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◇2話以上
所有物②
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望月視点とその少し後の話。
攻→望月/視点
受→千明
◇ ◆
ただ、暇つぶしが欲しかった。
誰でもいい。出来れば相手の歪んだ顔が見たいので弱味でも握って無理矢理従わせたい。
そんな中、目を付けたのはみんなから人気がある瀬野千明。
弱味なんて見せなさそうだが、時間がある時に観察してみることにしたらまさかのまさか。
人気のない教室でマスをかいている姿を目撃する事が出来た。すぐにスマホで証拠を撮影し、絶頂する直前で声をかけると絶望した表情を見せてくれた。
「バラさないから俺のいう事聞けよ」
上靴を脱いでグイッと直接足で勃ち上がったままの股間を踏んでやると、高い声を上げて射精していた。
エロかったので不覚にも欲情してしまい、俺は吐き出した白濁液と先走りを利用して尻を慣らして犯した。
むちゃくちゃに犯したあと、瀬野は涙と涎と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔で俺にしがみついてきた。
「望月くん…っ俺、ハマっちゃった…なんでもするっ、どんな事でもするからぁ…これからも、抱いてっ」
俺の想像していたものとは大幅に変わったが、無茶苦茶しても嬉しそうに喘いでいる姿は興奮した。
しがみついてきた瀬野を突き飛ばして最後にもう一度股間を踏んで、俺は冷たい声で呟いた。
「いいよ。ただ今日みたいに無茶苦茶にヤる」
「それでいい…っ連絡先、教えて…」
俺はスマホを取り出して、瀬野からの連絡はするなと条件を付けて連絡先を交換した。
そして休日、試しに俺の家に呼び出してみると、連絡して数十分後に息を切らしてやってきた。
「望月くん!どうしたの?来たよっ!」
荒い息を吐きながらキラキラした瞳を向けてくる変態を部屋に連れ込み、服を剥いで首輪と手枷を装着した。
「すごい!これなぁに?」
「黙れ喋んな。お前は喘ぐだけでいい」
「…声、出して平気なの?」
家の中に誰も居ないのか気にしているのか訊ねてくるこいつに何となく腹が立ち、猿轡も口にぶち込んだ。
「んぐぅ」
それに対しても嬉しそうにする変態。
コイツは何故こんなに嬉しそうなんだ。
理解に苦しむが、乱暴にすればする程勃起するコイツは、理解出来ない。
「お前何でこんな勃ってんだよ」
口に装着した猿轡を取って質問すると、
「痛いのが凄く…気持ち良い、ねぇ、望月くん…もっと、乱暴にして…」
キラキラした瞳でそう答えた。
なんだこのドMは。
でも、まぁ乱暴にしてみたかったので前とは違いあまり慣らさずに入れてやった。
痛がる姿も見たかったが、一瞬でも歪んだ表情を見せられると流石に心が痛む。
なのですぐ嬉しそうにするコイツの表情を見れば安心した。
「…締め付けすぎ」
「だってぇ…気持ち良いッ」
これの何処がいいんだよと思いながらコイツが強く反応を示す箇所を突いてやると悲鳴を上げて暴れ出す。
暴れた事により首が締め付けられたのか、瀬野はゲホッと激しく咳き込み出した。
「…」
心配になって動きを止めると、苦しそうにしながら、でも嬉しそうにしながら、動いてぇ…とか細い声で訴えてきた。
やば、ちょっと可愛い。
