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Special ② (聖奈さん♡)
CROSS OVER ①
「ふーん、敵を性的に責める為の拷問器具ね。中々凝った設定じゃないか」
俺は朝のコーヒーを飲みながら届いたメールをチェックしていた。
俺の勤めるアダルトグッズの製作会社は、お客様からのご依頼のもと、コンセプトやどういった物をお求めなのかを詳しく対談しながら丁寧に製造していくのがモットーだ。その積み重ねあって、小さいながらも信頼のある会社だと評判がつくようになった。
依頼は細々とした小さい玩具のようなものから大きな拘束台まで、相談を受ければ何でも検討させていただく。オーダーメイドだけあってその分お値段も張るのだが、俺達社員は一つ一つ努力を惜しまず全力で仕上げていく。大変な作業も多いが、出来上がった時の感動は言い表せない。
最近は小さい玩具の依頼ばかりだったが、今回上司から久々に大型の注文をいただいたと張り切ってメールを回された。
その内容とは、ざっくり言えば色々な機能の付いた大型拘束台。ーーこれだけであれば今までも何度か後輩の篠田くんと協力して作り上げていたのだが、今回は添えられたコンセプトが少し面白い。俺は再びメールの一部に目を通した。
【…直接お会いすることが出来ない為、全てメールにて失礼します。御社の技術力を見込み、依頼させていただきたいものが御座います。…単刀直入に申しますと、拷問用として使える拘束台です。
快楽をもって敵を堕とす手法は有効的であると広まっています。…しかし自らの組織内だけで大型器具を一から開発するのは難しく、私達の組織も技術者が不足しています。
つきましては、敵に快楽を用いて情報を引き出せるような機能を搭載した拘束台を注文できますでしょうか。制作費は惜しみませんのでご検討の程宜しくお願い致します。
…尚、我々の立場上、このやり取りは担当者の方以外には極秘でお願い致します。…】
そこまで読み返し、俺はまたコーヒーに口をつけた。
ーー快楽ねぇ。拷問といえば鞭とかのイメージだけど、この人達はそういう物をご所望であると。
…ははぁ。読めたぞ。これは拷問をコンセプトにしたSMクラブかそういうお店からの依頼だな。多分そうだ。いや絶対そう。
世界観を創り、そのままのイメージを持ち込んでいただけるのはこちらとしてもやりやすい。この依頼は、大型器具で実績のある俺と篠田くんのペアでまた組むことになった。…また、というか大体そうなるのだが。
まぁ俺も慣れている人との方が有り難い。何故か社内からもベストコンビなどと言われている俺と篠田くんは、形やサイズ、どのような機能をつけるのが効果的かを詳しく話し合う事にした。
今回はお客様からのご希望は殆ど無くこちらにお任せするとのことだったので、自由度が高い反面ああでもないこうでもないと頭を悩ませることとなったが、こういった時は後輩の篠田くんが俺よりもたくさんアイデアを出してくれる。その中から二人で選び、設計図が出来てからは昼夜忙しく製作に取り組んでいくこととなった。
お客様の笑顔の為、といえば綺麗事と思われるかもしれないが、実際それはかなりのモチベーションになる。俺が今までこの仕事を続けられたのもこれが大きい。…それと、もう一つ。
「未南さーん!ここチェックお願いします!」
それが彼、後輩でペアの篠田くんだ。
語弊はあるかもしれないが、彼は俺を騙して近づき俺をめちゃくちゃにしてきた。お客様に引き渡す際の検品作業と称して何度も何度もイジめてくる。
俺も毎回毎回学習すればいいのだが、結局彼の良いようにされるのがオチだ。
…まぁ、その、篠田の事は嫌いじゃないし、仕事はすげー出来るし?許さねー篠田ァァ!!とよく怒鳴りながらも仲良くやっている。…何されてるとか詳しいことは聞かないで欲しい。
だ!が!しかし俺はとにかく彼に一発ガツンと仕返ししてやらないと気が済まない。今度こそ見てろよ篠田。絶対にお前の泣き顔を拝んでやるからな!と、決心すると燃えるような熱意で頑張れるのである。
今回の大型拘束台も、費用度外視というデカいアドバンテージを利用し、理想を詰め込んだ。
