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シーズン1
9.私を全てで包む彼の温もり
目を覚ますと、見慣れているような、でもどこか違う天井が目に入った。昨日のことが頭をよぎり、なんとも言えない気持ちが胸に広がる。ふと隣を見ると、ユリドレが美しい顔立ちのまま眠っていた。彼の表情はとても穏やかで、どこか夢を見ているように微笑んでいる。
そんな彼を見ていると、胸がじんわりと温かくなり、思わず自分も笑みを浮かべてしまった。しかし、私が気配を感じさせてしまったのか、彼が微かに瞼を動かす。
「起きてますね。」
その声にドキリとした。彼は目を開け、まだ少し寝ぼけたような顔で微笑む。そんな姿が意外にも可愛く思えてしまい、思わず笑みを漏らしそうになる。
「バレてしまいましたか。」
爽やかな笑顔でそう返す彼の姿に、昨日の出来事が不意に蘇り、顔が赤くなるのを感じた。昨夜、書類整理が終わった後に一緒に食事をとり、その後、初夜を迎えたのだ。彼がどこまでも慎重に、そして私を気遣いながら接してくれたことを思い出すと、胸の奥がきゅっとなった。
「おはようございます。」
私が身体を起こすと、ユリドレはすぐに私をそっと抱き寄せ、ぎゅっと抱きしめた。彼の温もりが心地よい。
「ユ…ユリ!?」
驚いて声を上げると、彼は私の耳元で囁いた。
「おはようございます、メイ。まだ少しこのままでいさせてください。」
その低く優しい声と、耳元に感じる彼の息遣いにゾワリと鳥肌が立つ。これが本気の好意だというのだから、本当に恐れ入る。
「あの、どうして敬語なのですか?」
そう尋ねると、彼は少し頬を赤らめながら、どこか照れくさそうに答えた。
「それは、メイが女神様だからです。」
予想外の答えに呆気に取られてしまった。何を言っているのだろう、この人は。本気でそう思っているらしい彼の顔を見て、良い意味で呆れてしまった。
しばらくすると、ドアをノックする音が響き、メイドと執事が部屋に入ってきた。ユリドレはまだ私を抱きしめたままだったが、彼らは何も気にする様子もなく、淡々と朝の支度を始めた。
メイドたちは私の髪を丁寧に梳かし、柔らかな布で顔を拭き、豪華なドレスを着せてくれた。同時に、ユリドレも執事たちによって整えられていく。彼の冷静で静かな佇まいと、私の慣れない様子がどこか対照的だった。
支度が終わり、メイドたちが部屋を出ていくと、ユリドレが静かに言った。
「じゃあ、朝食に行きましょう。本当は部屋で食べたいけど、父上と母上がうるさくなりそうだから食堂へ行きますね。」
そう言うと、彼は私の手を取り、優しくエスコートしてくれた。その動きにはどこか甘やかすような優しさがあり、私はついそのぬくもりに惹かれるまま、そっと彼に身を預けた。
食堂に到着すると、ユリドレの両親らしき人物が既に席についていた。ユリドレが、私に挨拶を促すように優しい視線を向けてきた。
「初めまして、メイシールと申します。この度はご家族に加わらせていただき、大変光栄に存じます。どうぞよろしくお願いいたします。」
「メイ、そんなに気を使わないでください。両親なんてほっとけばいいんです。」
(何を言ってるの…!?)
驚いて振り返ると、ユリドレの父が笑いながら応じた。
「メイシール嬢、こちらこそ光栄に思う。ユリドレがあなたに出会えて幸せそうで何よりだ。我々の家族に加わってくれることを心から歓迎するよ。」
その言葉に少し安心したが、ユリドレの母が口を開いた瞬間、また緊張が走った。
「メイシールさん、あなたとお会いできて嬉しいですわ。ユリドレがこんなに幸せそうなのは初めてです。どうぞ楽しく過ごしてくださいませ。」
その優雅な笑顔に少しほっとしたが、次に放たれた言葉に再び困惑する。
「でも、ユリドレったら。これまでたくさん縁談があったのに、どれも断ってばかり。ようやく理由が分かりました。若い娘が良かったのね。」
「違います。」
ユリドレは真顔できっぱりと否定し、続けた。
「メイとは…そうですね。神のお導きです。」
またしても何を言っているの、この人は。そんな私の心の声など気にせず、父が笑ってまとめた。
「まぁ良いではないか。歳の離れた令嬢が男と結婚する話なんて珍しくもない。さぁ、朝食をいただこう。」
ユリドレは私の手を引いて椅子を引き、まるで子どもを扱うように丁寧に私を座らせた。その後、私に挨拶を促すように優しい視線を向けてきた。
朝食は、日常の話を交えることなく、仕事や情報ギルドの運営についての話題ばかりだった。その中でも、ユリドレは私に運ぶ前に必ず自分で一口試食し、安全を確認してから私に食べさせてくれていた。
(か…過保護すぎる!)