ぐちゃぐちゃな顔で喘ぐド変態なのに、何故こんな事思ったのか自分に理解出来なかったが、要望通りに思いっきり好きな箇所を突いてやった。
コイツの中は気持ち良くて、ハマってしまいそうになった。
激しく腰を打ち付けた後、自身を引き抜き、拘束を解いてやると悲惨についた痕。
流石にまずいと感じたが、俺の視線を見て近くにある鏡で痕を確認した瀬野は、恍惚の表情を浮かべた。
「はぁ…これで、俺は望月くんのモノだねぇ…」
大丈夫かと問いかけようとしたが、気持ち悪い言葉を聞いて言う気が失せた。
どかっと蹴飛ばしてやるとアンっと言いながらベッドに寝そべった変態。
「…もっと、痕つけて。俺は望月くんのだよ」
「喋んな」
コイツが喋ると調子が狂う。
ただ俺を恨む眼差しを向けてくれれば良かったのに。
「帰れ」
「うん。今日は抱いてくれてありがとう」
ニコッと笑顔を見せて帰って行ったアイツを見送ると、俺はさっきまでアイツが寝ていたベッドに寝転んだ。
まだ温かい布団。俺を求めて鳴いてくれた瀬野の体温に触れると、悔しいけど嬉しいと感じてしまう自分が居て。
ただストレス発散のためだったのに、変な方向へ進む感情に戸惑いながら、俺もアイツを求めてしまう。
その後も何度も体を重ね、その内俺も抜け出せなくなった。
そんなある日、いつも通り犯した後に準備室を後にすると、不良共がそこへ向かう姿が見えて心がざわついた。
隠れて追いかけると、悪い予感が的中してアイツが犯されかけた。
別にアイツは激しく犯してくれる奴が好きなので、邪魔してはいけないと思いつつもこっそり覗いていると、本気で嫌がっている表情が見えた。
最初は変な刺激だからかと思ったが、指を入れられて尚も嫌がった表情のままだったので、堪らずに俺は何も考えずに扉を開けた。
安堵した表情を向けるアイツは、正直可愛くて。
不良共を外へ出すと、俺はもう一度犯した。
独占欲むき出しの俺に、嬉しそうに応えてくれて。
好きと言おうとするコイツの口を塞いで言葉を封じて、これからは俺だけのために居ろと告げた。
「望月くん」
あいつの声は俺の調子を悪くする。けど、何処か安心出来る声で。
「…何だよ」
「…好き、好きだよ…っ」
「……喋んな」
喋れないくらいに腰を動かすと、再び嬉しそうに喘ぎ出した。
二回もするのは予定外だが、少しでも早く不良共の痕跡をコイツから排除したい。例え指だけだとしても、コイツに入った事を消してやりたかった。
「んんんっ…激しい、でもっ…気持ちいい!!!」
「…」
ガクンと激しく体を痙攣させながら絶頂した姿を見て、俺は自身を引き抜いた。
「…はぁ、ぁぁぁ……望月くん、しか…無理だぁ…俺、何でだろうね…」
ふにゃっと俺だけに見せる幸せそうな表情はとても可愛くて。でも絶対に認めない。
「…ねぇ、望月くん」
「何。よく喋るなお前」
「今日は、終わった後も一緒に居てくれるんだね」
「…またあいつら来たら嫌だからな。お前は俺のだし取られたら嫌なだけ」
「…なんか、エロいね」
「は?」
本当に珍しい事をしていると自分でも思う。
疲れ果てて動けないコイツの股間を綺麗にして、身なりを整えてやるなんて。
「…とっとと立て」
「ねぇ」
「何」
「好き」
「うるさい黙れ」
「…ずっと、俺のこと所有物だと思っていい。他の奴に触らせたりしない、ずっと…望月くんのためだけに存在するから、だから」
--これからも千明って呼んで?
