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第195話 さてと、帝国国民としての任務を受けることになりました。
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前回のあらすじ:戦姫に喧嘩を売られた。
戦姫に喧嘩をふっかけられ、それが終わったらうどんをご馳走してもらったはいいものの、トリトン陛下にそれを見られて領民に広がり、私に対する文句が殺到したとか、ここ数日ふんだり蹴ったりな状態ではありますが、何とか無事に過ごしておる今日この頃です。
朝の様式美と言ってもいいほどに定着した、私の可愛いマーブル達による朝起こしのおかげで、今日も気分良く目覚めることができているのは幸せなことだと痛感しております。どっちがお礼になっているかはわからないけど、お礼のモフモフやおにぎりの刑をバッチリ行い、顔を洗い着替えを済ませて、さぁ、これより我らは朝食の準備を行う!
っと、食堂へと来たのはいいのですが、、、何故来ている!? あるぇ、目の錯覚かなぁ?
・・・よし、気分を落ち着かせるには外の空気を吸うのが一番だろう、ということで、すでに何故か食堂にいる2人はいない扱いにして外に出ようとした、、、。
「おい、侯爵、俺らをスルーするつもりかな、、、?」
はい、無理でした、、、。とりあえず誤魔化すかね、、、。
「あれ!? 陛下、いらしたんですか!?」
「・・・何故、今まで気付かなかったような振りしてやがるんだ? ・・・どう見ても、俺らを避けようとしての行動にしか見えねぇんだがなぁ、、、。」
「イエ、キノセイデス。」
「何で棒読みなんだよ。まぁ、いい。」
「・・・ところで、何でこんなクソ早くから食堂へと来ているんですかね? 朝食目当てでしたら、うちらが食べ始める頃を見計らって来るはずですが、、、。」
「流石はフロスト侯爵ですな。でしたら話は早い。」
「・・・謹んでお断りさせて頂きます。」
「何も言ってねぇのに、何で断るんだよ!」
「・・・陛下、自覚ないんですか? 今までが今までですから、どうせ今回も碌でもない内容でしょ?」
「フロスト侯爵、気持ちはわかるが、取り敢えず話だけは聞きなさい。」
「・・・一応伺いましょう。伺うだけですからね。」
「うむ。話の内容なんだがね。我がトリトン帝国では、帝都を中心に開発などが進んでいるのは理解していると思う。」
「ですね。それで功労者を我が領の料理でもてなしていますもんね。」
「非常に好評なので、続ける予定だ。」
「・・・普通に褒賞とかでもいいのでは?」
「・・・実は一時期考えたこともある。問答無用で却下されたけどな!! ・・・やれ、美味いもん食わせろだの、戦姫に会いたいだの、褒賞に変えようとしたら、どれだけ文句を言われたことやら、、、。」
リトン公爵は遠い目をしながら言っていた。かなり言われたんだろうなぁ、、、。しかも好きこのんで宰相やっているわけじゃないからなぁ、、、。下手を踏むと交代してくれと言われかねない。これ以上突っ込むのは危険だな。
「公爵、お話の続きをお願いします。」
「おっと、そうだったな。今までは順調に開発が進んでいたのだが、最近は少し停滞気味になってしまってな。」
「何か問題でも?」
「ああ、最近の調査でわかったことなのだが、帝都の地下に広大な水脈が発見されたと報告を受けたんだ。」
「おお! 地下水脈ですか? それは凄いですね! しかし、今まで見つからなかったのは不思議ですけど、その点については?」
「ああ、それについてだけどな。帝都からこっちに連れてきている者達が、この町の住人と一緒に訓練したり、洞窟で魔物を倒しに行ったりしているのは知っているよな?」
今度は陛下が答えてきた。
「みたいですね。見回っていると、ギルドの酒場で「次は負けんぞ!」とか言っている人達もちらほらいましたからねぇ。」
「そうだな。そのおかげもあって、あいつらのレベルやスキルの向上が著しくてな。それで、上がったスキルレベルを駆使して開発がさらに進んだりしてたんだよ。地下水脈もスキル向上による探索範囲が広がったおかげだな。」
