もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!

ありぽん

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413今度は季節外れのアレが?

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 僕は急いでパパ達を呼びました。

「ぱ~ぱ、ま~ま! ちー! りー!」

 お兄ちゃんもドラック達もパパ達を呼びます。でもお話しに夢中のパパ達は、ぜんぜん僕達の声に気がついてくれなくて。仕方なく僕達はパパ達の所まで戻ることに。そしてパパの足をパシパシ叩きながらパパを呼びました。

「ぱ~ぱ!」

「ねぇ、パパ!」

『お父さん上見て!』

「ジョーディ、マイケル待ってくれ、パパ達は今話しを…」

 ダメダメ。いつ止まっちゃうか分からないんだから。こんな暑い日にあれが降るなんて。僕はこの世界のあれをまだ見た事がないから、僕の間違えかもしれない。
 でもマイケルお兄ちゃんも何で?とか、こんな日に見られるなんてとか、パパ達の方へ来る前に言っていたから、間違ってはいないと思うよ。

 あのね、地球だったら寒い日に降るはずの物が降ってるんだよ。そう、雪がふわふわ降って来たんだ。それで僕のお鼻についたり、ポッケの頭についたり。

「ぱ~ぱ、ちゃ! みぃ!!」

「パパ、急いでお空見て!!」

 僕は更にバシバシとパパの足を叩いて、お兄ちゃんがぐいぐい洋服を引っ張って。やっとパパがこっちを見てくれました。

「どうしたんだ。パパ達は今、大切な話しをしているんだ。少しまっていてくれ」

「め! みぃにょ!!」

『ジョーディの言う通り、お父さん達急いで空を見て! 早くしないとやんじゃうよ!』

「空? やんじゃう? 何の事だ、雨は降っていないだろう?」

 パパ達もグッシー達も、僕達があんまり言うから、ようやくお空を見てくれて、そして数秒後。

「は?」

『何だこれは? どうしてこんな季節に』

 パパ達の動きが止まったよ。それと同じくらいに更に雪が降ってきて、暑いのに雪が降ってる、変な感じなんだけどとっても綺麗でした。

 僕は降ってきた雪に手を伸ばします。と、さっきは何もしていないのに僕の鼻に付いた雪。僕が手を伸ばすと避けちゃって。しゅっ! しゅっ! なかなかうまく雪を触ることができません。

 そんな僕の横で同じ動きをするドラック達。まさかの雪に、みんなの気分が上がって、あっちへ雪を触りに行ったり、こっちで雪を食べようとしたり。
 う~、これだけ雪が降ってるのに、どうして僕を避けるの。更に手を早く動かす僕。ママが僕を抱っこしてくれて、僕の手とママの手を合わせます。

「ジョーディ、ゆっくりしないと雪が逃げちゃうわ。そっと手を出したまま待つのよ」

 ママ、今雪って言った? 言ったよね? やっぱりこれ雪なんだ。本当の雪、偽物じゃないよね。
 わわ!! 僕雪初めてなの! 前はお部屋から出られなかったし、あんまり雪が降らない場所に住んでいたから。テレビで雪を見て良いなぁって思ってたんだ。

 ママと一緒に出している手はそのままに、もう片方の手は、ブンブン振り回しちゃいます。そしてやっと僕の手の上に雪が。でもシュッとすぐに消えちゃって。もう1回、もう1回!

 ママに暴れないでって言われたけど、嬉しくて動きを止められません。でも雪は触りたいから片方の手はなんとか動かさないでいます。

「どれ、俺が変わろう」

 パパとママが交代。今度はパパと一緒に雪を待ちます。待つって言っても、ママの時よりも楽でした。雪が更に強く降り出して、すぐに僕の手に何回も降って来たんだ。
 
「にょおぉぉぉ!!」
 
 僕は思いっきり手を挙げました。そしてあの音と感触と痛みが。パシッ!! 『いたっ!!』、手がじ~んと。
 手をすりすりさすりながらパパを見ます。パパは鼻を押さえてイテテテって。もう、パパまたなの? どうして僕の手に当たってくるの。じ~とパパを見る僕。

「ジョーディ、何だその顔は。そんなジトッとした目で見てきているが、ジョーディが原因なんだぞ」

 違うよ、いつもパパの鼻がぶつかってくるんだよ。パパは僕を抱っこから下ろして、自分の鼻にヒールをします。ママは横でクスクス笑っていました。僕は雪の触り方が分かったから、今度は1人で雪を触ります。

 雪は小さいのから、大きなふわふわとしたワタみたいな物まで、色々な形の物が降ってきて。最初はすぐに消えていた雪が、すぐに消えずに残るようになりました。
 フェニックに呼ばれてそっちを見ると、花壇のお花に雪が積もっていて、僕はちょんってそれを触ってみます。う~ん、冷たい! 

「と、ジョーディ達が喜んでいるのは良いんだが。これは問題だぞ」

『まさか花に続き雪まで』

『ちょっとその辺を見てくる』

『私も行こう』

 僕達の後ろで羽ばたく音が聞こえて、振り向いたらグッシーとビッキー、それからグッシーに乗ったシューが、何処かへ飛んで行きました。何処に行くのかな? せっかく雪が降っているんだから一緒に見ないの? 

 その後も雪を楽しんだ僕達。あんまり降るから、途中でママがちょっとあったかいお洋服を着なさいって。寒くないから大丈夫なのに。雪が降ってきてからも、外が暑いのは変わってないんだもん。でも着ないとダメって、ドラック達はマフラーを付けたよ。
 それからもう夜だったから、ママ達が魔法で周りを明るくしてくれました。その光で雪がキラキラ光って、とっても綺麗だったよ。

 そして…。まさか更に雪が降ってくるなんて。大粒の雪が次々と強く降ってきて、流石に僕達はお家に入ることに。

「やっぱりおかしいわね…。さぁ、みんな中へ入りましょう。中で温かいミルクを飲みましょうね」
 
「みりゅう!」

 僕達はママに抱っこされたり、レスター達に抱っこされて、お家の中へ入りました。明日積もってるかな? 僕また遊びたいんだけど。

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