異世界では人並みに幸せになれますように

24

カイルに手を引かれて廊下を歩いていると後ろの方から誰かが走って来る足音と、
カイルを呼ぶ声が聞こえてきた。


「カイル皇子ー皇子ーこんな所にいましたの？
　もー探したんですのよー今日は王宮に居るって聞いたのにー酷いですわー」


後ろを向くと、ピンク色のふわふわした髪、茶目のカイルと同じ位の可愛い女の子がカイルに話し掛けてきていた。


カイルは私を自分の後ろに隠す用にその女の子の方を向いた。


「チッ、、、これはこれはカーリット嬢如何しました？私は今客人を案内中なのですが」


カイル今舌打ちした？エッ何で！？私はチョット驚いてしまったけど、
そんな事は気にしていないと言うか聞こえていないみたいで、その女の子は話し出した。


「カイル皇子嫌ですわ、ベーニーと呼んで下さいって何時も言ってるではないですか、客人ですの？
　私にもご紹介して頂きたいですわ」


「カーリット嬢に紹介する様な方では有りません失礼する」


カイルが向きを変えて私の手を引いて歩こうとした、何か顔は笑顔だけど、カイルが怒ってる用に見えるんだけど気のせいかな？


「酷いですわ、私はただカイル皇子に会えたので嬉しかっただけですのに、、、グスッ」
カーリット令嬢はカイル皇子の服を掴んで目に涙をためた。


「ハァー、何か用ですか？」


カーリット令嬢はカイル皇子に話し掛けられるとパァーと笑顔になり、
「お父様と一緒に来たのですけどお父様は国王様とお話しがあるみたいで、私1人で寂しくって、
　それで今日はカイル皇子が王宮にいらっしゃるって聞いて、、、お会いしたかったのです」

カーリット令嬢は頬を染めて恥ずかしそうにモジモジしていた、私は何か女の子だなぁーと思い、


「カイ、、、でんか、わたしはままちゃまのところにもどりますので、だいじょうぶなので」
カーリット令嬢とどうぞと言おうとしたけど途中で、


「駄目だ、リアは気にしないで良い、カーリット嬢もう良いだろうか、失礼するよ」


「エッ！そんなー酷いですわ、あっ！そちらの方が客人ですの？ご紹介して頂きたいですわ、
　私はカーリット公爵の娘カーリット、ベーニーですわ」


挨拶されたら挨拶しないとだよね？と私は思いカイルを見上げるとカイルは溜息を吐きつつ首を縦に振った。


「あむるりあ、てれじょんです」
ぺこっと頭を下げた。


「テレジョン、、、テレジョン大公？まぁー大公令嬢でしたの、これは失礼致しましたわ、
　でも、良いですわよね？お友達になりたいですわ女の子同士仲良くしましょ、
　アムルリアって呼ばせて下さいね、私もベーニーと呼んで下さいませ」


「あっはい」
今お友達って言ったよね？お友達！私は初めての女の子のお友達！お友達！嬉しい！私は嬉しくなってしまった、
そんな私を見てカイルは呆れた顔で見ていたけど私は知らない。


「カイル皇子私もアムルリアとお友達になりましたわ、ですのでご一緒しても宜しいですよね？
　何方に行かれるのです？」


「あっ？あー私の部屋だが」


「まぁーそうでしたの？せっかくお会い出来て直ぐにお別れ何て寂しいと思いますの、
　私もお喋りしたいですわ、ねっ良いでしょ？アムルリア行きましょう」


私が返事をする間もなくベーニーはカイル皇子の手を引いてカイルと廊下を歩いて行く、
私もせっかくのお友達だし、お喋りしたいなぁーと思い急いで付いて行く事にした。