異世界では人並みに幸せになれますように

112(スクイズ視点)

僕は父様の言っている事が初めは理解出来なかったけど、
聞いている内に僕にしか出来無い事が分かった。


「スクイズ如何だ？お前にしか出来無い事なのだが出来るか？」


出来るか？ですと！誰に言っているんですか父様。


「出来無い筈が無いでは無いですか、僕はテレジョン大公家嫡男アムルの兄ですよ？
　出来無いとお思いですか父様」


僕は微笑んで答えた。


「あっうんそうだな、、、可愛いスクイズが段々とアリシアに似てきたな、、、」


「如何しました？父様」
父様が何かぶつぶつと言っていたけど聞こえなかった。


「イヤ良しスクイズアムルリアが出発する迄には舞踏会の準備を終わらせ、
　アムルリアが出掛けて居る内に始末をしてしまおう忙しくなるがやるぞ」


「はい父様」


僕はアムルを傷付ける者は許さない必ずアムルが安心して帰ってこれる用に準備に取り掛かった。


でもやっぱりアムルが出発の時には行かせたくなくてアムルの初めての旅にカイルが一緒と言うのが嫌で、
一緒に行きたくなってしまった、、、辛いカイルが羨ましい、、、。


絶対にカイルには気お付けろとセラフィムには何回も言ってしまった。


僕は父様に言われた通りには行動しなかった、
父様の上をいかないと僕がカイルに負けだと思ってしまうからだ僕はアムルの兄だ！
僕寄りも弱く頭の悪い奴にはアムルは任せられない！
誰にも負けちゃ駄目！カイルにも負けちゃ駄目なんだ！


僕がそんな事を考えながらアムルが出発しその後父様と一緒に王宮の廊下を歩いて居ると、
前から小太りの人が早足で近付いて来た。


「大公殿！大公殿！此方に居ましたか少し話しを良いですかな？」


「これはこれはカーリット公爵殿そんなに慌てて如何されました？」


僕は直ぐに頭の中でこの人物が誰か考える、、、カーリット公爵、、、
ああー前にカイルにちょっかいを掛けて居るベーニー嬢の父か、、、この方が、、、ふぅーん。


「あー少し噂を聞いたのだがカイル殿下が隣国へ行っていると、、、
　それでだな今度の舞踏会には帰って来れない用な話しを聞いたのだが、、、どう何だと誠か？大公殿」


カイルが間に合わ無いとどうなるのだ？
と考えふっと公爵の後ろを見ると壁に隠れて居る令嬢が目に入った、、、
あぁーなる程、、、父様は素直に答えるのか？僕はチラッと父様を見る。


「公爵殿私もその話は聞いてみたいものですな、いったい誰がその用に噂をしていたのです？」


「いやいや大公殿が知らないので有れば良いのですよ済まい突然、、、では私は失礼しますよ」


父様が話す前に公爵は足早に僕達の前から立ち去って行った。


「父様、、、」


「スクイズ、、、厄介な事になりそうだな」


「えっ？」


僕はただ単に公爵が娘の為に行動を起こしたと思っているんだけど、、、
父様の考えは違うみたいだ、僕は何を見逃している？
僕は悔しくて俯いてしまった。


「スクイズ家に帰ったら父の話しを聞いてくれ、
　それまでは考えると良いそして周りを見て又考えろ、
　では今日の仕事も素早く終わらせるかー」


そう言うと父様は王宮の中の自分の執務室に向かい歩き出した、
僕も急いで父様の後を追う。


ああー僕はまだまだ父様には敵わないのか、、、
でも！僕は僕の出来る事をする！アムルが無事に帰って来れる用に！
僕は負けないよ。


だからアムル帰ってきてね。