して元気になった我が領のアイドル2人がこちらに飛びついてきた。うん、いつも通りのモフモフである。2人がどれだけ活躍したのかを聞きながらモフモフを堪能している時に、用意していた癒やしの腕輪を2人に渡す。2人は大喜びで受け取り、それを身につけると、嬉しそうにこの場を離れて周りに見せていた。いや、魅せていたの方が正しいかな。もちろん、周りはホッコリ状態でしたよ、ええ。
今回援軍として同行した、戦姫の3人、並びにウルヴとアインとラヒラス達にはすでにお土産は渡してあるので問題なし。ついでに手に入れた魔法の巻物を一通りラヒラスに渡して魔導具研究の肥やしにしてもらうことも忘れていない。あ、デュラハンナイトから手に入れた盾だけど、誰も気味悪がってもらう人はいなかったのは仕方ない。ってか、あれ、私とアイン以外には重すぎて誰も持てなかったんだよね。私は重量軽減持ちだから別として、そういったスキル無しで普通に持てるアインって一体何者? まあ、アイン自体は長柄の鈍器を好んで使う傾向があるから、あの重量でぶん殴るというのも手かと思ったけど、あっさりと却下されてしまった。
ちなみに、あれ、冒険者ギルドでも気味悪すぎていらないって言われた、、、。更に重すぎて扱えないし、今の段階では確認のしようがないんだとか、、、。というわけで、ねぐらに封印決定。
こんな感じで夕食は大盛り上がりで終了。後片付けを済ませて各自自分たちの家に戻る。
私達とアンジェリカさん達は領主館へと戻ったが、すぐにねぐらへと転移した。目的は主に3つ。1つ目はねぐらに置いておく、というか、ねぐらに封印するアイテムを置きに。2つ目は、トリニトの町へと持っていく差し入れの品の準備。3つ目は一番重要で、風呂と洗濯である。何かねぐらも知らないうちに部屋が増えており、いつの間にか風呂場と洗濯場は同じ部屋だったけど、その2つ専用の部屋になっていた。
他には私達用の部屋、アンジェリカさん達戦姫用の部屋、それと客用の部屋があって、倉庫に関しては、冷凍用の部屋が3つ、常温の倉庫が3つ、創造神達が封印した部屋といった感じである。話を聞くと、私が眠っている間にマーブル達が作り替えたらしい。一言言って欲しかったけど、私のねぐらである以上、マーブル達のねぐらでもある。ってか、何で戦姫用に部屋が用意されているんだ? まあ、私達以外にここによく来るのは彼女たちではあるのだけど、、、。
まあ、最初は多少混乱はしたけど、使い勝手はほとんど変わっていなかったので良しとしますか。ちなみに湧き水の場所は風呂場と洗濯場のある部屋に一緒にある、というか、どうやってこれ構造変えたんだろうか。湧き水の場所と封印部屋については構造を変えられないから、それらを中心に上手く配置し直したんだろう。私では無理だ。
それはさておき、折角だからビッグボアなどの肉や毛皮を持っていくとしましょうか。最近ボア系のお肉を食べていないので、久しぶりに食べてみたい気もする。何より在庫がありすぎて消費しないと勿体ないし、こうして食料になってくれたボア達に申し訳が立たない。後は、オーガジャーキーかな。実はマーブル達が私の水術無しでジャーキーを作れるようになったらしく、ジャーキーの量がもの凄いことになっていた。今は腹一杯だから食べられないけど、明日辺り朝食にしてみるのもいいかもしれない。
こちらでいろいろと準備している間に、戦姫達の入浴と着替えが終わったようだ。着替えは洗濯場にしっかりと入っている。というのも、ねぐらで洗濯できるのは私だけであり、こればかりはマーブル達も無理なようだ。汚れを落とすだけなら、ライムやオニキス達スライムでもできるらしいけど、やはりここで洗濯する方が着心地など段違いらしい。ウルヴ達もそう言っていたのでそうなんだろう。
「あ、アイスさん、お風呂お先に頂きましてありがとうございます。おかげで心も体もサッパリしましたわ。それと、お手数ですが、服の洗濯もお願いできますか?」
「洗濯はお任せ下さい。こればかりは私にしかできないようなので。では、これから私達も風呂と洗濯を済ませますので、その間、部屋でくつろいでいて下さい。」
「ありがとうございます。マーブルちゃん達がワタクシ達専用の部屋を作って下さったので、少しずつではありますが、ワタクシ達の私物も少し置いてありますの。はあ、タンヌではなく、ここを本宅にしたい位ですわね。」
「王女殿下、それは言い過ぎでは、、、。でも、お気持ちはわかります。」
「・・・うん、ここ本当に居心地がいいから、賛成。」
「いやいや、マーブルの転送魔法あってのものですからね。ここってどこなのか地図でもわからないし、周りには何もないですからね、、、。」
「転移については問題ありませんわ。ルカの魔力でもここに転移できるようになりましたから。」
「うん、私達だけでも、ここに来られるようになった。1日1回が限度だけど、、、。」
「ミャア!」
「流石はマーブル殿です! ルカさんの魔力でもここに転移できるように転送ポイントを書き換えたみたいですよ、アイスさん!」
「はゐ? そこまで改造したの?」
「アイスさん、ご心配なさらずとも、アイスさん達と一緒でないときは、基本的にはこちらには転移致しませんから。万が一、避難しなければならない場合はその限りではありませんが。」
「いや、そっちは構わないのですが、タンヌ王国的には問題でしょうに、、、。」
「それについては一つ安心材料がありますの。何と、母上がご懐妊なさったみたいで、運良く男の子が誕生された暁には、ワタクシは後継者としてお役御免になる可能性が出てきましたので。」
「いや、もの凄く目出度いことをこんな場所でさらっと言わないでくださいよ。」
良い意味ではあるけど、今の段階では超国家機密クラスの情報ではないのか? こちらとしては、知らんがな、で済ませられる案件ではあるけど、アンジェリカさんにとっては非常に重要なんだろうな。まあ、大事な命ですからね、無事に生まれてくることを願いますかね。
そんなヤバイ話をあっさり聞かされつつ、私達は風呂を堪能しつつ洗濯を済ませて、乾かして畳んだ洗濯物を持って戦姫の部屋へと届けに行く。一応我が家とはいえ、彼女たちの部屋であるからノックは忘れずにしてから部屋に入ると、部屋の中は完全に王宮の一室と変わらない感じになっていた。これって少しばかりじゃないよね? それとも流石は王族と言うべきなのか、、、。気を取り直して洗濯物を渡してフロストの町へと戻る。
フロストの町へと戻り、3人は自分たちの部屋へと戻っていった。とりあえず一通り明日の準備は完了したので、あとは出発するだけかな。トリニトの町へは普通に移動して、帝都へは転送魔法で行くことにしますかね。移動で日数をかけるのは面倒だしね。途中で寄りたい場所って特にないしね。
そんなことを思いつつ、マーブル達のモフモフを堪能しながら睡魔に誘われて行った。
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