なるほど、腐ってもそこは帝都である。優れたポテンシャルを持った住人が結構いるということだ。それは非常にいいことである。
「それで、その地下水脈がどうしましたか?」
「うむ、地下水脈を見つけたのはいいのだが、その場所はダンジョンになっていてな。」
「なるほど。それでは国中の冒険者達に頑張ってもらわないと!」
「もちろん、冒険者達にも頑張ってもらいたいのだが、残念ながら、冒険者達ではどう頑張ってもその地下水脈にたどり着くことができなくてな。生憎、高ランクの冒険者は我が国にはおらんからな。戦姫やフロスト侯爵達は別としてな。」
「なるほど、要するに、冒険者としてそのダンジョンへと潜って、地下水脈を確認してこい、と、そういうことなんですね?」
「地下水脈を確認して欲しいのは正解だが、冒険者としてではなく、フロスト侯爵として確認してきて欲しいのだ。そうしないと、地下水脈がギルドの所有となってしまうからな。」
「そういう理由でしたら、フロスト侯爵としてそのダンジョンへと向かいます。ちなみに、そのダンジョンについてはどの位まで探索は進んでいるので?」
「・・・正直なところ、ほとんど探索はされていない状態なのだ。というのも、出てくる魔物が不死系が多くいるらしいのだ。不死系には教会の連中に任せればいいと思うかもしれんが、この国の教会の連中は口が達者なだけで、実力の伴うものはおらん上に、ここぞとばかりに足下を見てきているからな。」
「今の財政なら余裕でしょ?」
「・・・まぁ、払えんこともないが、勿体ないだろう? まして下手に関わらせると、碌な事が起きんことは理解しているはずだが?」
リトン公爵がジト目でこちらを見てきた。戦姫のジト目ならご褒美かもしれないけど、初老のオッサンのジト目なんて見ても全くもって嬉しくない。もちろんこちらが冗談で言っていることを理解した上での遣り取りなんだけどね。教会に権力やら財力やら持たせても良い結果にならないことは分かっている。
まして、神は1人しかいない、と言っている連中の言うことなんて当てにならない。何せ神さまは、約1名目の前にいるし、現にアマさんもいる。少なくとも2柱確認できているのに、神はただ1人しかいない、という教えって噴飯ものである。
「ところで、ダンジョンへと行くメンバーですが、いつも通り私達4人と戦姫の3人+1ですかね?」
「いや、今回は侯爵、マーブル、ジェミニ、ライムの4人だけで行ってもらいたい。」
「それは構いませんが、戦姫の3人は文句いいませんかね?」
「戦姫の3人は別任務で頼もうと思っている。」
「別任務とは?」
「うむ、お主のゴブリン族から報告を受けていてな、どうやら森の様子が変だと。」
「なるほど。それでしたら、私達が森の様子を探って、戦姫にダンジョンへと潜ってもらうのは?」
「もちろんその案も検討してみたが、やはり、ダンジョンへは侯爵達に行ってもらいたい。森であれば戦力の補充はどうにかできるが、ダンジョンだとそうはいかないからな。」
「承知しました。ところで、ダンジョンについてですが、地下水脈の調査だけで構いませんかね?」
「いや、フロスト侯爵へと頼んでいるから、他にもいろいろ調査をしてきてくれると助かる。国営のダンジョンがあるかないかで、財政的に変わってくるからな。」
「なるほど。確かにそういうのは必要ですね。」
「お主がそれを言うか? まぁ、それはいいとして、フロスト侯爵よ、頼むぞ。」
「俺からも是非頼むぜ。水資源は必要だからなぁ。」
「承知しました。ところで、ダンジョンの探索ですが、今日明日にでも向かって構いませんかね?」
「今日明日って、準備が必要だろうに、、、。って、侯爵達だもんな。今日明日でなくとも構わないが、可及的速やかに頼む。」
「承知しました。では、早速準備を始めたいと思います。」
「フロスト侯爵、ちょっと待て。」
「・・・陛下?」
「準備の前に、メシ頼むわ。」
「・・・準備しますね。」
・・・やはり陛下は陛下だった。いつの間にかマリー夫人と戦姫が食堂へと来ていた。はい、追加ですね。
