上 下
32 / 88
第3章・炎帝龍の山

六話・ボルドー特製のポーション

しおりを挟む
オレは、ボルドーが作ってくれた
隠れ蓑を羽織って、自分の姿と音を消している
ボルドーが突入するタイミングを伺っている間
物陰に隠れて、ボルドーが戦闘中の場に出るのを待つ

『アイ様、用意は出来ていますね?』
「うん、いつでも大丈夫だよ。」

ボルドーが上を見上げてカーディナルに視線を放つ

『私が注意を引きつけるから、その内にカーディナルは、治癒魔法をかけてくれ』
『分かりましたわ。』

ボルドーがオーラを放ってド派手に登場し
そうやって、武装集団の連中の注意をボルドー自身が引きつけ
注意が全て、自分に向いているその一瞬の隙を突いて

『アイ様、カーディナル今だ!!』
「カーディナルあの人たちを頼むよ」
『分かりましたわ!アイ様!』

カーディナルが致命傷の傷に応急処置の治癒魔法を放つ

『とりあえず、今は、応急処置だけにしましょう…」

盾の人とその人を庇った少年の体がうっすらっと光る

『これで一先ずは大丈夫でしょう。後は、ホームワールドの中のポーションでも大丈夫ですわ』

武装集団の連中がその事に気付く前に…
っと言っても、こっちの事に気付けるのかな?
ボルドーが放った風刃ウィンド・カッターが武装集団のリーダーが構えていた
大剣を三分の一くらいの所で両断してた上に
彼らの背後の森の木々を切り飛ばしてしまったからな…
その後は…全員一斉に倒れた⁉︎
何でかな?ボルドーがまた何かしたのかな?
まぁ…いいや、後の事はボルドーに任せよう。
オレとカーディナルは、先にホームワールドの中に入って
ボルドーが負傷者をホームワールド内へ入れるまで待機する


すると、一斉に彼らが目の前に現れた
負傷者達をボルドーがホームワールドに入れたようだ
オレとカーディナルは、負傷者の救護を開始する
彼らは、毛皮のマットに寝てる
このマットは、事前にボルドーに用意てもらっておいた

オレが手当てに使うのは、コレ!
液体の入ったガラスの小瓶だ
この中身は…
オレとボルドーがこの森で採取した薬草
その薬草からボルドーが作った特製の回復薬ポーション

その回復薬ポーション入りの瓶を革の鞄の中から取り出して
負傷者に飲ませたり、体の傷に直接かける
回復薬ポーションをかけた所の傷がみるみるうちに塞がった
盾の人と庇った少年以外は割と軽傷だった

だけど…その二人の治療をしないといけない
カーディナルがさっき使った治癒魔法の応急処置だけだった。
盾の人の背中の傷だけど
かなり、範囲が広い…
傷口からの出血は、ある程度は止まってる
けど…まだ、出血してる
庇った少年は胸に矢が刺さったままだし
顔色も青白くなってきている
この二人は、どうしよう

「カーディナル、この二人の治療はどうすればいい?この回復薬ポーションでも大丈夫?」
『アイ様、この二人の状態では、その位の薬では効きませんわ』

え?この薬は効かないの⁉︎

「カーディナル…カーディナルの治癒魔法でなんとか出来ない?」
『出来なくはないですが…このレベルの怪我を治癒できる魔法はあるにはありますが…』

カーディナルが言葉を濁す
何か問題があるんだろうか?
すると、後ろから声がした

『アイ様、それは、治癒魔法のヒールよりも格上の治癒魔法になります』

後ろを振り返ると、ボルドーがこちらに歩いて来る

「ボルドー、戻って来たんだね。それよりも、格上の治癒魔法って?」
『この世界イレベリアでは、使える者が中々居ない高度な魔法で、使えば確実に彼らにバレますよ?』

バレる…
それは、つまりオレ達の存在が世間に知られてしまう事になる
…っという事だ
オレは、一瞬だけ考えたけど…
答えは、もう決まってるよね?
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

勇者のお仕事二巻【旅情激闘編】

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:0

ストーカー婚約者でしたが、転生者だったので経歴を身綺麗にしておく

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:51,654pt お気に入り:1,162

悪役令息の義姉となりました

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:20,740pt お気に入り:1,467

小さくなった大魔法使いは氷の騎士の守護者となる

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:35

娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:256pt お気に入り:2

処理中です...