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そこからの俺は新幹線より早かった。
もう次の保護対象を見つけた俺は命懸けで仕事をこなし、怪我した魔物を癒し、部下に負担をかけないように動いた。

「アーロ~!!」
「どうかいたしましたか?魔王様。」

「よく来たアーロン!!」

ブワァッサッ!と勢いよく上品に現れたのは長い紫の髪を緩く結んだ片眼鏡の執事ならぬ俺の右腕アーロン。

種族は悪魔らしいけど、悪魔は悪魔でも上位種で、中々なれない魔王の右腕を殺し合いで勝ち取ったんだとか何とか…

「アーロン、しばらく俺は城を留守にするから、その間の総監をアーロンに任せたいんだ、頼める?」
「しばらく…ですか、それはどれ程……」
「ん~…人間の子供が4年歳とる…位かな」
「人の子が…ですか。」

ここで魔族と人族の違いがでる、魔族は人間で言う1歳…つまり1年が体感1ヶ月程なのだ。

これは前前前魔王の残した日記でこの前知った事、前前前魔王は仕事をする人だったけど、俺の前の魔王はとんでもなく堕落した人だったらしい、だからすぐ勇者に討伐されたっていうね。

俺が魔王になったからには最上級の訓練を皆に分けてギリギリまでは生きるつもりだよ。

「その程度でしたら大丈夫ですね…その間の訓練はどのように…」
「それもアーロンに任せるよ、魔王になって全然だけど、アーロンは信頼してるし物覚えも良い、きっと俺より凄い予定を建てれるよ。」
「……魔王様…!」

うんうん…辛かったなぁアーロン…俺が居ない間羽を伸ばしてくれ…

「…魔王様、もう行かれるのですか?」
「うん?まぁね、なるべく早い内に行った方がいいから!じゃあよろしく!」

さらばだ!と言わんばかりの炎に包まれて城を後にする、俺ってば魔王になったから基礎体力だの知力だの魔力だのが高い。

そこにプラスして死ぬ気の特訓をした甲斐があり、能力値がカンスト、だから俺最強なんだよね。

「さぁ~てと…まってろよ勇者~」

う…お腹空かしてないと良いけど…

魔国の森を抜けるとそこはもう人族の住処、いわゆる辺境の地って所。

第1兵はこの辺り担当だから、勇者たちもここに居るとは思うんだけど…

さすがにふわふわ浮いてるだけじゃ掴めないな…勇者の魔力が見えればいいんだけど…

魔族じゃないからなぁ…

魔力があるのは魔族だけ、それは俺がこの世界に来た時からの共通認識だった。

普通、異世界ったら皆魔法使えるみたいな感じだと思うだろ?違うんだなこれが…

人間には魔力がないんだ。
だからずっと魔族が優位にたってたんだけど、世界のバランスを保つ為に魔族と対になる精霊族が人間に力を貸した。

まぁ大事なのはって所、精霊族と魔族はめちゃくちゃ仲良いし…

っと違う違う、魔力の話だ。
だから人間は魔法を使う時精霊の力を借りる、これらは精霊魔法と呼ばれて精霊と契約を結んだ人のみがつかえるんだ。

まぁ…人族側の事情を簡単にまとめると、魔族は最低な事をしてる!!倒したいけど強い魔族には敵わない!じゃあ魔族と対立してる精霊族に力を借りよう!

っていうね…魔王ナニモシテナイノニ…

まぁいいや、とりあえず認識阻害と隠密入れて勇者パーティと合流合流!




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村本誠一郎  (25)

職業・魔王
身長・176cm
HP・不死身MP・上限なし

概要・日本からの転移者、これまでの魔王より優秀で、よく動きよく気付く。
幼い頃はキッズモデルだった。

不老不死
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