朝食が終わり、片付けも済んだので、リトン公爵からダンジョンの場所を聞いた。驚いたことに、ダンジョンの入り口は帝都内に存在していたようだ。となれば、マーブルの転送魔法を使えば一瞬で行けるね。
そんなことを思っていたら、リトン公爵から驚きの発言が。
「ああ、そうそう。ワシの屋敷、場所移動したから。」
「はゐ? 初めて聞きましたが、、、。」
「そりゃ、伝えるのは初めてだからね。」
「伯爵から公爵に一気に昇爵されましたからね。屋敷の移動もありますか、、、。」
やばいな。転送装置使えない? 以前帝都に行ったときの転送ポイント消しちゃったし、参ったなぁ。
「あ、そうそう。以前ワシが使っていた帝都の屋敷だけど、あの屋敷はフロスト侯爵の屋敷に変更になったから、遠慮なく使ってくれ。」
「は?」
「だから、以前いたワシの屋敷は、フロスト侯爵の屋敷になったの。」
「一応聞いておきますけど、今、誰か管理している人いるんですか?」
「ああ、そこは安心して欲しい。お主の領民が帝都へ行ったときの宿泊所になっててね、そのときに利用した領民が掃除やらの管理しているから。しっかりと転送の魔導具もあるから安心して。」
・・・初耳なんですけどね。まぁ、いいか。領民達が帝都に行ったときに使っているのか。誰も教えてくれなかった件について、どうなんだろうか、とは思ったけど、私基本的に帝都に行くことってないから仕方ないのか。それだったら、行く人が使えばいいよね。取り敢えず、フェラー族長とカムドさんがわかっていれば問題ないか。
戦姫の3が自分たちの部屋へと戻り、リトン公爵夫妻が領主館から出た後、フェラー族長とカムドさんが2人とも揃っていたので、改めて帝都での私用の屋敷について知っているかどうか聞いてみると、もちろん知っているとの返事を聞いたので、まぁ良しとしましょう、ということで納得した。どうせ使わないだろう、ということで有効な利用方法を考えたときに、領民達の宿泊場所にしようということで決めたらしい。
考えてみるまでもなく、獣人とか人型の魔物とか下手すると普通に魔物とかが当たり前に住んでいるのって、我がフロスト領くらいのものなんだよね。そうなると、用事で帝都へと向かわないとならないときに、安心して宿泊できる場所が必要、ということで、元リトン邸、現フロスト邸は必要なんだろう。であれば、大いに役立ててもらいたいというのが本音である。
どちらにせよ、一瞬で帝都まで転送できるのは助かるかな。それでも、一応専用の転送ポイントは設置し直す必要はありそうだね。取り敢えず移動手段はどうにかなるので、後は準備を進めるだけだね。
「それでは、マーブル隊員、ジェミニ隊員、ライム隊員。これより帝都ダンジョン探索任務を行います。各自用意を怠りなく。」
「ミャア!!」
「キュー!!」
「ピー!!」
3人がそれぞれ敬礼でもって応えた。やはりいつ見ても良いものだ。私のテンションも爆上がりした。まぁ、準備といってもほぼできているから、あとは何を作ろうか、それを作るのには何が必要かを考えて準備するだけなんだけどね。
-------------------------
コーメ「そういえば、フロスト侯爵が、ここのダンジョンへと潜るらしいですよ。」
ハクヤ「ということは、地下水脈がついに!?」
コーメ「ええ、そういうことですね。」
ハンニバ、ベーア「「俺も一緒に行きたかった、、、。」」
コーメ「2人とも、あのダンジョン、アンデッドだらけですよ? それでも行きたいと?」
ハンニバ、ベーア「「!!(フルフル)」」
戦姫に喧嘩をふっかけられ、それが終わったらうどんをご馳走してもらったはいいものの、トリトン陛下にそれを見られて領民に広がり、私に対する文句が殺到したとか、ここ数日ふんだり蹴ったりな状態ではありますが、何とか無事に過ごしておる今日この頃です。
朝の様式美と言ってもいいほどに定着した、私の可愛いマーブル達による朝起こしのおかげで、今日も気分良く目覚めることができているのは幸せなことだと痛感しております。どっちがお礼になっているかはわからないけど、お礼のモフモフやおにぎりの刑をバッチリ行い、顔を洗い着替えを済ませて、さぁ、これより我らは朝食の準備を行う!
