もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!

ありぽん

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502 危険なクッキー?

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 僕達のおやつのクッキー。それを聞いて僕もドラック達も、大盛り上がりです。だって僕達の大好きクッキー。それがお鍋に入っているなんて。

『おやつなの!! ホミュちゃんあってたなの!』

『ホミュ、やったね!』

『夜のご飯だけど、おやつなんだな』

『うん、どっちも一緒。なんか嬉しいね』

『クッキー、どのクッキー。僕が食べたやつ? 他にも美味しいクッキーある?』

 お話ししていたら子ペガサスが聞いてきました。そっか、どのクッキーがお鍋に入っているのかな? 子ペガサスは、まだ2種類のクッキーしか食べてないもんね。クッキーは種類がいっぱい。僕達今までに、どれくらいの種類のクッキーを食べたかな?

 クッキー、おやつ鍋って喜んでいたけど、もしかして子ペガサスみたいに、僕達もまだ食べたことのないクッキーだったりして。

 そんなお話しを、お鍋を食べ続けながらしていたら、料理人さんが部屋から出て行って。戻ってきた時には、お皿にクッキーを乗せて、持ってきてくれました。

「ジョーディ様はまだ食されてはいないかと。かなり甘く、かなり硬いクッキーですので」

「あら? そのクッキーをこのお鍋に入れているの?」

 僕達が見えるように、小皿にクッキーを何枚かずつ分けて、それぞれ近くに置いてくれた料理人さん。どんなクッキーか。色はシンプルなクッキーの色って感じ。薄茶色? でもちょっと変わってる感じもするんだ。何だろう?

『あっ、見て。なんかちょっとつるつるしている感じがしない?』

『つるつる? う~ん、あっ! 本当だ。見る方向を変えると、灯りでつるつるしているように見える!!』

 みんなが顔を動かしたり、体ごと動いたり。色々な方向からクッキーを見ます。もちろん僕もね。そうしたらポッケの言う通り、クッキーの表面がつるつるに見える時が。僕はそっとクッキーを触ってみます。

 おおっ!! 見た感じそのもの。つるつるしてる! こんなクッキーがあるんだね。ザラザラ、サクサクのクッキーじゃなくて、つるつるクッキー。よし、ちょっと食べてみよう! 僕はクッキーを口に入れようとします。

 でも食べる前にパパが慌てて僕の方に来て、クッキーを僕からとっちゃいました。隣に座っていたママは、料理人さんと何かお話しをしていて、僕が食べようとしているのに、気づかなかったみたい。

 それは良いんだけど。どうしてパパ、僕のクッキー取るの? 僕はパパにブーブー文句を言います。でもその時ドラック達が。

『かたっ!?』

『歯がカキンッてなったよ!?』

『じ~んともしてるなんだな!?』

 え? 何があったの? 僕は急いでみんなに方を見ます。そうしたら、みんなクッキーを持っていたり、自分の前に置いていて。僕だけじゃなくて、どうもみんなもクッキーを食べようとしたみたい。

 でも様子が。みんなのクッキー、みんな食べたはずなのに、クッキーに食べたあとがなかったんだ。ドラック達なんていつもひと口で食べちゃうから残らないし。それなのに今はみんなの食べてなくなったはずのクッキーが、そのままの形で残っていました。

「にゃ? どちゃ?」

 今のは、みんなどうしたの? って聞いたんだよ。

『これ食べられないクッキー?』

『偽物クッキーで、本当は別に本物クッキーがある?』

 偽物クッキー? どういうこと? 

「嫌だわ、先に注意しておけば良かったわね」

「ああ。はぁ、ジョーディが食べなくて良かった」

 パパがとってもホッとした顔をしてクッキーをお皿に戻します。それからママと料理人さんが、クッキーのお話しをしてくれて。

 うん、クッキーは偽物じゃありませんでした。でも人にとっては危険なクッキーで、ドラック達もちょっと危ないクッキーだったの。
 クッキーはとってもとっても甘いクッキーで、ママは甘いものが大好きだけど、そのママでも1枚食べれば、もういらないってなるくらい、とっても甘いクッキーです。

 そんなとっても甘いクッキーだけど、何でそんなに甘いのか。それには飴とハチミツが、たっぷり入っているからだったんだ。しかも普通のじゃなくて、と~っても甘い飴とハチミツ。
 あんまり入りすぎていて。最初食べた時は、とっても美味しいって思うんだけど。その後は…。甘すぎて半分で食べるのを辞めちゃう人たちも。
 
 そして、クッキーが危ない理由。それは飴とハチミツで、クッキーがとっても硬くなっているから。こう、いつもみたいにサクサク食べないで、舐める感じで食べるクッキーだったんだよ。間違って思い切り齧ると、クッキーが硬すぎて歯を痛めちゃうの。

 だからパパは急いで僕からクッキーを取って。ドラック達は魔獣だから人よりもはが丈夫だけど、それでもやっぱり少し危険でだって。

 そうだね。ドラック達の噛んだクッキー、元のクッキーのままだもんね。ドラック達でも少しも噛めないクッキー。僕噛まなくてよかったぁ。

「このクッキーの飴とハチミツは特別ですからね。料理に隠し味として入れると、味が調うのです。ですのでよく料理に使います。ですが普通、その料理を私達が食べても甘いとは感じません。よくお気づきになりましたね」

『我々は味覚と嗅覚が、人よりも優れているからな。だから少しのものでも気づく。が、今日はいつもよりも甘さを感じたのでな。だからドラック達はわざわざ甘いと言ったのだろう』

 いつものお料理にも入っているんだって。全然気づきませんでした。話しを聞き終わった僕達。ドラック達は後でこのクッキーにリベンジするって、そのままクッキーを残してもらっていたよ。僕はまだね。

 ただ舐めるように食べるクッキー。僕も舐めるだけはできると思うんだけど、ダメかな?
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