もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!

ありぽん

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446 長いフォークを使うスペシャルおやつ?

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 みんな同じように分けられた果物。それからフォークとスプーンが並べられたんだけど。フォークがいつもと違うフォークでした。スプーンはいつもの僕達のスプーン。でもフォークは、なんか持つところが、とっても長かったんだ。

 そうそう、ドラック達はその時その時で、スプーンとフォークを用意してもらってます。何でもない時は、もちろんドラック達にはスプーンもフォークもいらないけど、面白いおやつの時には、時々スプーンとフォークが用意されているんだ。

 それから他にも理由が。食べるためにっていうか、料理を取るときに使うっていうか。例えばさっき食べたブーの実だけど。あれを取る時に、誰が上手にスプーンですくえるかとか、フォークで刺せるかとかね。

 この前なんかは、お肉のおかわりしようとした時に、いつもはレスターが取ってくれるんだけど、自分達で取るって言って。誰がフォークで、上手にお皿まで乗っけられるか、対決していたよ。

 それでみんな、タレを溢さないで、本当に綺麗にとってね。僕なんか食べるだけでもベタベタにしちゃうのに。みんなフォークとスプーンを使うのが、とっても上手なの。僕も頑張らないと。

 それで今日もスペシャルなおやつ、これはきっとドラック達が自分でやりたいだろうからって、みんなにもフォークとスプーンが用意されました。やりたい? 何を? どんなスペシャルおやつなんだろう?

 フォークとスプーンの用意が終わると、いよいよお鍋を網の上へ。まずは温めるところからやらないとダメだって。おしるこを食べている間、一応魔法で温めておいたけど、食べる前にしっかりと温めないと、うまく食べられないみたい。レスターがそう言っていました。そてからよく溶かさないとって。

 鍋を置いてから数分。その間、僕達はソワソワ。体が勝手に動いちゃって、ドラック達なんて果物を食べちゃいそうに。でもお兄ちゃんにもう少しの我慢だよって言われて、何とか我慢していました。よだれがぼたぼただったけど…。

 そして鍋を温め始めてからすぐに、とっても甘い、良い匂いが鍋からしてきました。早く食べたくてソワソワしていたけど、この匂いのせいで、もっと食べたい気持ちが増えちゃって、更にソワソワしちゃったよ。

 でも、この甘いとっても良い匂い、僕嗅いだことありました。地球で特別な日や、お父さんお母さん、それからお医者さんが、食べて良いよって言ってくれた時に食べていた物。あのね、チョコレートの匂いがしたんだよ。
 まさか鍋に入っているのはチョコレート? この世界にもチョコレートがあるの?

 こうして更に数分待った僕達。料理人さんがそろそろ良いでしょうって。それから鍋を開ける前に注意が。
 絶対にお鍋の中に手を入れないこと。入れたら大変なことになって、もしかしたらお怪我しちゃうも。それからやる時はまず、みんな大人の人と一緒。慣れたら1人や1匹でやって良いって。

 本当にどんなスペシャルおやつなんだろう? もちろん僕達はしっかりとお約束しました。だってスペシャルなおやつだよ。注意を聞かないで怪我をして、せっかくのスペシャルおやつがダメになったら嫌だもん。

「では、鍋の蓋を開けますね」

 そう言って料理人さんが鍋の蓋を開けると、中からもわもわと白い煙が。それと一緒に更に甘い良い匂いがして、煙が収まると僕はママと一緒に、ドラック達は最初はメイドさん達と一緒に、鍋の中を覗き込みました。

『茶色?』

『ソース?』

『それともスープかな?』

『鍋の中はこれだけ?』

『凄く茶色だから、中に何か入っていても、分からないかも』

『良い匂いなんだな。でも、これだけじゃ良く分からないんだな』

「皆様、まだこれで完成ではありません。まず私がやりますので見ていてくださいね」

 そう言って、なぜか長いフォークを持った料理人さん。別に持ってきていた果物にフォークを刺して鍋の方へ。そしてそのまま鍋にフォークを刺した果物を入れたんだ。

 ビックリする僕達。料理人さんはそのまま数秒、果物をソース? スープ? みたいな物に付けた後、そっと取り出してお皿の上に。果物は最初と違って、全部がしっかりと茶色になっていました。

「これで完成です。果物は冷たいですが、このソースはとても熱いので、冷ましながらお召し上がりください。冷めるとソースは固まりますが、少し冷めたくらいであれば、トロトロしていますので」

 よく分からないまま、おやつが完成したみたいです。みんな出来上がったおやつを見て、ちょっと変な顔をしていたよ。

『これで完成? いつもの綺麗なおやつと全然違う』

『いつもはキラキラ、色々な色で、とっても綺麗で可愛いおやつ』

『でもこれは茶色』

『でもさっきのおやつも、色はちょっとくらかったけど、美味しかったよね』

『うん。だからこれも美味しいかも』

『とっても熱いなの。気をつけて食べるなの!』

 料理人さんの注意があったから、しっかり約束を守って、最初はみんなメイドさんや使用人さんとおやつを作る事に。僕はママと一緒ね。お兄ちゃんは今日のおやつじゃないけど、別の物でやった事があるから1人でできるって。

 まずはフォークで果物を刺して、それからママと一緒にしっかりとフォークを持ちます。みんんはそれぞれ手で掴んだり、咥えたり、色々な方法でフォークを持ったよ。側でしっかりとメイドさんと使用人さんが支えてくれています。

 ドキドキしながらフォークを鍋に。お鍋に果物を入れて最初に感じたのは。ソースはサラッとしているのかな? って思っていたら、かなりとろっとしていました。
 そして果物がしっかりとソースの中に入ると、果物にもっとしっかりとソースが絡むように、フォークをそっと動かして。数秒後、フォークを上げました。
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