49 / 104
訓練シリーズ
花宮と桜花①
しおりを挟む
渚が居ない!の翌日の話ですが、時系列はあまり気にしないで下さい。欲望のままに書きました。ほとんど登場してませんが、花宮はIrisのリーダーです。
濁点喘/拘束/羞恥/耳責/筆責/焦らし/くすぐり/乳首責/舐責/言葉責/寸止/フェラ/連続絶頂
攻→花宮+柚木+亜蘭+風見
受→桜花/視点
◇ ◆
亜蘭くんが組織へ正式に加入することになった翌日、俺は花宮さんに呼び出された。もちろん理由は分かっている。
足取り重く部屋の前へ来て、小さく深呼吸した後に扉をノックすると「どうぞ」と聞き慣れた声が返ってきた。
「失礼します」
部屋に置かれたソファに座る花宮さんの傍へ行くと、テーブルを挟んだ向かい側の席へ座るように促された。すぐにその指示に従い、質感の良いソファに腰掛けて軽く頭を下げた。
「桜花、呼び出してごめんね。先日うちに来てくれた亜蘭くん、最初は凄い子だと思ったけど話してみるとすごくしっかりしてていい子だったよ。ありがとう」
普段指令を出す時はいつも真面目な表情をしている花宮さんが俺だけに見せる柔らかい笑顔。その顔を見て少しだけドキッとしたが、この事を言うためだけに呼び出したわけじゃないと分かっている。じっと見つめて次の言葉を待っていると、花宮さんは暫くして口を開いた。
「その様子じゃ分かってると思うけど、渚くん救出に行ったお前が、何あっさりと敵に捕まってるわけ?何故もっと慎重に行動しなかった?──まぁ言いたいことは山ほどある。結果誰にも被害がなかったとは言え、この件を何のお咎めもなく終わらせるわけにはいかない。よって桜花には仕置も兼ねてとある訓練を受けてもらうことにした」
「かしこまりました」
幹部だろうが何だろうが、ヘマをしたらこの仕打ちが待っているのは知っていた。今まで何度も訓練する側に居た自分が、まさかこうなるとは思わなかったが。
俺に訓練するのはおそらく風見くんか塞原くん──二人とも本気で嫌だけど、慎重に計画を立てなかった自分の責任だ。
「明日10時に訓練部屋に来い。以上、お疲れ様」
「お疲れ様でした。失礼します」
深く頭を下げた後、部屋を後にすると、どっと体が重たくなった。
(最悪……風見くんは容赦ないで有名だし、塞原くんは純粋に嫌すぎるし)
敵だった亜蘭くんに責められて自分の体が敏感なことを知ってしまった今、あの二人に何かされて耐えることが出来るか分からない。嫌な想像ばかりが頭を支配しながら、明日に備えて早めに就寝することにした。
◇ ◆
「はな、みやさん?」
翌日、訓練部屋に入るとそこに居たのは訓練の指示を出した張本人でもある花宮さんだった。
「流石時間にきっちりしてるね」
「何で」
「何でとは?何故俺がここに居るのかってこと?それはもちろん今日桜花を訓練するからだけど」
その発言に言葉を失うと、何か作業していた手を止めて俺の方へと近付いてきた。
「桜花はいつも優秀で、こういった形での訓練は初めてだね。任務に出るために実施した訓練以来だから相当久しぶりだね」
「…そうですね。俺はてっきり今日の訓練は風見くんか塞原くんだと思ってました」
「そうなんだ。まぁ塞原はある意味適任だったかもな。お前、あいつに何かされんの嫌だろうし。けどそれ以上に──俺たちの方が適任だと思ってさ」
"たち"と言われて不思議に思った瞬間、訓練部屋の扉が開いて、二人の人物が中へと入ってきた。その二人を見て俺は更に愕然とした。
「…失礼します」
「し、失礼しま~す」
「柚木、亜蘭くんいらっしゃい。さて、今までは先輩か同等の人が訓練を担当していたけど、今回は俺たち三人が実施していくから。じゃあまずは服を全て脱いで、その拘束台に乗ってくれる?」
花宮さんは気まずそうにする二人に軽く挨拶を済ますと、すぐに俺へ向き直り、部屋に置かれている拘束台を指差した。
現時点では寝転んだ状態で大の字に拘束出来るようになっている拘束台だが、操作すると足を大きくM字に開脚することが出来るタイプのモノだ。
「…はい」
後輩でもある二人の前で無防備な姿を晒す羽目になるとは思わず、返事をするまでに少し時間がかかったが、すぐに気合を入れて指示通りに行動した。着ていたセーターを脱いだ後、一つ一つワイシャツのボタンを外していると、三人の視線が刺さる。
(脱ぎにくい…)
三人とも俺の裸体を見たことはあるが、その時は風呂だったり勝手に脱がされていたりしたので羞恥を感じたことなどなかったのに。
ワイシャツと肌着を脱いだ後、ベルトに手をかけても、三人の視線は変わらない。かと言っても急かす言葉を伝えてくるわけでもなく、本当にただじっと見つめているだけ。居心地の悪い空気に包まれながらもベルトを外してズボンを下ろし、下着に手をかけたところで流石にペースが落ちた。
(…あ、駄目だ。恥ずかしい)
力を込めて少しずらしても、肝心な部分が露出する瞬間に止まってしまう。俯いて唇を結んでいると、花宮さんが近付いてきて、にっこり微笑んだ。
「何してんの?早くしてくんないかな?」
笑顔にマッチしない発言にゾクッと寒気が襲う。下着にかけていた手に力を込め、花宮さんから目を逸らして少し下がった場所に居る後輩を見ると、異様な空気感に未だに気まずそうにする柚木くんたち。
こういう時、亜蘭くんは楽しそうにしているものだと思ったが、彼も同様に気まずそうに目を伏せていた。
「…ふぅ」
小さく深呼吸をした後、一気に下着を下ろして体から離すと、洋服と共に近くに畳んで手を離した。指示通りに全ての衣類を脱ぎ終えて拘束台に近付き、ひんやりとしている台の上に形に沿って寝転んだ。
左右に手足を開いて天井を見つめていると、指示を受けた柚木くんが手首を台に備え付けられている枷に繋ぎ止め、足首は亜蘭くんが固定しにきた。
「はい。取れないかどうか少し手足を動かしてみて」
「…はい」
手足に力を込め、枷が外れないか試してみた。部屋にはガチャガチャと音が響き、それを確認した花宮さんは「OK」と呟いた。
「じゃあ始めていくけど、まずはこれつけて」
そう言って取り出したのは、ワイヤレスイヤホンだった。取れないようにしっかりと両耳へ装着すると、端末を操作し始めた。ニッと軽く口角が上がったと同時にイヤホンから流れてきたのはいやらしい音だった。
ぞわりと腰に響くその音は、まるで耳を誰かに舐められているような感覚になるASMR。
「っ」
耳からイヤホンを外そうと反射的に手が動くと、ガチャンと金属音が響いた。
「……っ」
イヤホンから流れる吐息と唾液が絡まるような舌遣いの音。花宮さんが視界に入っているからか、彼に責められているような感覚に徐々に体が火照り出し、ガチャガチャと手足についた枷が音を立てる。
熱い吐息を漏らしながら体を捩ったり首を振ったりして気を紛らわせようとしても大した効果はなく、三人に見守られながら、確実に体は敏感になっていった。
誰にも触られていないのに、恥ずかしい格好を見られているだけで、体が熱い。
(まずい…何か、気を逸らさないと)
このままじゃ完全に気持ちが性感にシフトしてしまう。そしたら萎えている部分も熱を持ち始めるだろう。ただでさえ恥ずかしいのに勃起した箇所を晒すのは耐えられない。
必死に萎えることを考えようとしても、どうしても耳から受ける刺激は大きく、中々意識を逸らすことが出来ない。すると恐れていたことが起こり始めた。
少しずつ勃ち上がり始めた下半身が視界に入ると、面白いほどに体が熱くなった。
(やばい!萎えて…!萎えて、恥ずかしいっ)
すぐに三人の視線が下半身に向けられたのに気付き、足を閉じようと暴れても、ただ体力を消耗するだけに終わる。そのタイミングでイヤホンの音量も大きくなり、よりゾクゾクした刺激が全身に送られた。
耳責めだけで随分敏感になっている自分の体を恨みながら、目を閉じて必死に羞恥に耐えた。
(っ、耳……ゾクゾクする…っ)
以前柚木くんにASMRを体験させたことはあるが、実際こんな効果があるとは知らなかった。そういう目的で作られているだけあって、音が響くたびに身震いしてしまう。
結局誰にも体を触られることがないまま、たったイヤホンの刺激だけで完勃ちしてしまった自分自身。先端からは控えめだが先走りが溢れかけており、ピクピクと体が揺れる。
「へぇ、すごいね。誰も触ってないのに」
少しだけ音量が下がったかと思えば、明らかな煽りが伝えられた。羞恥に震えながらせめてもの抵抗でそっぽ向くと、足の間にやってきた花宮さんは何かで反り勃った部分を撫で上げた。
「っ…!!」
「音量下げたからちゃんと俺の声届いてんだろ?ここ、すごいことになってるけどどうした?」
「っ…ん、………はぁっ、ん……」
視線を下半身へ向けると、筆で俺自身をなぞる花宮さんが見えた。裏筋を撫で上げた後、クルクルと円を描きながら柔らかい毛先で先端をなぞってくる。そんな優しい動きでさえ強い快感になっている体は、まるで薬を仕込まれたかのようだった。