心の中で突っ込みを入れながらも、彼の気遣いにどこか満たされるような気持ちになった。
――――――――
―――――
朝食を終えた後、ユリドレに抱き上げられたまま部屋に戻ると、彼は私をそっとベッドの上に降ろしてくれた。
「もっとメイに触れていたいのですが、実はこの2年間、執務を後回しにしていたので、今から頑張らないといけません。」
(2年間も!?一体どうして…あっ。私の家に潜入していたから?)
ユリドレは名残惜しそうに私のおでこに軽くキスを落とすと、山のように積まれた書類が置かれた机に向かい、静かに執務を始めた。その後ろ姿に、なんだか少し寂しさを覚える。
「ユリ、何か手伝いましょうか?」
「だめです。メイの体に負担がかかってしまいますから。」
彼の答えに、少しがっかりした気持ちを隠しきれない。私は椅子に座りながら小さくため息をついた。
「そうですか。でも早くユリともっといろんなお話をしたいな、と思ってたんですけど。」
そう言うと、ユリドレは驚いたように顔を上げ、すぐに使用人に椅子を持ってくるよう指示した。やってきた椅子にはふかふかの座布団が敷かれ、彼は私を抱き上げてその椅子にそっと座らせた。
「では、領地に関する書類を少しお願いしてもいいですか?」
「ええ、大丈夫ですよ。」
領地の書類を処理するなんて、まさか私に任せてくれるとは思わなかったけど、実はこういう仕事には慣れている。最初の人生で王妃として嫌というほどやってきた仕事だ。アジャールが浮気相手と遊び回っている間、私が代わりに山のような書類を片付けていたのだから。
テーブルに広げられた書類を見ると、すぐに目に入ったのはレッドナイト公爵領を囲む火山の地図だった。
――なるほど、この火山群ね。確か噴火する順番を覚えてるわ。そうすると、被害が出る場所はここかしら…。だったら中心部に仮設住宅を建てる提案をしようかしら。
さらに火山による被害を防ぐための立ち入り禁止区域の指定についても、以前視察で訪れたことがある記憶を思い出しながら、具体的な提案を考えた。
――これは面白いわね。自分の知識や経験がこうして活かされるなんて。
気づけば書類の山を夢中で片付けていて、あっという間に昼になっていた。手を止めたとき、ユリドレが少し困ったような顔でこちらを見ていた。
「楽しそうだったので止めませんでしたけど、やりすぎです。」
「ごめんなさい、つい楽しくなっちゃって…。」
「それにしても驚きました。正直、ここまでできるとは思っていませんでした。でも、数枚掴んで確認してみたら完璧すぎて、俺よりもよっぽど有能な領主のようですね。」
彼は私が処理した書類を手に取り、じっくりと目を通していた。その姿に、なぜか少し照れてしまう。
「ええ!?いえ、それは…ただ回帰前の経験があったから…。」
「回帰前の記憶ですか?それは、他の男と過ごしたものですよね?」
ユリドレがゆっくりと顔を近づけてくる。その鼻先が触れそうなほど近い距離に、私の胸はドキドキと高鳴った。
「ユリ…あの、近いです。」
「当たり前です。俺以外のことを考えられなくして差し上げようと思っているので。」
彼の低い声とその言葉に、顔が真っ赤になってしまった。けれど、良い雰囲気に浸っていたのもつかの間、突然私のお腹が空腹による大きな音を立てた。
「あ…。」
「クスッ…ハハハッ。どうやら続きは後回しにしましょう。先にお昼を食べましょうか。」
「はい…。」
情けない…。どうして私のお腹はこうも空気を読めないのかしら。
しばらくすると、使用人たちが食事を運んできた。妊婦に優しい栄養バランスを考えた料理が並ぶ。軽めの野菜スープ、新鮮な魚料理、彩り豊かな野菜炒め、そして最後には甘くて滑らかなプリン。どれも丁寧に作られていて、体にも心にも優しい味だった。
「いただきます。」
ユリドレは最初に一口食べて毒見をしてから、スプーンを私に差し出す。そんな気遣いがもう当たり前に思えるくらい、私はこの優しさに慣れてきていた。
食事を終え、ソファでくつろいでいると、私は思い切ってユリドレに言った。
「ユリ、少し甘すぎませんか?もう少し普通にしてほしいんですけど…。」
すると彼は穏やかに微笑みながら答えた。
「慣れてください。」
「え!?いや、でも朝食のときだって、ご両親の前で毒見したものをあーんって…。」
「メイは女神様ですから問題ありません。俺はメイの全てを管理したいのです…。ダメですか?」
「うっ…。」
