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第157話 さてと、青リボン、じゃなかった、勲章ゲットしますか。

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前回のあらすじ:ブラッシングでモフモフ度がアップした。


 テシテシ、テシテシ、ポンポン、ツンツン、、、。さてと、朝がやってまいりました。今朝はコカトリスさんも参加出来たようで何よりですな。最近、ある程度コカトリス達の個体の区別がつくようになってきた、といっても、ほぼ毎回朝起こしに参加成功している個体と、逆に失敗している個体ですがね。ってか、あんなんどうやって区別するんだよ!! みんな真っ白なんだぜ!? どこからどう見ても、巨大なニワトリにしか見えないんだぜ!? アマさんの鑑定がなければ、コカトリスなんてわからないほど、ニワトリなんだぜ!!

 っと、話はそれてしまったけど、このコカトリスはマーブル達の妨害(とはいえ、実際にどうやって妨害しているのかはこっちは全く知らない)を毎回かいくぐって来ている位だから、かなり賢いのだろう。同じ種類でも、戦闘力や知力に差があるのは当然だから、それについては別段驚くほどのことではないけど、恐らく毎回失敗するコカトリスはドジッ子特性を持っているのだろう。

 いつも通り卵をもらって、モフモフでお礼をしてから、朝食を済ませて、マーブル達とモフモフタイムを堪能しているところに、アンジェリカさん達が登場。こちらも挨拶とモフモフを済ませて、今日もダンジョンへと向かう。

 今日は、セイラさんの罠解除訓練もしつつ、ある程度先に進む予定である。第一階層の部分は、歩いて行けるところは踏破しているので、第二階層へと向かうつもりだ。そんなつもりで地下3階へと到着。第二階層へと進もうとしているときに、珍しく通路で接敵した。何とオークだった。

 オークは我が領でも定番の魔物だけど、ここで現れるオークは、いつものオークよりも強い。とはいえ、メンバーはそれ以上に強いので、それほど手こずることなく殲滅完了。金貨とオーク肉が落ちていた。

「あら、オーク肉ですわね、これはありがたいですわ。」

「確かに肉だけ落とすのはありがたいですよね。とはいえ、私個人的には、そのままがよかったかな。」

「アイスさん的には、そうかもしれませんわね。ただ、ここには領民だけでなく、冒険者達も来ますから、一々解体する手間も考えますと、こちらの方がいいかもしれませんわよ。」

「それもそうですね。ただ、地下3階より下って、魔物を倒しても何も落とさない場合も多いからなぁ。冒険者達が稼げないのは、少し痛いかもしれないなぁ。」

「そこは、地下1階と2階でどうにかしてもらえばよろしいのでは? ただ、ここでは金貨を落としますから、アイスさんの心配は杞憂ではないかしら?」

「なるほど。とはいえ、この金貨って、他でも使えるんですかね?」

「確かに、その懸念はありますわね。まあ、そこはギルドに頑張ってもらいましょう。」

「それもそうか。まあ、先に進めば、いいアイテムも手に入るし、頑張ってもらいますか。」

「そう、それです。アイスさん、ここではいいアイテムが手に入るのですか?」

「間違いなく手に入りますね。同じ地下3階でも、奥に進めば進むほど、いいアイテムが手に入る可能性が高くなるんですよ。とはいえ、今戦姫の装備している武器とか、ヒドラ皮で作った防具を身につけている住人とかの装備と比べてしまうと、どうしても劣ってしまいますが、ここに来る冒険者達の装備と比べると、かなり高性能なものが手に入ると思いますよ。そういえば、自然に体力が回復する効果のある魔導具とかもあったような。前回は手に入りませんでしたが。もちろん、変なものも目白押しですけどね。」

「そうなのですか?」

「まあ、その辺は実際に目にしてもらえば。」

「フフッ、期待してますわよ。」

 オーク肉を空間収納にしまって、第二階層へと移動する。魔物を倒して、罠解除の練習をしつつ、このダンジョン限定のアイテムである像2種類を手に入れつつ、ここの階層を踏破していく。暗闇ゾーンの先で金の鍵を手に入れて、とりあえず最低限のアイテムは手に入れることができたので、後は、この階層を踏破していくだけである。回転するように中心に向かって一本道となっている通路を進んで、行き止まりとなる部分に階段、いや、第三階層への転送装置にたどり着いた。

「アンジェリカさん、セイラさん、ルカさん、次の階層ですが、ぶっちゃけ、ここに来る必要ってあまりないんですよ。普通に攻略すると、回転床やらダメージの落とし穴やら、面倒な仕掛けがあるくらいで、先に進むには特にこれといって寄る必要のない階層です。とはいえ、罠解除の練習にはうってつけとなりますね。その証拠に、カムイちゃんもここの階層で、罠解除の練習をしましたからね。」