っと、食堂へと来たのはいいのですが、、、何故来ている!? あるぇ、目の錯覚かなぁ?
・・・よし、気分を落ち着かせるには外の空気を吸うのが一番だろう、ということで、すでに何故か食堂にいる2人はいない扱いにして外に出ようとした、、、。
「おい、侯爵、俺らをスルーするつもりかな、、、?」
はい、無理でした、、、。とりあえず誤魔化すかね、、、。
「あれ!? 陛下、いらしたんですか!?」
「・・・何故、今まで気付かなかったような振りしてやがるんだ? ・・・どう見ても、俺らを避けようとしての行動にしか見えねぇんだがなぁ、、、。」
「イエ、キノセイデス。」
「何で棒読みなんだよ。まぁ、いい。」
「・・・ところで、何でこんなクソ早くから食堂へと来ているんですかね? 朝食目当てでしたら、うちらが食べ始める頃を見計らって来るはずですが、、、。」
「流石はフロスト侯爵ですな。でしたら話は早い。」
「・・・謹んでお断りさせて頂きます。」
「何も言ってねぇのに、何で断るんだよ!」
「・・・陛下、自覚ないんですか? 今までが今までですから、どうせ今回も碌でもない内容でしょ?」
「フロスト侯爵、気持ちはわかるが、取り敢えず話だけは聞きなさい。」
「・・・一応伺いましょう。伺うだけですからね。」
「うむ。話の内容なんだがね。我がトリトン帝国では、帝都を中心に開発などが進んでいるのは理解していると思う。」
「ですね。それで功労者を我が領の料理でもてなしていますもんね。」
「非常に好評なので、続ける予定だ。」
「・・・普通に褒賞とかでもいいのでは?」
「・・・実は一時期考えたこともある。問答無用で却下されたけどな!! ・・・やれ、美味いもん食わせろだの、戦姫に会いたいだの、褒賞に変えようとしたら、どれだけ文句を言われたことやら、、、。」
リトン公爵は遠い目をしながら言っていた。かなり言われたんだろうなぁ、、、。しかも好きこのんで宰相やっているわけじゃないからなぁ、、、。下手を踏むと交代してくれと言われかねない。これ以上突っ込むのは危険だな。
「公爵、お話の続きをお願いします。」
「おっと、そうだったな。今までは順調に開発が進んでいたのだが、最近は少し停滞気味になってしまってな。」
「何か問題でも?」
「ああ、最近の調査でわかったことなのだが、帝都の地下に広大な水脈が発見されたと報告を受けたんだ。」
「おお! 地下水脈ですか? それは凄いですね! しかし、今まで見つからなかったのは不思議ですけど、その点については?」
「ああ、それについてだけどな。帝都からこっちに連れてきている者達が、この町の住人と一緒に訓練したり、洞窟で魔物を倒しに行ったりしているのは知っているよな?」
今度は陛下が答えてきた。
「みたいですね。見回っていると、ギルドの酒場で「次は負けんぞ!」とか言っている人達もちらほらいましたからねぇ。」
「そうだな。そのおかげもあって、あいつらのレベルやスキルの向上が著しくてな。それで、上がったスキルレベルを駆使して開発がさらに進んだりしてたんだよ。地下水脈もスキル向上による探索範囲が広がったおかげだな。」
なるほど、腐ってもそこは帝都である。優れたポテンシャルを持った住人が結構いるということだ。それは非常にいいことである。
「それで、その地下水脈がどうしましたか?」
「うむ、地下水脈を見つけたのはいいのだが、その場所はダンジョンになっていてな。」
「なるほど。それでは国中の冒険者達に頑張ってもらわないと!」
「もちろん、冒険者達にも頑張ってもらいたいのだが、残念ながら、冒険者達ではどう頑張ってもその地下水脈にたどり着くことができなくてな。生憎、高ランクの冒険者は我が国にはおらんからな。戦姫やフロスト侯爵達は別としてな。」