「じゃあ柚木も亜蘭くんも、渡した筆で桜花の体綺麗にしてあげてね」
「…はい」
「は、はぁい…」
二人の声が聞こえたところでイヤホンの音量が戻ると、次に設定されたのはゴソゴソと中を探るような耳掃除の音だった。
「っっ、んん…!?」
それと同時に複数の筆が肌に添えられ、ゆっくりとなぞり出した。
「っ、~~--ッ、や……っはぁ、ぅ…っ」
左側に立っている柚木くんが、優しく筆で脇腹をなぞり、右側に立っている亜蘭くんは手の平から肘、二の腕をなぞり、花宮さんは形をなぞるように根本から裏筋、先端を撫で回す。
柔らかい毛先はもどかしいような不思議な感覚を生み出し、肌を滑るたびにビクビクと体が跳ねた。耳の中を犯すような音も止まらず、じっとしていられずに暴れると、ガタガタと激しく拘束台が音を立てた。
焦ったくてもどかしい刺激に悶えながら暴れても、三人の優しい愛撫は続く。
「っぁ、んん、………!!」
花宮さんが手にしている筆の毛先が鈴口をくすぐると、もどかしかった刺激が一気に強い快感になった。先走りが溢れて筆に付着し、ぐっしょりと濡れた毛先がしつこく先端をくすぐってきて、頭が痺れるような感覚が襲う。
「っや、ぁ…!ぁあっ……はっ、ぅぅ…」
このまま続けられると、絶頂を迎えてしまいそうな程に強い快感に我慢しきれない甘い声が漏れると、股間を撫でていた筆がスッと離れていった。
「気持ち良かったね、筆こんなに濡らしてさ。声も我慢する気ないみたいだけどどういうこと?こんなことされて感じて恥ずかしくないわけ?」
イヤホンの音が再び下げられると、相変わらずそのタイミングで煽ってくる花宮さん。無視を決め込もうとすると、柚木くんと亜蘭くんの筆が脇の下へ滑り込んできた。
「っひゃあ!」
ふわりとした毛先が脇の下をくすぐると、ビクンと一段と体が跳ね、高い声が出た。普段ならくすぐったいとしか思えない箇所のはずなのに、優しく筆でなぞられると──何処か気持ち良さがあって。ぞわぞわと湧き上がる感覚に体をのけ反らせた。
「~~っ、ふ……ぁ、…んん」
笑いが起こるような激しいくすぐったさではなく、くすぐったいけど気持ち良いといったような不思議な愛撫に体を揺らすと、筆はそのままに二人の手がそっと脇腹へ添えられた。指が肌にくっついただけでビクンと跳ねてしまう程に敏感になった体に焦り、ブンブンと首を横へ振った。
「ゃめ……っ」
その声も虚しく、二人の指はさわさわと優しく脇腹をくすぐり出した。
「ひゃぁぁぁぁぁ………っ」
「わぁ、すげー反応っすね。センパイ、くすぐりも苦手でしたもんね。まぁ今思いっきり感じてそうですけど」
脇腹を優しくくすぐりながら笑う亜蘭くんは、筆の動きを少し変えて脇の窪みを穿るように動かし始めた。
「やはっ、ぁは……はぁ、あっやだ…!やぁぁ…っ」
二人の手が動く度にビクビクと腰を浮かせて暴れると、もうイヤホンの効果がないと思ったのか、花宮さんは耳からそれを取り外した。
「柚木は足、亜蘭くんはそのまま上半身をお願いします」
「はーい」
「わかりました」
二人がそう返事をすると、柚木くんは足元へやってきては筆を太ももに這わせ始めた。
「っっ、んんぅ」
ふわふわと太腿や足の付け根を滑る筆にピクンと跳ねるも、上半身よりも効果は薄い。それに気付いたのか、筆はあっさりと足から離れ、次にやってきたのは敏感になって少し硬くなっている二つの玉だった。
足の付け根からそのまま筆が滑ると、片方の玉をさわさわとくすぐり出し、たまに自身の根元から裏筋をひと撫でしてくる。
「っはぁ、やだ…!何処さわっ、て……やめっ」
無性に羞恥を感じてそう叫ぶと、柚木くんはニヤッと口角を上げた。何か発することはなかったが、わざとらしく玉だけを撫でてきては、たまにぷにぷにと人差し指で突いたり転がしたりしてきた。
「っや、やぁぁ…!!」
恥ずかしさと気持ち良さに頭がおかしくなりながら叫ぶと、少し休憩していた亜蘭くんの筆も動き出した。脇腹や脇を集中的に責めていた筆が、胸元へやってくると突起は避けるようにくるくると乳輪をなぞり出した。
「っはぅ、やぁ、ぁ、はぁっ……んん~~っっ!!」
「センパイ。乳首めっちゃ勃ってますよ?触って欲しい?」
「やめなさい……っ、やっ、やあっ」
「桜花。わざわざ亜蘭くんと柚木にはお前の訓練をお願いしてんだけど。やめなさいっておかしいよね?」
「ひゃああああ!」
イヤホンを棚に置いた花宮さんが突然耳元でそう囁くと、ASMRのおかげで敏感になってしまったのか、大袈裟な悲鳴が出た。
「……たっぷり焦らしてるおかげかな?耳元で喋るだけですごい反応するね」
耳の高さに合わせて膝を曲げている花宮さんは、カプリと耳たぶを咥えると、ゆっくりと耳の形に沿って舌を這わせてきた。
「ひゃぁあっ、ひっ、ぁ、あ!やぁ!……ぅうっ、んん、やめて…!くださいっ、全部……だめっ」
三人の同時攻撃に耐えられるはずもなく、必死に懇願するも、三人は無言のまま刺激を続行した。
「っはぁ、ぁ……っ花宮さん、…っ、」
「何?」
「みみ…っ、だめ、おねが…っ」
「弱いところ責めないで何処責めろと?」
ぬるりと生温かい舌の感覚が耳を犯してくる。ぽろぽろと涙を溢しながらやめてと訴えると、冷たい言葉が返ってきて更に涙が溢れた。そして追い打ちをかけるように亜蘭くんが乳首へ筆を這わせた。
「桜花センパイ~耳はだめならこの可愛い乳首はOKなんすよねぇ?」
「ひゃぁぁあん!やだっ、やっ」
片方は焦らすような筆責めで、もう片方はピシッと指で弾いてくるので、この刺激にも体は分かりやすく反応を示してしまう。
指で弾いた後、きゅっと乳首を摘まれると、そのままクリクリと捏ね回された。
「ひゃあっ、ぁぁぁぁあ!!胸もやだ…っ!やだぁっ」
「──桜花先輩。それならさっきまで散々恥ずかしいって叫んでたこっちは平気ってことですか?」
最後には柚木くんが嫉妬を混ぜ込んだ黒い笑みを浮かべながら睾丸を揉みしだいてくる始末。それぞれ的確に俺を追い詰めようとしているのは伝わってきて、実際に体は追い詰められていく。
「だめ……っ、もうだめ…!!やめて下さい…っ、花宮さん!!」
「お前今何時か分かってる?まだ30分も経ってないんだけど。耐えられないとかありえないよね?」
「だ、って…っひぁ、ぁあ…!!だめ…っ体が、へんっ、何、でっ……」
「そりゃたっぷり感度上げてるからね」
耐えられない刺激にも関わらず、絶頂とはまた違う快感は、正直辛くて仕方がない。気持ち良いのにスッキリは出来ない感覚は頭をおかしくしていく一方で。
「…っや、だ…体、熱い……!柚木くん…!もっと、上
ッ、…!!」
「上?上ってことはここらへんですか?」
にっこりと黒い笑みを混ぜて微笑む柚木くんは、睾丸から手を離すとこしょこしょと優しく下腹辺りをくすぐり出した。
「ちがっ、ぁ、あっ……!イ──」
『イキたいからちゃんと触って』と言いかけてハッとした。
(あれ…俺何でそんなに恥ずかしいこと言おうとしたんだろう)
三人からの執拗な焦らしにすっかりと頭が蕩けてしまっており、恥ずかしいおねだりをしてしまうとこだった。
「? 桜花先輩。何言いかけたんですか?言ってください」
「…何もない」
「へぇ。素直におねだりする先輩見たかったですけどやっぱりたかが30分じゃ無理ですか」
下腹をくすぐっていた手が戻り、再び柚木くんの愛撫は二つの玉へ戻って行った。優しく、じっくりと愛でるようにするりと撫で上げ、少しずつ上へ移動してはカリ首の部分に触れ、濡れた亀頭をなぞる。
鈴口を弄るように筆の毛先が動くと、ググッと体に力が入る。じわじわと湧き上がる絶頂感に震える体は、その時を待ち望むかのようにあたたかい。
(もっと…もっと、早く…っ)
心の中で必死にそう強請るも、筆は離れて何度も裏筋を通って玉へ戻る。
「っ、ん、もぅ……っ」
もどかしさに苛立ちながら吐息を漏らすと、亜蘭くんが乳輪周りへ筆と指を滑らせた。
「っは、ぁ、もぉやめ……っ」
ぷっくりと膨らむ乳首はお預けをくらってしまい、無意識に体を揺らして乳首に当たるようにしてみても、ほんの一瞬しか触れてもらえない。
「おっと、何腰振ってエロいダンス披露してるんですかぁ?そんなに乳首触ってほしいの?さっき触ったからもうだーめ」
「……っ、」
無意識に体を捩っていたことを指摘されて羞恥が襲って睨みつけると、筆は乳首周りをなぞりながら、手は優しく脇腹をくすぐり出した。
「っ、~~!!」
「すごいビクビクしてるね。じゃあ俺はこっち触るね」
耳を愛撫していた花宮さんが立ち上がると、両手を脇の下へセットして、さわ、さわ、と本当に優しい手つきで指を動かし始めた。
「っあ、ひゃぁぁぁぁ……ひゃあ!やだ……っ、ぅぅ……はぁぁあ……!!」
胸の横辺りから脇の窪み、腕の付け根や二の腕、そして背中の境目等、指全体で広範囲をなぞる指から生まれる刺激は強烈で、堪らない気持ち良さが襲ってきた。
