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16話 リルのいぬかきと俺の家
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『この辺で良いかな』
他の人に迷惑にならないくらいには離れたか? うん、この辺で良いだろう。俺は周りを確認した後、自分の肋骨を1本外す。
そのままだ。骨を投げてやるんだよ。他にも投げて遊べるおもちゃは用意してあるけど、骨型のおもちゃは、俺の骨を投げれば良いからな。ちなみに俺の骨は取り外し自由だ。
『あのねぇ、スッケーパパ』
『ん? どうした?』
『リルねぇ、この前川でぇ、泳ぐ練習したの。それでねそれでね、前よりも速く泳げるようになったんだよ!!』
『そうなのか! 凄いじゃないか!! じゃあしっかりリルの泳ぎを見ないとな!』
『うん! リル頑張る!!』
いつの間に練習していたのか。しかも速く泳げるようになったなんて。まぁ、もしも速くなったとリルが思っているだけだったとしても、しっかり褒めてあげないとな。
『よし、それじゃあ投げるぞ。フンッ!!』
俺は思い切り骨を投げた。
『ブ~ンッ!!』
リルが声を出しながら思い切り、お湯の中をいぬかきで、物凄い水しぶきをたてながら追っていく。
そして骨が沈んだ場所へ到着すると、さらに水しぶきをたてながら潜水をして、見事骨をゲット。また凄い水しぶきをたてながら、俺の所へ戻ってきた。うん、確かに前よりも速く泳げているな。
『本当に速く泳げるようになってるな、凄いぞリル!!』
『ふへへへ、リル凄い? ふへへへへ』
俺は思い切りリルの頭を撫でてやる。ちなみに俺の今の状態は立ち泳ぎだ。大きな魔獣と魔物のお風呂は深いからな、俺はどうしても立ち泳ぎになる。
そしてリルの泳ぎだが。そう、リルの泳ぎはいぬかきだ。まぁ、もともとフェンリルとホワイトウルフとの子供だから? 犬系だから、いぬかきでもおかしくはないんだけど。
いぬかき。リルのお母さんフフリは、泳ぐのが得意で。川だろうが海だろうが温泉だろうが、スイスイ水しぶきをたてずに、綺麗に泳ぐことができる。余計な動きがないから、本当に綺麗に泳いで、海の魔獣なんじゃ? と思うほどだ。
だけど父親フェーンは……。今のリルみたいにいぬかきで、思い切り水しぶきをたてて泳ぐんだよ。いや、今のリル以上だな。そのせいで何回、他から文句を言われている。ああ、もちろん露天風呂や大浴場じゃなくて、自然の川や湖でだ。
ただ、なぜか施設の噴水て泳ごうとした時があり。2階の天井の高さにまで、水を飛ばしたこともあって。そこではちょうど洗濯物を干している従業員が。まぁ、怒られるよな。思い切り怒られて、体の大きさがいつもの3分の2くらいになっていたと思う。
それにフェーンのいぬかきは、いぬかきもどきというか、下手したら溺れているんじゃないか? って程、本当に酷くて。前に初めて見た獣人が溺れていると勘違いして、救出されたこともあった。
ただ、それだけ酷いいぬかきでも、本人はしっかりと綺麗に泳げると思っていて。リルの泳ぎの先生をしようとし。全力でフフリや、率いている群れのホワイトウルフ達に止められていた。
結局リルにはフフリが教える事に。だけどほら、今フェーン達は他の家族を助けに行っているから、泳ぎは俺が教えていたんだけど、どうにもならな。
そういえばリルは練習したと言っていたけど、1匹で練習したのか? それとも誰かに教わったのか? それならその教えてくれた人にお礼を言わないと。
『リル、速く泳げるように練習したのは、とってもいい事だぞ。だけど1匹で練習したのか? それとも誰かに教えてもらったのか?』
『アマディアスおじさんに教えてもらったの』
『アマディアスさんが!?』
『うん! えっとねぇリル、最初は1匹で練習してたの。でも途中で、悪い人をやっつけて、その人をブンブン振り回しながら、鼻歌を歌ってたアマディアスおじさんと、みんなが通ったんだよ。それで僕のいぬかきを見て教えてくれるって。僕いっぱい教えてもらったの!』
気になったが、先にリルと遊ぶ事に。後で詳しい話しを聞かないと。それから何回も骨投げで遊んだリル。それが終わると持ってきていた別のおもちゃで遊び始めた。
