嫌われ者だった俺が転生したら愛されまくったんですが

夏向りん

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兄編

お兄さん

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「やっほー」
いつもの通り掃除用具を取りに行ったり食材をもらいに行ったりするために廊下を歩いていると後ろから声を掛けられた。
「えっと、」
「ひっどいなー。この前中庭で会ったじゃん」
「…ああ、あの」
「思い出すのに結構時間かかったねー。俺結構モテる方なんだけど」
自分でモテるとか言う奴にはなかなかまともな奴はいない。
「何か用ですか」
「これからちょっとここに留まることになったからさ挨拶しておこうかと思って」
「そうなんですか。これからよろしくお願いします」
「よろしくね。ちなみに俺フィルね。この国の第一王子でもあるかな」
「えっと、てことはレンのお兄さんですか?」
「そうだよ。ちなみにレンとアツキの関係は父さんから聞いてるから隠さなくて大丈夫だからね」
なんかレンと全然違うタイプだな。
「もしかして今レンとは似てないなって思ったでしょ?」
「い、やそんなことは」
「ははっ、隠さなくていいよ。よく言われることだし。」
「そうなんですね」
「そんな俺のこと警戒しないでよー。取って食ったりなんてしないから。っとこんな長居してるとまた怒られそ。バイバーイまたねー。」
嵐のような人だなと思いつつも去っていくお兄さんに会釈をする。
そういえば名前フィルだっけ。中庭でサキさんににそう呼ばれていたはずだ。

「兄さん?なんでまた」
レンが帰ってくると俺は早速今日あったことを伝えた。
「俺に聞くなよ。まあとにかくそう言うことがあったってだけ。」
「へえ、久しぶりだな」
「久しぶりってどのくらい会ってないんだ」
「どうだろう。3、4年はあってないかもな」
「マジかよ?でも俺半年くらい前に会ってるぞ」
「そうなのか!?アツキ何もされてない?」
「大丈夫だけど、どうかした?」
「いや、なんとなく怪しいなと思っただけだが。兄さんすぐ手出すから。」
「俺男だぞ?」
「それがどうしたんだ?」
そうか、こいつの中では何もおかしなことではないのか。
日本は遅れてんなあ。
「大丈夫だなんでもない。ま、俺のことなんて相手にするのはお前くらいだから安心していいぞ」
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