――これ以上何を言っても無駄ね。
彼の自信に満ちた態度に、私は肩をすくめるしかなかった。それでも、不思議とその言葉が心地よく響いたのは、きっと彼の愛が本物だと感じられたからだろう。
そんな彼を見ていると、胸がじんわりと温かくなり、思わず自分も笑みを浮かべてしまった。しかし、私が気配を感じさせてしまったのか、彼が微かに瞼を動かす。
「起きてますね。」
その声にドキリとした。彼は目を開け、まだ少し寝ぼけたような顔で微笑む。そんな姿が意外にも可愛く思えてしまい、思わず笑みを漏らしそうになる。
「バレてしまいましたか。」
爽やかな笑顔でそう返す彼の姿に、昨日の出来事が不意に蘇り、顔が赤くなるのを感じた。昨夜、書類整理が終わった後に一緒に食事をとり、その後、初夜を迎えたのだ。彼がどこまでも慎重に、そして私を気遣いながら接してくれたことを思い出すと、胸の奥がきゅっとなった。
「おはようございます。」
私が身体を起こすと、ユリドレはすぐに私をそっと抱き寄せ、ぎゅっと抱きしめた。彼の温もりが心地よい。
「ユ…ユリ!?」
驚いて声を上げると、彼は私の耳元で囁いた。
「おはようございます、メイ。まだ少しこのままでいさせてください。」
その低く優しい声と、耳元に感じる彼の息遣いにゾワリと鳥肌が立つ。これが本気の好意だというのだから、本当に恐れ入る。
「あの、どうして敬語なのですか?」
そう尋ねると、彼は少し頬を赤らめながら、どこか照れくさそうに答えた。
「それは、メイが女神様だからです。」
予想外の答えに呆気に取られてしまった。何を言っているのだろう、この人は。本気でそう思っているらしい彼の顔を見て、良い意味で呆れてしまった。
しばらくすると、ドアをノックする音が響き、メイドと執事が部屋に入ってきた。ユリドレはまだ私を抱きしめたままだったが、彼らは何も気にする様子もなく、淡々と朝の支度を始めた。
メイドたちは私の髪を丁寧に梳かし、柔らかな布で顔を拭き、豪華なドレスを着せてくれた。同時に、ユリドレも執事たちによって整えられていく。彼の冷静で静かな佇まいと、私の慣れない様子がどこか対照的だった。
支度が終わり、メイドたちが部屋を出ていくと、ユリドレが静かに言った。
「じゃあ、朝食に行きましょう。本当は部屋で食べたいけど、父上と母上がうるさくなりそうだから食堂へ行きますね。」
そう言うと、彼は私の手を取り、優しくエスコートしてくれた。その動きにはどこか甘やかすような優しさがあり、私はついそのぬくもりに惹かれるまま、そっと彼に身を預けた。
食堂に到着すると、ユリドレの両親らしき人物が既に席についていた。ユリドレが、私に挨拶を促すように優しい視線を向けてきた。
「初めまして、メイシールと申します。この度はご家族に加わらせていただき、大変光栄に存じます。どうぞよろしくお願いいたします。」
「メイ、そんなに気を使わないでください。両親なんてほっとけばいいんです。」
(何を言ってるの…!?)
驚いて振り返ると、ユリドレの父が笑いながら応じた。
「メイシール嬢、こちらこそ光栄に思う。ユリドレがあなたに出会えて幸せそうで何よりだ。我々の家族に加わってくれることを心から歓迎するよ。」
その言葉に少し安心したが、ユリドレの母が口を開いた瞬間、また緊張が走った。
「メイシールさん、あなたとお会いできて嬉しいですわ。ユリドレがこんなに幸せそうなのは初めてです。どうぞ楽しく過ごしてくださいませ。」
その優雅な笑顔に少しほっとしたが、次に放たれた言葉に再び困惑する。
「でも、ユリドレったら。これまでたくさん縁談があったのに、どれも断ってばかり。ようやく理由が分かりました。若い娘が良かったのね。」
「違います。」
ユリドレは真顔できっぱりと否定し、続けた。
「メイとは…そうですね。神のお導きです。」
またしても何を言っているの、この人は。そんな私の心の声など気にせず、父が笑ってまとめた。
「まぁ良いではないか。歳の離れた令嬢が男と結婚する話なんて珍しくもない。さぁ、朝食をいただこう。」
ユリドレは私の手を引いて椅子を引き、まるで子どもを扱うように丁寧に私を座らせた。その後、私に挨拶を促すように優しい視線を向けてきた。
朝食は、日常の話を交えることなく、仕事や情報ギルドの運営についての話題ばかりだった。その中でも、ユリドレは私に運ぶ前に必ず自分で一口試食し、安全を確認してから私に食べさせてくれていた。
(か…過保護すぎる!)
