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ーガチャッ
「すまない、遅くなった……」
眠りは浅かったようで、ドアの音で目が覚めた。ドアの方を向くとポールさんを連れたアクィラさんが立っていた。
アクィラさんは…僕と目を合わせないようにしている。
それが1番悲しく思ってしまうのは何故なんだろう…
ぼーっとする頭でそんなことを考えていた。
「説明が遅くなってすみません…でも早く治療を行わなければ危ないところでした。どうかアクィラを嫌いにならないでください、」
ポールさんが申し訳なさそうな顔をして頭を下げた。
そして、あの後何が起きたのかを教えてもらった。
「大丈夫です、治療法はアレしかなかったんですよね?助けてくれてありがとうございました。…こちらこそすみませんでした、僕なんかのためにあんなことさせてしまって。」
沢山謝られたけど、助ける方法がアレしかなかったからそうしたんだろう。
…僕が助けてもらったのに、なんで僕がアクィラさん達を嫌いになると思うのか。
ただ疑問でしかなかった。
アクィラさんは尚もポールさんの後ろで目線を下にして申し訳なさそうにしている。
「アクィラさん、僕を助けてくれてありがとうございました!」
助けてくれたアクィラさんに…罪悪感を出させないために。
あ、ポールさんもですよ?と付け足すようにそう言い、僕は笑いながらお礼を言った。
「…いや、君が無事で本当によかった。」
アクィラさんは慣れてないであろう笑みを僕に向けて言った。大丈夫そうかな…
アクィラさんは本当の意味で僕を心配してくれる人だ。
不器用な笑みにつられて僕も笑顔になった。
そんなやりとりをしているとポールさんは思い出したように僕を向いた。
「そーでした!!色々ありすぎて忘れていましたけど…あなたの名前聞いてなかったですよね?」
「確かにそうでした…色々してもらっていたのにすみません。僕は、田中 綾と言います!リョウでもリオでも大丈夫です。」
「じゃあ、リオくんと呼ばせて貰いますね!私もゴタゴタしててすっかり忘れていましたから、大丈夫ですよ」
よろしくお願いします、と言ったポールさんと手を交わした。
「じゃあ、俺はリョウと呼ばせてもらおう。発音しにくいが……本名に近い方が嬉しいだろ」
最後の方はあんまり聞きえなかったけど、ポールさんが笑ってるから悪いことではない?と思う…。
そう考えながら、アクィラさんと手を交わした。
「盛り上がってるところ申し訳ないんですけど、そろそろ話に戻らせてもらいますよ?…リオくんがこれからどうするのかという話なんですけど、行くところが無いのならこのままここに住むというか案はありますけど…どう思いますか?」
元いた場所には帰りたくたい。
それに、怪我は治ったけど左足は治らないし…ここに住まわせてもらう方が生きていける。
でも本当に大丈夫なのかな…家事しかできない僕を置いてメリットなんてないし。
何もできないことがわかったら…家みたいな扱いされるのかな。
アクィラさん達にもそんな扱いされたら、僕は…僕は……いらない子だから。
また捨てられるのかな
考え出したら止まらない。
家での過度なストレス・暴言を母から浴びさせられ、適応障害を患っていた綾は物事を悪い方に考えることしかできなかった。
何故かわからない不安感が拭えず、不安を紛らわせるために考えるしかなかった。
「…オくん、…リオくん!!大丈夫ですか?何かありましたか、体調が悪いとか…」
顔に出ていたみたい。
そんなにひどい顔してたかな…額を触るとじんわりと汗もかいていた。
「すみません…大丈夫です。」
僕はどんな顔をしてるんだろう。
せっかくいい雰囲気だったのに僕が台無しにした。
「…今後のことは、もう少し考えさせてください。」
心配かけないように、自分なりの笑顔でそう言った。
「わかりました、まだ夜なのでゆっくり休んでくださいね?また体調が悪くなったら遠慮なく呼んでください。」
「…じゃあな、きちんと身体を温めて寝るんだぞ。おやすみ」
「はい、ありがとうございました!」
そう言い残し、二人は部屋を後にした。
「…僕はここにいたら邪魔にしかならないよなぁ。」
そう零すように出した声は、ドアの外にいた2人には聞こえていなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
病気のことで不快に思われる方は、読むことをお勧めできません…。
そして、話が全然進まないです。
