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過去編

なかよしこよし…?3

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【神功左千夫】

「は、ぅ―――く、……ッ、……ぁ、っ!!ちが…能力の…」

胎内を一突きされると自然と声が漏れた。
言ったことは撤回できない。
あれは嘘です、貴方を引きとめる為です、とも、今の状態では言えない。
逃げなければいけないと僕の本能が訴えていたが顎を掴まれてしまった。
そのまま床に転がる、那由多君が居るので動きにくい。
髪を掴まれるように顔を上げさせられるとそのまま睨んだが、彼は驚く様な言葉を口にした。

「なに……言って―――。」

土下座しろと。
僕はチラッと那由多君を見やる。
彼は青ざめた表情でこちらのやり取りを見つめていた。
二人きりならまだしも、彼の前でなんて土下座出来ない。

「嫌です。と、言ったら……?……九鬼、能力が見せたまがいものですよ…忘れては貰えませんか?」

嫌な笑みが僕に向いた。
僕も負けじと笑みを浮かべていつもの調子を貫こうとするが、どうやら彼には通用しなかったようだ。
もう片手が僕に伸びてきたと思ったらそれは僕を過ぎ床へと付けられた。
その瞬間に床が椅子の様に盛り上がり僕の四肢を拘束する。
手は背中の後ろで拘束され、足を那由多君に向けて大きく開かれる形で固定されてしまう。
九鬼の右手に嵌っているブレスを見つめてから呼吸を引き攣らせる。

僕は先程イかなかった、そのためペニスの熱はまだ冷め切っては居ない。

九鬼は僕の後ろに周り、那由多君に見せるけるように内腿を撫でた。

「―――ッ、九鬼、……那由多君が見てます…やめて、貰えませんか?」

彼の瞳は正気では無かった、こちらだけでも冷静にと言葉を返したが聞いては貰えなそうだった。

  
【千星那由多】

会長と副会長がキスの流れになった事で、やっと解放されると思ったが、それは完璧な間違いだった。
二人はキスした途端にいつもの調子に戻った。
けれど、先ほどまでの行為を思い出したのか、俺の上でイタズラに笑った副会長は少し怒っているような雰囲気だった。
顔から手を離してその二人を見ていると、副会長は会長を突き飛ばす。
そして土下座しろと言いだした。

なんか、すごい雰囲気悪くなってるんだけど…。

動けないままに、そんな二人を眺めていたが、副会長が能力を使い会長をM字開脚させ拘束した所で俺は慌て出す。
何し出す気なんだ、副会長は。

「やめる?じゃあ謝ってヨ、そしたら許してあげる」

副会長はいつもの笑みを浮かべながら、会長の太腿を指でなぞっている。
自ずと会長の反り立ったペニスに視線が行ってしまったので、視線を逸らした。

「なゆゆ。君が目逸らしたら会長にもっと酷いことするから。じっと眺めてなヨ」

そう言って副会長がこちらを見た瞬間に、地面から椅子が盛り上がってくると、ガッチリと拘束される。
これで俺も逃げられなくなってしまった。

「ふ…副会長……さっきまでの事は能力のせいだったんですよ!…仕方ないじゃな…」

「黙っててくんない?」

そう言った副会長は俺を見たまま会長の頬を思い切り打った。
その行為に俺は背筋が凍りつく。俺が抵抗すれば確実に会長はお仕置きされるだろう。
冷や汗が流れ落ち、黙り込むように唇を噛みしめた。

副会長は鼻歌を歌いながら会長から離れると、凹凸の少し反り曲がった銀色の棒を持ってくる。
何をするのかわからないまま、目を逸らしたい気持ちを抑えていると、その棒にローションをつけ会長のペニスの先端に宛がった。

「なゆゆブジー見るの初めて?会長はこれが大好きなんだヨ。じっくり見てあげてヨ」

そう言うとそのブジーという物を、そのまま尿道口へとするすると挿入していった。
あんな物が入るわけがない。なのにそれはどんどん奥へと侵入していく。
それを見ていると、自分のペニスが痛むような感覚が置き、俺は思わず目を逸らしてしまった。

すると再び副会長は、会長を殴ったようだった。
ハッとした俺は視線をすぐに戻す。

「だから目離しちゃいけないって言ってるのに。
左千夫クン、いっぱい気持ちよくなってるの見てもらおっか。
後輩にこんな変態行為見られたら、すっごくコーフンするでショ?」

副会長のその顔はさっきとは違う意味で正気ではなかった。

  
【神功左千夫】

頬を殴打される。
と、言っても問題ない程度だ。
僕にとってはこれくらいなんとでも無いのだがそれに那由多君が苦しんでいる。

「九鬼……那由多君が怖がって―――ッ!!!!ぁ、もイ、きそう…ぐ!!!……く……ッ」

ブジーの方に気を取られているとまた殴られてしまった。
それも快楽になりそうで怖い。
体は我慢していたのでもう限界が近かった。
出したくて堪らない。
凹凸に前立腺が擦れると体が震えてしまう。

九鬼の表情を見て、目を見開いた。
どうやら、この男はもう、止まりそうにない。
それなら、この攻めに耐えるしかない。
那由多君の前でイくのは恥ずかしいが、土下座よりはマシだろう。
咥内が切れて口端から流れた血を舐め上げる。
痛みで眉を寄せるが、青ざめている那由多君に対していつもの笑みを向けた。