「なるほど。それでしたら、是非とも立ち寄ることにしましょう。セイラの技能アップが、私達メンバーのレベルアップにつながりますしね。」

「了解です、でも、その前に食事と参りましょうか。」

 少し狭いけど、どうせ誰も来ないし丁度良かったので、昼食をここで摂ることにした。

 昼食も食べ終わり、第三階層へGO。この階層では、ダンジョンの魔物ではなく、通路上にある罠の解除を優先的に行い、一通り解除が終わったら、また第二階層へと戻って、第三階層へと進んで通路上の罠を復活させては解除して、を繰り返し行ったところ、セイラさんはもとより、カムイちゃんも罠探知のスキルが大幅に上がったとのことだったので、今後に役に立つと思い、後日ギルドへと報告しておこうと思った。ただ、回転床やダメージ床については罠として認識されていたので大丈夫だったけど、ここの転送系の罠については、罠としての認識はないようなので、他のダンジョンでの転送罠についてはどうなるのかはわからない。

 で、今日は罠解除に時間を割いて終了。探索は次の日以降となった。

 次の日となり、探索を進めていくのだけど、先に、第九階層へ行ける手段を用意しておきたかったので、そちらを優先することにした。もちろん行き先は、第四階層にある、守衛室である。守衛室へは第1階層の暗闇ゾーンから直接行ける転送装置を使っていくことにした。

「第二階層で手に入れた、この金の鍵が、第四階層、ひいては、ここの最奥階層へと簡単に行ける道具になります。この鍵は持っているだけで有効なので、扉に鍵を差し込む必要はないです。」

「なるほど、ここはこのような感じで進めばよろしいのですね。」

 暗闇ゾーンに入り、第四階層へ行く転送装置に到着。

「ここのボタンを押して、行きたい階層を選びます。Aはここ、Bは第二階層、Cは第三階層ですが、BもCも孤立しており、行く必要はないですね。宝箱も出ませんし。ということで、ここはD一択です。」

 Dを押して第四階層へと移動する。

「後で後方へも行きますが、先にそのまま進んで、必要なアイテムを手に入れに行きます。」

 前に進んで扉を蹴り開けて進むと、警報が鳴って、魔方陣が左右から発動、魔物が現れるが、この程度であれば問題なかったけど、巨大なカブトムシみたいなものが出たときは正直あせった。蜘蛛はなれたから大丈夫だと思っていたけど、別種の巨大な虫を見たとき、その考えは甘いということを認識した。以前いた世界でも虫は苦手だったしなぁ、、、。面倒なので水術で凍らせて、グラムで粉砕してまわって、この戦闘は終了した。というか、私一人で全滅させたような感じだった。周りは唖然としていた。

「ア、アイスさんって、本気で戦うとああなるのです?」

「本気で戦う? いえ、そうではなくて、以前いた世界でも昆虫系は苦手だったようで、思わずあんな形になってしまっただけで、本気とかそういったものではないですよ、多分、、、。」

「アイスさんにも苦手なものってあるのね。」

「いや、そりゃあ、ありますよ。みんなが思っているよりも沢山あると思いますよ。それよりも、この扉の先が守衛室となっております。」

「アイスさん、守衛室ということは、強力な魔物がおりますの? って、マーブルちゃん達どうなさいましたの?」

 アンジェリカさん達が驚くのは無理もない、守衛室に近づいた途端、マーブルは爪を研ぎ始め、ジェミニは反復横跳び? みたいなものを始めたし、ライムに至っては、「おにくっおにくっ!」とか言いながらその場を跳びはね始めたし、、、。いや、もの凄く可愛らしいんですよ。はい、マーブル達は極上のオーク肉が手に入ることを知っておりますので、大いに張り切っている訳なんですよね。

「マーブル達はお肉狩りの準備体操みたいなものをしているようです。ライムは準備体操になっているかはわかりませんがね、、、。とはいえ、強敵であることは間違いありませんので、心の準備を。」

「なるほど。ワタクシはいつでも構いませんわよ。」

「私も大丈夫。」

「・・・いいよ。」

「アイスさん、私も大丈夫。」

「よし、では、行きますよ!」

 扉を蹴り開けて中に入ると、いつものオークの皆さんがいたけど、いつもより強そうだったので鑑定してみると、オークエンペラーはいつも通り1体なのは変わらないけど、他にはオークキングが3体、オークロードが5体、オークナイトが9体といつも以上に豪華な組み合わせとなっていた。

「あれま。数はともかく、オークの最精鋭ですねぇ。まあ、どうにかなるでしょ。カムイちゃん、オニキスは自分の身の安全を最優先に。他のみんなはいつも通りに。」

「「「了解!!」」」

 今回は、ジェミニがオークエンペラーに向かって行き、首を刎ねて終了。マーブルはオークキングへと風魔法を放って、それぞれ首を刎ねてこれまた終了。私は今回兵隊扱いとなっているオークナイトをそれぞれヘッドショットで仕留めていった。戦姫の3人はオークロード5体を見事な連携で倒していた。オーク達は、上質のお肉と宝箱を残して次々に消えていった。