「なるほど、要するに、冒険者としてそのダンジョンへと潜って、地下水脈を確認してこい、と、そういうことなんですね?」
「地下水脈を確認して欲しいのは正解だが、冒険者としてではなく、フロスト侯爵として確認してきて欲しいのだ。そうしないと、地下水脈がギルドの所有となってしまうからな。」
「そういう理由でしたら、フロスト侯爵としてそのダンジョンへと向かいます。ちなみに、そのダンジョンについてはどの位まで探索は進んでいるので?」
「・・・正直なところ、ほとんど探索はされていない状態なのだ。というのも、出てくる魔物が不死系が多くいるらしいのだ。不死系には教会の連中に任せればいいと思うかもしれんが、この国の教会の連中は口が達者なだけで、実力の伴うものはおらん上に、ここぞとばかりに足下を見てきているからな。」
「今の財政なら余裕でしょ?」
「・・・まぁ、払えんこともないが、勿体ないだろう? まして下手に関わらせると、碌な事が起きんことは理解しているはずだが?」
リトン公爵がジト目でこちらを見てきた。戦姫のジト目ならご褒美かもしれないけど、初老のオッサンのジト目なんて見ても全くもって嬉しくない。もちろんこちらが冗談で言っていることを理解した上での遣り取りなんだけどね。教会に権力やら財力やら持たせても良い結果にならないことは分かっている。
まして、神は1人しかいない、と言っている連中の言うことなんて当てにならない。何せ神さまは、約1名目の前にいるし、現にアマさんもいる。少なくとも2柱確認できているのに、神はただ1人しかいない、という教えって噴飯ものである。
「ところで、ダンジョンへと行くメンバーですが、いつも通り私達4人と戦姫の3人+1ですかね?」
「いや、今回は侯爵、マーブル、ジェミニ、ライムの4人だけで行ってもらいたい。」
「それは構いませんが、戦姫の3人は文句いいませんかね?」
「戦姫の3人は別任務で頼もうと思っている。」
「別任務とは?」
「うむ、お主のゴブリン族から報告を受けていてな、どうやら森の様子が変だと。」
「なるほど。それでしたら、私達が森の様子を探って、戦姫にダンジョンへと潜ってもらうのは?」
「もちろんその案も検討してみたが、やはり、ダンジョンへは侯爵達に行ってもらいたい。森であれば戦力の補充はどうにかできるが、ダンジョンだとそうはいかないからな。」
「承知しました。ところで、ダンジョンについてですが、地下水脈の調査だけで構いませんかね?」
「いや、フロスト侯爵へと頼んでいるから、他にもいろいろ調査をしてきてくれると助かる。国営のダンジョンがあるかないかで、財政的に変わってくるからな。」
「なるほど。確かにそういうのは必要ですね。」
「お主がそれを言うか? まぁ、それはいいとして、フロスト侯爵よ、頼むぞ。」
「俺からも是非頼むぜ。水資源は必要だからなぁ。」
「承知しました。ところで、ダンジョンの探索ですが、今日明日にでも向かって構いませんかね?」
「今日明日って、準備が必要だろうに、、、。って、侯爵達だもんな。今日明日でなくとも構わないが、可及的速やかに頼む。」
「承知しました。では、早速準備を始めたいと思います。」
「フロスト侯爵、ちょっと待て。」
「・・・陛下?」
「準備の前に、メシ頼むわ。」
「・・・準備しますね。」
・・・やはり陛下は陛下だった。いつの間にかマリー夫人と戦姫が食堂へと来ていた。はい、追加ですね。