見た目はシンプルなフラットの台だが、幾つもの鬼畜な仕掛けが施されている。おかげでリモコンはボタンだらけだ。説明書を作成するのも一苦労で、これ読むより実際に実演して見てもらった方が早いんじゃないかと二人で笑いながら調整をしていた。
…これが上司に聞かれていると知らず、後々えらい事になるのだが…。
最後の方は徹夜で仕上げに入り、長い期間がかかってしまったが無事完成し、理想形ともいえる拘束台が出来上がった。
上司に報告すると見事な出来を褒めてくれ、流石ベストコンビだな!と特別ボーナスを貰ってしまった。羽振りの良さに俺達二人は驚いたが、疲れが溜まっていたのでその日に美味い飯を食べに行き、小さなお疲れ様会を開いた後、久々に家に帰って眠った。
その後最終検品作業を経て、俺達の可愛い拘束台はお客様のもとへ運ばれていったのだった。
…最終検品作業はどんな感じだったって?…聞かないでくれって言ってるだろ。
「未南さん、今日もめっっちゃ可愛かったですよ!」
「黙れ篠田お前マジで殴るからな!」
◇ ◆
彼らが最初のメールを受け取る少し前。
ーーー世界の何処か。
会議室にて。
「…では本日の会議を始めます。
先日、Daisyの方が作成したと言われるハイテクノロジーを搭載した拘束台についてです。私達の組織は彼らからその拘束台を受け取りましたが、既存の台には無いどれもオリジナルの機能だったそうです。
つまり、Daisyには高度な拷問器具や薬剤を自ら作れるような、優秀なメンバーが多数加入していると考えられます。決して我々が劣っているとは思いませんが、私達は任務をこなす事ばかりに気を取られ、技術者の育成やスカウトを怠ってきたのではないでしょうか。
…これを機に、Irisの勢力をより確固たるものにすべく、信頼のある所から腕のたつ技術者をお招きするという案は如何でしょうか。…候補はこちらになりまして…」
「良いね。私もそう思っていたよ。…彼らとかどうだい?上手く行けばオファーを受けてくれるんじゃないかな。…いずれにしてもDaisyに遅れをとる訳にはいかないね。早急にこの話は進めよう」
「はい、畏まりました。それでは…」
◇ ◆
→
俺は朝のコーヒーを飲みながら届いたメールをチェックしていた。
俺の勤めるアダルトグッズの製作会社は、お客様からのご依頼のもと、コンセプトやどういった物をお求めなのかを詳しく対談しながら丁寧に製造していくのがモットーだ。その積み重ねあって、小さいながらも信頼のある会社だと評判がつくようになった。
依頼は細々とした小さい玩具のようなものから大きな拘束台まで、相談を受ければ何でも検討させていただく。オーダーメイドだけあってその分お値段も張るのだが、俺達社員は一つ一つ努力を惜しまず全力で仕上げていく。大変な作業も多いが、出来上がった時の感動は言い表せない。
最近は小さい玩具の依頼ばかりだったが、今回上司から久々に大型の注文をいただいたと張り切ってメールを回された。
その内容とは、ざっくり言えば色々な機能の付いた大型拘束台。ーーこれだけであれば今までも何度か後輩の篠田くんと協力して作り上げていたのだが、今回は添えられたコンセプトが少し面白い。俺は再びメールの一部に目を通した。
【…直接お会いすることが出来ない為、全てメールにて失礼します。御社の技術力を見込み、依頼させていただきたいものが御座います。…単刀直入に申しますと、拷問用として使える拘束台です。
快楽をもって敵を堕とす手法は有効的であると広まっています。…しかし自らの組織内だけで大型器具を一から開発するのは難しく、私達の組織も技術者が不足しています。
つきましては、敵に快楽を用いて情報を引き出せるような機能を搭載した拘束台を注文できますでしょうか。制作費は惜しみませんのでご検討の程宜しくお願い致します。
…尚、我々の立場上、このやり取りは担当者の方以外には極秘でお願い致します。…】
そこまで読み返し、俺はまたコーヒーに口をつけた。
ーー快楽ねぇ。拷問といえば鞭とかのイメージだけど、この人達はそういう物をご所望であると。
…ははぁ。読めたぞ。これは拷問をコンセプトにしたSMクラブかそういうお店からの依頼だな。多分そうだ。いや絶対そう。
