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過去編

なかよしこよし…?②

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なかよしこよし…①はたつなゆ

3P 仲良し いつもと違う二人 

【神功左千夫】

九鬼がつれない。
一緒にお風呂に入っていると言うのに襲っても来ない。
どこから持って来たのか数匹のアヒルを浴槽に浮かべて、「この子左千夫クンに似て可愛いでしょ」などと言っている。

正直そんなことどうだっていい。
僕はそんなことより、貴方と早く結ばれたい、それほど貴方が好きだ。

その時に来客を知らせるチャイムが鳴る。
普通にここに入ってこようとすればこのチャイムは鳴る。
しかし、九鬼はどうやって入ってきているのかこのチャイムが鳴ったことは無い。

僕は浴槽からでると軽く体を拭って私室へ続く扉を開いた。
九鬼もバスローブをまとい後からついてくる。
其処には那由多君が居た。
なぜか分からないが彼がそわそわしていたので僕は首を傾げる。

後ろに居た九鬼が僕の頭を拭いてくれた。
その優しい手つきに彼の顔を見上げていたので那由多君の言っていることが耳に入って無かった。
これはいけないと那由多君に視線を戻すと彼は顔を真っ赤にしながら僕にお願い事をしてきた。

「お願いです、キ、キスを……キスをしてください!!!」

僕にキスをして欲しいのか?
確かに那由多君もお年頃なのでそんな日も有るかもしれない。
キス位減るものではないし、僕の可愛い書記の頼みだ、聞いてやろう。
そうすると九鬼は少しはヤる気を出すかも知れない。

「……いいですよ」

僕がにっこり笑って近づくと那由多君は青ざめ始めた。
本当に恥ずかしがりやで柚子由みたいだ。
そう思うと可愛く見えてきた。

その頬に片手を触れさせて僕は唇を奪った。

「ちが!違う!違うんです会長!!!俺じゃなくてっふくかいちょ…―――――んぶぅううう!!!!!」

情けない声が響くがそれも愛らしい。
ちゅっちゅっと何度も唇を啄んでから、うっすら開いた唇の間に舌を差し込んで行く。
ゆっくりと那由多君の舌を絡め、気持ち良い位に軽く吸ってあげる。
その間は安心させるように優しく髪の毛を撫でた。
直ぐにふにゃふにゃっと熔けてしまう那由多君はとても可愛くて僕はにっこりと笑った。

  
【九鬼】

なゆゆが来たので、何かあったのかと思ったが、気にせずに左千夫クンの濡れたままの頭を拭いてあげていた。
彼が見上げてくる視線が愛おしくて少し照れてしまう。
そうこうしていると、左千夫クンはボクの元から急に離れた。
なゆゆが何か言っていたみたいだが、彼のことで頭がいっぱいで全然聞いていなかった。
そのまま左千夫クンはなゆゆへと近づいていく。
顔までも触れ合いそうになる距離になり、ボクは焦り始めた。

「え、左千夫クン…?」

名前を呼ぶと同時に、二人はボクの目の前でキスをした。
その光景に胸が痛み、どんどんと心臓が早くなっていく。
ダメだ、ぼーっと見ている場合じゃない。
大事な左千夫クンをなゆゆから離さないと。

「ダメだヨ左千夫クン!そんな…ボクの前で誰かとキスしないで!!」

そう言って、だらしない表情をしているななゆゆから左千夫クンの腕を掴み離してやる。
なゆゆは息を荒くしながら、目尻に涙を浮かべていた。
引っぺがした左千夫クンを後ろからぎゅっと抱きしめると、甘い香りのする彼の首元に顔を埋めた。

「左千夫クンはボクのなんだから…やめてヨ…」

絶対に絶対に誰にも渡さないんだ。


  

【千星那由多】

やばい、気持ちいい。
多分、巽や晴生よりも会長はキスがうまい。
それに、普段の会長のことを考えると余計に興奮してしまう。
舌を絡め取られると身体に力が入らなくなり、抵抗ができなかった。

いや、ていうか、なんでここでも流されてるんだ俺!
会長とキスをするのは初めてではないが、濃厚なそれはとろけるぐらいに気持ちよかった。
副会長が俺から会長を離してくれたので、これ以上はされそうにないが、この二人もだいぶ手間がかかりそうな雰囲気だ。

「……違う…んです…キスは、キスは二人でしてほしいんです!!でないとこの能力は……」

そう叫んでいるのにも関わらず、会長と副会長は既に二人の世界に入っていた。
何度も声をかけるが、完璧に俺はいない状態だろう。
こんな二人は今まで見たことがないので、複雑な気持ちになってしまう。
いや、でも俺はこれを止めなければいけないんだ。
こんな状態の二人がずっと続いて行く方が俺は耐えられない。