「―――ッ、見たくないなら、見なくて、大丈夫ですよ、――ッ、那由多…くん、…は、僕は大丈夫なので。」

どうしても呼吸が弾む。

殴られることは別にいい、それで九鬼が満足できるなら。
でも、せめて二人きりの時に殴って欲しい。

何よりも、先程まで僕に言っていたことは全て嘘だ、能力のせいだと全身で現されることにショックを受けた。
分かっている、彼は時折甘い言葉をささやいてくれるが、それすらプレイの一部なのだと。
分かっているのに、現実を突きつけられると泣きたくなった。
勿論、そんなに簡単に流れる涙なんて持っていない。

もっと長くキスをしていたかったと、背後から乗り出す様に那由多君を見つめている九鬼の唇に視線を送った。

  
【九鬼】

彼の口端から流れた血に少し興奮を覚えてしまう。
なゆゆはこう言えば目を逸らさないかもしれないが、根性が無いのでどこまで耐えられるか。
ボクの方に視線を向けている左千夫クンに気づいたが、気づいていないフリをし、そのままブジーを奥まで挿入して行った。

「大丈夫?ならもっと気持ちいいことと、酷い事しないとダメだネ」

徐にブジーを奥まで突き上げると、近くにあったテーブルへと手を伸ばす。
そこにあったこの部屋の鍵をメスの様なものに変えると、まずなゆゆに見せつけるように舐めた。
表情を歪ませてボクを見ていた視線が少し外れた。
それに笑みを浮かべた後、左千夫クンの目の前にメスを差し出すと、耳元で囁いた。

「なゆゆがかわいそうじゃないの?さっさと土下座したら?」

そう言って頬、首筋、腕を辿り、そこで一気にメスを引く。
後々厄介なのであまり深くは切り込まないが、切れ味は中々だった。
彼の腕から流れた血を見て、ペニスが反り立って行くのがわかる。

「なゆゆ、今ちょっと視線外したよネ?じっと見てないとダメだヨ」

ブジーの手は緩めないままに、左千夫クンの快感を押し上げるように前立腺を突き上げていく。

「ほら、左千夫クンももっと啼いてヨ、いつも気持ちよさそうにしてくれてるでしょ?変態なクセして」

左千夫クンの耳を甘噛みしながら吐息をかけるように囁く。
もちろん視線はなゆゆに向けたままだ。
なゆゆはただ怯えているだけで何も言わなかった。
抵抗することを恐れているんだろう。けれど目が泳ぎ過ぎだ。
あんなのじゃ左千夫クンの白い肌はどんどん傷つけられていく。

「ほら、また視線外した」

ブジーを上下に動かし前立腺を突きあげながら、再び左千夫クンの身体にメスを引いた。
これでボクの名前を彼に刻んでしまおうか。

  
【神功左千夫】

このまま謝罪した方が那由多君にとってはいいのか。
しかし、僕のプライドが許さない。
奥まで差し込まれたブジーが前立腺を引っ掻いた瞬間にビクンっと体が跳ね僕は俯いた。
もう、無理だ、イく。

「はっ!!――九鬼!!もう、無理……ですッ……は、……イ、……ンッ、…それに、無駄ですよ……こんなこと…で。」

スッと鋭いメスで肌を裂かれると鮮血が滴った。
刃物を肌に付けられ脅されることなんて過去に何度も有った。
しかし、これが快楽に代わるのは彼だけだ。
尿道がパクパクとわななく。
紙で手を切った様な鋭い痛みは僕は嫌いだが、今これが気持ち良い。
彼に傷を付けられるなら寧ろ喜ばしかった。

口では言えないが体はビクビクと反応を繰り返す。
こんなことで参ることはないが、こんなことをされても僕は土下座する気は全く無かった。

また、肌を裂かれた瞬間、大きく体が撓った。
しかし、その瞬間前立腺への刺激を止められたので射精は出来なかった。

「―――はっ、はぁ…ッ、すいません…那由多…くん――ッ、…ぁアッ、も、九鬼……ッ、止めなさいっ!!」

駄目だ、イきたくて仕方なくなってきた。
体が震え、唇を噛みしめる。
それでも、イく瞬間に刺激を止められてしまう。
僕は表情を隠すように俯いた。

「那由多、君、……目、瞑ってて……いい―――ッ、あぁああ!!も、だめっ、九鬼、ッ!!んん!!」

肌にメスが張る度に走る快楽で気が狂いそうだ。
射精したいのにさせてくれない、でも、九鬼の言葉に頷く訳にはいかない。
そのまま只、僕の悲鳴と血の匂いを充満させるように時間が過ぎて行った。

  
【九鬼】

わかってはいたが、左千夫クンはこんなことをされても動じない。
謝る気配も全くなかった。
暫く彼の身体を切りつけながら、ブジーを抜き差ししていたが、これではずっとこのままだろう。

「…はぁ、君って本当に自分はどうなってもいいタイプだネ」

そう言うとメスをブジーに添わせながら、ペニスの先端に持っていく。
傷つけても、快楽を与えても、ボクには屈しないと言うのなら…。

目の前に居るなゆゆへと視線を移し、思いついた様に口角を上げた。
先端に宛がったペニスを離すと、なゆゆの所へと歩いて行く。
縛られているなゆゆの後ろへ回ると、掴みあげるように萎えているペニスを手に取った。

「さすがに怖くてここ反応してないネ。
…左千夫クンが土下座してくんないから、なゆゆに酷い事することに決めちゃった」

ペニスをつつくようにメスの先端を何度も当ててやる。
なゆゆの身体が硬直した後、微かに震えだした。
恐怖で息を飲んだ音も聞こえる。
これぐらい怖がってくれたら虐めがいもあるんだけどナ。
そして左千夫クンの方へと笑顔を向けた。