「………」
そういえば一回そう呼んでしまった気がする。
顔が熱くなりかけたのですぐに立ち上がり、近くに落ちていたミルクティーを投げつけると、嬉しそうにふにゃっと笑う瀬野と目が合った。
「えへへ、ミルクティーさぁ、いつもありがとう。ねぇ、望月くんは何が好きなの?」
「……俺はカフェオレが好き」
「じゃあこれから呼び出されたらカフェオレを買ってからここに来るね」
「……ん、」
「…望月くん好き」
「うるさいってば」
「好きだよ」
「…なんだよしつこいな」
「だって好きなんだもん。いつか望月くんも俺のこと好きなってよ」
拘束も解かれて身なりも整った瀬野は起き上がって許可もなく俺に抱き付いてきた。
その体温がやけに温かくて、気付けば背中に手を回してしまっていた。
既に呼吸の安定している背中を撫でながら、優しく抱き締めると、ぎゅうっと強く抱き付いてきて。
「…幸せ、俺望月くんのこと好きって気付けたからあの不良たちに感謝しないとな」
「……あんな奴らに感謝すんな」
「ふふ」
これ以上は俺がおかしくなりそうなので、グッと体を引き離した。
あまり背丈の変わらない俺の隣に立つ瀬野は、ちゅっとキスしてきた。
「……は?」
「俺のファーストキス。所有物なんだから、主人が受け取ってよ」
ニタっと笑う顔に腹が立ち、壁に思いっきり体を叩きつけて、俺から深いキスをした。
「所有物が勝手に動くなよ。俺から全部する」
噛み付くようにキスすると、めちゃくちゃ嬉しそうに受け入れる顔。コイツの思い通りになって悔しいが、俺からしないと気が済まない。
舌を絡ませて暫く唾液とお互いの呼吸が絡み合う音が響きながら、長い時間キスをした。
力が入らなくなった瀬野の腰を支えながらやめてとトントン体を叩かれた辺りで唇を離すと、瀬野はペタリと床に崩れ落ちた。
「ふぁぁ…苦しい…でも幸せぇぇ…」
相変わらずドM気質な表情と感想。
歪んだ顔を見たいと始めたこの行為は、別の方向へ進んでしまったが、俺はこの関係を築けたことを後悔していない。
袖で唇を拭いて立ち去ろうとしたら、また立ち上がって俺についてきた。
「喉渇いた。二回したからミルクティーもう一つ買って。俺もカフェオレ買うから」
「…ついてくんな」
そう言いながら自販機に向かう俺。
嬉しそうについてくる瀬野。
悔しいがカフェオレを飲みたかったので、要望通りいつも購入するミルクティーを渡すと、ありがとうと笑顔でそれを受け取り、瀬野は代わりに俺の好きなカフェオレを渡してくれた。
「…」
その日飲んだカフェオレは今まで飲んだ中で一番美味しかった。
なんて、思う自分はどうかしている。
end.
攻→望月/視点
受→千明
◇ ◆
ただ、暇つぶしが欲しかった。
誰でもいい。出来れば相手の歪んだ顔が見たいので弱味でも握って無理矢理従わせたい。
そんな中、目を付けたのはみんなから人気がある瀬野千明。
弱味なんて見せなさそうだが、時間がある時に観察してみることにしたらまさかのまさか。
人気のない教室でマスをかいている姿を目撃する事が出来た。すぐにスマホで証拠を撮影し、絶頂する直前で声をかけると絶望した表情を見せてくれた。
「バラさないから俺のいう事聞けよ」
上靴を脱いでグイッと直接足で勃ち上がったままの股間を踏んでやると、高い声を上げて射精していた。
エロかったので不覚にも欲情してしまい、俺は吐き出した白濁液と先走りを利用して尻を慣らして犯した。
むちゃくちゃに犯したあと、瀬野は涙と涎と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔で俺にしがみついてきた。
「望月くん…っ俺、ハマっちゃった…なんでもするっ、どんな事でもするからぁ…これからも、抱いてっ」
俺の想像していたものとは大幅に変わったが、無茶苦茶しても嬉しそうに喘いでいる姿は興奮した。
しがみついてきた瀬野を突き飛ばして最後にもう一度股間を踏んで、俺は冷たい声で呟いた。
「いいよ。ただ今日みたいに無茶苦茶にヤる」
「それでいい…っ連絡先、教えて…」
俺はスマホを取り出して、瀬野からの連絡はするなと条件を付けて連絡先を交換した。
そして休日、試しに俺の家に呼び出してみると、連絡して数十分後に息を切らしてやってきた。
「望月くん!どうしたの?来たよっ!」
荒い息を吐きながらキラキラした瞳を向けてくる変態を部屋に連れ込み、服を剥いで首輪と手枷を装着した。
「すごい!これなぁに?」
「黙れ喋んな。お前は喘ぐだけでいい」
「…声、出して平気なの?」