ビクンと腰を浮かせて大袈裟に反応すると、三人は無言で自分の担当する箇所を意地悪に攻め立ててくる。それはどれも焦らしに相応しい強度で、理性をゆっくり剥がそうとしているように。
「ふぁぁぁ……!!だめ…!だめっ、やだ…!無理っ、それやだ…!花宮さっ、はぁ、あっ」
「やだやだって子供みたいなこと言わないでくれる?お前、幹部だよね?分かってる?亜蘭くんに捕まった時もすぐ弱音吐いたわけ?違うよね?じゃあ何でたった数分で泣き言吐くの?訓練ナメてる?」
「ちがっ……だって、っひゃんっ、やっ……ごめ、なさぃっ、花宮、さん違う……っ、からだが、おかし…っぃい──~~っっ、」
「……お二人の会話に口挟むの申し訳ないですけど、桜花センパイ、確かに俺が攻めた時静かに涙流してましたけど、あれは媚薬も使ったからもあると思うんですよねー。最後まで決して泣き言なんて言わずに耐えてたんですけど、リーダーさんがお相手だとこんなにすぐダメになっちゃうんすね」
「ほら、桜花。亜蘭くんに言われてるよ?この前みたいに泣き言なんて言わずに耐えたら?」
「っあ、だめ……!ぁはっ、ふぁぁぁ…!!やめっ、ひゃぁぁぁぁ!!」
言葉を発しながらも指は止まらず、的確に三人の筆や指は俺の体を優しく責める。亜蘭くんの言う通り、捕まった時は必死に声を我慢して耐えに耐えた。けど──。
今は何故か少しも我慢することが出来なくて、ビクビクと情けなく体を痙攣させながら涙声で喘いでしまう。
「っ、それ、やです……!!やだっ、変になる…っ、やめ…本当に…っ、外して…!花宮さんっ」
「無理に決まってるよね?まだ始まったばっかりなんだし、あと一時間はずーっとこうやって責めるから」
その言葉に絶望しながらも、ただやめて下さいと言うことしか出来なかった。
◇ ◆
それから本当に一時間。撫で回された体は少し何かが触れるだけでビクンと激しい反応を返すほどに仕上がった。
触れられていない時でも余韻でピクピクと体が震え、顔は汗等でぐっしょりと濡れていて気持ち悪い。
「はーい、じゃあ筆はおしまい」
「ひゃあああっ」
ツン、と脇腹を突かれると大きな悲鳴を上げるほどになっていた。
「はっ、ぁぁぁあ!!やあっ!!」
花宮さんの人差し指がくるくると円を描きながら脇腹から臍周りをなぞり、一切触れてもらえなかった乳首を弾いた。爪を立ててカリカリと引っ掻かれると、腰が浮き、ガクガクと太腿が揺れた。
「ん、最高の仕上がりだな」
花宮さんは冷静な声でそう言うと、持っていたスマホを操作し始めた。
「あー、今から来れる?うん。よろしく」
その声は今の蕩け切った自分には届かず、俺はただ暫く息を荒くしながら必死に呼吸を整えた。
「俺は暫く観察するので、第二段階にうつって下さい」
「はい」
二人が声を揃えて返事した後、拘束台がウィンと音を立てて動き出し、パカッと足を大きくM字へ開かせた。
もう恥ずかしいという感覚はあまりなく、されるがままになった俺は、ただ天井を一点に見つめながらただただ息を吐いた。
「じゃあ先輩。失礼しますね」
「……?」
終始ぼんやりしていたので二人が移動したことに気付かなかった。すぐ顔の傍に来ていた柚木くんと亜蘭くんは、汗で顔にへばりついた髪の毛を耳へかけた後、右耳には柚木くん、左耳には亜蘭くんの唇が触れた。
「っっひゃ、ああああああ」
「あんま動かないで下さいね」
首を振れないように頭を押さえつけられると抵抗することも出来ず、二人の吐息がふぅ、と耳へ吹きかけられた。
もう残っていないと思っていたが、反射的に体が跳ね、全力で拘束具を外そうと力が加わった。ガンガン、ガチャガチャと激しい音が響く中、耳へ舌を這わす二人に、今まで以上に高い声が出た。
ぬるりと耳の奥へ入り込む温かい舌は、ゾクゾクゾクッと身体中に刺激を送る。舌先がくにくにと動くと、更に快感が強まった。
「ひゃぁあっっ!!ぁぁぁあ!!」
「…センパイやば。可愛いすね」
「本当。すごく綺麗です。俺たちだけじゃここまで引き出せなかったと思うので、少し悔しいですけど」
二人の唾液の音が響く合間にそんな言葉が投げかけられたが、もうそれに応える余裕もない。そんな中、ガチャッと訓練部屋の扉が開いた。
「うーわーやべ。キッツ」
そう言って入ってきたのは、元祖容赦ないでお馴染みの風見くんだった。風見くんが入ってきてから後輩二人の愛撫は止まり、再びしばしの休息が与えられた。
「花宮さん~俺、要ります?柚木と亜蘭で十分じゃね?」
「十分だけど、もっと過酷にしないと訓練になんないよね。ってことで、お前は上半身な」
「へいへい」
めんどくさそうに言いながらこちらへやってきた風見くんは、じっと俺を見下ろしてきた。
「よー、桜花。いっつもツンツンしてるくせに、こんな無様な顔出来んだな~」
その言葉が聞こえて、無性にイラっとした感情が生まれた。花宮さんと風見くんは唯一素の自分を見せられる存在で、特に風見くんは立場も同じということだけあって花宮さんよりも素に近い自分を見せれる。──とはいえ、痴態が見せれるかと言われたら一番見られたくない存在でもある。
「…うるさい、なんで、来たの」
「は?花宮さんに呼ばれたからに決まってんだろ?俺だって大切な大切な桜花ちゃんの訓練なんて来たくなかったよー?」
「ッチ、出て行って…白々しいんだよ」
「へぇー?珍しく攻撃的じゃん。そんなに余裕ねーんだ。まぁこんな無様すぎる姿、俺には見せたくなかっただろうし仕方ねーか。つーか俺より後輩に見せる方が恥ずかしいって分かんねーの?ま、無駄口叩いてる程俺暇じゃねーし、とっとと始めるわ。お前らも続きして」
風見くんが乱暴な口調で後輩二人に指示すると、それに素直に従う柚木くんと亜蘭くん。二人の舌が耳の中を這うと、再び今までの体の感覚が蘇った。
「っ、んんん……柚木く、…っ亜蘭、くんっ」
やめてという思いを込めて二人の名前を呼ぶも、逆に喜ばせてしまったのか舌の動きが激しくなった。
ゾクゾクとした甘い刺激に体を反応させていると、途中から参戦した風見くんが胸元へ唇を落とした。
「っ、ン!!」
乳首の周りをなぞるように風見くんの舌が這い、手はこしょこしょと優しく胸の横をくすぐり出した。
「あっ、あ!!それっ、やっ、やはっ、はぁっ…ぁあッ、あっ」
優しい手つきなのでこれも完全なくすぐったさではなく、気持ち良さが強い。触れてもらえない乳首ももどかしくてじたじた暴れると、くちゅっとやらしい音が聴覚をおかす。
「ひゃっ、はぁ、あっ、…くすぐっ、な、いで…!風見くんっ、指…とめて、やだっ、やはっ…はぁ、…んんん、やぁぁ…っ」
乳首周りを舐めていた舌が、どんどんと範囲を広げ、指でくすぐっていた胸の横や脇の下を滑り出した。
「っふ、ぁっ!?…何処っ、舐め、…っ」
指とはまた違った感触にゾクゾクとした快感が止まらず、ビクビクと体を揺らし、手枷が激しく音を立て始めた。
「へー?お前舐めた方が反応面白いな」
舌先を尖らせてツツー、と脇腹や胸の付近をなぞられると、本当に我慢が出来なくて全力で体をバタつかせた。
「すごい汗かいてんな」
脇の下に到達した風見くんは、ちゅっと窪みにキスした後に恥ずかしい言葉を呟いた。
「やっ……めて!!やめっ」
普段誰にも見せない部分を舐められたこともあるが、汗のことを指摘されると匂い等も気になって爆発しそうなほどに恥ずかしい。
「恥ずかしいー?顔真っ赤にして笑えるわ~」
羞恥を感じる俺を見て楽しそうに笑いながらも、きちんと感じるように舌を動かすところは流石としか言えない。
ゆっくりと円を描くように執拗に恥ずかしい部分を舐めながら、ずっと放置されていた乳首がきゅっと摘まれた。
「ひゃぁぁぁっ……」
「桜花センパイ。風見センパイばっかに感じないで下さいよ~」
「そうですよ。…先輩、いっぱい恥ずかしいこと言ってあげるんで、俺たちにも感じて下さいよ」
「~~ッッ」
くちゅくちゅと唾液の音を響かせながら文句を言う二人の刺激も強く、もう自分でもどうなっているのか分からないくらいに頭が回らない。
「先輩、下すごい反応してますよ?とろとろと先走り垂らして可愛い。花宮リーダーに見られてますけど、恥ずかしくないんですか?」
「センパイ、ここら辺舐めたらビクビクしますね…この前の時より声もたくさん出てて可愛い」
二人の恥ずかしい言葉責めもどんどんと心地良くなってくる程になってきてしまう。大きく開いた足の間に主張する箇所は、柚木くんの指摘通りに完全に勃ち上がっており、先走りがとめどなく溢れていて尻まで伝っている。
それでも誰にも触ってもらえていないので、淋しそうにピクピクと震えており、心も限界に近付いてくる。
「桜花先輩。いつでも素直になっていいですからね?可愛くおねだりして下さい」
そんな限界寸前の俺に天使のように囁く柚木くんに、縋るように口を開いた。
「っ、柚木、くん……っ」
「はぁい」
「さわ、っ……て……」
「何処をですか?」
