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「初めましてですねアムルリアお嬢様、私はセラフィムと申します」


「えっと、セラフィムさん?」


「はい、さんなどといりません。
 もう少ししましたらお迎えがいらっしゃいますので少し此処でお待ちくださいね、
 坊主えっとジルだったか?良くお嬢様を護ったな後は任せろ、
 もう少しお嬢様のお世話を頼むぞ」


「ああ、分かってるよ」


「フッ、お嬢様少し失礼致します」


そう言うとセラフィムさんはラルクや副神殿長と水色ローブの人達の何処に向かって行ってしまった。
いきなり現れた人を呼び捨てに何て出来ないよ、
でも何だろう?誰かに似ている、、、誰なんだろう?


「ラルクリム様お嬢様は無事です、後は私に任せて頂けないでしょうか?」
セラフィムさんがラルクに話し掛けた。


「お前はずっとアムルに付いていた奴だな、やっと姿を見せたか」


「ハハッやっぱりバレていましたね、セラフィムと申します、
 ラルクリム様が暴れるとお嬢様にも被害が及びます、それに私もかなり怒っています」


「フンッお前の怒りなど知らん!が、、、アムルに被害が出るのは困るからな任せてやる」


「有難うございます、ではお前達覚悟はいいな」


ラルクが大人しくなるとセラフィムが攻撃を始めた。


一瞬だった、凄い強かったセラフィムさん。


あっという間に水色ローブの人達が倒されて残るは副神殿長だけになった、
そしてセラフィムが副神殿長の目の前に行くと副神殿長は腰を抜かしながらも叫んだ。


「私、私に何かあってはただでは済まないぞ!お前だって如何なるか!」


「おやおや、如何なるんですか?私よりも自分の事を考えた方がいいですよ、
 お嬢様やラルクリム様に危害を加えようとしていたのですからね」


「煩い!煩い!私は此処神殿の副神殿長だぞ!私に逆らうなんてあってはならない事だっ!」


「言いたい事はそれだけですか?では覚悟して下さい」
ポキッポキッとセラフィムは自分の指を鳴らした。


「待て!待て!金か!?金ならやる地位もやる!だから、だから私を見逃せ!」


「あー金ねーそれに地位かー」


「そっそうだ!悪い話しでは無いだろ!?だから!」


「いらねーよそんなもん、もう今のままで満足してるんだよ!」


「なっ!やめてくれーーー!!」


セラフィムが副神殿長を攻撃する時に誰かがセラフィムの手を掴んで止めた。


「そこまでだセラフィム、アムルリアお嬢様が観ている止めろ」


止めたのは此処にはいない筈のジョーンだった。


「あーあー大丈夫だと思っていたけど此処までするとは、セラフィム大分お怒りだったみたいだね」


そして此処にはいない筈のお兄様が部屋に入って来た。


「おにいちゃま!」
私はお兄様を見つけると無意識にお兄様に駆け寄った。


「アムル!」
お兄様も私を見つけ駆け寄る私を抱きしめて抱っこしてくれた。


「アムル、悪い子だね1人で神殿に来るなんて、心配したじゃないか怪我は無い?」
お兄様は優しく私を抱き締めてくれた。


「うん、だいじょうぶグスッ、ごめんなさいグスッおにいちゃま~えぇ~んぅ~」
私はお兄様にギュッと抱き付いて泣いてしまった泣く気は無いのに、、、
何だか神殿に来てから気持ちが乱れてる。


「良かった、アムルに何かあったら僕もセラフィム以上になってたと思うけどね」
お兄様は優しく私の背中を撫でてくれた。


「本当に、ラルクリム様自重してくださいって父上が言いませんでしたか?」


うん!?この声はカイル?



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