家の中に誰も居ないのか気にしているのか訊ねてくるこいつに何となく腹が立ち、猿轡も口にぶち込んだ。
「んぐぅ」
それに対しても嬉しそうにする変態。
コイツは何故こんなに嬉しそうなんだ。
理解に苦しむが、乱暴にすればする程勃起するコイツは、理解出来ない。
「お前何でこんな勃ってんだよ」
口に装着した猿轡を取って質問すると、
「痛いのが凄く…気持ち良い、ねぇ、望月くん…もっと、乱暴にして…」
キラキラした瞳でそう答えた。
なんだこのドMは。
でも、まぁ乱暴にしてみたかったので前とは違いあまり慣らさずに入れてやった。
痛がる姿も見たかったが、一瞬でも歪んだ表情を見せられると流石に心が痛む。
なのですぐ嬉しそうにするコイツの表情を見れば安心した。
「…締め付けすぎ」
「だってぇ…気持ち良いッ」
これの何処がいいんだよと思いながらコイツが強く反応を示す箇所を突いてやると悲鳴を上げて暴れ出す。
暴れた事により首が締め付けられたのか、瀬野はゲホッと激しく咳き込み出した。
「…」
心配になって動きを止めると、苦しそうにしながら、でも嬉しそうにしながら、動いてぇ…とか細い声で訴えてきた。
やば、ちょっと可愛い。
ぐちゃぐちゃな顔で喘ぐド変態なのに、何故こんな事思ったのか自分に理解出来なかったが、要望通りに思いっきり好きな箇所を突いてやった。
コイツの中は気持ち良くて、ハマってしまいそうになった。
激しく腰を打ち付けた後、自身を引き抜き、拘束を解いてやると悲惨についた痕。
流石にまずいと感じたが、俺の視線を見て近くにある鏡で痕を確認した瀬野は、恍惚の表情を浮かべた。
「はぁ…これで、俺は望月くんのモノだねぇ…」
大丈夫かと問いかけようとしたが、気持ち悪い言葉を聞いて言う気が失せた。
どかっと蹴飛ばしてやるとアンっと言いながらベッドに寝そべった変態。
「…もっと、痕つけて。俺は望月くんのだよ」
「喋んな」
コイツが喋ると調子が狂う。
ただ俺を恨む眼差しを向けてくれれば良かったのに。
「帰れ」
「うん。今日は抱いてくれてありがとう」
ニコッと笑顔を見せて帰って行ったアイツを見送ると、俺はさっきまでアイツが寝ていたベッドに寝転んだ。
まだ温かい布団。俺を求めて鳴いてくれた瀬野の体温に触れると、悔しいけど嬉しいと感じてしまう自分が居て。
ただストレス発散のためだったのに、変な方向へ進む感情に戸惑いながら、俺もアイツを求めてしまう。
その後も何度も体を重ね、その内俺も抜け出せなくなった。
そんなある日、いつも通り犯した後に準備室を後にすると、不良共がそこへ向かう姿が見えて心がざわついた。
隠れて追いかけると、悪い予感が的中してアイツが犯されかけた。
別にアイツは激しく犯してくれる奴が好きなので、邪魔してはいけないと思いつつもこっそり覗いていると、本気で嫌がっている表情が見えた。
最初は変な刺激だからかと思ったが、指を入れられて尚も嫌がった表情のままだったので、堪らずに俺は何も考えずに扉を開けた。
安堵した表情を向けるアイツは、正直可愛くて。
不良共を外へ出すと、俺はもう一度犯した。
独占欲むき出しの俺に、嬉しそうに応えてくれて。
好きと言おうとするコイツの口を塞いで言葉を封じて、これからは俺だけのために居ろと告げた。
「望月くん」
あいつの声は俺の調子を悪くする。けど、何処か安心出来る声で。
「…何だよ」
「…好き、好きだよ…っ」
「……喋んな」
喋れないくらいに腰を動かすと、再び嬉しそうに喘ぎ出した。
二回もするのは予定外だが、少しでも早く不良共の痕跡をコイツから排除したい。例え指だけだとしても、コイツに入った事を消してやりたかった。
「んんんっ…激しい、でもっ…気持ちいい!!!」
「…」
ガクンと激しく体を痙攣させながら絶頂した姿を見て、俺は自身を引き抜いた。
「…はぁ、ぁぁぁ……望月くん、しか…無理だぁ…俺、何でだろうね…」
ふにゃっと俺だけに見せる幸せそうな表情はとても可愛くて。でも絶対に認めない。
「…ねぇ、望月くん」
「何。よく喋るなお前」
「今日は、終わった後も一緒に居てくれるんだね」
「…またあいつら来たら嫌だからな。お前は俺のだし取られたら嫌なだけ」
「…なんか、エロいね」
「は?」
本当に珍しい事をしていると自分でも思う。
疲れ果てて動けないコイツの股間を綺麗にして、身なりを整えてやるなんて。
「…とっとと立て」
「ねぇ」
「何」
「好き」
「うるさい黙れ」
「…ずっと、俺のこと所有物だと思っていい。他の奴に触らせたりしない、ずっと…望月くんのためだけに存在するから、だから」
--これからも千明って呼んで?
