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金木犀

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出会い

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突如現れた先輩の発言で何かを察したのか、ブースの内側に座っていた福部は席を立ち椅子を新しく来た先輩に譲ると、須賀と共に新入生に声をかけるためにその場から離れていった

「何か飲みながらのんびり聞いてくれればいいですよ」

年上にも関わらず丁寧で柔らかな話し方をするその人に促されるまま紙コップを受け取ると、緊張で喉が渇いていたのかごくごくと紙コップに入ったリンゴジュースを飲み干した

甘味のおかげか少しだけ緊張がほぐれると、それを見越したのかA4のレジュメを取り出し、その先輩はサークルの説明を始めた

「自己紹介まだでしたね、河野拓哉です。僕たち曜日とかあまり決めずに適当に集まって適当にゲームとかして、たまーに飲みに行くくらいの緩いサークル活動してます。何か強制することもないし、基本ゲームも持ち寄りだからサークル費とかも特にないから、暇つぶし程度にどうかな?」

河野というその先輩は落ち着いた静かな声で、レジュメになっている文章の要点を掻い摘んで説明してくれた

「あの……ひとつ聞いてもいいですか?」

「どうぞ?」

「失礼かと思うんですけど河野さんって、Subですよね?」

「うん、そうですよ」

「Domと一緒に活動していて、その……困ることとかないんですか?」

同じSubなら少なからずDomへの恐怖心はあるだろうと思いながらそう切り出すと、目の前に座る河野はふるふると緩慢な動きで首を横に振った

「ないかなぁ、さっきいた2人も含めてここに所属してるDomはなんていうか特殊な人が多くて……あまり詳しくはプライバシーもあるので言いませんが、酷いことをしてくるような人たちではないので、そこは安心してもらって大丈夫ですよ」

遠くを歩いているだろう2人の姿を彰人の背中越しに眺めながらそうのんびりと話すと、手元にあったレジュメをめくり入会希望者のリストを机の上に広げた

「次の活動日は明日の11時なので、もし興味あったら参加してみてください。待ってますね」

穏やかに最後微笑むと、なんとなく断りづらさを覚えてリストに記名し連絡先を交換すると、そのままブースを後にした
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