「このままだとなゆゆ再起不能かもネ?」

口元は吊り上っていただろうが、多分ボクの目は笑っていない。
  


【神功左千夫】

「……ぅ…ッ、……殺す、って言われたら……考えます…が」

ブジーとメスが擦れる音が耳障りだ。
ペニスまでメスが滑ると流石に体が硬直した。

が、彼は思っても見ない行動に移る。
しかも、その表情は正気では無かった。
那由多君と僕は違う。
きっと彼はこの恐怖に耐えきれない。
そして九鬼も手加減をしない、後遺症が残るほど傷つけるかもしれない。

「ま!待って下さい!――謝り、ます、…土下座します…から」

「…初めから、素直になってよね♪」

九鬼が僕の椅子をジッと見つめると熔ける様に床に戻って行った。
僕の手は後ろに拘束されたままだが謝るにはこれで十分だ。
ポタポタと床に血痕を落としながら九鬼の傍まで歩いていく。
そして、その、直ぐ側に膝を付き、頭を床へと付けた。

「能力のせいとは…いえ、…貴方に、あんなことを言ってすいませんでした…。
お詫びに僕の体を…好きに……使ってください。」

自分がバカなほど惨めだった。
過去にもこんなことを何度もしてきたと思いだしてしまう行為だ。
僕は那由多君の横でなにをしているんだろう。

折角、一人の人間になれたと言うのに。

那由多君が僕の事をどう思うかなど考えたくなかった。
九鬼が良いと言うまで頭は上げるつもりは無いが、那由多君に合わせる顔が無いので上げたいとも思わなかった。

こんなことさせるなら、せめて二人きりの時にさせて欲しかったと、ギリっと拘束されている拳を握り締めた。

  
【千星那由多】

副会長がペニスにメスを当ててきた時は、このまま切られてしまうことさえ覚悟したが、それは会長が土下座することで事なきを得た。
目の前で地面に額を付けている会長を見ないように目を逸らす。
身体も、行為も痛々しく胸が締め付けられてしまった。

副会長がなぜここまで会長に執着するのかがわからない。
そもそも、なんでこんな流れになってしまったんだ。
俺がもっとちゃんとしていればよかったのに。

自分の情けなさに思考を巡らせていると、副会長は土下座している会長の頭を強く踏みつけていた。

「副会長!!!いくらなんでも…それ、は…」

恐怖で語尾が小さくなる。
副会長はそんな俺の言葉を聞いていないかのように、こちらを振り向くことはなかった。
そして、そのまま会長に言葉を落とす。

「なんでも聞いてくれるんだ。気前がいいネ。
じゃあ…なゆゆに突っ込んでヨ。君のそのペニス♪」

その言葉に俺は瞠目した。
今、なんて?俺に?会長の…を?
頭がぐるぐると混乱し、冷や汗が出てくる。
黙っている会長の頭を、副会長は更に踏みつけていた。

「ほら、早く」

背中で見えないが、きっと酷い笑みを浮かべているんだろう。

  
【神功左千夫】

頭を踏まれるのは屈辱だが、予想できなかった訳では無い。
それで彼の気が収まるなら、安い、今はそう思うことにするが。
元来プライドが高い僕の背中で拘束されている指先が震えた。

更に追い打ちをかける言葉に俯いたまま目を見開いた。
九鬼は僕に何かをするのではなく、僕のペニスを、しかも、那由多君に挿れろと言うのだ。

「―――――――ッ!!!……わ…かりました。」

那由多君がかわいそうだと思ったのもあるが、それ以上にショックだった僕は黙り込んでしまった。
促されるように頭を踏まれる。
こうなってしまうともう逃げられない。
その足から逃れる様にして、僕はふらふらと那由多君の傍に歩いていく。
そして、安心させるように小さく笑みを浮かべた。

「すいません…那由多君、直ぐ済ませますので、犬にかまれたと思って…我慢してください。
あと、申し訳ないですが、舐めて貰えますか?
痛くない方が、いいでしょう…?」

少し力を失ったペニスを那由多君の唇に当てる。
ブジーが刺さったままのそれを舐めて欲しいと頼む。
潤いが無いまま入れるよりも舐めて貰ってから入れる方が痛みは少ないだろう。
先程アナルも弄って置いて良かったと小さく息を吐いた。

「後、舌で、出ている棒を押しこんで貰えますか…?まだ、入ると思いますので…」

九鬼の方を見ることなく言葉を重ねて行く。
那由多君の前なので表情を作れたが、僕は今にも泣きたかった。

  
【九鬼】

彼が土下座した瞬間に優越感が満ちてくる。
左千夫クンがボクの物になったような、そんな気分だった。
これでボクが言ったことは清算されただろうが、それでもまだあんなことを本気で口走ってしまった自分への焦りは消えない。
そして、彼の言葉も。

なゆゆに挿入しろと言うと、左千夫クンは素直に従った。
その従順な行動に腰が疼く。
左千夫クンはボクの顔も見ずに、怯えきっているなゆゆの唇にペニスを当てた。

なゆゆは力なくボクを睨んでいたが、口角を上げ笑うとすぐに視線を左千夫クンに戻した。
もうきっと抵抗はしないだろう。
すればボクが酷いことをすることはさっきまでの行為でわかっているはずだ。

「本当に…すいません…」

小さく呟いたなゆゆが左千夫クンのペニスに刺さっているブジーを眉を顰めながら更に奥へと挿入させた。
ブジーは完璧に中まで入ってしまう。
そしてそのままペニスを咥え始めた。
拙い口淫が二人に妙な色気を纏わせる。