世界観を創り、そのままのイメージを持ち込んでいただけるのはこちらとしてもやりやすい。この依頼は、大型器具で実績のある俺と篠田くんのペアでまた組むことになった。…また、というか大体そうなるのだが。
まぁ俺も慣れている人との方が有り難い。何故か社内からもベストコンビなどと言われている俺と篠田くんは、形やサイズ、どのような機能をつけるのが効果的かを詳しく話し合う事にした。
今回はお客様からのご希望は殆ど無くこちらにお任せするとのことだったので、自由度が高い反面ああでもないこうでもないと頭を悩ませることとなったが、こういった時は後輩の篠田くんが俺よりもたくさんアイデアを出してくれる。その中から二人で選び、設計図が出来てからは昼夜忙しく製作に取り組んでいくこととなった。
お客様の笑顔の為、といえば綺麗事と思われるかもしれないが、実際それはかなりのモチベーションになる。俺が今までこの仕事を続けられたのもこれが大きい。…それと、もう一つ。
「未南さーん!ここチェックお願いします!」
それが彼、後輩でペアの篠田くんだ。
語弊はあるかもしれないが、彼は俺を騙して近づき俺をめちゃくちゃにしてきた。お客様に引き渡す際の検品作業と称して何度も何度もイジめてくる。
俺も毎回毎回学習すればいいのだが、結局彼の良いようにされるのがオチだ。
…まぁ、その、篠田の事は嫌いじゃないし、仕事はすげー出来るし?許さねー篠田ァァ!!とよく怒鳴りながらも仲良くやっている。…何されてるとか詳しいことは聞かないで欲しい。
だ!が!しかし俺はとにかく彼に一発ガツンと仕返ししてやらないと気が済まない。今度こそ見てろよ篠田。絶対にお前の泣き顔を拝んでやるからな!と、決心すると燃えるような熱意で頑張れるのである。
今回の大型拘束台も、費用度外視というデカいアドバンテージを利用し、理想を詰め込んだ。
見た目はシンプルなフラットの台だが、幾つもの鬼畜な仕掛けが施されている。おかげでリモコンはボタンだらけだ。説明書を作成するのも一苦労で、これ読むより実際に実演して見てもらった方が早いんじゃないかと二人で笑いながら調整をしていた。
…これが上司に聞かれていると知らず、後々えらい事になるのだが…。
最後の方は徹夜で仕上げに入り、長い期間がかかってしまったが無事完成し、理想形ともいえる拘束台が出来上がった。
上司に報告すると見事な出来を褒めてくれ、流石ベストコンビだな!と特別ボーナスを貰ってしまった。羽振りの良さに俺達二人は驚いたが、疲れが溜まっていたのでその日に美味い飯を食べに行き、小さなお疲れ様会を開いた後、久々に家に帰って眠った。
その後最終検品作業を経て、俺達の可愛い拘束台はお客様のもとへ運ばれていったのだった。
…最終検品作業はどんな感じだったって?…聞かないでくれって言ってるだろ。
「未南さん、今日もめっっちゃ可愛かったですよ!」
「黙れ篠田お前マジで殴るからな!」
◇ ◆
彼らが最初のメールを受け取る少し前。
ーーー世界の何処か。
会議室にて。
「…では本日の会議を始めます。
先日、Daisyの方が作成したと言われるハイテクノロジーを搭載した拘束台についてです。私達の組織は彼らからその拘束台を受け取りましたが、既存の台には無いどれもオリジナルの機能だったそうです。
つまり、Daisyには高度な拷問器具や薬剤を自ら作れるような、優秀なメンバーが多数加入していると考えられます。決して我々が劣っているとは思いませんが、私達は任務をこなす事ばかりに気を取られ、技術者の育成やスカウトを怠ってきたのではないでしょうか。
…これを機に、Irisの勢力をより確固たるものにすべく、信頼のある所から腕のたつ技術者をお招きするという案は如何でしょうか。…候補はこちらになりまして…」
「良いね。私もそう思っていたよ。…彼らとかどうだい?上手く行けばオファーを受けてくれるんじゃないかな。…いずれにしてもDaisyに遅れをとる訳にはいかないね。早急にこの話は進めよう」
「はい、畏まりました。それでは…」
◇ ◆
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