「…っ」
直接的な言葉を出すことが出来ず、口を結んで見つめると、クスッと優しく微笑んでくれた。
「──はい、一回で言えないからだーめ」
しかし、笑顔とは裏腹に、意地悪な言葉を吐いた柚木くんは、耳から唇を離すと風見くんとは逆サイドに移動した。
「っひゃぁぁぁあ、柚木くっ、舐めちゃ、だめ…っ」
ちゅっとウエストの辺りに口付けた柚木くんは、そのまま舌を突き出してゆっくりと肌を舐め始めた。
逆側には風見くんが優しく舌を這わせており、今は乳首周りを舐めながら、時折ほんの一瞬だけ乳首を掠めてくる。
亜蘭くんはずっと耳を愛撫しながら、今まで柚木くんが担当していた耳にも手を伸ばしてゆっくりと人差し指を差し込んでくすぐってきた。
執拗な上半身のみの責めにポロポロ泣きながら暴れても、優しい焦らすだけの愛撫は長時間続けられた。
「ずっと見てるけどさ、お前腰へこへこしすぎ。恥ずかしくないの?」
見える位置に立っていた花宮さんの言葉にも羞恥を感じる余裕もなく、スッキリと出来ない今の状況を打破したくて、舌の回らない口調で「お願い」と呟き続けた。
「お願いって何?イカせてくれってこと?」
「っ、…」
コクコクと頷くも、それ以降は何も言ってくれない花宮さん。風見くんの意地悪な舌使いでたまに乳首を舐められるとイキたい気持ちが増してしまい、もうすっかりと理性は消え去って、「お願い」とひたすら呟いた。
そこからも地獄のような焦らしが続けられた後、花宮さんが足元へとやってきた。
「こんなに垂れるもんなんだな」
「っあ、ぁあ!!」
ツゥ、と人差し指が裏筋をなぞり、こしょこしょと先端をくすぐると、腰が何度も浮いた。花宮さんが手を出したタイミングで、たまにしか触れてもらえなかった乳首に風見くんと柚木くんが舌を這わせた。
指はさわさわと脇腹や脇の下をくすぐりながら乳首を吸い上げ、たまにカプッと歯を立てて噛んでくる。
亜蘭くんも耳を愛撫したり首筋をくすぐったりしてきていて、感度は今までにないくらい最高潮に高まった。
くちゅくちゅと音を立てながら先端を刺激する花宮さんに安堵し、漸くイケる──そう思った瞬間に、パッと花宮さんの指だけが離れた。
「っ、やぁあ……!!やだぁ、やぁっ、ひゃはっ、ぁぁぁあ……!やぁ……!!」
ガタガタと拘束台を揺らしながら泣き叫ぶも、直接的な刺激がなくなったことにより、少しずつ絶頂感は引いていく。
そうするとまた花宮さんが先端をくすぐり出すので、もう頭はおかしくなりそうだった。
「あ、花宮さぁん。イク寸前に止めるのも効果あるけど、筆で優しく撫で続けてんのもいいっすよ。筆の刺激じゃ多分イケねーから」
「筆もいいけど期待させてやりたいじゃん。イケると思わせておいてその直前で手ぇ離すとすげー切ない顔すんだもん。──すごい可愛いんだよね」
「へーへー、そーですか」
二人の会話がうっすらと聞こえてくるが、もう思考力が低下した今、何を言ってるか分からない。ひたすら泣きながら今の苦しい状況から抜け出したくて後輩が居ることも忘れて必死におねだりをした。
「ぃ、きたいっ、もぉ……だめっ、…だ、めぇ……」
「気が向いたらイカせてやるよ」
フッと鼻で笑った花宮さんが陰茎を握り、強めに上下に扱いてくれた。
「っ、イク──!!イッ、」
「けませんけど?」
パッと離れた指に絶望し、また泣き叫んでおねだりして、落ち着いた頃に花宮さんが笑いながら手コキして──両サイドからは二人が胸を攻め立て、亜蘭くんが興奮する言葉を何度も囁いて。地獄のループを繰り返した。
「イクっ、イク──!!出るっ、出、っイッ、」
「けるわけねーよな?」
「はぁぁっ、また、イッちゃ、イ゙」
「けません」
「花宮さっ、……さわっ、ちゃんと、最後まで…っ、やぁぁあ!!はぁっ、あ、」
「お願いすんならせめてちゃんと言えよ」
二人の掛け合いが続くこと数十分。イカせてもらえずに泣き叫ぶ俺に痺れを切らしたのか、この状況を変えようとしたのは風見くんだった。
「あー疲れた。俺もう無理っす」
「…ん、そうだな。風見、柚木、亜蘭くん。もう戻っていいよ。あとは俺がやるわ」
「え…」
風見くんはその言葉を聞いて早々に出ていったが、後輩二人は物足りなさそうに渋っていた。
「柚木、亜蘭くん。今日は長時間ありがとう」
花宮さんがニコッと微笑んで再度そう言うと、二人はぺこりと頭を下げて部屋を出ていった。
「──さ、桜花。よく頑張ったね」
二人きりになった部屋で、花宮さんは優しくそう声をかけてくれた。汗まみれになった頬を撫でて柔らかい笑みを向けてくれた。
「はな、みや…さん……っ」
「じゃあ訓練再開しようか」
その笑顔を見て、俺は心の奥底から絶望した。
◇ ◆
「っあ゙あ、あッ、やっ、あっ、あ、ぁ」
絶望した直後、与えられたのは容赦ない筆責めだった。先端を集中的に優しく撫でてきては、イケない苦しさを最大限に与えてくる。
ガクガクと腰を浮かせながら暴れ狂い、昔の訓練の時のように泣き喚く俺に、花宮さんは無言で刺激を与えてくる。
激しく体を暴れさせて悶えても、しっかりと陰茎を支えて先端ばかりを撫で回してくる。
「だ、め゙っ、イ゙きたっ、花宮さっ、それっ、や゙ぁぁぁぁ」
「うるさい静かにしなさい。イケないだけでそんなに取り乱してんじゃねーよ」
もう何時間寸止めしてると思っているんだよと思いながらも、言い返すことも出来ず、必死に動かせる範囲で腰を動かしてより強い刺激を得ようとした。
「堪え性ない桜花にはもっと頑張ってもらわないとね」
先端をくすぐっていた筆が裏筋を通って下へ降りると、ぱんぱんになった玉をなぞり始めた。玉の付け根も丁寧になぞってきては、また俺を悶えさせた。
「ひゃあ゙ああああああ!!もぉい゙や゙ぁぁああああ!!」
「お前ここ触った時の反応すごいね」
ぐっしょりと濡れた筆で余すことなく玉を撫で上げ、反応を伺う。特に付け根の辺りが堪らなくて、その部分を触られる度にガタガタと体を暴れさせた。
「そんなでかい反応見せてたら集中的に攻められるよ?」
「や゙ああああああっっ!!離してぇぇっっ!!もぅだめ!!だめやだぁぁぁぁ!!」
「だからうるさいって」
「許し、てっ、許して…!!おかしくなっちゃう…!!イキたいっ、そこっ、やだぁぁ…ねぇっ、もぉっ、…だめ…!花宮さっ、ごめんなさいっ、もぅおれっ、無理ですっ、イカせてっ、いかせっ──ひゃぁぁぁぁぁ!!」
「……もう夕方か。本当はもっと我慢させるつもりだったけど、限界かな」
カタンと筆を棚に置いた花宮さんは、ぐちゃぐちゃになった俺の顔をじっと見下ろした。
「俺は不在にしがちで塞原や風見、そして桜花に組織のことを任せることも多い。だけど今回みたいに緊急事態の時は必ず俺に連絡しろ。分かった?」
「っ、ん、はぃ、分かり、ました」
「はい。桜花も渚も、そして他のみんなも。俺にとってかけがえのない仲間であり家族だから。独断で行動しないように」
その言葉にぶわっと涙が溢れ出してコクコクと頷くと、ポンポンと頭を撫でてくれた。
「じゃあ散々おねだりしてくれたし、その回数分はたっぷりイカせてやるよ。何回イカせて下さいって言ってくれたかな?」
「え……」
漸く地獄が終わると思ったのに。いい雰囲気になったはずなのに。
下半身へ戻った花宮さんは、躊躇うことなく俺自身を咥え込んだ。
「っぁ、あっ」
じゅるっと音を立てて先走りを吸い込んだ花宮さんの口内はとてもあたたかく、今まで我慢させられた分、早々に絶頂が訪れた。
「イクッ、イク──!!出る、口っ、離し──ん゙んんん~~ッッ」
勢いよく欲を解き放つと、ごくんとすぐに飲み込んだ花宮さんは継続して口いっぱいに頬張りながら弱い部分を攻め立ててくる。
「あ゙────っっ!!で、ましだッ、もぉっ、イ゙ギま゙じたッッ」
裏筋をくすぐったあと、鈴口を広げるようにクチクチと舌先が先端を刺激する。指はこしょこしょと玉裏をなぞってくるので、ガンガンと激しく拘束台が音を立てた。
「イ゙ッ──、」
その一言を叫んだあと、再びびゅくんと勢い良く射精した。開きっぱなしの口からは唾液がとめどなく流れ、涙も鼻水も止まらない。そしてもちろん──刺激も止まらない。
「も゙お゙っ、や゙め゙ッッ──~~っ゙!!」
一度口を離すと、先走りと唾液と精液で濡れたくった先端を指で擦り出した後、ツゥ、と竿を舌でなぞってからパクリと片方の玉を口へ含んだ。
「ひっ、ううッ」
力いっぱい玉を吸い上げてくる刺激も強い快感で、自分の口からは間抜けな声が漏れる。クチクチと音を立てながら指の腹で亀頭を攻めてくる指も堪らなくキツい。
「もうっっ、いいです!!もぅいいっっ!!」
「まだ二回目くらいじゃない?イカせてくれって何回も何回も何回も叫んでたじゃねーか」
「まっ…た、イク──っ!!~~ッッ」
「はい三回目。まだまだイカせてあげるからね、桜花」
その後も容赦ない責めは続き、俺にとって今までにない程に辛い一日となった。
end.