もう実力行使しかないと感じた俺は、大きく肩を落とすと、べったりと抱き合っている二人に近づいていった。

  
【神功左千夫】

那由多君とキスをしていたのに、九鬼によって引き剥がされてしまった。
少し可愛かったので残念だ。
九鬼は口ではそう言ってくれるが、全く相手にしてくれない。

「じゃあ、九鬼がキスしてください。」

「え……それは…」

「なら良いです。僕は那由多君としますから。」

ほらやっぱり、何もしてくれない。
その状態で僕のものとか言われても実感が無い。
肉体の関係が無い愛なんて存在しないんだ。
もっとけしかけてやろうと思ったところに那由多君が来た。

調度良い。
那由多君をもっと気持ち良くしてやろう。
そうすれば九鬼ももっと先までしてくれるかもしれない。

今、漸く抱きしめて貰いましたしね。

九鬼の腕から逃げる様に離れると、九鬼に向かって含みのある笑みを向ける。

それから那由多君をその場に押し倒した。

「那由多君。キス以上の事も教えて上げますよ?」

にっこりとほほ笑みながら唇にキスを一つ落とす。
それから、僕は那由多君の上で体の向きを変えた、所謂69の形だ。
那由多君の顔の前には僕のペニス。
僕の前には那由多君の股間が有る。
ゆっくりと態と音を立てる様にジッパーを下ろしていく。
勿論口で。

那由多君が抵抗を見せたが、陰嚢をギュッと握り萎縮した瞬間に性器を取り出した。
後は簡単だ、口の中でこれをしゃぶってしまえば那由多君はもう抗えないだろう。

僕はジュルリと音を立てながらペニスを口に含んだ。
そのままチラッと九鬼の方を見つめ、笑みを浮かべた。

  
【千星那由多】

近づいたのは間違いだった。
実力行使でキスをさせようとしたのに、何故か俺は会長に押し倒されてしまう。

「えっ!ちょッ…会長!!!」

そのまま会長の顔が俺の下半身へと向かうと、嫌な予感で全身の血の気が引いて行く。
この体勢、まさか…。
そう思っている内に陰嚢を握られ、身体が強張った途端にズボンのジッパーが降ろされていくのがわかった。

「やめ!なんで!ちょっと会長!!!――――ヒッ!」

俺の抵抗も空しく、社会の窓から萎えたペニスが取り出された。
萎えていると言っても、さっき巽と晴生にイかされたばかりだ。
まだあの余韻は残っている。
口に咥えられた感触に身体が跳ね、目を見開いた。

「…ッ!!やめて、ください……それ、汚い…ッんん!!」

なんでこんなに淫乱になっているんだ会長は!!
ていうか(裏)生徒会は淫乱ばっかりかよ!!

眉を顰めながら、会長の身体を押しやるが、びくともしない。
いやらしい音が聞こえてくる。
なんでこんな状況になってしまったのか、冷静に考える余裕もなかった。

「……ふ、副会長……ッ止めてください…よッ……」

会長の目の前にいるであろう副会長へと声をかける。
でもこういう時に参加してきそうなのが副会長だ。
助けを求めても無駄かもしれない。

  

【九鬼】

左千夫クンとキスなんかできるわけがない。
想像するだけで頭が爆発しそうだ。
もじもじしていると、左千夫クンは何故かなゆゆとすると言い放ち、側に寄って来たなゆゆを押し倒していた。

「さっ、左千夫クン…!」

どんどんと目の前でいやらしい行為が繰り広げられていく。
ボクの大事な左千夫クンが、なゆゆのペニスをしゃぶっている。
挑発するような目をこちらに向けられると、腰が疼いてしまった。

「や、やめてヨ!お願い!そんなの…ボクに見せつけないでヨ!!」

なゆゆのペニスから口を離そうと左千夫クンの顔を引っ張るが、全然離そうとしない。
それどころか、勃起し始めているペニスをいやらしい顔で舐め上げている。
興奮しちゃいけない。
だって彼は大事な人なんだ、そんな気持ちを持っちゃいけない。
だけど、こんな色っぽい彼を見たらボクの気だっておかしくなる。
熱を持ち始めた股間が徐々に下着に締め付けられていく。
こういう時、男の性というものには逆らえない。
その時、なゆゆが左千夫クンを止めろと言って来たが、ボクはどうしたら彼を止められるかがわからなかった。

「…っ左千夫クン……っボク……どうしたらいいの…」

情けない顔で半泣きになりながら彼に問いかけた。

  
【神功左千夫】

焦っている九鬼が可愛らしい。
あれは僕の事が好きで好きで堪らないと言った表情だ。
嗚呼、その調子で僕を早く満たしてください。

那由多君のズボンのボタンを開ける。
ペニスに吸いつき、腰が浮いた瞬間にズボンを下まで下ろしてしまう。

「おや、感度がいいですね、那由多君。
それに、湿ってますし…僕の前に誰かに気持ち良くして貰ったのですか?」

クツクツと喉を揺らしながら那由多君を辱めてやる。
セックスに羞恥プレイは必要だ。

九鬼が叫んでいる。
僕を引き剥がそうとしているようだがそんな優しい引っ張り方では僕が離れる筈が無い。
泣きべそをかきながら僕に質問する九鬼に下半身がゾクゾクと脈打った。