従順な犬が二匹いるような感覚だった。
その行為を横から眺めていると、自然と笑みが零れた。
後輩に、仲間に、口淫をされている左千夫クン。
どんな気分だろうか。
そしてこれからそれをその後輩に挿入するんだ。
彼が誰かに覆いかぶさっているイメージをするだけで、興奮してしまうボクは変態だろうか。

「あー滑稽滑稽。すんごいいやらしいネ、二人とも。
こういうやり方も有りってコト、初めて気づいたヨ。もっと頑張ってボクを満足させてよネ。
それに…左千夫クンはちゃんとこっち向いて」

そう言うと彼の顎を掴み、こちらへと顔を向けさせた。

  
【神功左千夫】

「―――ッ、君は…なにも、…悪くな…い、……ン、唾液で…濡らすだけで……いいです…から」

奥までブジーが届くと痛みで眉が寄った。
九鬼と違って那由多君にこんなにマニアックな知識は無い。
ペニスを舐める舌も控えめで、少しくすぐったかった。
貪りつかれるよりはこの方がマシだが複雑な気分なことには変わりない。
自分の嫌いな行為をわざわざ後輩にさせているのだから当然だが。

「く……、はい、分かりました―――ん、那由多…君、はっ、もう、那由多君の中に挿れてい…ですか」

九鬼が無理矢理顔を上に向けたので歪んだ顔で彼を見つめた。
僕はもう、泣きたくて堪らない。
それを彼に悟られないようにおねだりすると、九鬼は那由多君の椅子を床へと戻した。
床に座る那由多君を押す様にして寝転ばす。
出来るだけ、はやく終わらせてあげようと、足の間に入った。

「初めだけ…大きく、足、開いて…いて、下さい……ッ、……く」

アナルにペニスを宛がう。
手が使えないので腰使いだけで挿入しないといけない。
圧が強いアナルに入れるのは至難の業だ。
キュウっとブジーを咥えている先端を締め付けられると思わず前屈みになった。

「は……キツ……少しだけ、力……抜いて―――ッ、ぅ、あ。」

ぐ、ぐ、と押し込んで行くが中々緊張しているのだろうペニスは入りにくかった。
その間は絶え間なく先端を締め上げられることになるので汗が那由多君の上に落ちた。
一気に突っ込んでブジーが飛び出しても駄目なのでゆっくりと挿入していくしかない。
しかし、かなりきつかった。

「九鬼……ッ、はいらな……ぃ、……ぅ、あ!」

  
【千星那由多】

副会長の指示に抵抗はできない。また会長や俺に何かをしてくるだろうから。
会長のペニスに口でブジーを差しこむのはかなり躊躇われたが、こうしておかないとこの後の行為が大変だ。
尿道の中へとそれを押し込んで行く感覚は気持ちが悪かった。

深く挿し込み終わった後、言われるがままに遠慮がちにペニスを舐める。
何故こんなことをしているのかと泣きたかったが、こうする他に道はない。
ある程度濡らすことはできたが、会長のコレが俺の中に入るのかと思うと、複雑な気持ちになった。

縛られていた椅子が床に落ちたが両腕は縛られたままだった。
地面に座り込む形になると、会長が優しく押し倒してくる。
とんでもないシチュエーションだ。
興奮などより困惑しかなく、俺のペニスは萎えたままだった。

大きく足を開けと言われたので無言で頷くと、恥ずかしかったができるだけ股を開き、会長から目を背ける。
緊張が解れないので身体は強張ったままだ。
そして会長のペニスの先端がアナルへと触れたのがわかった。

「――――ッ…!」

力を抜きたいのにうまくいかない。
大きく息を何度も吐いたが、侵入してくるペニスが痛い。
もちろん会長も痛いだろう。

「ぅ、ふ……くッ……!!」

少し挿入されただろうか、それでも時間がかかりそうだ。
だめだ…少しでも力を抜かないと。
そう思った時だった。

「ぬるいことしてるからだヨ」

上から言葉を落としてきた副会長が、会長の腰を押した。

「ひッ、――――あぅッッ!!!」

その行為で先端しか入っていなかった会長のペニスが無理矢理侵入してきた。
痛みに顔を歪め、思わず声があがる。
それでも副会長は、容赦なくペニスを奥へと挿入させるように、会長の腰を俺の方へと押していく。

「あ゛ぁ、い、いたッ、いたいッ…!!!」

感覚でペニスが根元まで挿入されたことはわかった。
息を荒げたまま薄らと目を開き、会長の向こう側の副会長を見る。

「ほら、入った。入らないとか嘘つかないでヨ」

副会長は会長の髪を掴むと、尻を何度も蹴っていた。
その振動が俺にも伝わってくるので、小さく声が漏れる。

「さ、頑張って、お互い気持ちよく喘がないと許さないからネ」

掴んでいた会長の頭を離すと、眺めるように横へと移動してきた。
その顔はいつものように笑っている。
一体副会長は何を楽しんでいるのかがわからない。
俺は目を細め、会長の顔を遠慮がちに見つめた。

  
【神功左千夫】

「ヒッ!あ、……九鬼ッ、……無理矢理ッ―――く、……はぁ、あ……ぅ!」

こんなことなら自分で無理矢理入れてしまえばよかった。
九鬼によって無理矢理根元まで挿入される。
那由多君の中は窮屈でかなりペニスが痛い。
しかも臀部を九鬼に蹴られ、その振動が骨に響いた。