心の中で突っ込みを入れながらも、彼の気遣いにどこか満たされるような気持ちになった。
――――――――
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朝食を終えた後、ユリドレに抱き上げられたまま部屋に戻ると、彼は私をそっとベッドの上に降ろしてくれた。
「もっとメイに触れていたいのですが、実はこの2年間、執務を後回しにしていたので、今から頑張らないといけません。」
(2年間も!?一体どうして…あっ。私の家に潜入していたから?)
ユリドレは名残惜しそうに私のおでこに軽くキスを落とすと、山のように積まれた書類が置かれた机に向かい、静かに執務を始めた。その後ろ姿に、なんだか少し寂しさを覚える。
「ユリ、何か手伝いましょうか?」
「だめです。メイの体に負担がかかってしまいますから。」
彼の答えに、少しがっかりした気持ちを隠しきれない。私は椅子に座りながら小さくため息をついた。
「そうですか。でも早くユリともっといろんなお話をしたいな、と思ってたんですけど。」
そう言うと、ユリドレは驚いたように顔を上げ、すぐに使用人に椅子を持ってくるよう指示した。やってきた椅子にはふかふかの座布団が敷かれ、彼は私を抱き上げてその椅子にそっと座らせた。
「では、領地に関する書類を少しお願いしてもいいですか?」
「ええ、大丈夫ですよ。」
領地の書類を処理するなんて、まさか私に任せてくれるとは思わなかったけど、実はこういう仕事には慣れている。最初の人生で王妃として嫌というほどやってきた仕事だ。アジャールが浮気相手と遊び回っている間、私が代わりに山のような書類を片付けていたのだから。
テーブルに広げられた書類を見ると、すぐに目に入ったのはレッドナイト公爵領を囲む火山の地図だった。
――なるほど、この火山群ね。確か噴火する順番を覚えてるわ。そうすると、被害が出る場所はここかしら…。だったら中心部に仮設住宅を建てる提案をしようかしら。
さらに火山による被害を防ぐための立ち入り禁止区域の指定についても、以前視察で訪れたことがある記憶を思い出しながら、具体的な提案を考えた。
――これは面白いわね。自分の知識や経験がこうして活かされるなんて。
気づけば書類の山を夢中で片付けていて、あっという間に昼になっていた。手を止めたとき、ユリドレが少し困ったような顔でこちらを見ていた。
「楽しそうだったので止めませんでしたけど、やりすぎです。」
「ごめんなさい、つい楽しくなっちゃって…。」
「それにしても驚きました。正直、ここまでできるとは思っていませんでした。でも、数枚掴んで確認してみたら完璧すぎて、俺よりもよっぽど有能な領主のようですね。」
彼は私が処理した書類を手に取り、じっくりと目を通していた。その姿に、なぜか少し照れてしまう。
「ええ!?いえ、それは…ただ回帰前の経験があったから…。」
「回帰前の記憶ですか?それは、他の男と過ごしたものですよね?」
ユリドレがゆっくりと顔を近づけてくる。その鼻先が触れそうなほど近い距離に、私の胸はドキドキと高鳴った。
「ユリ…あの、近いです。」
「当たり前です。俺以外のことを考えられなくして差し上げようと思っているので。」
彼の低い声とその言葉に、顔が真っ赤になってしまった。けれど、良い雰囲気に浸っていたのもつかの間、突然私のお腹が空腹による大きな音を立てた。
「あ…。」
「クスッ…ハハハッ。どうやら続きは後回しにしましょう。先にお昼を食べましょうか。」
「はい…。」
情けない…。どうして私のお腹はこうも空気を読めないのかしら。
しばらくすると、使用人たちが食事を運んできた。妊婦に優しい栄養バランスを考えた料理が並ぶ。軽めの野菜スープ、新鮮な魚料理、彩り豊かな野菜炒め、そして最後には甘くて滑らかなプリン。どれも丁寧に作られていて、体にも心にも優しい味だった。
「いただきます。」
ユリドレは最初に一口食べて毒見をしてから、スプーンを私に差し出す。そんな気遣いがもう当たり前に思えるくらい、私はこの優しさに慣れてきていた。
食事を終え、ソファでくつろいでいると、私は思い切ってユリドレに言った。
「ユリ、少し甘すぎませんか?もう少し普通にしてほしいんですけど…。」
すると彼は穏やかに微笑みながら答えた。
「慣れてください。」
「え!?いや、でも朝食のときだって、ご両親の前で毒見したものをあーんって…。」
「メイは女神様ですから問題ありません。俺はメイの全てを管理したいのです…。ダメですか?」
「うっ…。」
――これ以上何を言っても無駄ね。
彼の自信に満ちた態度に、私は肩をすくめるしかなかった。それでも、不思議とその言葉が心地よく響いたのは、きっと彼の愛が本物だと感じられたからだろう。
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