「そうですね、それではまず、僕の前に来て、バスローブを脱いでください。
那由多君のと一緒に可愛がって上げますよ?」

妖艶な笑みを浮かべると九鬼がゴクリと生唾を飲むのが分かった。
もっと僕に溺れるといい。

その間も那由多君のペニスを手や唇で扱き続けた。
尿道をグリグリと舌で抉るのも忘れない。
はやく、と、口にするかわりににっこりと笑みを湛える。

  
【九鬼】

目の前の左千夫クンはなゆゆを攻め続けていた。
下にいるなゆゆから小さな喘ぎが漏れている。
羨ましい。正直そういう気持ちがあったのは確かだ。

そして左千夫クンは、ボクにバスローブを脱げと言ってきた。
ごくりと喉がなる。
なゆゆと同じような事をしてくれると言うのだ。
…少しだけなら、いいかもしれない。

とにかく下半身が窮屈だったため、早く解放したいというのもあった。
おずおずと彼の前に立つと、ベルトを外していく。
少し前かがみになりながら、ゆっくりバスローブを脱いだ。
ああ、下着だけでも恥ずかしい、なんて恥ずかしいんだ。
左千夫クンの前でこんな姿を晒してしまうなんて。

「ボクの舐めたら…なゆゆを攻めるのやめてよね…」

子供の様に口先を尖らせながら俯いた。


  

【千星那由多】

…ダメだ…気持ち良すぎる…。
その上さっきシてたことも完璧にバレている。
言葉攻めさえも、今の俺には快感を押し上げる行為でしかない。

俺はずっと腕で目元を隠していた。
目の前に会長の股間があるというのも嫌だったし、何より恥ずかしかったのもあった。
それを舐めなければいけないようなそんな強迫観念さえ感じる。

快感に小さい喘ぎを漏らしていると、副会長までも会長にフェラをしてもらう流れになっているようだった。
この行為を止める以前の問題だ。
本当に………副会長の馬鹿。
それに今の副会長はなんだかおどおどしていて気持ちが悪い。
もちろんあの特殊能力のせいなのはわかっているが、普段の能天気な性格の方が何万倍かマシだった。

尿道を舌先で弄られると、身体がビクリと反応を示す。
もう既に俺のペニスはこの時完全に勃起していた。

ああ、泣きたい。

  
【神功左千夫】

僕の前で九鬼がズボンを下ろしていく。
ゴクリと喉がなってしまうのは仕方が無い、これだけ焦らされたんだ。
僕は九鬼が好きで好きで仕方が無いんだ。

やっとバスローブを脱いでくれたのに現れたのは派手な下着だった。

不満そうに彼を見上げた後唇で食むようにしてそれを下ろすと零れる様に勃起したペニスが出てきた。

恍惚な視線でそれを見つめる。
それから悪戯に笑みながら九鬼を見上げ小さく首を横に振る。

「嫌ですよ。…僕を満足させてくれなきゃ、那由多君はこのまま……れす……ン、は、石鹸の、かおり…が」

先程風呂で綺麗に洗われたペニスはフローラルの香りがした。
僕がいつも体を洗っているボディーソープの香りが九鬼のペニスからするのは堪らない。
自分のものに出来たのかの様な錯覚に陥る。

じゅっと先端に吸いついてから、コロコロと舌の上でペニスを転がる様に裏側を舐める。
焦らす様に先端しか舐めて上げず、じっと下から九鬼の表情を見つめた。

その間に手は那由多君のペニスを扱きあげる。
そう言えば那由多君はアナルセックスの経験者だ。
きっとこの程度では満足しないだろうと、ペニスに絡む唾液を掬うと中指を那由多君のアナルに侵入させていく。
そして、イイトコロを探すように中を大きく引っ掻いた。

僕のペニスが顔の前にあるからか、那由多君の抵抗は小さい。
別に今は舐めて貰う気は無かったのでなにも告げずに彼の快楽も追いたてて行った。

  
【九鬼】

「……ッ」

下着を降ろされると、勃起したペニスが外気に触れ身体が震えた。
そして、彼に先端だけを咥えられると、更にペニスは硬くなっていくのがわかった。
こちらを見上げながら悪戯に微笑む左千夫クンはかわいかった。
でも、なゆゆの事はボクが満足させてあげなきゃこのままだと言っている。
そんなの嫌だ…。左千夫クンにはボクだけを見てほしいのに。

「ま、満足させる…なんて……でき……ッ…ない……ヨ…!」

焦らすように先端だけを舐められているだけでも気持ちよく、身体が熱くなっていく。
好きな人に舐められているんだ、それだけで最高に嬉しかった。
彼の頭を撫でながら、瞳をじっと見つめた。
もっと、もっと深く咥えて欲しい。
彼の口でボクのペニスを弄んでほしい。