血を流しながら、尻を赤く染めた姿は見れるものじゃないだろう。
それを那由多君に晒していると思うと喉が震えた。
僕は常に彼らを安心させる立場で居るべきなのに。

しかし、奥まで挿入してしまえばどうにかなる。
九鬼に掴まれていた髪がパラパラと垂れた。
九鬼を見てからこちらに視線を向ける那由多君に小さく苦笑を浮かべた。

「だい…丈夫です……なにも、考え…ないで、……気持ち良く、……なって」

那由多君の額に自分の額をコツンと付けた。
それからゆっくりと腰を動かしていく。
女性も男性も抱いたことが無い訳ではない。
好き好んで抱くことは余りなかったが。
ブジーが入っているせいで、普段よりも硬いペニスの雁首で前立腺を擦る。
上半身を那由多君に倒すのでは無く、起したまま角度を付けて中を擦り上げて行く。

「―――ッ、……・ン、……は…………きもち、いい…ですか?」

隣の九鬼に視線を向けないまま那由多君に向かって小さく笑みを浮かべる。
二人で喘げと言うなら那由多君を気持ち良くさせてあげよう。
痛みはだいぶ緩和してきたのか、僕のペニスに絡みつく様に中が収縮を始めた。
僕も気持ち良くなり始め、自然と呼吸が弾み、顎を下に引いた。

  
【千星那由多】

会長の優しい声が落ちてくる。
額を当てられると何故か安心し、心が安らいだ。
もっと力を抜く様にしないと、と深く息を吐く。

会長のペニスが前立腺を抉ってくる。
ブジーのせいか硬さのあるそれは、的確に俺の身体を気持ちよくしていった。

「はッ…ぅ、あ、……ぁ、…っん……」

小さい喘ぎが漏れるのを塞ぎたいが、塞ぐ手も縛られている上に、口を閉じると副会長が黙っていないだろう。
さっきまで萎えきっていたペニスは徐々に反り立ち始めている。
こんな状況でも、副会長の命令で会長にこんなことをされても、俺の身体は感じてしまうのか。

「き、…きもちー…です、かい、ちょ……あッ…!」

痛みにだいぶ慣れてくると、一気に快感だけが身体を支配し始める。
胎内が会長のペニスに絡みつくように締まっていった。
薄く開いた目で会長を見ると、上気した頬のせいで表情がとてつもなく色っぽい。
一際白い身体が艶めかしく揺れ、思わず俺は息を飲んだ。

「こんなことしてる二人、みんなにも見せてあげたいくらいだヨ。
淫乱会長に淫乱書記とか、滑稽だネ♪」

そう言うと、横で見ていた副会長は会長の後ろへと周り、肩から顔を覗かせ俺を見下ろした。
そして会長の乳首を強く摘まみ始める。
ピンク色の乳首が、痛いぐらいにぎゅっと捻られていた。

「なゆゆはちゃんと左千夫クンのこと見てないとダメだヨ」

乳首を何度も指先で弾きながら、会長の首元へと舌を這わせていく副会長の目はどこか少し怖かった。

  
【神功左千夫】

淫乱会長に淫乱書記…。
揶揄するように九鬼から落ちてきた言葉が更に僕を攻め立てる。
先程から射精していないので限界が近いが、ブジーが精道を塞いでしまっているので射精は出来ない。
しかも、前立腺刺激が無いのでドライも出来ないというもどかしさだった。

那由多君が気持ち良い言ったので静かに笑みを浮かべる。
嗚呼、ちょっと可愛いな、この那由多君は。
彼は確か、巽君や晴生君とこういうことをしていた筈だ。
彼らが嵌る理由がなんとなく分かる。

二年に上がってからは色々忙しかったので、挿入するのは久々だ。
それがこんなセックスになるとは思いもしなかった。
正直言うともう、普通に女を抱ける気がしない。
勿論、必要と有れば抱くけれど。

ゆるゆると打ち付けていた腰をはやくする。
そうしていると九鬼が僕の背中に回ってきて体に密着した。
それだけで長い呼吸が落ちる。

「……はっ……ん、もっと、気持ち良く…なって、くだ――ぁ!九鬼ッ、んー……も、イきたい……くぅ…」

潰されそうなくらいの痛みが乳首から走り背が撓った。
そのことにより那由多君の前立腺をペニスが抉る。
リズムが乱れた抜き差しをまた直ぐに再開させるが、九鬼は乳首を解放してくれはしなかった。
ガタガタと内腿が震え始める、そして、本能のまま腰を打ち付けて行く。
体はどうにかしてこのままイけないかと、絶頂を求めている様だ。

駄目だ、僕は九鬼に触れられてしまうとうまく表情を作れない。
しかも、今、九鬼から僕の表情は見えていないんだ。
那由多君がこっちをみているのに―――。
ああ、駄目だ、矢張り僕は九鬼が好き、……何されても嫌いになれないんだ。

「はぁ……ん、……なゆた……くん、ッ、……ぅあ!…ィ……九鬼……く、き!……ッん!!……もう、…九鬼の……挿れた……ぃ。」

感じ切った表情で那由多君を見下ろした後、背を撓らせ後ろの九鬼に体重を掛ける様にしながらも腰を揺らし続けた。
もう、思考が飛びそうに熱い。
演技だと見せかける様に名前を呼ぶが本心だ。
もう、九鬼と繋がりたくて堪らなかった。

