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金木犀

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出会い

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引っ越しをしてから3週間が経ち、その間に大学の入学式も終えて、いよいよ新生活がスタートして程なくした頃だった

休みにも関わらず賑わうキャンパスの中を一人人混みを避けるかのように彰人は歩いていた

「テニスサークルどうですかー!」

「オリエンテーリング部でーす!」

DomやSubだけでなくNormalも通う東應大学は、在籍数も多くサークル活動が盛んだった

中高ととてもではないが学生生活を楽しんだことがない彰人は、友人が少しでもできればと思いつつ、人との関わりを持つことに怯え入学して1週間が経つにも関わらず同じ学科の人とも会話ができていなかった

6年間の悪夢によって植え付けられたDomへの恐怖心は拭えず、Domが多く集まる運動系のサークルは避けてSubでも出来そうなサークルを探してフラフラとキャンパス内を歩いていた

気がつくと賑わっていた校門付近からだいぶ奥地にあるサークル棟付近まで歩いてきており、そこは人気のないサークルなのか閑散としていた

「ゲームサークルどうすかー」

熱心とは言えない勧誘にも関わらず、ゲームという単語に興味を惹かれ、ブースに近寄ると立て看板には様々なボードゲームやゲームクイズなどを扱うサークルだと書かれていた

「お、そこの1年くん、ゲームサークルどうよ?」

少し遠巻きに見ていると、身長差が彰人とは20cmはありそうな先輩に突如声をかけられ半ば強引にブースへと連れて行かれた

「はじめまして、福部です。学部どこなのー?」

「あ、えっと……山本彰人、です。理工学部の物理学科です……」

椅子に座ると紹介の受付をしていたメガネをかけた柔和な顔立ちの先輩に声を掛けられ、つい素直に答えてしまった

「お?マジで?俺の後輩じゃん!あ、ごめんな俺須田駿介!」

そう話に入ってきたのは、このブースに連れて来てくれた高身長の先輩だった

先ほど声をかけられた時は驚いて気が付かなかったが、近くに寄ってみるとその先輩がDomであることを本能的に感じ、体が強張る

「……っ」

助けを求めるように目の前の先輩に視線を移すと、柔和な雰囲気の中にDomの強さを感じ余計に恐怖で思考が支配された

ーー最悪だ、Domがいるなら早く帰りたい……ーー

そう思いながらも体が動かず俯いたままいると突如誰かに肩を叩かれた

「僕とお話ししましょうか、えっと……山本、くん?」

後ろから聞こえた声に振り向くと、そこにはSubと思わしき色白の先輩が立っていた
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