異世界初? のスーパー銭湯もとい『娯楽施設スケルトン』開業です!!

ありぽん

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59話 手分けして結界張りへ

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『いいか、アクアにリル。絶対勝手に何処かへ行くんじゃないぞ。何処か行きたい場所があるなら、必ず俺に言ってから行動しろ』

『はい!!』

『は~い!!』

『それからモンティー』

『はい!!』

『俺達はこれから結界を張りに行くけど、お前達は施設の中なら自由に行動して良いが、絶対に森へは入るなよ。まだ森を案内できていないからな。もしも迷ったり、襲われてやっぱり迷ったり、何かあったら大変だかな』

『はい!!』

『それと街の中ももう少し待ってくれ。一応街の住人には知らせたし、俺の家族って印を付けているから、何かあれば街の人々は助けてくれると思うけど。それでもやっぱり何かあれば困る』

 俺は昨日、アメーリアさんに頼んであった。モンティー達、ウッサー全員の腕輪を取りに行った。俺達は家族になったから、自然に生きている魔獣じゃない、俺の家族だって分かるように、腕輪を作ってもらったんだ。俺の骸骨マーク入りのな。

 それが出来上がったって連絡がきて、昨日取りに行ってきたんだ。だから今、全員がその腕輪を付けている。

『街も森も慣れるまで、こういった問題が起きた場合は、動くのは施設の中だけにしてくれ』

『はい!! スッケーパパ!!』

『外への出るには?』

『玄関の僕達専用のドアから出ます!!』

『それから階段を、蹴りの練習をしながら下ります!!』

『パンチの練習も!!』

『……いや、普通に下りれば良いんだぞ』

『1階に着いたら、また僕達専用のドアから外に出ます!!』
 
『とりあえず練習は別として合ってるな。じゃあ帰りは?』

『帰りは逆です!! 1階の僕達専用のドアから入って、階段を1番上まで上ります!!』

『帰りはただ蹴るだけじゃなくて、蹴りと足引っ掻きの練習をしながら上ります!!』

『パンチもです!! パンチだけじゃなくて、手で引っ掻く練習もします!!』

『お家の玄関に着いたら、僕達専用のドアからお家に入ります。それから玄関に置いてあるお水で、手足を洗ってからお部屋に行きます!!』

『……だから練習は良いんだよ、普通に帰ってくれば良いんだ』

 アクアもリルも、うんうん頷いているけど、施設と俺達の家を出入りするだけで、練習する必要ないんだぞ? みんなどれだけやる気だよ。

 それからモンティー達の専用ドアのことだけど。玄関ドア、建物から出るための扉に、モンティー達が簡単に通れるよう、ペットドアみたいな物を付けたんだ。ジャンプで取っ手に届いても、さすがに取っ手を押したり回したりはできないだろうから。

 俺とアクアとリルは今日、これからいろいろな所を周り、結界を張ってくることになっている。呪いのアンデッド対策の結界だ。転移魔法を使えるアマディアスさんは、森から離れた場所へ。

 またアマディアスさんと反対の方角は、モナが転移魔法を使えるため。ジェラルドさん達が結界を張りに行っている。

 俺はといえば、隣の森や近くの海辺、それから岩ばかりの山へと行くことに。少し行った所に港町があるんだ。その港町は、俺達と同盟を結んでいて、街を守るためにアマディアスさんの所から何人か、人を送ってある。

 だから普段だったら何かあった場合、その人達が結界を張ってくれるから安心なんだけど。さすがに今回は、呪いのドラゴンアンデッドだからな。より強力な結界が必要だろうからと、俺が行くことになったんだ。

 それから岩ばかりの山が近くにあって。そこにも結界を張りに行く。面白いんだよ。最初会った時は驚いたし。ウルフとかベアーとか、まぁこの世界にはいろいろな魔獣達が住んでいるけれど。この岩の山に住んでいる魔獣達は、みんな岩の魔獣なんだ。

 ロックウルフにロックベアー、ロック鳥にロックウッサー。本当にみんな岩の魔獣で。だから歩く時はガタゴト音が鳴るし、大きい魔獣となると、普通に地面に立っても地面が凹む事が。

 そして重さのせいで、動きは他の魔獣よりも少し遅く。遅いと言っても、地球の市街地を走る車の速さよりは全然早いが。動きが遅い分、自分での早い攻撃と、相手に早い攻撃をされるのは苦手だが。
 その場での物理的攻撃力は強く。もしも殴られでもしたら何処まで飛ばされることか。その前に粉砕される可能性も。

 だけど岩場に花が咲けば、みんなで世話をしたり、全員で子育てをしたりと、とても優しい魔獣達で、争いを好まない。というか争いごとが苦手というか、少々怖がりの部分が。
 
 それなのにその力を求めて、みんなを捉えて無理やり契約しようとする奴らがいるため。そういった面倒な奴らから守るために、ジェラルドさんは定期的に岩の山へ行って、敵が来ないように圧力をかけてくれている。

 今回ジェラルドさん達は別の場所へ行くために、俺が彼らの所へ。アクアとリルは彼らが大好きで、行く時は必ず着いてくる。今回は俺が結界を張る所をチェックすると。
 チェックかよ。まぁ、彼らもアクアとリルが大好きだから、2匹が居た方が、話しを聞いてもあまり怖がらずに居てくれるかもしれない。

 と、こんなふうに、呪いのドラゴンアンデッドが来るまでに、手分けをしていろいろな場所へ結界を張りに行くことになったんだ。

 ……念の為だよ。一応作戦は立てて、大丈夫だとは思うけど。もしも呪いの爆発が、直に起こってしまったら? どれだけ呪いが周りに飛んでいってしまうか。
 呪いが爆発するとその呪いは、人が2日かけて進む距離ほどの広範囲に、一瞬で飛び散るんだ。だから呪いが飛んだ時の事を考えて、できる限りいろいろな場所に結界を張るんだ。

『帰りが遅くなるかもしれないけど、何かあった時は師匠に頼んであるから。師匠の所へ行くか。誰かに師匠を呼んでもらってくれ。カーソンとノーマンにも頼んであるからな』

『はい!!』

 施設の一角を使って、作戦本部を設置したんだ。そして全員がすぐに情報共有できるよう、カーソンとのノーマンが作戦本部の責任者に。

 モンティー達には何かあった時、師匠を呼ぶように言ってある。師匠にもそのことは伝えてあって、俺が居ない時守ってもらう予定だ。その師匠と連絡を取るのに、カーソンとノーマンに頼んであるんだ。作戦本部も教えておいたし、問題はないだろう。

『それじゃあ、行ってくる』

『みんな危ない時は逃げる』

『すぐ逃げないとダメなの』

『でも何もない時は訓練』

『強くなるなの!!』

『『『はい!!』』』

 いやだから、今は訓練はやめてもらって。何か起きた場合に備えていてくれよ。
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