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第六話 見て、君の夢はどこに?
見て、君の夢はどこに?(4)
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早口でまくしたてる様子は、まるでひ弱な三十路講師を追い詰めているかのようだ。
「禁断ってどういうことなんだい? 教えてくれよ、モブ子さん?」
「蓮、気にしなくていいから。落ち着けるところへ行こう」
「落ち着けるところって何だ? いやらしい従兄だな。このエロイトコめ!」
「えっ、何の話だい?」
「だから蓮、放って……」
ひたすら狼狽える蓮を挟んで、睨みあう征樹とモブ子。
やがて征樹の醸しだす理性的な雰囲気に押されたか、モブ子らは「うむぅ」と呻いた。
「ア、アタシらは小野ちんの味方だからな!」
「痛っ!」
オーダーメイドのスーツの膝のあたりを蹴り飛ばすと、三人組は脱兎のごとく駆けて行った。
「な、何なんだ、あの子たちは……?」
脛をさすりながらポカンと見送る征樹。
「モブ子さんたちだよ」
「モブコサンタチ? サラッと言ってるけどそれは名前なのか、蓮?」
「別に。モブ子さんはモブ子さんだよ」
「モブコサンハモブコサン? まぁいいけど……。それより台風が直撃しそうだけど大丈夫か?うちに来るか?」
うるさいよ、征樹兄ちゃん──そう言いたくなるのをぐっと堪えて、蓮は彼女たちの後姿を見送っていた。
「小野くんが学校、やめちゃう……?」
「なぁ、蓮? モブコサンってあの三人全体でモブコサンなのか? それとも、個人で……」
「………………」
「蓮、聞いてるのか?」
「………………」
何やら複雑なことを言い出した征樹は完全に無視された。
「禁断ってどういうことなんだい? 教えてくれよ、モブ子さん?」
「蓮、気にしなくていいから。落ち着けるところへ行こう」
「落ち着けるところって何だ? いやらしい従兄だな。このエロイトコめ!」
「えっ、何の話だい?」
「だから蓮、放って……」
ひたすら狼狽える蓮を挟んで、睨みあう征樹とモブ子。
やがて征樹の醸しだす理性的な雰囲気に押されたか、モブ子らは「うむぅ」と呻いた。
「ア、アタシらは小野ちんの味方だからな!」
「痛っ!」
オーダーメイドのスーツの膝のあたりを蹴り飛ばすと、三人組は脱兎のごとく駆けて行った。
「な、何なんだ、あの子たちは……?」
脛をさすりながらポカンと見送る征樹。
「モブ子さんたちだよ」
「モブコサンタチ? サラッと言ってるけどそれは名前なのか、蓮?」
「別に。モブ子さんはモブ子さんだよ」
「モブコサンハモブコサン? まぁいいけど……。それより台風が直撃しそうだけど大丈夫か?うちに来るか?」
うるさいよ、征樹兄ちゃん──そう言いたくなるのをぐっと堪えて、蓮は彼女たちの後姿を見送っていた。
「小野くんが学校、やめちゃう……?」
「なぁ、蓮? モブコサンってあの三人全体でモブコサンなのか? それとも、個人で……」
「………………」
「蓮、聞いてるのか?」
「………………」
何やら複雑なことを言い出した征樹は完全に無視された。
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