黄色いアヒルの子の人形に似ている、水色の小鳥がこの世界にはいるんだけど。その青い鳥を、黄色いアヒルの子人形と同じ感じで作り。
それを紐で繋げて、紐を引っ張ると、5匹の青い小鳥の人形がついて泳いでくる、というおもちゃを作ったんだ。黄色いアヒルの子でも確かこんなおもちゃあったと思うけど。
この繋がってる鳥のおもちゃも、リルのお気に入りで。紐を口で咥えて一緒に泳ぎ、楽しそうに遊んでいる。
そしてこの青い鳥のおもちゃだけど。おもちゃを見た子供を持つ親達から、子供にも作ってくれないか、とかなり要望があり。だから職人に頼んで作ってもらったら大ヒット。今は生産がギリギリ状態だで、予約を停止している。まさかここまで人気はでるとは。
あとはお湯に入れると色が変わるおもちゃとか、濡らすと石にくっつくおもちゃとか。ワザとお湯に沈めて、潜って取ってくるおもちゃとか。まぁ、色々な遊びをして、1時間以上のお風呂は終わった。
そして夕食は大食堂では食べずに、料理だけ受け取って、俺達の家で食べる事に。施設には泊まれるように宿もあるって言っただろう? 宿というか6階建てのホテルみたいな宿が3つあって。そのうちの1つの、最上階の6階全てが俺の家なんだ。
宿を建築している時に、どうせならここにそのまま住めば良いって、俺の家を作ってくれる事に。それで希望を伝えて、その通りの部屋を作ってもらったんだけど。出来上がってみれば、俺の希望の家よりも何倍も広いことに。
俺はお客さんの部屋、家族ルームくらいの感覚で作ってもらおうと考えていて。他は授業員が使えば良いって。でも6階が全部俺の家になってたんだよ。
これぐらい部屋がある方が良いし、ここの責任者なんだから、思い切り広い家にしないと、という理由らしい。
勿論俺は断ったさ。でも最後は押し切られる形で、6階が全て俺の家になってしまい、従業員用の建物は別に建てた。
まぁ、この街の綺麗な夜景を見ることができて嬉しいけれど、結局部屋は3分の1しか使っていない。使い道を考えないと。
どんどん階段を上っていく。すると6階まで上り切る直前、階段上から人影が見えた。
他の人に迷惑にならないくらいには離れたか? うん、この辺で良いだろう。俺は周りを確認した後、自分の肋骨を1本外す。
そのままだ。骨を投げてやるんだよ。他にも投げて遊べるおもちゃは用意してあるけど、骨型のおもちゃは、俺の骨を投げれば良いからな。ちなみに俺の骨は取り外し自由だ。
『あのねぇ、スッケーパパ』
『ん? どうした?』
『リルねぇ、この前川でぇ、泳ぐ練習したの。それでねそれでね、前よりも速く泳げるようになったんだよ!!』
『そうなのか! 凄いじゃないか!! じゃあしっかりリルの泳ぎを見ないとな!』
『うん! リル頑張る!!』
いつの間に練習していたのか。しかも速く泳げるようになったなんて。まぁ、もしも速くなったとリルが思っているだけだったとしても、しっかり褒めてあげないとな。
『よし、それじゃあ投げるぞ。フンッ!!』
俺は思い切り骨を投げた。
『ブ~ンッ!!』
リルが声を出しながら思い切り、お湯の中をいぬかきで、物凄い水しぶきをたてながら追っていく。
そして骨が沈んだ場所へ到着すると、さらに水しぶきをたてながら潜水をして、見事骨をゲット。また凄い水しぶきをたてながら、俺の所へ戻ってきた。うん、確かに前よりも速く泳げているな。
『本当に速く泳げるようになってるな、凄いぞリル!!』
『ふへへへ、リル凄い? ふへへへへ』
俺は思い切りリルの頭を撫でてやる。ちなみに俺の今の状態は立ち泳ぎだ。大きな魔獣と魔物のお風呂は深いからな、俺はどうしても立ち泳ぎになる。
そしてリルの泳ぎだが。そう、リルの泳ぎはいぬかきだ。まぁ、もともとフェンリルとホワイトウルフとの子供だから? 犬系だから、いぬかきでもおかしくはないんだけど。
いぬかき。リルのお母さんフフリは、泳ぐのが得意で。川だろうが海だろうが温泉だろうが、スイスイ水しぶきをたてずに、綺麗に泳ぐことができる。余計な動きがないから、本当に綺麗に泳いで、海の魔獣なんじゃ? と思うほどだ。