濁点喘/拘束/羞恥/耳責/筆責/焦らし/くすぐり/乳首責/舐責/言葉責/寸止/フェラ/連続絶頂
攻→花宮+柚木+亜蘭+風見
受→桜花/視点
◇ ◆
亜蘭くんが組織へ正式に加入することになった翌日、俺は花宮さんに呼び出された。もちろん理由は分かっている。
足取り重く部屋の前へ来て、小さく深呼吸した後に扉をノックすると「どうぞ」と聞き慣れた声が返ってきた。
「失礼します」
部屋に置かれたソファに座る花宮さんの傍へ行くと、テーブルを挟んだ向かい側の席へ座るように促された。すぐにその指示に従い、質感の良いソファに腰掛けて軽く頭を下げた。
「桜花、呼び出してごめんね。先日うちに来てくれた亜蘭くん、最初は凄い子だと思ったけど話してみるとすごくしっかりしてていい子だったよ。ありがとう」
普段指令を出す時はいつも真面目な表情をしている花宮さんが俺だけに見せる柔らかい笑顔。その顔を見て少しだけドキッとしたが、この事を言うためだけに呼び出したわけじゃないと分かっている。じっと見つめて次の言葉を待っていると、花宮さんは暫くして口を開いた。
「その様子じゃ分かってると思うけど、渚くん救出に行ったお前が、何あっさりと敵に捕まってるわけ?何故もっと慎重に行動しなかった?──まぁ言いたいことは山ほどある。結果誰にも被害がなかったとは言え、この件を何のお咎めもなく終わらせるわけにはいかない。よって桜花には仕置も兼ねてとある訓練を受けてもらうことにした」
「かしこまりました」
幹部だろうが何だろうが、ヘマをしたらこの仕打ちが待っているのは知っていた。今まで何度も訓練する側に居た自分が、まさかこうなるとは思わなかったが。
俺に訓練するのはおそらく風見くんか塞原くん──二人とも本気で嫌だけど、慎重に計画を立てなかった自分の責任だ。
「明日10時に訓練部屋に来い。以上、お疲れ様」
「お疲れ様でした。失礼します」
深く頭を下げた後、部屋を後にすると、どっと体が重たくなった。
(最悪……風見くんは容赦ないで有名だし、塞原くんは純粋に嫌すぎるし)
敵だった亜蘭くんに責められて自分の体が敏感なことを知ってしまった今、あの二人に何かされて耐えることが出来るか分からない。嫌な想像ばかりが頭を支配しながら、明日に備えて早めに就寝することにした。
◇ ◆
「はな、みやさん?」
翌日、訓練部屋に入るとそこに居たのは訓練の指示を出した張本人でもある花宮さんだった。
「流石時間にきっちりしてるね」
「何で」
「何でとは?何故俺がここに居るのかってこと?それはもちろん今日桜花を訓練するからだけど」
その発言に言葉を失うと、何か作業していた手を止めて俺の方へと近付いてきた。
「桜花はいつも優秀で、こういった形での訓練は初めてだね。任務に出るために実施した訓練以来だから相当久しぶりだね」
「…そうですね。俺はてっきり今日の訓練は風見くんか塞原くんだと思ってました」
「そうなんだ。まぁ塞原はある意味適任だったかもな。お前、あいつに何かされんの嫌だろうし。けどそれ以上に──俺たちの方が適任だと思ってさ」
"たち"と言われて不思議に思った瞬間、訓練部屋の扉が開いて、二人の人物が中へと入ってきた。その二人を見て俺は更に愕然とした。
「…失礼します」
「し、失礼しま~す」
「柚木、亜蘭くんいらっしゃい。さて、今までは先輩か同等の人が訓練を担当していたけど、今回は俺たち三人が実施していくから。じゃあまずは服を全て脱いで、その拘束台に乗ってくれる?」
花宮さんは気まずそうにする二人に軽く挨拶を済ますと、すぐに俺へ向き直り、部屋に置かれている拘束台を指差した。
現時点では寝転んだ状態で大の字に拘束出来るようになっている拘束台だが、操作すると足を大きくM字に開脚することが出来るタイプのモノだ。
「…はい」
後輩でもある二人の前で無防備な姿を晒す羽目になるとは思わず、返事をするまでに少し時間がかかったが、すぐに気合を入れて指示通りに行動した。着ていたセーターを脱いだ後、一つ一つワイシャツのボタンを外していると、三人の視線が刺さる。
(脱ぎにくい…)
三人とも俺の裸体を見たことはあるが、その時は風呂だったり勝手に脱がされていたりしたので羞恥を感じたことなどなかったのに。
ワイシャツと肌着を脱いだ後、ベルトに手をかけても、三人の視線は変わらない。かと言っても急かす言葉を伝えてくるわけでもなく、本当にただじっと見つめているだけ。居心地の悪い空気に包まれながらもベルトを外してズボンを下ろし、下着に手をかけたところで流石にペースが落ちた。
(…あ、駄目だ。恥ずかしい)
力を込めて少しずらしても、肝心な部分が露出する瞬間に止まってしまう。俯いて唇を結んでいると、花宮さんが近付いてきて、にっこり微笑んだ。
「何してんの?早くしてくんないかな?」
笑顔にマッチしない発言にゾクッと寒気が襲う。下着にかけていた手に力を込め、花宮さんから目を逸らして少し下がった場所に居る後輩を見ると、異様な空気感に未だに気まずそうにする柚木くんたち。
こういう時、亜蘭くんは楽しそうにしているものだと思ったが、彼も同様に気まずそうに目を伏せていた。
「…ふぅ」
小さく深呼吸をした後、一気に下着を下ろして体から離すと、洋服と共に近くに畳んで手を離した。指示通りに全ての衣類を脱ぎ終えて拘束台に近付き、ひんやりとしている台の上に形に沿って寝転んだ。
左右に手足を開いて天井を見つめていると、指示を受けた柚木くんが手首を台に備え付けられている枷に繋ぎ止め、足首は亜蘭くんが固定しにきた。
「はい。取れないかどうか少し手足を動かしてみて」
「…はい」
手足に力を込め、枷が外れないか試してみた。部屋にはガチャガチャと音が響き、それを確認した花宮さんは「OK」と呟いた。
「じゃあ始めていくけど、まずはこれつけて」
そう言って取り出したのは、ワイヤレスイヤホンだった。取れないようにしっかりと両耳へ装着すると、端末を操作し始めた。ニッと軽く口角が上がったと同時にイヤホンから流れてきたのはいやらしい音だった。
ぞわりと腰に響くその音は、まるで耳を誰かに舐められているような感覚になるASMR。
「っ」
耳からイヤホンを外そうと反射的に手が動くと、ガチャンと金属音が響いた。
「……っ」
イヤホンから流れる吐息と唾液が絡まるような舌遣いの音。花宮さんが視界に入っているからか、彼に責められているような感覚に徐々に体が火照り出し、ガチャガチャと手足についた枷が音を立てる。
熱い吐息を漏らしながら体を捩ったり首を振ったりして気を紛らわせようとしても大した効果はなく、三人に見守られながら、確実に体は敏感になっていった。
誰にも触られていないのに、恥ずかしい格好を見られているだけで、体が熱い。
(まずい…何か、気を逸らさないと)
このままじゃ完全に気持ちが性感にシフトしてしまう。そしたら萎えている部分も熱を持ち始めるだろう。ただでさえ恥ずかしいのに勃起した箇所を晒すのは耐えられない。
必死に萎えることを考えようとしても、どうしても耳から受ける刺激は大きく、中々意識を逸らすことが出来ない。すると恐れていたことが起こり始めた。
少しずつ勃ち上がり始めた下半身が視界に入ると、面白いほどに体が熱くなった。
(やばい!萎えて…!萎えて、恥ずかしいっ)
すぐに三人の視線が下半身に向けられたのに気付き、足を閉じようと暴れても、ただ体力を消耗するだけに終わる。そのタイミングでイヤホンの音量も大きくなり、よりゾクゾクした刺激が全身に送られた。
耳責めだけで随分敏感になっている自分の体を恨みながら、目を閉じて必死に羞恥に耐えた。
(っ、耳……ゾクゾクする…っ)
以前柚木くんにASMRを体験させたことはあるが、実際こんな効果があるとは知らなかった。そういう目的で作られているだけあって、音が響くたびに身震いしてしまう。
結局誰にも体を触られることがないまま、たったイヤホンの刺激だけで完勃ちしてしまった自分自身。先端からは控えめだが先走りが溢れかけており、ピクピクと体が揺れる。
「へぇ、すごいね。誰も触ってないのに」
少しだけ音量が下がったかと思えば、明らかな煽りが伝えられた。羞恥に震えながらせめてもの抵抗でそっぽ向くと、足の間にやってきた花宮さんは何かで反り勃った部分を撫で上げた。
「っ…!!」
「音量下げたからちゃんと俺の声届いてんだろ?ここ、すごいことになってるけどどうした?」
「っ…ん、………はぁっ、ん……」
視線を下半身へ向けると、筆で俺自身をなぞる花宮さんが見えた。裏筋を撫で上げた後、クルクルと円を描きながら柔らかい毛先で先端をなぞってくる。そんな優しい動きでさえ強い快感になっている体は、まるで薬を仕込まれたかのようだった。
「じゃあ柚木も亜蘭くんも、渡した筆で桜花の体綺麗にしてあげてね」
「…はい」
「は、はぁい…」