そんなことを思っている内に、なゆゆが声をあげたのが聞こえた。
どうやら更に左千夫クンが攻めているみたいだ。
このままだと、本当になゆゆを攻め続けるのを止めないだろう。
好きな人が誰かを気持ちよくしてあげている所なんて、ボクは見たくない。

「……わ、わかった、満足させるから…ボク、頑張るから……」

顔を赤くしながら、小さく呟いた。

  
【神功左千夫】

那由多君のペニスを激しく扱き上げながら、アナルをもう片手で弄る。
ビクンと体が跳ねる場所が分かると一定のリズムでそこを擦ってやる。
ここが彼の前立腺だ。

僕の髪に触れる九鬼の手。
男らしいこの手も大好きだ。
全て全て、愛してる。
この気持ちが報われなくても構わないくらい九鬼が好き。

嘘偽りない気持ちに自然と表情が緩む。
彼の手首にチュッと口付けてから僕は口淫を再開した。

「……ん。いい子です。とりあえず、先にイってしまいますか?」

それだけ告げると、深くまでペニスを咥える。
飴玉のように咥内で転がし、頬肉で扱きあげて行く。

出来るだけ喉奥で咥え、先端を加圧する。
後はこちらも一定のリズムで顔を前後させ扱きあげて行く。
そうすると那由多君の顔の前のペニスも自然と勃起していった。

「はっ……ン、相変わらず、小さな、…ン。性器ですね…こんなので、僕を満足させられるのです…かね。」

九鬼の性器は十分大きいと思う。
それでも僕は態と彼を罵る。
情けない顔を見るのが愛おしくて堪らないからだ。

口角を上げながら上を見上げる。
頬を窄めながらじゅるりと吸ってやる。
朱に染まった顔が堪らなかった。

  
【千星那由多】

ああ…まずい…どんどんやばい方向に向かっている。
アナルに指まで突っ込まれてしまうと、俺は自分の声を押し殺すように口を塞いだ。
副会長は会長に攻められて完璧に使い物にならないようだった。
もちろん俺もどう動けばいいのかわからない。
ジタバタと足を動かしてみても、上半身を足で抑え込まれていて意味がなかった。
快感に飲まれないように暫く小さく抵抗していたが、アナルの指が前立腺に触れると身体は大きく反応した。

「―――――んんんッ!!!」

やばい、見つけられてしまった。
一定のリズムで擦られていくと、快感と共に腰が浮ついていく。
会長の手の中で扱かれているペニスはガチガチになっていた。
目尻に涙を溜めながら、抵抗するように再び会長の腹をぐっと押しやるが、副会長のペニスに夢中なのか全く俺の行為には反応してくれなかった。
それにどんどん俺の力も抜けて行く。

ああ、イきたくない…こんな状況でイきたくない……!

  

【九鬼】

「……ん。いい子です。とりあえず、先にイってしまいますか?」

そう言われると胸が高鳴り、腰が疼いた。
そのまま彼の喉奥へとペニスが侵入していく。
気持ちいいけれど、彼が今ボクのペニスを咥えていると思うと、とてつもなく恥ずかしい。

「はッ…ぅ……ボクの…小さい…?………ごめん…ッ」

罵られると余計にペニスが硬くなっていくのがわかる。
好きな人の言葉攻めがこんなに興奮してしまうだなんて。
身体を震わせながら、彼の口から抜き差しされるペニスを眺める。
上目遣いの左千夫クンは最高にかわいい。
もっともっとボクのモノを奥まで咥え込んで、美味しそうにしゃぶって欲しい。

どんどん欲が沸いてくると、ボクは自然と腰を振っていた。
そのまま彼の喉奥を静かに突き上げながら、彼をじっと見つめる。

「く、…ぅ……ッ…左千夫クン……君はボクだけのものだよ……大好き、大好き…!」

そう言いながら腰は欲望のままに彼の咥内を犯していた。
こんなことしちゃいけないとわかっているのに、自分を抑えることができない。
じゅぼじゅぼと唾液に塗れたペニスが彼の口から抜き差しされる様は、興奮をどんどん高めて行った。

「…左千夫クン……イっちゃいそう…だから……口、離して……!」

このままでは彼の咥内へと射精してしまう。
それはダメだ。こんな汚いボクの精子を彼に飲ませるわけにはいかない。

  
【神功左千夫】

「ン、……可愛い、九鬼…ぼくの……く、き、ぅ、はッ、んむ、口に、は、だ…し、…て」

静かに喉奥を突きあげるペニスに吸いついていた。
謝られるだけで満たされていく。
しかし、九鬼が射精が近づいてきたのか逃げようとしたため、根元に一度歯を立てる。

萎縮したところで片手を彼の太腿の辺りに回し固定した。
そうして、顔を思いっきり前後させながら吸い上げる。
那由多君は、僕の胸で先端を擦り上げ、アナルの指をバラバラに動かして絶え間なく前立腺を擦り上げてやった。

