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令和6年最新話★★★
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しおりを挟む抱き着かれてしまって表情が見えないので全く九鬼の感情が読めなかった。そしてとんでも無く恐ろしいが九鬼らしい事を口走り始める。僕の手足を切断して飼ってくれるのは構わないが、いつか廃棄された後彼を守れなくなるのは嫌だ。そうなると僕のまま彼の側に居ることになるが。九鬼にとってのメリットが分からない。弄んでいた訳ではないとわかってくれたならさようならで終わりのはずなのだが。
「わかってる。ゴメン。ボクが悪いんだよネ」
「九鬼?」
「ちょっと考えたらわかることなんだよネ~。左千夫クンがボクの恋人を演じてる事なんて」
「……そうですね」
「だってオカシイもん、高校時代からあんだけ仕事人間だった君がメイドみたいにボクの世話だけをする時間があるはずないし、トレーニングしているとこをここ数日見てない」
……少し考えたらわかると言われたのは純粋に九鬼には幻術が効かないので、装っているだけの僕など直ぐに見分けられるという意味合いだとおもったがどうやら違うようだ。確かに九鬼の言うとおり、恋人ごっこをしていたので自分の時間がなくなり週に一回ほど地下に行って雑務を片付けていた。トレーニングだって九鬼に見つからないように行っている。
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