二人の声が聞こえたところでイヤホンの音量が戻ると、次に設定されたのはゴソゴソと中を探るような耳掃除の音だった。
「っっ、んん…!?」
それと同時に複数の筆が肌に添えられ、ゆっくりとなぞり出した。
「っ、~~--ッ、や……っはぁ、ぅ…っ」
左側に立っている柚木くんが、優しく筆で脇腹をなぞり、右側に立っている亜蘭くんは手の平から肘、二の腕をなぞり、花宮さんは形をなぞるように根本から裏筋、先端を撫で回す。
柔らかい毛先はもどかしいような不思議な感覚を生み出し、肌を滑るたびにビクビクと体が跳ねた。耳の中を犯すような音も止まらず、じっとしていられずに暴れると、ガタガタと激しく拘束台が音を立てた。
焦ったくてもどかしい刺激に悶えながら暴れても、三人の優しい愛撫は続く。
「っぁ、んん、………!!」
花宮さんが手にしている筆の毛先が鈴口をくすぐると、もどかしかった刺激が一気に強い快感になった。先走りが溢れて筆に付着し、ぐっしょりと濡れた毛先がしつこく先端をくすぐってきて、頭が痺れるような感覚が襲う。
「っや、ぁ…!ぁあっ……はっ、ぅぅ…」
このまま続けられると、絶頂を迎えてしまいそうな程に強い快感に我慢しきれない甘い声が漏れると、股間を撫でていた筆がスッと離れていった。
「気持ち良かったね、筆こんなに濡らしてさ。声も我慢する気ないみたいだけどどういうこと?こんなことされて感じて恥ずかしくないわけ?」
イヤホンの音が再び下げられると、相変わらずそのタイミングで煽ってくる花宮さん。無視を決め込もうとすると、柚木くんと亜蘭くんの筆が脇の下へ滑り込んできた。
「っひゃあ!」
ふわりとした毛先が脇の下をくすぐると、ビクンと一段と体が跳ね、高い声が出た。普段ならくすぐったいとしか思えない箇所のはずなのに、優しく筆でなぞられると──何処か気持ち良さがあって。ぞわぞわと湧き上がる感覚に体をのけ反らせた。
「~~っ、ふ……ぁ、…んん」
笑いが起こるような激しいくすぐったさではなく、くすぐったいけど気持ち良いといったような不思議な愛撫に体を揺らすと、筆はそのままに二人の手がそっと脇腹へ添えられた。指が肌にくっついただけでビクンと跳ねてしまう程に敏感になった体に焦り、ブンブンと首を横へ振った。
「ゃめ……っ」
その声も虚しく、二人の指はさわさわと優しく脇腹をくすぐり出した。
「ひゃぁぁぁぁぁ………っ」
「わぁ、すげー反応っすね。センパイ、くすぐりも苦手でしたもんね。まぁ今思いっきり感じてそうですけど」
脇腹を優しくくすぐりながら笑う亜蘭くんは、筆の動きを少し変えて脇の窪みを穿るように動かし始めた。
「やはっ、ぁは……はぁ、あっやだ…!やぁぁ…っ」
二人の手が動く度にビクビクと腰を浮かせて暴れると、もうイヤホンの効果がないと思ったのか、花宮さんは耳からそれを取り外した。
「柚木は足、亜蘭くんはそのまま上半身をお願いします」
「はーい」
「わかりました」
二人がそう返事をすると、柚木くんは足元へやってきては筆を太ももに這わせ始めた。
「っっ、んんぅ」
ふわふわと太腿や足の付け根を滑る筆にピクンと跳ねるも、上半身よりも効果は薄い。それに気付いたのか、筆はあっさりと足から離れ、次にやってきたのは敏感になって少し硬くなっている二つの玉だった。
足の付け根からそのまま筆が滑ると、片方の玉をさわさわとくすぐり出し、たまに自身の根元から裏筋をひと撫でしてくる。
「っはぁ、やだ…!何処さわっ、て……やめっ」
無性に羞恥を感じてそう叫ぶと、柚木くんはニヤッと口角を上げた。何か発することはなかったが、わざとらしく玉だけを撫でてきては、たまにぷにぷにと人差し指で突いたり転がしたりしてきた。
「っや、やぁぁ…!!」
恥ずかしさと気持ち良さに頭がおかしくなりながら叫ぶと、少し休憩していた亜蘭くんの筆も動き出した。脇腹や脇を集中的に責めていた筆が、胸元へやってくると突起は避けるようにくるくると乳輪をなぞり出した。
「っはぅ、やぁ、ぁ、はぁっ……んん~~っっ!!」
「センパイ。乳首めっちゃ勃ってますよ?触って欲しい?」
「やめなさい……っ、やっ、やあっ」
「桜花。わざわざ亜蘭くんと柚木にはお前の訓練をお願いしてんだけど。やめなさいっておかしいよね?」
「ひゃああああ!」
イヤホンを棚に置いた花宮さんが突然耳元でそう囁くと、ASMRのおかげで敏感になってしまったのか、大袈裟な悲鳴が出た。
「……たっぷり焦らしてるおかげかな?耳元で喋るだけですごい反応するね」
耳の高さに合わせて膝を曲げている花宮さんは、カプリと耳たぶを咥えると、ゆっくりと耳の形に沿って舌を這わせてきた。
「ひゃぁあっ、ひっ、ぁ、あ!やぁ!……ぅうっ、んん、やめて…!くださいっ、全部……だめっ」
三人の同時攻撃に耐えられるはずもなく、必死に懇願するも、三人は無言のまま刺激を続行した。
「っはぁ、ぁ……っ花宮さん、…っ、」
「何?」
「みみ…っ、だめ、おねが…っ」
「弱いところ責めないで何処責めろと?」
ぬるりと生温かい舌の感覚が耳を犯してくる。ぽろぽろと涙を溢しながらやめてと訴えると、冷たい言葉が返ってきて更に涙が溢れた。そして追い打ちをかけるように亜蘭くんが乳首へ筆を這わせた。
「桜花センパイ~耳はだめならこの可愛い乳首はOKなんすよねぇ?」
「ひゃぁぁあん!やだっ、やっ」
片方は焦らすような筆責めで、もう片方はピシッと指で弾いてくるので、この刺激にも体は分かりやすく反応を示してしまう。
指で弾いた後、きゅっと乳首を摘まれると、そのままクリクリと捏ね回された。
「ひゃあっ、ぁぁぁぁあ!!胸もやだ…っ!やだぁっ」
「──桜花先輩。それならさっきまで散々恥ずかしいって叫んでたこっちは平気ってことですか?」
最後には柚木くんが嫉妬を混ぜ込んだ黒い笑みを浮かべながら睾丸を揉みしだいてくる始末。それぞれ的確に俺を追い詰めようとしているのは伝わってきて、実際に体は追い詰められていく。
「だめ……っ、もうだめ…!!やめて下さい…っ、花宮さん!!」
「お前今何時か分かってる?まだ30分も経ってないんだけど。耐えられないとかありえないよね?」
「だ、って…っひぁ、ぁあ…!!だめ…っ体が、へんっ、何、でっ……」
「そりゃたっぷり感度上げてるからね」
耐えられない刺激にも関わらず、絶頂とはまた違う快感は、正直辛くて仕方がない。気持ち良いのにスッキリは出来ない感覚は頭をおかしくしていく一方で。
「…っや、だ…体、熱い……!柚木くん…!もっと、上
ッ、…!!」
「上?上ってことはここらへんですか?」
にっこりと黒い笑みを混ぜて微笑む柚木くんは、睾丸から手を離すとこしょこしょと優しく下腹辺りをくすぐり出した。
「ちがっ、ぁ、あっ……!イ──」
『イキたいからちゃんと触って』と言いかけてハッとした。
(あれ…俺何でそんなに恥ずかしいこと言おうとしたんだろう)
三人からの執拗な焦らしにすっかりと頭が蕩けてしまっており、恥ずかしいおねだりをしてしまうとこだった。
「? 桜花先輩。何言いかけたんですか?言ってください」
「…何もない」
「へぇ。素直におねだりする先輩見たかったですけどやっぱりたかが30分じゃ無理ですか」
下腹をくすぐっていた手が戻り、再び柚木くんの愛撫は二つの玉へ戻って行った。優しく、じっくりと愛でるようにするりと撫で上げ、少しずつ上へ移動してはカリ首の部分に触れ、濡れた亀頭をなぞる。
鈴口を弄るように筆の毛先が動くと、ググッと体に力が入る。じわじわと湧き上がる絶頂感に震える体は、その時を待ち望むかのようにあたたかい。
(もっと…もっと、早く…っ)
心の中で必死にそう強請るも、筆は離れて何度も裏筋を通って玉へ戻る。
「っ、ん、もぅ……っ」
もどかしさに苛立ちながら吐息を漏らすと、亜蘭くんが乳輪周りへ筆と指を滑らせた。
「っは、ぁ、もぉやめ……っ」
ぷっくりと膨らむ乳首はお預けをくらってしまい、無意識に体を揺らして乳首に当たるようにしてみても、ほんの一瞬しか触れてもらえない。
「おっと、何腰振ってエロいダンス披露してるんですかぁ?そんなに乳首触ってほしいの?さっき触ったからもうだーめ」
「……っ、」
無意識に体を捩っていたことを指摘されて羞恥が襲って睨みつけると、筆は乳首周りをなぞりながら、手は優しく脇腹をくすぐり出した。
「っ、~~!!」
「すごいビクビクしてるね。じゃあ俺はこっち触るね」
耳を愛撫していた花宮さんが立ち上がると、両手を脇の下へセットして、さわ、さわ、と本当に優しい手つきで指を動かし始めた。
「っあ、ひゃぁぁぁぁ……ひゃあ!やだ……っ、ぅぅ……はぁぁあ……!!」
胸の横辺りから脇の窪み、腕の付け根や二の腕、そして背中の境目等、指全体で広範囲をなぞる指から生まれる刺激は強烈で、堪らない気持ち良さが襲ってきた。
ビクンと腰を浮かせて大袈裟に反応すると、三人は無言で自分の担当する箇所を意地悪に攻め立ててくる。それはどれも焦らしに相応しい強度で、理性をゆっくり剥がそうとしているように。