「………」
そういえば一回そう呼んでしまった気がする。
顔が熱くなりかけたのですぐに立ち上がり、近くに落ちていたミルクティーを投げつけると、嬉しそうにふにゃっと笑う瀬野と目が合った。
「えへへ、ミルクティーさぁ、いつもありがとう。ねぇ、望月くんは何が好きなの?」
「……俺はカフェオレが好き」
「じゃあこれから呼び出されたらカフェオレを買ってからここに来るね」
「……ん、」
「…望月くん好き」
「うるさいってば」
「好きだよ」
「…なんだよしつこいな」
「だって好きなんだもん。いつか望月くんも俺のこと好きなってよ」
拘束も解かれて身なりも整った瀬野は起き上がって許可もなく俺に抱き付いてきた。
その体温がやけに温かくて、気付けば背中に手を回してしまっていた。
既に呼吸の安定している背中を撫でながら、優しく抱き締めると、ぎゅうっと強く抱き付いてきて。
「…幸せ、俺望月くんのこと好きって気付けたからあの不良たちに感謝しないとな」
「……あんな奴らに感謝すんな」
「ふふ」
これ以上は俺がおかしくなりそうなので、グッと体を引き離した。
あまり背丈の変わらない俺の隣に立つ瀬野は、ちゅっとキスしてきた。
「……は?」
「俺のファーストキス。所有物なんだから、主人が受け取ってよ」
ニタっと笑う顔に腹が立ち、壁に思いっきり体を叩きつけて、俺から深いキスをした。
「所有物が勝手に動くなよ。俺から全部する」
噛み付くようにキスすると、めちゃくちゃ嬉しそうに受け入れる顔。コイツの思い通りになって悔しいが、俺からしないと気が済まない。
舌を絡ませて暫く唾液とお互いの呼吸が絡み合う音が響きながら、長い時間キスをした。
力が入らなくなった瀬野の腰を支えながらやめてとトントン体を叩かれた辺りで唇を離すと、瀬野はペタリと床に崩れ落ちた。
「ふぁぁ…苦しい…でも幸せぇぇ…」
相変わらずドM気質な表情と感想。
歪んだ顔を見たいと始めたこの行為は、別の方向へ進んでしまったが、俺はこの関係を築けたことを後悔していない。
袖で唇を拭いて立ち去ろうとしたら、また立ち上がって俺についてきた。
「喉渇いた。二回したからミルクティーもう一つ買って。俺もカフェオレ買うから」
「…ついてくんな」
そう言いながら自販機に向かう俺。
嬉しそうについてくる瀬野。
悔しいがカフェオレを飲みたかったので、要望通りいつも購入するミルクティーを渡すと、ありがとうと笑顔でそれを受け取り、瀬野は代わりに俺の好きなカフェオレを渡してくれた。
「…」
その日飲んだカフェオレは今まで飲んだ中で一番美味しかった。
なんて、思う自分はどうかしている。
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