  
【九鬼】

左千夫クンの言葉に腰が疼く。
すでに反り立っているペニスを彼の背中に宛がうと、擦りつけるように腰を揺らした。

「さっきあげたのにまだ欲しいの?そんなにボクのおちんちん好きなんだネ、左千夫クン。
なゆゆが聞いてるのに…ほんっとーに淫乱」

乳首を指先で弾きながら吐息のような声で囁く。
もちろんボクも早く挿入したくてたまらなかった。
上体を起こしている彼の身体を押しやると、なゆゆと顔が近づく距離まで腰を曲げてやる。
背中に擦り付けていたペニスを、焦らすように時折アナル付近へと宛てがいながら、なゆゆの顔を覗く。
今挿入するのかと言いたげな顔をしていたが、関係ない。

「…っ…おねだり通り、ボクのでイかせてあげる…」

そう言うと一気に奥へと突き挿した。
先ほど放ったボクの精液がまだ残っているのか、ローション変わりになりスムーズに挿入されたが、胎内はかなり締まりがよかった。
前立腺を抉るように乱暴に腰を打ち付けながら、彼の後ろから言葉を落とす。
収縮している腸壁が絡みつくと、気持ちよさで自然と笑みが深くなってしまう。

「ボクの短小ペニスに突かれて善がるなんておかしいネ?気持ちよくないんでしょ?」

先ほど言われた言葉で彼を虐める。
正直「短小」と言われるのは“薬師河”に対してのコンプレックスがあるので余計に尾を引いていた。
まぁボクのも規格外と言えばそうなんだけど、あいつにはさすがに負ける。

左千夫クンの身体が揺れるほどに胎内を抉りながら、行き場のない怒りを解放するように首筋へと歯を立ててやった。

  
【神功左千夫】

那由多君の顔が僕の目の前に来る。
微笑まないといけないのに僕はもう感じ切った表情しか浮かべられなかった。
焦らされた後九鬼のペニスが入ってくる。
耳元で落ちる声が僕の腰をざわめかす。

「ッッ!!!―――は、ぅあ、……ぁ、あ!!違ッ、九鬼……あれは、―――ッ、ふ、んッ。」

短小と言ったことをかなり根に思っているのか。
そんなこと思っていないのに。
僕にとっては彼が一番だ。
その時に首筋に噛み付かれる、小さく血が滲んだと一緒に僕は絶頂した。

「―――ぁあああッ!!!九鬼、イった、イ…た、ンンン!!は、あ、……ッ」

ドライでイった為快楽が収まらない、僕は更に激しく腰を揺らした。
ペニスもしめあげられ、アナルも犯される、その快楽に気が狂いそうだった。
下に居る那由多君ももう限界なのか、グングンと僕のペニスを締め付けてくる。

「ぅ、……ぁ!那由多…く…ん、は、……ぁ、九鬼、また、イ―――くッ、―――ッ!!」

首を噛まれることがこんなに感じるとは思わなかった。
九鬼の歯が肌に当たったと思うだけで肌が泡立つ。
那由多君にだらしない顔を晒しながら僕は喘いでしまった。

  
【九鬼】

左千夫クンはボクが噛みついた瞬間にドライに達した。
血が滲む彼の首に吸い付き、微かな血の味を楽しむ。
口内に広がる鉄の味だけでも興奮してしまい、激しく腰を打ちつけた。
狂ったように喘いでいる左千夫クンの声に身体が震える。

「なゆゆ気持ちよくしなきゃいけないのに、先にイっちゃったの?ダメだなァ、君会長でしょ?」

上がる息を彼の耳へと吹きかけながら、快感を止めないように彼の前立腺を容赦なく擦り上げていく。
もっと壊れて、なゆゆに恥を晒すといい。
ボクは側に落ちていたメスを取ると、少し上体を起こし、彼の背中に刃先をあてた。

「痛いのがいいなら、もっと痛くしてあげる」

そう言うとペニスの挿入を浅くし、先端だけで前立腺を擦り上げる。
そして、彼の背中に刃を添わせた。
ゆっくりゆっくりと、刃で肌を裂いていく。
一際白い肌に赤い血が流れ、それを舌で舐めとりながらじっくりと文字を刻んで行った。

今ボクは、彼の背中に、本名の「白翼」という文字を刻んでいる。
これぐらいしてやってもいいだろう。
寧ろ彼は痛みで更に喜んでくれるかもしれない。

「君に…ッ……ぴったりの文字、だネ…」

興奮で頭が膨張しているかのように熱い。
血の匂い、性の香り、左千夫クンの甘い香り。
すべてが混ざり合った香りを嗅いでいると、胎内に挿入しているペニスが更に硬くなっていく。
どうして彼だとこんなにも興奮してしまうのだろうか。
今のボクは酷い表情だろう。
彼が背を向けていてくれてよかった。

淡々と文字を刻んで行きながら、自分も早く彼の中に欲を放ちたくてたまらなくなっていた。

  
【神功左千夫】

僕はもう体に力が入らなくて那由多君にしな垂れ掛っていた。
それでも浅ましく腰は揺らし続ける。
気持ち良くて仕方ない。

本当だ、巻き込んでしまった那由多君を気持ち良くして上げないといけないのに。
ああ、でももう駄目だ。
彼の息が、彼の呼吸が、彼の心音が堪らなく気持ちいい。

「――――ヒ!……ぁ、ぁあ!背中はッ……だめッ、ぁ!あ!―――ッんん!!」

ドライ中に背中を傷つけられるのは初めてだった。
もとより僕は背中を噛まれるのが気持ちが良い。
そこの痛覚が鈍いのか、痛みよりも快楽が全身に走り渡って行く。
メスが当たる度に気持ちのいい電流を流されている感覚だった。
更に、前立腺の刺激が僕を追い詰める。