「ふぁぁぁ……!!だめ…!だめっ、やだ…!無理っ、それやだ…!花宮さっ、はぁ、あっ」
「やだやだって子供みたいなこと言わないでくれる?お前、幹部だよね?分かってる?亜蘭くんに捕まった時もすぐ弱音吐いたわけ?違うよね?じゃあ何でたった数分で泣き言吐くの?訓練ナメてる?」
「ちがっ……だって、っひゃんっ、やっ……ごめ、なさぃっ、花宮、さん違う……っ、からだが、おかし…っぃい──~~っっ、」
「……お二人の会話に口挟むの申し訳ないですけど、桜花センパイ、確かに俺が攻めた時静かに涙流してましたけど、あれは媚薬も使ったからもあると思うんですよねー。最後まで決して泣き言なんて言わずに耐えてたんですけど、リーダーさんがお相手だとこんなにすぐダメになっちゃうんすね」
「ほら、桜花。亜蘭くんに言われてるよ?この前みたいに泣き言なんて言わずに耐えたら?」
「っあ、だめ……!ぁはっ、ふぁぁぁ…!!やめっ、ひゃぁぁぁぁ!!」
言葉を発しながらも指は止まらず、的確に三人の筆や指は俺の体を優しく責める。亜蘭くんの言う通り、捕まった時は必死に声を我慢して耐えに耐えた。けど──。
今は何故か少しも我慢することが出来なくて、ビクビクと情けなく体を痙攣させながら涙声で喘いでしまう。
「っ、それ、やです……!!やだっ、変になる…っ、やめ…本当に…っ、外して…!花宮さんっ」
「無理に決まってるよね?まだ始まったばっかりなんだし、あと一時間はずーっとこうやって責めるから」
その言葉に絶望しながらも、ただやめて下さいと言うことしか出来なかった。
◇ ◆
それから本当に一時間。撫で回された体は少し何かが触れるだけでビクンと激しい反応を返すほどに仕上がった。
触れられていない時でも余韻でピクピクと体が震え、顔は汗等でぐっしょりと濡れていて気持ち悪い。
「はーい、じゃあ筆はおしまい」
「ひゃあああっ」
ツン、と脇腹を突かれると大きな悲鳴を上げるほどになっていた。
「はっ、ぁぁぁあ!!やあっ!!」
花宮さんの人差し指がくるくると円を描きながら脇腹から臍周りをなぞり、一切触れてもらえなかった乳首を弾いた。爪を立ててカリカリと引っ掻かれると、腰が浮き、ガクガクと太腿が揺れた。
「ん、最高の仕上がりだな」
花宮さんは冷静な声でそう言うと、持っていたスマホを操作し始めた。
「あー、今から来れる?うん。よろしく」
その声は今の蕩け切った自分には届かず、俺はただ暫く息を荒くしながら必死に呼吸を整えた。
「俺は暫く観察するので、第二段階にうつって下さい」
「はい」
二人が声を揃えて返事した後、拘束台がウィンと音を立てて動き出し、パカッと足を大きくM字へ開かせた。
もう恥ずかしいという感覚はあまりなく、されるがままになった俺は、ただ天井を一点に見つめながらただただ息を吐いた。
「じゃあ先輩。失礼しますね」
「……?」
終始ぼんやりしていたので二人が移動したことに気付かなかった。すぐ顔の傍に来ていた柚木くんと亜蘭くんは、汗で顔にへばりついた髪の毛を耳へかけた後、右耳には柚木くん、左耳には亜蘭くんの唇が触れた。
「っっひゃ、ああああああ」
「あんま動かないで下さいね」
首を振れないように頭を押さえつけられると抵抗することも出来ず、二人の吐息がふぅ、と耳へ吹きかけられた。
もう残っていないと思っていたが、反射的に体が跳ね、全力で拘束具を外そうと力が加わった。ガンガン、ガチャガチャと激しい音が響く中、耳へ舌を這わす二人に、今まで以上に高い声が出た。
ぬるりと耳の奥へ入り込む温かい舌は、ゾクゾクゾクッと身体中に刺激を送る。舌先がくにくにと動くと、更に快感が強まった。
「ひゃぁあっっ!!ぁぁぁあ!!」
「…センパイやば。可愛いすね」
「本当。すごく綺麗です。俺たちだけじゃここまで引き出せなかったと思うので、少し悔しいですけど」
二人の唾液の音が響く合間にそんな言葉が投げかけられたが、もうそれに応える余裕もない。そんな中、ガチャッと訓練部屋の扉が開いた。
「うーわーやべ。キッツ」
そう言って入ってきたのは、元祖容赦ないでお馴染みの風見くんだった。風見くんが入ってきてから後輩二人の愛撫は止まり、再びしばしの休息が与えられた。
「花宮さん~俺、要ります?柚木と亜蘭で十分じゃね?」
「十分だけど、もっと過酷にしないと訓練になんないよね。ってことで、お前は上半身な」
「へいへい」
めんどくさそうに言いながらこちらへやってきた風見くんは、じっと俺を見下ろしてきた。
「よー、桜花。いっつもツンツンしてるくせに、こんな無様な顔出来んだな~」
その言葉が聞こえて、無性にイラっとした感情が生まれた。花宮さんと風見くんは唯一素の自分を見せられる存在で、特に風見くんは立場も同じということだけあって花宮さんよりも素に近い自分を見せれる。──とはいえ、痴態が見せれるかと言われたら一番見られたくない存在でもある。
「…うるさい、なんで、来たの」
「は?花宮さんに呼ばれたからに決まってんだろ?俺だって大切な大切な桜花ちゃんの訓練なんて来たくなかったよー?」
「ッチ、出て行って…白々しいんだよ」
「へぇー?珍しく攻撃的じゃん。そんなに余裕ねーんだ。まぁこんな無様すぎる姿、俺には見せたくなかっただろうし仕方ねーか。つーか俺より後輩に見せる方が恥ずかしいって分かんねーの?ま、無駄口叩いてる程俺暇じゃねーし、とっとと始めるわ。お前らも続きして」
風見くんが乱暴な口調で後輩二人に指示すると、それに素直に従う柚木くんと亜蘭くん。二人の舌が耳の中を這うと、再び今までの体の感覚が蘇った。
「っ、んんん……柚木く、…っ亜蘭、くんっ」
やめてという思いを込めて二人の名前を呼ぶも、逆に喜ばせてしまったのか舌の動きが激しくなった。
ゾクゾクとした甘い刺激に体を反応させていると、途中から参戦した風見くんが胸元へ唇を落とした。
「っ、ン!!」
乳首の周りをなぞるように風見くんの舌が這い、手はこしょこしょと優しく胸の横をくすぐり出した。
「あっ、あ!!それっ、やっ、やはっ、はぁっ…ぁあッ、あっ」
優しい手つきなのでこれも完全なくすぐったさではなく、気持ち良さが強い。触れてもらえない乳首ももどかしくてじたじた暴れると、くちゅっとやらしい音が聴覚をおかす。
「ひゃっ、はぁ、あっ、…くすぐっ、な、いで…!風見くんっ、指…とめて、やだっ、やはっ…はぁ、…んんん、やぁぁ…っ」
乳首周りを舐めていた舌が、どんどんと範囲を広げ、指でくすぐっていた胸の横や脇の下を滑り出した。
「っふ、ぁっ!?…何処っ、舐め、…っ」
指とはまた違った感触にゾクゾクとした快感が止まらず、ビクビクと体を揺らし、手枷が激しく音を立て始めた。
「へー?お前舐めた方が反応面白いな」
舌先を尖らせてツツー、と脇腹や胸の付近をなぞられると、本当に我慢が出来なくて全力で体をバタつかせた。
「すごい汗かいてんな」
脇の下に到達した風見くんは、ちゅっと窪みにキスした後に恥ずかしい言葉を呟いた。
「やっ……めて!!やめっ」
普段誰にも見せない部分を舐められたこともあるが、汗のことを指摘されると匂い等も気になって爆発しそうなほどに恥ずかしい。
「恥ずかしいー?顔真っ赤にして笑えるわ~」
羞恥を感じる俺を見て楽しそうに笑いながらも、きちんと感じるように舌を動かすところは流石としか言えない。
ゆっくりと円を描くように執拗に恥ずかしい部分を舐めながら、ずっと放置されていた乳首がきゅっと摘まれた。
「ひゃぁぁぁっ……」
「桜花センパイ。風見センパイばっかに感じないで下さいよ~」
「そうですよ。…先輩、いっぱい恥ずかしいこと言ってあげるんで、俺たちにも感じて下さいよ」
「~~ッッ」
くちゅくちゅと唾液の音を響かせながら文句を言う二人の刺激も強く、もう自分でもどうなっているのか分からないくらいに頭が回らない。
「先輩、下すごい反応してますよ?とろとろと先走り垂らして可愛い。花宮リーダーに見られてますけど、恥ずかしくないんですか?」
「センパイ、ここら辺舐めたらビクビクしますね…この前の時より声もたくさん出てて可愛い」
二人の恥ずかしい言葉責めもどんどんと心地良くなってくる程になってきてしまう。大きく開いた足の間に主張する箇所は、柚木くんの指摘通りに完全に勃ち上がっており、先走りがとめどなく溢れていて尻まで伝っている。
それでも誰にも触ってもらえていないので、淋しそうにピクピクと震えており、心も限界に近付いてくる。
「桜花先輩。いつでも素直になっていいですからね?可愛くおねだりして下さい」
そんな限界寸前の俺に天使のように囁く柚木くんに、縋るように口を開いた。
「っ、柚木、くん……っ」
「はぁい」
「さわ、っ……て……」
「何処をですか?」
「…っ」
直接的な言葉を出すことが出来ず、口を結んで見つめると、クスッと優しく微笑んでくれた。
「──はい、一回で言えないからだーめ」
