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気がついた気持ち

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「まあ、これでも一応王族だから知り合いならたくさんいるぞ。でもやっぱりみんな権力だの、地位だのを気にする人が多くてな。王族なんだから媚売っておこうみたいな考えの人が寄ってくるんだから、友達なんてなかなか難しいな。」
王族でも苦悩は人間誰でもあるんだな、と思いつつも、悩みを俺に話してくれたようで、そこまで心を開かれている、という事実がなんだか嬉しい。
「俺も、友達なんていないからな。おんなじだ」
俺がそういうと、レンは俺よりも驚いた顔をしてきた。
「なんでそんな驚いてんだよ。」
「当たり前だろ。しかもそれってアツキの良さを誰も知らないってことだろ。そんなの残念すぎるだろ。」
「は?だいたい俺にいいとこなんでないだろ。」
「何言ってんだ!最初は一目惚れだったけど、話していくうちに笑った顔可愛いなとか、家事できるんだなとか、美味しいものを食べるとこんな顔するんだなとかそれから…」
「もういい!もうわかったから!」
「いや、俺はちゃんとアツキに伝えておきたい。それでいつかアツキにも俺のこと好きになって欲しい。」
そんなの…
もうこっちだってお前のことが好きだっていうのに。
お前が他に人と話してるの見たら嫉妬したよって。
本当はお前の一方通行なんかじゃないって、伝えたいのに。
この気持ちをどうやってレンに伝えたらいいのかわからない。
「レン…。えっと、」
「うん?どうした?」
俺が声をかけるといつものように笑いかけてくれる。
こんなことでも嬉しくてたまらないっていうのに。
「お待たせしましたー!」
俺がレンに考えていたことを伝えようとするとタイミングよく、というかタイミング悪く、ハンナさんがお菓子を届けにきた。
ハンナさんが運んで来てくれたものは俺が、レンと同じものでと頼んだもので、ふわふわっとしたマカロンのようなもので、初めてみるものだった。
見た目からして美味しそうなものだったが、レンに大事なことを伝えられなかった。
そんな俺の雰囲気を察したのか、レンが話しかけてくれた。
「あとで続き聞かせてくれるか?」
「ああ」
あとで、戻ったら、ちゃんと伝えよう。
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