25 / 29
ラブコメ短編バージョン(※長編版とは展開が異なります)
罰
「殿、下……お仕置きとは、何を……?」
肩のすぐ外側で、殿下に両方の手首をそれぞれ掴まれている。
まるで見てください、と言わんばかりに殿下へ胸を晒して。
「どんなお仕置きをされたい、ミーネ?」
「わかり、ま……せん……」
閨の服は腰のところでクシャクシャになっているし。
殿下に裸の上半身を見られていると思うと恥ずかしすぎて、顔だけでなく身体まですごく熱くて。
信じられないような状況で逃げ出したいけれど、両手首を掴まれたうえに背中には大きなクッションがあって身体を動かすことができない。
「ミーネは痛い罰が好きだったりするかい?」
「痛い罰なんて……嫌です……」
「そうか……。ミーネ、ちょっと試させて」
「殿下……? え……ぃゃあっ!?」
ベロリと殿下に首を舐められた。
そのまま耳の裏側まで殿下の舌が這っていく。
「んゃ……ぅ……」
なんだか背中のあたりがゾクゾクする。
「さきほど背中へ触れた時に思ったけれど、やはりミーネの身体は敏感だ。それを使ったお仕置きにしよう」
私の耳から顔を上げた殿下が微笑んだ。
悪戯を思いついた子どもみたいに、楽しそうな表情。
「快楽でも与え続けられると人間はつらくなるみたいだから。まるで拷問のように」
「かい、らく……?」
確かに近隣諸国の歴史を学ぶ中で、他国ではそういった拷問が過去に行われていたという話を聞いたことがある。かなり昔の話ではあるけれど。
そういった拷問で、使われていたと言われているのは、確か……。
「私を媚薬漬けにしたり、卑猥な拷問器具を使ったりなさるのですか……?」
「そういった拷問方法も確かにある。でも、ミーネにそれはつらすぎると思うから、違うモノを使った方がいいかもしれない」
「……違うモノを使って……いったい、何を……?」
殿下は私の左手首から手を離すと、スリスリと私の頬を撫で始める。
「人間の身体だって、立派な拷問器具になるんだよ。ほら、例えば打ったり蹴ったりできるだろう?」
「っ!? やはり痛いことをなさるのですか、殿下……?」
私の頬を撫でていた殿下の手が、ピタリと止まった。
殿下の手が、私の頬から離れていく。
「ああ、ごめんよ怖がらせて。俺はミーネにそんなことはしない。まぁ、ミーネが痛いことを望むのなら話は別だけど」
「打たれたりなんて……嫌です……」
「そうだね。だから絶対に打ったり蹴ったりなんてしない、大丈夫だよ」
「ひぁっ!?」
胸、先端、殿下、触っ、た……?
気のせいかと思って下を見る。気のせいじゃない。
今も、殿下の指が、私の胸の先端を摘まんでいる。
殿下の手をどかそうと上からその手を掴んだけれど、びくともしない。
それどころか、私の手の中でもぞもぞ動き始めた。
「ンッ、ゃぁ……っ……ぁあ……」
殿下、指を擦るように動かさないで……
なんか……変な……感じが……する……
ゃ……先端、いじっちゃ、ャ……
「こんな風に、指とかを使って快楽を与え続けるだけ」
「殿下……閨での女性の身体の扱いに……ずいぶん慣れて、いらっしゃるのですね」
チクリと、言いたくなってしまった。
女性に快楽を与える方法を知っていらっしゃるなんて、と思ってしまったから。
きっと、殿下は女性とのそういった経験が豊富に違いない。
側室を迎えて欲しいとさえ思っていた私に嫉妬する資格なんて、ないのかもしれませんけど。
「慣れている……? そうだね、慣れているかと言えば慣れているのかもしれない」
やっぱり、殿下は女性経験が豊富なのですね。
先ほどまで、他に女性なんていなかったようなことをおっしゃっていたのに。
非難の意を込めて、殿下のことをキッと睨みつける。
「実際の経験はないけれど、頭の中では毎晩ミーネを喘がせていたから」
「!!!!!?」
言葉が……出ない……。
「それにミーネと閨を共にする時に備えて、閨事について書かれた本を読み漁って勉強もしていたし。経験不足は知識で補えるはずだ」
殿下……勉強熱心なのは良いことですが、それをこういったことに発揮なさるのはいかがなものかと……。
そんな事を考えていたら、殿下の顔が私の胸に近づいてきた。
手で触っていない方の胸に、顔を寄せていく。
「ンん、ぁ、ゃッ!?」
殿下、胸の先端なんて、舐めちゃ、ダメ。
ヌルヌルした感触の舌で、そんなにじっくりと胸を舐めないで……
「で、んかっ、おしおきっいつ、までっ!?」
私の声に顔を上げた殿下は、ベッドのサイドテーブルに手を伸ばして小さな砂時計を手にした。
夜寝る前に行う柔軟体操の時に、私が使っている砂時計。
「この砂が全部落ちるまでにしよう、ミーネ」
ホッとした。砂時計は小さい。
よかった……。そんなに短い時間なら耐えられる、きっと大丈夫。
「ただし……」
「え……?」
殿下に抱きしめられて、身体を少しずらされベッドに寝かされた。
先ほどまで背中にあったクッションが、今は頭の上にある。
「殿、下……?」
両腕を殿下に掴まれ万歳をするような格好をさせられた。
頭の上にあるクッションに、手が触れる。
「その間、ミーネには両手でクッションを掴んでいてもらう」
え……、胸を隠せないの!?
殿下が砂時計をひっくり返した。
「もし途中でクッションから片方でも手を離したら、最後まで砂が落ちてももう一度最初からやり直し」
ええっ、やり直し!?
あなたにおすすめの小説
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
一夜の過ちで懐妊したら、幼なじみの冷酷皇帝に溺愛されました
由香
恋愛
没落貴族の娘・柳月鈴は、宮廷で医官見習いとして働いていた。
ある夜、皇帝即位の宴で酒に酔い、幼なじみだった皇帝・李景珩と再会する。
遠い存在になったはずの彼。
けれど、その夜をきっかけに月鈴の運命は大きく動き出す。
冷酷と恐れられる皇帝が、なぜか彼女だけには甘すぎて――。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
婚約者が巨乳好きだと知ったので、お義兄様に胸を大きくしてもらいます。
鯖
恋愛
可憐な見た目とは裏腹に、突っ走りがちな令嬢のパトリシア。婚約者のフィリップが、巨乳じゃないと女として見れない、と話しているのを聞いてしまう。
パトリシアは、小さい頃に両親を亡くし、母の弟である伯爵家で、本当の娘の様に育てられた。お世話になった家族の為にも、幸せな結婚生活を送らねばならないと、兄の様に慕っているアレックスに、あるお願いをしに行く。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
強面夫の裏の顔は妻以外には見せられません!
ましろ
恋愛
「誰がこんなことをしろと言った?」
それは夫のいる騎士団へ差し入れを届けに行った私への彼からの冷たい言葉。
挙げ句の果てに、
「用が済んだなら早く帰れっ!」
と追い返されてしまいました。
そして夜、屋敷に戻って来た夫は───
✻ゆるふわ設定です。
気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。