だけど父親フェーンは……。今のリルみたいにいぬかきで、思い切り水しぶきをたてて泳ぐんだよ。いや、今のリル以上だな。そのせいで何回、他から文句を言われている。ああ、もちろん露天風呂や大浴場じゃなくて、自然の川や湖でだ。
ただ、なぜか施設の噴水て泳ごうとした時があり。2階の天井の高さにまで、水を飛ばしたこともあって。そこではちょうど洗濯物を干している従業員が。まぁ、怒られるよな。思い切り怒られて、体の大きさがいつもの3分の2くらいになっていたと思う。
それにフェーンのいぬかきは、いぬかきもどきというか、下手したら溺れているんじゃないか? って程、本当に酷くて。前に初めて見た獣人が溺れていると勘違いして、救出されたこともあった。
ただ、それだけ酷いいぬかきでも、本人はしっかりと綺麗に泳げると思っていて。リルの泳ぎの先生をしようとし。全力でフフリや、率いている群れのホワイトウルフ達に止められていた。
結局リルにはフフリが教える事に。だけどほら、今フェーン達は他の家族を助けに行っているから、泳ぎは俺が教えていたんだけど、どうにもならな。
そういえばリルは練習したと言っていたけど、1匹で練習したのか? それとも誰かに教わったのか? それならその教えてくれた人にお礼を言わないと。
『リル、速く泳げるように練習したのは、とってもいい事だぞ。だけど1匹で練習したのか? それとも誰かに教えてもらったのか?』
『アマディアスおじさんに教えてもらったの』
『アマディアスさんが!?』
『うん! えっとねぇリル、最初は1匹で練習してたの。でも途中で、悪い人をやっつけて、その人をブンブン振り回しながら、鼻歌を歌ってたアマディアスおじさんと、みんなが通ったんだよ。それで僕のいぬかきを見て教えてくれるって。僕いっぱい教えてもらったの!』
気になったが、先にリルと遊ぶ事に。後で詳しい話しを聞かないと。それから何回も骨投げで遊んだリル。それが終わると持ってきていた別のおもちゃで遊び始めた。
黄色いアヒルの子の人形に似ている、水色の小鳥がこの世界にはいるんだけど。その青い鳥を、黄色いアヒルの子人形と同じ感じで作り。
それを紐で繋げて、紐を引っ張ると、5匹の青い小鳥の人形がついて泳いでくる、というおもちゃを作ったんだ。黄色いアヒルの子でも確かこんなおもちゃあったと思うけど。
この繋がってる鳥のおもちゃも、リルのお気に入りで。紐を口で咥えて一緒に泳ぎ、楽しそうに遊んでいる。
そしてこの青い鳥のおもちゃだけど。おもちゃを見た子供を持つ親達から、子供にも作ってくれないか、とかなり要望があり。だから職人に頼んで作ってもらったら大ヒット。今は生産がギリギリ状態だで、予約を停止している。まさかここまで人気はでるとは。
あとはお湯に入れると色が変わるおもちゃとか、濡らすと石にくっつくおもちゃとか。ワザとお湯に沈めて、潜って取ってくるおもちゃとか。まぁ、色々な遊びをして、1時間以上のお風呂は終わった。
そして夕食は大食堂では食べずに、料理だけ受け取って、俺達の家で食べる事に。施設には泊まれるように宿もあるって言っただろう? 宿というか6階建てのホテルみたいな宿が3つあって。そのうちの1つの、最上階の6階全てが俺の家なんだ。
宿を建築している時に、どうせならここにそのまま住めば良いって、俺の家を作ってくれる事に。それで希望を伝えて、その通りの部屋を作ってもらったんだけど。出来上がってみれば、俺の希望の家よりも何倍も広いことに。
俺はお客さんの部屋、家族ルームくらいの感覚で作ってもらおうと考えていて。他は授業員が使えば良いって。でも6階が全部俺の家になってたんだよ。
これぐらい部屋がある方が良いし、ここの責任者なんだから、思い切り広い家にしないと、という理由らしい。
勿論俺は断ったさ。でも最後は押し切られる形で、6階が全て俺の家になってしまい、従業員用の建物は別に建てた。
まぁ、この街の綺麗な夜景を見ることができて嬉しいけれど、結局部屋は3分の1しか使っていない。使い道を考えないと。
どんどん階段を上っていく。すると6階まで上り切る直前、階段上から人影が見えた。
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