朝食が終わり、片付けも済んだので、リトン公爵からダンジョンの場所を聞いた。驚いたことに、ダンジョンの入り口は帝都内に存在していたようだ。となれば、マーブルの転送魔法を使えば一瞬で行けるね。
そんなことを思っていたら、リトン公爵から驚きの発言が。
「ああ、そうそう。ワシの屋敷、場所移動したから。」
「はゐ? 初めて聞きましたが、、、。」
「そりゃ、伝えるのは初めてだからね。」
「伯爵から公爵に一気に昇爵されましたからね。屋敷の移動もありますか、、、。」
やばいな。転送装置使えない? 以前帝都に行ったときの転送ポイント消しちゃったし、参ったなぁ。
「あ、そうそう。以前ワシが使っていた帝都の屋敷だけど、あの屋敷はフロスト侯爵の屋敷に変更になったから、遠慮なく使ってくれ。」
「は?」
「だから、以前いたワシの屋敷は、フロスト侯爵の屋敷になったの。」
「一応聞いておきますけど、今、誰か管理している人いるんですか?」
「ああ、そこは安心して欲しい。お主の領民が帝都へ行ったときの宿泊所になっててね、そのときに利用した領民が掃除やらの管理しているから。しっかりと転送の魔導具もあるから安心して。」
・・・初耳なんですけどね。まぁ、いいか。領民達が帝都に行ったときに使っているのか。誰も教えてくれなかった件について、どうなんだろうか、とは思ったけど、私基本的に帝都に行くことってないから仕方ないのか。それだったら、行く人が使えばいいよね。取り敢えず、フェラー族長とカムドさんがわかっていれば問題ないか。
戦姫の3が自分たちの部屋へと戻り、リトン公爵夫妻が領主館から出た後、フェラー族長とカムドさんが2人とも揃っていたので、改めて帝都での私用の屋敷について知っているかどうか聞いてみると、もちろん知っているとの返事を聞いたので、まぁ良しとしましょう、ということで納得した。どうせ使わないだろう、ということで有効な利用方法を考えたときに、領民達の宿泊場所にしようということで決めたらしい。
考えてみるまでもなく、獣人とか人型の魔物とか下手すると普通に魔物とかが当たり前に住んでいるのって、我がフロスト領くらいのものなんだよね。そうなると、用事で帝都へと向かわないとならないときに、安心して宿泊できる場所が必要、ということで、元リトン邸、現フロスト邸は必要なんだろう。であれば、大いに役立ててもらいたいというのが本音である。
どちらにせよ、一瞬で帝都まで転送できるのは助かるかな。それでも、一応専用の転送ポイントは設置し直す必要はありそうだね。取り敢えず移動手段はどうにかなるので、後は準備を進めるだけだね。
「それでは、マーブル隊員、ジェミニ隊員、ライム隊員。これより帝都ダンジョン探索任務を行います。各自用意を怠りなく。」
「ミャア!!」
「キュー!!」
「ピー!!」
3人がそれぞれ敬礼でもって応えた。やはりいつ見ても良いものだ。私のテンションも爆上がりした。まぁ、準備といってもほぼできているから、あとは何を作ろうか、それを作るのには何が必要かを考えて準備するだけなんだけどね。
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コーメ「そういえば、フロスト侯爵が、ここのダンジョンへと潜るらしいですよ。」
ハクヤ「ということは、地下水脈がついに!?」
コーメ「ええ、そういうことですね。」
ハンニバ、ベーア「「俺も一緒に行きたかった、、、。」」
コーメ「2人とも、あのダンジョン、アンデッドだらけですよ? それでも行きたいと?」
ハンニバ、ベーア「「!!(フルフル)」」
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