私との子を授かれば殿下は側室を持てるので妊娠したフリをしたら、溺愛されていたことを知りました

弓はあと

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ラブコメ短編バージョン(※長編版とは展開が異なります)

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「殿、下……お仕置きとは、何を……?」

 肩のすぐ外側で、殿下に両方の手首をそれぞれ掴まれている。
 まるで見てください、と言わんばかりに殿下へ胸を晒して。

「どんなお仕置きをされたい、ミーネ?」
「わかり、ま……せん……」

 閨の服は腰のところでクシャクシャになっているし。
 殿下に裸の上半身を見られていると思うと恥ずかしすぎて、顔だけでなく身体まですごく熱くて。
 信じられないような状況で逃げ出したいけれど、両手首を掴まれたうえに背中には大きなクッションがあって身体を動かすことができない。

「ミーネは痛い罰が好きだったりするかい?」
「痛い罰なんて……嫌です……」
「そうか……。ミーネ、ちょっと試させて」
「殿下……? え……ぃゃあっ!?」

 ベロリと殿下に首を舐められた。
 そのまま耳の裏側まで殿下の舌が這っていく。

「んゃ……ぅ……」

 なんだか背中のあたりがゾクゾクする。

「さきほど背中へ触れた時に思ったけれど、やはりミーネの身体は敏感だ。それを使ったお仕置きにしよう」

 私の耳から顔を上げた殿下が微笑んだ。
 悪戯を思いついた子どもみたいに、楽しそうな表情。

「快楽でも与え続けられると人間はつらくなるみたいだから。まるで拷問のように」
「かい、らく……?」

 確かに近隣諸国の歴史を学ぶ中で、他国ではそういった拷問が過去に行われていたという話を聞いたことがある。かなり昔の話ではあるけれど。
 そういった拷問で、使われていたと言われているのは、確か……。

「私を媚薬漬けにしたり、卑猥な拷問器具を使ったりなさるのですか……?」
「そういった拷問方法も確かにある。でも、ミーネにそれはつらすぎると思うから、違うモノを使った方がいいかもしれない」
「……違うモノを使って……いったい、何を……?」

 殿下は私の左手首から手を離すと、スリスリと私の頬を撫で始める。

「人間の身体だって、立派な拷問器具になるんだよ。ほら、例えば打ったり蹴ったりできるだろう?」
「っ!? やはり痛いことをなさるのですか、殿下……?」

 私の頬を撫でていた殿下の手が、ピタリと止まった。
 殿下の手が、私の頬から離れていく。

「ああ、ごめんよ怖がらせて。俺はミーネにそんなことはしない。まぁ、ミーネが痛いことを望むのなら話は別だけど」
「打たれたりなんて……嫌です……」
「そうだね。だから絶対に打ったり蹴ったりなんてしない、大丈夫だよ」
「ひぁっ!?」

 胸、先端、殿下、触っ、た……?

 気のせいかと思って下を見る。気のせいじゃない。
 今も、殿下の指が、私の胸の先端を摘まんでいる。

 殿下の手をどかそうと上からその手を掴んだけれど、びくともしない。
 それどころか、私の手の中でもぞもぞ動き始めた。
 
「ンッ、ゃぁ……っ……ぁあ……」

 殿下、指を擦るように動かさないで……
 なんか……変な……感じが……する……
 ゃ……先端、いじっちゃ、ャ……

「こんな風に、指とかを使って快楽を与え続けるだけ」
「殿下……閨での女性の身体の扱いに……ずいぶん慣れて、いらっしゃるのですね」

 チクリと、言いたくなってしまった。
 女性に快楽を与える方法を知っていらっしゃるなんて、と思ってしまったから。

 きっと、殿下は女性とのそういった経験が豊富に違いない。
 側室を迎えて欲しいとさえ思っていた私に嫉妬する資格なんて、ないのかもしれませんけど。

「慣れている……? そうだね、慣れているかと言えば慣れているのかもしれない」

 やっぱり、殿下は女性経験が豊富なのですね。
 先ほどまで、他に女性なんていなかったようなことをおっしゃっていたのに。

 非難の意を込めて、殿下のことをキッと睨みつける。

「実際の経験はないけれど、頭の中では毎晩ミーネを喘がせていたから」
「!!!!!?」

 言葉が……出ない……。

「それにミーネと閨を共にする時に備えて、閨事について書かれた本を読み漁って勉強もしていたし。経験不足は知識で補えるはずだ」

 殿下……勉強熱心なのは良いことですが、それをこういったことに発揮なさるのはいかがなものかと……。

 そんな事を考えていたら、殿下の顔が私の胸に近づいてきた。
 手で触っていない方の胸に、顔を寄せていく。

「ンん、ぁ、ゃッ!?」

 殿下、胸の先端なんて、舐めちゃ、ダメ。
 ヌルヌルした感触の舌で、そんなにじっくりと胸を舐めないで……

「で、んかっ、おしおきっいつ、までっ!?」

 私の声に顔を上げた殿下は、ベッドのサイドテーブルに手を伸ばして小さな砂時計を手にした。
 夜寝る前に行う柔軟体操の時に、私が使っている砂時計。

「この砂が全部落ちるまでにしよう、ミーネ」

 ホッとした。砂時計は小さい。
 よかった……。そんなに短い時間なら耐えられる、きっと大丈夫。

「ただし……」
「え……?」

 殿下に抱きしめられて、身体を少しずらされベッドに寝かされた。
 先ほどまで背中にあったクッションが、今は頭の上にある。

「殿、下……?」

 両腕を殿下に掴まれ万歳をするような格好をさせられた。
 頭の上にあるクッションに、手が触れる。

「その間、ミーネには両手でクッションを掴んでいてもらう」

 え……、胸を隠せないの!?

 殿下が砂時計をひっくり返した。

「もし途中でクッションから片方でも手を離したら、最後まで砂が落ちてももう一度最初からやり直し」

 ええっ、やり直し!?





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