しかし、笑顔とは裏腹に、意地悪な言葉を吐いた柚木くんは、耳から唇を離すと風見くんとは逆サイドに移動した。
「っひゃぁぁぁあ、柚木くっ、舐めちゃ、だめ…っ」
ちゅっとウエストの辺りに口付けた柚木くんは、そのまま舌を突き出してゆっくりと肌を舐め始めた。
逆側には風見くんが優しく舌を這わせており、今は乳首周りを舐めながら、時折ほんの一瞬だけ乳首を掠めてくる。
亜蘭くんはずっと耳を愛撫しながら、今まで柚木くんが担当していた耳にも手を伸ばしてゆっくりと人差し指を差し込んでくすぐってきた。
執拗な上半身のみの責めにポロポロ泣きながら暴れても、優しい焦らすだけの愛撫は長時間続けられた。
「ずっと見てるけどさ、お前腰へこへこしすぎ。恥ずかしくないの?」
見える位置に立っていた花宮さんの言葉にも羞恥を感じる余裕もなく、スッキリと出来ない今の状況を打破したくて、舌の回らない口調で「お願い」と呟き続けた。
「お願いって何?イカせてくれってこと?」
「っ、…」
コクコクと頷くも、それ以降は何も言ってくれない花宮さん。風見くんの意地悪な舌使いでたまに乳首を舐められるとイキたい気持ちが増してしまい、もうすっかりと理性は消え去って、「お願い」とひたすら呟いた。
そこからも地獄のような焦らしが続けられた後、花宮さんが足元へとやってきた。
「こんなに垂れるもんなんだな」
「っあ、ぁあ!!」
ツゥ、と人差し指が裏筋をなぞり、こしょこしょと先端をくすぐると、腰が何度も浮いた。花宮さんが手を出したタイミングで、たまにしか触れてもらえなかった乳首に風見くんと柚木くんが舌を這わせた。
指はさわさわと脇腹や脇の下をくすぐりながら乳首を吸い上げ、たまにカプッと歯を立てて噛んでくる。
亜蘭くんも耳を愛撫したり首筋をくすぐったりしてきていて、感度は今までにないくらい最高潮に高まった。
くちゅくちゅと音を立てながら先端を刺激する花宮さんに安堵し、漸くイケる──そう思った瞬間に、パッと花宮さんの指だけが離れた。
「っ、やぁあ……!!やだぁ、やぁっ、ひゃはっ、ぁぁぁあ……!やぁ……!!」
ガタガタと拘束台を揺らしながら泣き叫ぶも、直接的な刺激がなくなったことにより、少しずつ絶頂感は引いていく。
そうするとまた花宮さんが先端をくすぐり出すので、もう頭はおかしくなりそうだった。
「あ、花宮さぁん。イク寸前に止めるのも効果あるけど、筆で優しく撫で続けてんのもいいっすよ。筆の刺激じゃ多分イケねーから」
「筆もいいけど期待させてやりたいじゃん。イケると思わせておいてその直前で手ぇ離すとすげー切ない顔すんだもん。──すごい可愛いんだよね」
「へーへー、そーですか」
二人の会話がうっすらと聞こえてくるが、もう思考力が低下した今、何を言ってるか分からない。ひたすら泣きながら今の苦しい状況から抜け出したくて後輩が居ることも忘れて必死におねだりをした。
「ぃ、きたいっ、もぉ……だめっ、…だ、めぇ……」
「気が向いたらイカせてやるよ」
フッと鼻で笑った花宮さんが陰茎を握り、強めに上下に扱いてくれた。
「っ、イク──!!イッ、」
「けませんけど?」
パッと離れた指に絶望し、また泣き叫んでおねだりして、落ち着いた頃に花宮さんが笑いながら手コキして──両サイドからは二人が胸を攻め立て、亜蘭くんが興奮する言葉を何度も囁いて。地獄のループを繰り返した。
「イクっ、イク──!!出るっ、出、っイッ、」
「けるわけねーよな?」
「はぁぁっ、また、イッちゃ、イ゙」
「けません」
「花宮さっ、……さわっ、ちゃんと、最後まで…っ、やぁぁあ!!はぁっ、あ、」
「お願いすんならせめてちゃんと言えよ」
二人の掛け合いが続くこと数十分。イカせてもらえずに泣き叫ぶ俺に痺れを切らしたのか、この状況を変えようとしたのは風見くんだった。
「あー疲れた。俺もう無理っす」
「…ん、そうだな。風見、柚木、亜蘭くん。もう戻っていいよ。あとは俺がやるわ」
「え…」
風見くんはその言葉を聞いて早々に出ていったが、後輩二人は物足りなさそうに渋っていた。
「柚木、亜蘭くん。今日は長時間ありがとう」
花宮さんがニコッと微笑んで再度そう言うと、二人はぺこりと頭を下げて部屋を出ていった。
「──さ、桜花。よく頑張ったね」
二人きりになった部屋で、花宮さんは優しくそう声をかけてくれた。汗まみれになった頬を撫でて柔らかい笑みを向けてくれた。
「はな、みや…さん……っ」
「じゃあ訓練再開しようか」
その笑顔を見て、俺は心の奥底から絶望した。
◇ ◆
「っあ゙あ、あッ、やっ、あっ、あ、ぁ」
絶望した直後、与えられたのは容赦ない筆責めだった。先端を集中的に優しく撫でてきては、イケない苦しさを最大限に与えてくる。
ガクガクと腰を浮かせながら暴れ狂い、昔の訓練の時のように泣き喚く俺に、花宮さんは無言で刺激を与えてくる。
激しく体を暴れさせて悶えても、しっかりと陰茎を支えて先端ばかりを撫で回してくる。
「だ、め゙っ、イ゙きたっ、花宮さっ、それっ、や゙ぁぁぁぁ」
「うるさい静かにしなさい。イケないだけでそんなに取り乱してんじゃねーよ」
もう何時間寸止めしてると思っているんだよと思いながらも、言い返すことも出来ず、必死に動かせる範囲で腰を動かしてより強い刺激を得ようとした。
「堪え性ない桜花にはもっと頑張ってもらわないとね」
先端をくすぐっていた筆が裏筋を通って下へ降りると、ぱんぱんになった玉をなぞり始めた。玉の付け根も丁寧になぞってきては、また俺を悶えさせた。
「ひゃあ゙ああああああ!!もぉい゙や゙ぁぁああああ!!」
「お前ここ触った時の反応すごいね」
ぐっしょりと濡れた筆で余すことなく玉を撫で上げ、反応を伺う。特に付け根の辺りが堪らなくて、その部分を触られる度にガタガタと体を暴れさせた。
「そんなでかい反応見せてたら集中的に攻められるよ?」
「や゙ああああああっっ!!離してぇぇっっ!!もぅだめ!!だめやだぁぁぁぁ!!」
「だからうるさいって」
「許し、てっ、許して…!!おかしくなっちゃう…!!イキたいっ、そこっ、やだぁぁ…ねぇっ、もぉっ、…だめ…!花宮さっ、ごめんなさいっ、もぅおれっ、無理ですっ、イカせてっ、いかせっ──ひゃぁぁぁぁぁ!!」
「……もう夕方か。本当はもっと我慢させるつもりだったけど、限界かな」
カタンと筆を棚に置いた花宮さんは、ぐちゃぐちゃになった俺の顔をじっと見下ろした。
「俺は不在にしがちで塞原や風見、そして桜花に組織のことを任せることも多い。だけど今回みたいに緊急事態の時は必ず俺に連絡しろ。分かった?」
「っ、ん、はぃ、分かり、ました」
「はい。桜花も渚も、そして他のみんなも。俺にとってかけがえのない仲間であり家族だから。独断で行動しないように」
その言葉にぶわっと涙が溢れ出してコクコクと頷くと、ポンポンと頭を撫でてくれた。
「じゃあ散々おねだりしてくれたし、その回数分はたっぷりイカせてやるよ。何回イカせて下さいって言ってくれたかな?」
「え……」
漸く地獄が終わると思ったのに。いい雰囲気になったはずなのに。
下半身へ戻った花宮さんは、躊躇うことなく俺自身を咥え込んだ。
「っぁ、あっ」
じゅるっと音を立てて先走りを吸い込んだ花宮さんの口内はとてもあたたかく、今まで我慢させられた分、早々に絶頂が訪れた。
「イクッ、イク──!!出る、口っ、離し──ん゙んんん~~ッッ」
勢いよく欲を解き放つと、ごくんとすぐに飲み込んだ花宮さんは継続して口いっぱいに頬張りながら弱い部分を攻め立ててくる。
「あ゙────っっ!!で、ましだッ、もぉっ、イ゙ギま゙じたッッ」
裏筋をくすぐったあと、鈴口を広げるようにクチクチと舌先が先端を刺激する。指はこしょこしょと玉裏をなぞってくるので、ガンガンと激しく拘束台が音を立てた。
「イ゙ッ──、」
その一言を叫んだあと、再びびゅくんと勢い良く射精した。開きっぱなしの口からは唾液がとめどなく流れ、涙も鼻水も止まらない。そしてもちろん──刺激も止まらない。
「も゙お゙っ、や゙め゙ッッ──~~っ゙!!」
一度口を離すと、先走りと唾液と精液で濡れたくった先端を指で擦り出した後、ツゥ、と竿を舌でなぞってからパクリと片方の玉を口へ含んだ。
「ひっ、ううッ」
力いっぱい玉を吸い上げてくる刺激も強い快感で、自分の口からは間抜けな声が漏れる。クチクチと音を立てながら指の腹で亀頭を攻めてくる指も堪らなくキツい。
「もうっっ、いいです!!もぅいいっっ!!」
「まだ二回目くらいじゃない?イカせてくれって何回も何回も何回も叫んでたじゃねーか」
「まっ…た、イク──っ!!~~ッッ」
「はい三回目。まだまだイカせてあげるからね、桜花」
その後も容赦ない責めは続き、俺にとって今までにない程に辛い一日となった。
end.
45
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる