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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事
179★追加で和輝が作ったプリンアラモードを食べました
しおりを挟む桜の言葉に、和輝はちょっと頭をポリポリと掻いてから聞く。
「桜、風呂には入ったか?
本邸で入ってきて無いなら
シャワーくらいは浴びてこい
フリスビーして汗をかいたろう
それから、冷蔵庫のおやつを
食べたんだから、歯磨きしろよ」
何時も妹達に確認するように、桜にそう言ってから、和輝はリビングのキッチンにまわり、ガバッと冷蔵庫の扉を開いて、桜が何を食べたかを確認する。
へぇ~…全種類食べたのか……
普通タイプのプリン以外の
プリンは一回り小さい容器で
作っておいたけど
レアチーズケーキも減ってるな
桜にしちゃ…よく食べたな
どれ、俺も1つ食べるかな
頭を使ったから、脳内に
栄養補給ってことで………
ここはやっぱりプリンかな?
そう思った和輝はプリンを手にとり、飾り用のカットフルーツと生クリームも手に取る。
そして、ガラスの皿にプリンを盛り付け、バナナやイチゴを添えて、生クリームで飾り付け、その上に彩りの良いラズベリーとブルーベリーをチョンチョンとおいていく。
ラストに、チョコレートを置いて、綺麗なプリンアラモードの出来上がりである。
完成したソレを見た桜が、和輝の背中にベタッと張り付いて言う。
「桜も、ソレ食べたい」
「眠かったんじゃないのか?
それに、さっき食べただろう
全種類食べたろう?
これ以上食べたら
腹、壊さないか?」
和輝の言葉に、桜はペロッと舌を出して言う。
「今は、ある事情で、こんな風に
身体が、極端に弱ってしまって
いるけど………
桜は、食べ過ぎてお腹を壊した
コトなんてないわよ
だから、平気よ
それよりも、和輝が飾った
ソレを、桜は食べたいの」
妹達と変わらないような、桜の要求に和輝は笑う。
「良いけどなぁ……腹を壊しても
俺のセイにするなよ…ほら……」
そう言って、綺麗に飾りつけたプリンアラモードの皿を桜に手渡す。
見るからに食の細い桜を手っ取り早く太らせるには、炭水化物を多く摂取させる必要があった。
和輝から皿を受け取った桜は、それをテーブルへと運ぶ。
桜が自分の側から離れたのを確認し、和輝は冷蔵庫から材料を出して、手早くもう一度同じモノを作り上げる。
新たなプリンアラモードを持って、桜の前に座った和輝に、たった今いれた紅茶のカップを差し出す。
「サンキュー……桜…
そんじゃ…生クリームが
溶ける前に食べるか……」
「…うん……」
嬉しそうに食べる桜を見ながら、和輝も同じように食べていく。
口の中に広がる甘さと、果物が持つ微かな酸味を堪能しながら、和輝はペロリッと食べる。
ほとんど同時に食べ終わった桜は、スクッと立ち上がる。
「シャワー浴びて来る
和輝は?」
「俺は、さっきあっちで
浴びたからな
パジャマに着替えるだけで
良いんだ」
それを聞いた桜は、それ以上和輝に絡むコトなく浴室のある脱衣所へと消えた。
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