「すまない、遅くなった……」
眠りは浅かったようで、ドアの音で目が覚めた。ドアの方を向くとポールさんを連れたアクィラさんが立っていた。
アクィラさんは…僕と目を合わせないようにしている。
それが1番悲しく思ってしまうのは何故なんだろう…
ぼーっとする頭でそんなことを考えていた。
「説明が遅くなってすみません…でも早く治療を行わなければ危ないところでした。どうかアクィラを嫌いにならないでください、」
ポールさんが申し訳なさそうな顔をして頭を下げた。
そして、あの後何が起きたのかを教えてもらった。
「大丈夫です、治療法はアレしかなかったんですよね?助けてくれてありがとうございました。…こちらこそすみませんでした、僕なんかのためにあんなことさせてしまって。」
沢山謝られたけど、助ける方法がアレしかなかったからそうしたんだろう。
…僕が助けてもらったのに、なんで僕がアクィラさん達を嫌いになると思うのか。
ただ疑問でしかなかった。
アクィラさんは尚もポールさんの後ろで目線を下にして申し訳なさそうにしている。
「アクィラさん、僕を助けてくれてありがとうございました!」
助けてくれたアクィラさんに…罪悪感を出させないために。
あ、ポールさんもですよ?と付け足すようにそう言い、僕は笑いながらお礼を言った。
「…いや、君が無事で本当によかった。」
アクィラさんは慣れてないであろう笑みを僕に向けて言った。大丈夫そうかな…
アクィラさんは本当の意味で僕を心配してくれる人だ。
不器用な笑みにつられて僕も笑顔になった。
そんなやりとりをしているとポールさんは思い出したように僕を向いた。
「そーでした!!色々ありすぎて忘れていましたけど…あなたの名前聞いてなかったですよね?」
「確かにそうでした…色々してもらっていたのにすみません。僕は、田中 綾と言います!リョウでもリオでも大丈夫です。」
「じゃあ、リオくんと呼ばせて貰いますね!私もゴタゴタしててすっかり忘れていましたから、大丈夫ですよ」
よろしくお願いします、と言ったポールさんと手を交わした。
「じゃあ、俺はリョウと呼ばせてもらおう。発音しにくいが……本名に近い方が嬉しいだろ」
最後の方はあんまり聞きえなかったけど、ポールさんが笑ってるから悪いことではない?と思う…。
そう考えながら、アクィラさんと手を交わした。
「盛り上がってるところ申し訳ないんですけど、そろそろ話に戻らせてもらいますよ?…リオくんがこれからどうするのかという話なんですけど、行くところが無いのならこのままここに住むというか案はありますけど…どう思いますか?」
元いた場所には帰りたくたい。
それに、怪我は治ったけど左足は治らないし…ここに住まわせてもらう方が生きていける。
でも本当に大丈夫なのかな…家事しかできない僕を置いてメリットなんてないし。
何もできないことがわかったら…家みたいな扱いされるのかな。
アクィラさん達にもそんな扱いされたら、僕は…僕は……いらない子だから。
また捨てられるのかな
考え出したら止まらない。
家での過度なストレス・暴言を母から浴びさせられ、適応障害を患っていた綾は物事を悪い方に考えることしかできなかった。
何故かわからない不安感が拭えず、不安を紛らわせるために考えるしかなかった。
「…オくん、…リオくん!!大丈夫ですか?何かありましたか、体調が悪いとか…」
顔に出ていたみたい。
そんなにひどい顔してたかな…額を触るとじんわりと汗もかいていた。
「すみません…大丈夫です。」
僕はどんな顔をしてるんだろう。
せっかくいい雰囲気だったのに僕が台無しにした。
「…今後のことは、もう少し考えさせてください。」
心配かけないように、自分なりの笑顔でそう言った。
「わかりました、まだ夜なのでゆっくり休んでくださいね?また体調が悪くなったら遠慮なく呼んでください。」
「…じゃあな、きちんと身体を温めて寝るんだぞ。おやすみ」
「はい、ありがとうございました!」
そう言い残し、二人は部屋を後にした。
「…僕はここにいたら邪魔にしかならないよなぁ。」
そう零すように出した声は、ドアの外にいた2人には聞こえていなかった。
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病気のことで不快に思われる方は、読むことをお勧めできません…。
そして、話が全然進まないです。
応援ありがとうございます!
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