情けない、支配されている、おとしめられている。
他人なら屈辱でしかないこの行為も九鬼が相手なら悦になってしまう。
どうして、こんなに好きなのか、能力に掛っている間は幸せだったけど、僕達は能力が掛っても完全に熔け合えることは無いのだとも思い知らされた。
結局、僕はどうあっても彼から愛を向けられることは無い、向けられても信じられないのだ。

一定の間隔で刻まれる傷は何かを現していそうだがそこまでは分からなかった。
完全に愉悦に歪んだ表情を那由多君に晒す。
ああ、もう、隠しきれない、九鬼が好き、……愛してる。

そう思った瞬間僕の体はまた、痙攣した。
そうして、胎内の九鬼を締め上げ、那由多君の前立腺を押し上げた。

「は、ぅ!ひ、―――ッ、ァアアアアっ、も、駄目、頭がッ、焼け―――そ!!んんんッ、も。……く」
  

【千星那由多】

俺ももう限界だ。
会長のゆるんだ顔が近く、艶めかしい喘ぎに興奮してしまっている自分がいる。
胎内を抉る圧迫感は、快感にしかならなかった。

「も、…ダメ、で…すッ……!」

涙が目尻から伝うと、視界の端で副会長が床に落ちているメスを取ったのがわかった。
それを霞む視線で追っていると、徐に背中にメスを突き立てている。
その行為に会長がまた絶叫した。
何をしているかはわからないけれど、血の匂いで背中を切りつけられていることはわかった。

「な、に…し……んッ!あッ…ぅ、ぁッ…!」

目の前の会長はそれでも物凄く気持ちよさそうだった。
そして、その表情に俺は胸が痛んだ。
会長は副会長が好きなんだ、と感覚的にわかってしまったからだ。
その瞬間に会長のペニスが前立腺を押し上げた。

「ヒ、ぁ、かい……―――――んんぅッッ!!!」

身体が射精の快感で震えると、少ない体液が顔にかかった。
何度目だろうか。もう身体が辛くてだるい。
息を荒げながら、まだ続いている行為に眉を顰める。
もちろん俺がイっても、まだ副会長は会長の背中に何かを刻んでいる。
もう俺のことなど眼中にないだろう。
まだ身体は突き上げられるので、唇を噛みしめると小さく呟いた。

「副、会長……なんで…こんな……ッこと……!……かい、ちょう……副会長のこと……好き、な………ッ」

身体が揺らされ、語尾が途切れ途切れになる。
会長は副会長が好きなんだろう。
なのに好きな人にこんな酷い事をされるだなんて、馬鹿げている。
……だけど、それでも何かで繋がっていたいと思う事は、少しわかる気はした。
  


【神功左千夫】

「―――ぁあ!!ッ…はっ、あ、ぐ!ぅ…ィ、…那由多く…き……つッ、ふく、ぅああっ」

那由多君が射精した。
同時にグイグイペニスをしめあげられて僕の背は仰け反る。
その背中にも躊躇無く刃物が滑り、気が狂いそうだ。
那由多君の色っぽい視線に僕の視線が絡むその時に那由多君は言葉を綴り始めた。
それに僕は絶句してしまった。

「副、会長……なんで…こんな……ッこと……!……かい、ちょう……副会長のこと……好き、な………ッ」

那由多君にならバレないと思っていた。
彼はそう言うことには鈍そうだから。
しかし、それがばれると言うことはそれほどに僕の表情にその事実がでていると言うことだろう。
なんて失態だろうか、セックスに巻き込むことすら申し訳ないことをしているのに。
こんなこと彼が覚えて置く必要はない。
それに、今その事実を九鬼に告げて欲しくない。

「な、――ゆたくん、……忘れなさ…い、…僕が…口付けてからの全てを――。」

揺れるペンダントトップを発動源として那由多君に催眠術を掛ける。
この時ばかりは何とか笑みを浮かべることができた。
そのまま、痙攣している那由多君の中を突き上げていると九鬼がメスを放り投げた。

僕は抗うように腰を引く、そうすると那由多君からペニスが抜けた。
彼は気を失ったのかそのまま動かない。

僕はそのまま体を捻り、仰向けになろうとする。
その瞬間に自分の背中に刻まれた文字が鏡に映った。そこには確かに「白翼」と書かれていた。
彼の本名だ。

「―――ッ、これじゃあ、まるで貴方の、所有物……ィ、く…!!」

那由多君から引き摺り出したペニスの尿道からブジーが頭を出す。
溜まった体液で陰嚢がパンパンに膨れていた。
真っ赤に染まった顔で九鬼を見上げた。

  
【九鬼】

なゆゆが何かを言ったようだったが、ボクは彼の背中に文字を刻むことに集中していたので、何を言ったかはわからなかった。
その後左千夫クンが催眠術で記憶を消したようで、なゆゆはぐったりと動かなくなっていた。
別になゆゆがどうなろうが知ったこっちゃない。

左千夫クンがこちらを向く。
背中に刻まれたボクの名前を鏡で見て、所有物だと言った。
所有物…そう思われてもかまわない。
この気持ちがバレてしまうよりも、物だと思ってくれる方がまだマシだ。
左千夫クンはボクの“一番大事なモノ”なのは確かだけれど。
彼を完全にこちらに向かせると、薄く目を開き、彼の顔を覗き込んだ。

「これで…余所で変な事できないネ?」

ペニスの先端から飛び出しているブジーを抜き差ししながら、前立腺を抉っていく。
ボクの快感もそろそろ限界だった。
彼の背中に腕を回し、傷口に爪を立ててやる。

腸壁が絡みついているペニスはもう欲を放ちたくてたまらない。
腰の動きを速めながら、彼の首筋に再び噛みついた。

「…ッ……逃げても逆らっても…無駄だヨ…左千夫クンは、ボクの…モノなんだからネ」

耳元でそう囁くと、彼の身体から少し離れる。
そのまま胎内に一気に欲を放つと同時に、彼のペニスに刺さっているブジーを引き抜いてやった。
精液を奥へと流し込むように射精した後も大きく腰を打ちつけ続ける。
彼の腸壁はボクの全てを奪っていくように強く絡みついていた。

「…ッ、…はッ…く……ッ……!」

かなり興奮していたせいか、何度か射精したにも関わらず、かなりの量が出たようだった。
快感に顔を緩めながら、自然と彼の唇へと唇を重ねていた。

  
【神功左千夫】

「ん、ぁ、―――く、僕は、幻術…し、ですよ…これくらいで、縛れるとで―――っあ!」

体を返すと仰向けに転がらされる。
そのまま背中を那由多君の居ないところにつけようとすると背中に手が回ってきた。
爪を立てられて口から悲鳴が零れたが手が有ると彼に密着しやすい。
後ろに手が拘束されたままなのでもどかしいが瞳を絡ませた後、彼の肩に額を付ける。

「ふっ、ぁ!!またッ、噛んじゃッ!!――――ッ、ァアアア!!」

胎内を激しく荒らされるだけでもまた飛びそうだった。
那由多君が居るから何とかこの快楽にも耐えられたけど普段ならもう気をやっているところだろう。
そう思っているとまた噛みつかれた。
それだけでなく、尿道を擦られるように一気にブジーを引き抜かれる。
焼けるような痛みと快楽とともに体液をまき散らす。

今日は初めて射精した為に溜まった精液が中々収まらず、何度も分けて、九鬼の腹、自分の胸に飛び散った。
腸壁を絡みつかせ中に注がれたものを受け入れ、放心状態だったが口付けは確りと啄み返していた。
逃げたりなんかしない。モノでもいいから、傍に置いてほしい。

相変わらずの奴隷根性は抜けないなと、内心苦笑したが今はどうだっていい、舌を絡め彼に縋り、そっと鏡に映る彼の本名を盗み見た。

名前を書くほどに大切な彼の物になれればどんなに楽か。
自分が彼に抱いてしまった気持ちが苦しくて仕方が無かった。
快楽に緩んだ彼の顔を見て、僕もそっと微笑んだ。

  
【九鬼】

左千夫クンがキスを返してくる。
愛おしい。
何度繋がっても、キスをしても、新鮮で心が満たされていく。
どれだけボクは彼が好きなのだろうか。自分でもこの感情には呆れてしまう。

このままずっと彼の唇を味わっていたかったが、そんなことはしちゃいけない。
すぐに彼の唇から離れると、いつものようにイタズラに笑った。

「はい、お終い♪あースッキリした~」

そう言うと彼を押しやるようにして、ペニスを胎内から無理矢理引き抜いてやった。
彼の中から大量の白濁色の液が流れ落ちるのを見て、身体がゾクリと震える。
射精で重だるい身体を立たせると、首を鳴らしながら左千夫クンを見下ろした。

「たまには血を見ないとダメだネ。感覚忘れちゃう」

適当に身体を拭き制服へ着替えると、なゆゆの横を通り過ぎてドアノブへと手をかけた。

「後処理ヨロシク~……今度短小とか言ったら今よりもっと酷いことするからネ♪」

あくまでも平然を装いながら彼に笑いかけると、鼻歌を歌いながら部屋から出ていく。
もう二度とあんな状態で本音を漏らしてしまう失態は犯したくない。
そう思うと共に、どんどん彼への気持ちが膨れ上がってくる。
何をしても、何をされても、彼を好きな気持ちは収まることを知らない。
しかし、彼にこの本音を言うつもりなんて今は無いんだ。

結ばれてしまえば、左千夫クンが消えてしまうような、そんな気がしてならない。

相変わらずボクも気持ちだけは乙女だな。と、苦笑しながら、地下の階段を上っていった。

  
【神功左千夫】

キスの後は冷たい。
こうやって甘くしてしまった後は毎回こうなのでそろそろ慣れては来たが胸が軋む。

「―――ッ、は………。」

躊躇なく引き抜かれるペニスに体液が溢れた。
子孫を残すことなく死んでいく精子を見つめる。
彼の能力が切れたので自由になった両手で体を起こす。
彼の言葉を背中で受け止めていると扉が閉まる音が聞こえた。

「……もっと人形のように扱われれば僕も諦めがつくのでしょうか…ね」

いや、結局何をされても僕は諦めが付かないのだろう。
一緒に居れるだけ一緒に居る、たとえどうなっても。

気を失っている那由多君を担ぎあげる。
傷が痛んだが、彼を目の前にしているとそれも薄れた。
取り合えず、風呂に入ってさっぱりしようと彼を抱いたまま浴室へと向かう。

「君も複雑な恋をしてそうですね。」

静かに声を掛けて前髪を掻きあげた、高校生らしいあどけない表情に自然と笑みが浮かんだ。
取り合えず放課後まで余り時間が無い、さっさと身支度をしようと浴室へと消えた。


END
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