すると直ぐに両者から体液が放たれた。
片方は僕の胸部に。もう片方は僕の咥内に。
咥内に流れ込んできた体液を態と喉を大きく動かして見せつけるように呑み込んでやる。
それからも、暫くチュゥチュゥと九鬼の敏感になっているペニスを吸い上げ、那由多君の前立腺をゆっくりと擦り続けてやる。
射精の感覚を長引かせてから僕は悶えている二人から漸く唇と手を離した。
そして、一番初めに那由多君に声を掛ける。

「……ん、……ふ、…気持ち良かった、ですか…那由多君。」

そう告げると射精した那由多君の尿道をクルリと舐めてやる。
まだ、僕は満足していないと九鬼に見せつける様に。

次は那由多君のペニスを口に含んだ。
萎えかけたそれに血液を送る様に舌と上あごで押しつぶしてやる。
多少暴れられてもこの体勢なら抑圧出来るので気にせず愛撫していった。

  
【九鬼】

口には出したくなかったのに、根元に歯を立てられると一瞬怯んでしまった。
その隙に足を固定されると射精させるように無理矢理吸い上げられる。

「ダメ、だよ…左千夫ク…さちッ………―――――うぅぅッ!!」

抵抗の言葉も空しく、ボクはあっけなく彼の咥内へと射精してしまった。
身体は射精の快感で震え、ペニスは彼の口に収まったまま大きく脈打っている。
自分の精液が彼の喉を通っていっているのを見ると、激しく興奮してしまい熱っぽい息を何度も吐き出した。
敏感な先を刺激されると、必死で彼の口内からペニスを引きずり出そうとしたが、暫く弄ばれた後、あっけなく左千夫クンの方から離されてしまった。

そして、彼はボクではなくなゆゆに声をかけた。
気持ちが一気に落ちていくのがわかった。

なんで、なゆゆに声をかけるの?
そんな奴よりボクの事だけ見てよ、左千夫クン。

悲しみと怒りが入り混じった感情がふつふつと沸き始める。
ぐっと拳を握ると、ボクは左千夫クンのお尻の方へと回った。
頑張るって言ったんだ。
彼を気持ちよくさせてあげなければ、きっと彼は振り向いてくれない。

そのまま左千夫クンのお尻をボクの腰の高さまで持ち上げる。
白いお尻がとてもかわいく見とれてしまう。
愛おしく優しい手つきでそれを撫でると、アナルの周りに指を這わせた。
ここにボクのペニスを挿入すればいいんだ。
ごくりと喉が鳴り、彼の身体を熱の籠った目で見下ろした。

「今から……挿れるから……ボクのペニス、君の中に…」

震えた声で彼に言葉を落とした。


  
【千星那由多】

「かい…ちょ……ひ、ぅ、う…――――――――ッ!!!」

結局、俺はすぐに会長の手によってイカされてしまった。
身体が波打つと、息を荒げながらそのままぐったりと脱力してしまう。
流されて気持ちよくなってしまった自分が情けなくて泣きそうだった。
ゆっくり息を落ち着かせていると、会長は射精した後の敏感な先端に舌を這わした。

「あぁあッッ!!!」

萎えていくはずだったペニスをしっかりと咥え、再び口淫を開始し始める。
さすがにこれはキツイ。逃げ出したい。
叫びながら足をばたつかせ、会長の腹を殴る様に暴れるが、そんなことはお構いなしに行為を続けて行く。

そして副会長が俺の頭の方へと回ってくる気配がした。
そちらへと目をやると、下から半勃ちの副会長のペニスが見え、思わず目を逸らしてしまう。
どうやら今から挿入するようだ。
二人のセックスをこんな間近で見せられたくない。
泣きたい気持ちを抑えながら、強く目を瞑る。

俺…ここに何しに来たんだよ…。

  
【神功左千夫】

余りにも那由多君が苦しそうなので一度口を離す。
舌を伸ばして優しい刺激を先端に与えて上げる。

真っ赤に充血したペニスはとても可愛く思えた。

「ふふ、敏感なんですね、那由多君は。
ほら、もう直ぐ、挿入シーンが見れますよ、君の直ぐ側で。」

視線だけ下に向けると彼は視線を逸らしていた。
本当に恥ずかしがり屋なんだと思い、また、ペニスの先端にキスを落とした。

震えた声とともにゆっくりと九鬼のペニスが侵入してくる。
唾液で濡れているとは言え、慣らさず挿入されるのは矢張り辛いものがあり、眉が寄る。

「あっ!…く、慣らさずに、…挿れる…なんて、本当に、センス…が、無いですね、九鬼…。」

繋がれただけで僕は満たされてしまう。
しかし、そんなことを口にしてはきっと彼はどこかにいってしまう。
僕に夢中にさせて置きたい。
なので、態と辛辣な言葉を落とす。

内心は気持ち良くて仕方ないので、那由多君のペニスの先端に吐息が掛る。
喘ぎ声を出さないようにと、刺激し過ぎない程度にまた、那由多君のペニスをしゃぶり始める。

「奥まで挿れたら…はっ、僕のイイトコロ…擦って…くき…」

口淫の間に言葉を零す、それにはどうしても甘さが含まれてしまい。
長く息を零した。
早く、めちゃくちゃに揺すって欲しいのに彼の挿入はとても丁寧だった。

  
【九鬼】

緊張して慣らすのを忘れていたことを挿入してから気づいてしまった。
しかし、ボクはもう止めることができなかった。
彼の中はとんでもなく締まりが良く、最高に気持ちがよかった。

「く…ッ左千夫ク…ン……」

たまらない。好きな人と繋がれている、それだけで天にも昇る思いだ。
彼が奥まで挿入しろと言ってきたので、言われた通りにそのままゆっくりと根本まで挿しこんでいく。
奥へ挿し込むと腸壁が愛おしさを現しているかのように絡みつき、たまらず息が漏れた。

「左千夫クンの…中……気持ちイイ…」

優しく手の平で尻を撫でまわすと、そのまま数度ゆっくりと突きあげた。
さっき口でイかされたばかりだというのに、彼の胎内でボクのペニスはガチガチになっている。
そして彼の前立腺をペニスの先端で擦る様に、大げさに腰を振っていく。

「はッ…ここ……でしょ…?左千夫クンの…いいところ…ッ……ボクは君のコト、なんでも知ってるヨ…」

笑みを零しながら、ゆっくりと前立腺を抉って行く。
ボクだけしか見れないくらいに乱れて欲しい。

「あぁ…好き……左千夫クン……」

恍惚な表情で彼を見下ろすが、こちらを見てくれない。
それどころかまだなゆゆのペニスをしゃぶっている。
また寂しさと苛立ちが沸き上がってくるのがわかった。
それを表現するように、執拗に彼の前立腺を攻め立ててやった。
どんどん自分の中の激しい思いが増していく。
彼を、ボクに溺れさせるにはどうすればいいのだろうか。

  
【神功左千夫】

気持ちが良い。
彼とのセックスは極上だ。
もう、このままずっと繋がっておきたい。
しかし、彼より先にイく訳にはいかないのでグッと我慢する。

「はぅ、……あ、む……く、そこばかり、とは、芸が―――な、い……ッ!は、もっと、激しく腰を振らない、……と、短い、貴方では……おく、の、いいところまでは、届きません……よ。」

前立腺ばかり責められると流石の僕も体が痙攣する。
息を止め、隠れたところで自分の手に爪を立てる様にして快楽をやり過ごす。
那由多君のペニスを愛撫することで気を逸らす。

余り、ここを攻められるとヤバいので態と違うところを攻める様に誘導する。
九鬼のペニスは大きくて僕の中まで犯してくれるけど、僕はもっと深く彼と結合したい。
だから、好きだと言われても反応しない。
もっともっと、僕に夢中になってほしいから。

那由多君をだしに使うのは悪いとは思っている。
でも、そんな姑息なことをしてでも彼を繋ぎとどめたい。

「ん……無駄口……叩いて、無いで、はやく、イきなさい…ッ」

自らも腰を揺らす。
するとポタリと体液が那由多君に落ちてしまう。
もう、好きだと言いたくて仕方が無い。
それを塞ぐように那由多君のペニスを頬張る。

少し休憩をはさんだのでもう、強く吸っても大丈夫だろうと、僕はまた、那由多君のペニスを本格的に愛撫し始める。
陰嚢を掌で転がし、根元を扱き上げながら先端を唇で愛撫する。
時々、尿道を舌で抉り、どんどん快楽を擦りこんで行った。
こうでも、しないと僕はもう正気を保てない。

好き、そう思う度に胎内が九鬼へと絡みついた。

  
【九鬼】

芸が無い、短小、と言われると恥ずかしくなってしまう。
こんなのじゃ彼は満足しないんだ、もっと頑張らないといけない。
そのまま激しく腰を振る様に彼の奥を突きあげた。
腸壁が絡みつくと、深く突き上げるだけで息が上がってしまう。

彼の身体が揺れるほどに何度も何度も打ち付けていく。

「まだまだ…左千夫クンが気持ちよくなってくれるまで…イかない、から…」

そう言うと抉る様に胎内を激しく犯してあげた。
尻を触っていた手を、彼のペニスに這わせると、申し訳程度に小さく扱いてあげる。
先端からは先走りが出始めていたのを指先で感じ、少し嬉しくなってしまう。
もっともっと頑張って彼を刺激してあげなければ。

尿道口に爪を立てるようにぐりぐりと先端を弄ってあげる。
彼はここが好きだ。
こんなボクの手で気持ちよくなってくれるかはわからないけれど、腰を強く打ち付けながら、執拗にその部分を何度も引っ掻く様に弄ってあげた。

  

【千星那由多】

うわあああああ、始まった、始まってしまった。
目を瞑ってはいたが、音と喘ぎで何が起きているのは容易に想像がつく。
しかも会長は挿入されているにも関わらず、俺のペニスへの愛撫は止めなかった。
最初は小さな刺激だったが、再び激しくなってくると、声が漏れてしまった。

「あ、ッん…やめ……やめて…くだ…ッ……」

こんなこと言っても止まらないだろう。
抵抗する手はもう飾りでしかない。
腰を動かして逃げようとするが、それさえも叶わない。

副会長の腰の動きが速くなったのがわかった。
激しい音と共に、二人の会話が恥ずかしくて耳を塞ぎたかった。

その時、ぽとりと俺の顔に何かが落ちてくる。
生ぬるいそれは、多分会長の先走りだろう。
泣きそうな顔でそれを拭うと、薄らと開いてしまった視線の先に副会長の手に包まれた会長のペニスが見えた。
骨ばった副会長の手が、会長のペニスに絡みついているのはなんとも生々しくいやらしい。

セックス見せつけられて、俺まで扱かれて…。

またイキそうになっている自分を抑圧するように顔を両手で塞いだ。

  
【神功左千夫】

「くぅ……ん。……は、気持ち良い?僕は……十分気持ちいいですよ。九鬼…。」

僕の限界が近付いてきた。
九鬼は本当に寸分の狂いなく僕の気持ち良い場所を荒らしてくる。
自分で腰を揺らすことで快楽を抑制し、イイトコロからずらす様に腸壁を擦りつけた。
僕を気持ち良くするまで彼はイかないと言う。
そうならば、方法を変えよう。

「九鬼、く…き、気持ちいい、……はぁ、ぁ、先、そんなに、しちゃ、だめ、…ぅ、ッ、九鬼、く…あいて、あいしてま…す。」

何とか射精感を押さえながら気持ちを紡いでいく。
本当に好きで仕方が無いので言葉を発することにより僕も昂り、内部がキュッッと窄まる。

尿道を弄られると堪らず那由多君のものが口から零れ、背が撓った。
それでも射精に耐える。

那由多君を放置する訳にはいかないので、グチュグチュと手で扱きあげる。
そのまま上半身は力が入らなくなったのでぐったりと那由多君の被さる形になり、ペニスを扱きながら、陰嚢の皮を唇で引っ張る様に愛撫する。

「愛してる…愛してます……く…き……ぁ、はっ……ッ!!」

那由多君の陰毛に鼻を埋める様に身を沈めながら言葉を紡ぐ。
この抑えられない気持ちをどうしたらいいか分からなかった。
それほどに彼が好きだ。
でも、彼は僕が満足してしまうとずっと傍には居てくれないだろう。
どう縛り付けるかを必死に考えながら僕は腰を振った。

  
【九鬼】

左千夫クンがボクに愛していますと言った。
それだけで全身に快感が走ると、更に彼の胎内を突き上げていく。

「左千夫クン……ボクも…ボクも……愛ッ、してる……よ…」

大好きな人から言葉で「愛している」と告げられることほど、嬉しいものはない。
彼の尿道口を引っ掻きながら、徐々に扱きあげていく。
左千夫クンのペニスも、中も、たまらなく好きだ。
もちろん彼の全てをボクは愛している。
ずっとずっと、探してきたボクの最初の友達。
それは今、友達の枠を超え、「最愛の人」となっている。
だから彼には振り向いて欲しかった。
そして、一生ボクの側にいて欲しかった。

突き上げを速め、彼の奥まで深く深く挿しこんでいく。
またボクの限界はそこまで来ていた。
彼の中にボクの気持ちを吐きだしたくてたまらない。

「さち…お、クン…も、ダメだ……君が愛しすぎて……またボク、イッちゃう…ッ……」

薄く目を開き、なゆゆの下半身に顔を埋めている左千夫クンに言った。
彼の揺れる腰を見ながら、小刻みに奥を突きあげる。

「……ッ…好き……大好き、愛してる……ッ…ボクだけ……のッ…左千夫ク……ッ――――!!!」

締め付けられる胎内の中で、ボクは再びあっけなく射精した。
全身に鳥肌がたつと、快感で背を反らせながら奥へと流し込むように射精の余韻を楽しむ。
左千夫クンのペニスを扱く手が脱力感で遅くなっていく。
気持ちよかった。
身体はもちろん、彼と心が繋がった気がして。
だけどボクは彼を気持ちよくさせられていない。

ペニスを抜かずに荒い息を整えながら、彼のペニスを頑張って扱き始めた。

  
【千星那由多】

ダメだ。
目の前で見せつけられていると、リアルにAVを見ているようで興奮してしまう。
顔を手で覆っていたせいで、音や息遣いが更にクリアに聞こえてしまい、眉を顰めた。
この状況で扱かれ続けて、イくなと言うのが無理だ。