「こうして見ますと、やはり、上質な肉とはいえ、違いがはっきりとわかるものなのですね。」

「ですね。やはりエンペラーの肉質の輝きは凄いものがあります。では、アンジェリカさん達はオークロードの肉を回収して下さい。タンヌ王国の人達へのお土産にはもってこいかと。」

「ありがたく頂戴致しますね。フロストの町以外では、オークロードでも幻の肉扱いですわ。」

「いや、そういう意味で言ったわけではないんですけどね。」

「フフッ、もちろんわかっておりますわ。お父様達は、どうせフロストの町に入り浸るはずですから、その時にキングやエンペラーのお肉を頂くでしょうしね。」

 戦姫にオークロードを薦めたのは、自分たちで討伐したから、受け取りやすいと思っただけなんだけど。キングやエンペラーは言ってくれればもちろん喜んで分けるつもりなんだけどね。

「そういえば、最近、アイスさん達って、森へと狩りに出かけてもオークは手に入れてなかったよね? ということは、ひょっとして?」

「セイラさん正解。最近はオークの肉ってここで手に入れてたんだよね。流石にソーセージとかモツの素材は恵みのダンジョンから頂いているけどね。ここなら、確実にエンペラーの肉が手に入るからね。」

「なるほど、って、本来ならこんなにアッサリと手に入れるなんて無理だけどね。」

「まあ、そこは、今後の冒険者達の頑張り次第ってことで。」

「じゃあ、私はこの宝箱の罠解除に入ります。」

 セイラさんも慣れてきたようで、それほど時間もかからずに解除することに成功した。

「この宝箱には必ず指輪が1つ入っておりますが、この指輪は危険なので、こちらで回収します。もちろん、指輪以外に何か入っていたら、そちらで収めて下さい。」

「了解、って、何か指輪が3つあるんだけど、、、。」

「あれま、全部指輪ですか。どれどれ、鑑定っと。」

 1つは「暗殺者の指輪」で、残り2つは「宝石の指輪」か。宝石の指輪だけど、現在地を教えてくれる指輪みたいだけど、使い途はなさそうだな。見た目は綺麗なので贈り物としてはいいかもしれない。

「危険なやつはこれだけなので、あとの2つは戦姫の方で収めて下さい。」

「こんなに綺麗な指輪だけどいいの?」

「ええ、構いません。私達には必要ないものですし、奥に進めば、体力や傷が回復してしまう凄いものもあったかと。ちなみに、この指輪は現在地を教えてくれる程度のものなので、アイテム的にそれほど価値はないですかね。とはいえ、他の指輪と比べると、この指輪はかなり綺麗なものなので、贈り物には適していると思いますよ。」

「なるほど。ワタクシ達は特に指輪は必要ないので、お母様に差し上げることにしますわ。いや、セイラとルカ。貴方達がそれぞれ1つずつ受け取って、自分たちのお母様に差し上げたらいいですわよ。」

 ということで、セイラさんとルカさんがそれぞれ宝石の指輪をもらうことになった。

 この先に進めば勲章が手に入るけど、今現在は私が持っているので、勲章は手に入らないと困るので、勲章は空間収納へとしまっておく。仮に空間収納にしまっても勲章が手に入らなければ、この勲章はアンジェリカさんにあげることにする。というのも、私はダンマスから、この迷宮ないならどこでも転送できる権限をもらっているので、ぶっちゃけ必要ないからだ。

 勲章をしまった後、勲章が手に入る部屋まで進む。もちろん、途中の扉で魔物と遭遇したけど、アッサリと倒して進んだ。勲章の部屋にはいると、メッセージが表示されるが、何とそのメッセージは日本語表示なので、私にしか読めなかった。しかし、そのメッセージをこちらの世界に翻訳したものが声として流れてきたのには驚いた。何せ、私が手に入れたときは、こんなものはなかったから。

 しかし、それにしても、この声ってどこかで聞いたことが、、、。あ、これってゆ○くりボイスのやつだ。何故、こんな場面でこんな緊張感のない声で伝えてくるのか訳がわからなかった。まあ、懐かしいという感覚が圧倒的に占めていたのは内緒だ。

 無事勲章を手に入れられたので、戦姫は今後自分たちで地下3階を好きなように移動できるわけだ。折角だから、私の勲章はカムイちゃんにあげよう。

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セイラ「このダンジョンの罠って変なのが多いよね。」
カムイ「だよね。しかも調べても前回と違う結果になったりするし。」
セイラ「にしても、プリンバスターはないよね、、、。」
カムイ「まさか、アイスさんのしまっておいたプリンが石になるなんて誰も思わないよね。」

そこには、石になったプリンを見てorz状態になったアイスの姿が、、、。
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