「ぅ、…くッ……うぅ…――ッ!!」

会長の顔が俺の下半身に埋もれた。
身動きが更に取れなくなった俺は自分の顔の上で更に両手を握りしめた。

二人は愛していると言っているが、これも能力のせいなのだろうか。
それとも前からこんな関係だったのか?
会長の口ぶりからして、セックスはした事があるみたいだけれど。
そんな二人が、好きという感情を素直にぶつけあっていると、少し羨ましくなってしまう。
俺も、こんな風にちゃんと好きだと言えたらいいのに。

晴生の顔が過るとともに、俺は身体を震わせながら、三度目の射精をした。
その直後に副会長もイったようだった。
再び脳内にこの現実が戻ってくると、物凄い罪悪感や自分への嫌悪感が押し寄せてくる。

早く帰らせてくれ…。

  
【神功左千夫】

「僕も……愛してます…よ、九……鬼っ」

彼のペニスが胎内で弾けた。
イきたくて堪らなかったが何とか我慢する。
僕が射精しない間は彼は傍に居てくれるから。

どうやら、那由多君も射精したようだ。
顔を埋めていた為に僕の髪に体液が飛び散った。
那由多君を解放すると僕は両腕に力を入れて上体を起こす。

もう、限界が近い。
そして、キスをしたくて堪らない。
彼は愛し過ぎて、イくと言う。
僕は愛しいからイかない。
なんとも矛盾した気持ちに自然と笑みが零れる。

彼がいつまでも僕を愛してくれるなら他はなにもいらないと言うのに。
「好きという気持ちは永遠に続く」と、頭には摺りこまれているのに、どこかで「いつか終わりが来るかもしれない」と、僕に呼びかける。
それが怖くて仕方ない。
こんなに思いあっていると言うのに。

「早漏……、はやすぎ…ますよ、九鬼、……キス、は、……キス、してくれたら、僕も、イってしまうかもしれません…」


そう告げながら上半身を捻る様に九鬼の方へ向ける。
薄く唇を開くと彼は直ぐに身を寄せてきてくれた。
そして、どちらからともなく唇を啄む。

嬉しい。

しかし、そう思えたのは一瞬だった。
僕達の感情に介入していた能力が消滅する。
僕はなにを勘違いしていたのだろうか、彼が僕を好きな筈が無い。

体を差し出してまで繋がっていたんだ。
勿体ぶったって彼は振り向きさえしてくれないのに、そもそも、もったいぶれるほど高価な体じゃない。
出来れば全て無かったことにしたい。

直ぐに離れた唇の先、九鬼の瞳を見るなり、これからのことを考えて大きく僕の喉が上下した。
  


【九鬼】

早漏と言われたが、彼を愛しているのだから仕方ない。
こんなに気持ちよくなれるのは、彼だけなんだ。
左千夫クンが上体を起こし、こちらを見た。
キスをすれば左千夫クンも気持ちよくなってイってしまうと言う。
それならばするしか無い。
と言うより、ボクも早くキスをしたくて堪らなくなっていた。
彼の顔がゆっくりと近づいてくる。綺麗な薄い唇にそっと唇を重ねた。

ああ、なんて幸せな――――――――――ん?

一瞬にして目が覚めた。
いや、さっきまでの感情や言葉に偽りはない。
でも、あんな甘い行為をしながら甘い言葉を、曝け出すように左千夫クンに言う事はない。
というか、言わないようにしていたんだ。

触れ合った唇をすぐに離すと、目の前の彼の顔を見た。
彼は少し焦ったような表情をしている。
それを見つめながら、さっきまで彼に言われた事を全て思い返していた。

「……誰が、早漏だって?」

まだ彼の胎内に入ったままの半勃ち状態のペニスを、グッと奥へと押し込んでやる。

「誰が、短小だって?」

近くにある彼の顎を掴むと側に寄せ、イタズラに笑ってやった。
さっきまでの行為を思い返しただけで、自分の失態に腹が立ってくる。
彼のアナルから勢いよくペニスを引き抜き、離すように突き飛ばすと、下でぽかんとした表情をしているなゆゆへと視線を向けた。
どうやら今の現状に気づいたようだった。

「なゆゆも、もうちょっと頑張ろうヨ。それでも男なの?」

見下ろしたまま更に口角を高めに上げ笑いかけると、顔が青ざめていくのがわかった。
倒れている左千夫クンの元へと行き、頭を掴んでボクの顔を見るようにさせる。

「酷いよネー。いっつも気持ちよくしてあげてたのにそんなこと思ってたんだ?
ボク傷ついちゃったから、謝ってヨ………そうだな、土下座がいいかナ♪」

もちろん言われた事に対しての怒りもあったが、ボクは正直焦っていた。
彼に好きだの愛してるだの、自分の本心を言ってしまった事に対してだ。
その焦りの感情の行き場がわからないまま、隠すようにいつものような笑顔を向けた。



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