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051★もしかして、団長と副団長って‥‥‥ドレスが売れそうです
しおりを挟むセシリアは、都合の悪い部分をガッツリと削りながらも、クリスタリア王国で起こったコトを説明した。
その際に、謎の神殿に跳ばされたコトも説明し、魔晶石を手に入れたコトや、扇が起動キーになっているコトを抜いて、神殿の中を彷徨ったという話しもした。
もちろん、今自分が大事に抱えている繭は、ソコの祭壇に安置されていたモノと言うコトにして‥‥‥。
実際は、深紅の髪のかなり綺麗な青年(だぶん幻影)と共に、水晶柱に《封印》されていたのだが、真実をそこまで語る必要は無いと勝手に判断して、そこは伏せたセシリアだった。
「‥‥‥と、まぁ‥こういう感じで
やっと神殿から出られたので
とにかく、ひと気を探索して
その多い方に来たら‥‥‥」
「ここだったというコトですか?」
「はい、メラルク副団長」
今、セシリアに起こったコトを聞いているのは、この魔の森側の門を管轄とする騎士団のメラルク副団長だったりする。
副団長の自己紹介は、かなり簡潔だった。
ただ、メラルク男爵の長女であり、名をイリス。
この門を警護する騎士団の副団長というコトだけだった。
そして、その隣りに座るのがグランツ団長で、名はラウドというコトと、クラウスタ公爵家の分家のひとつグランツ伯爵家の次男だという自己紹介をされていた。
「事情は、だいたいわかりました
今、騎士団員を、貴女の言った
謎の神殿へと調査に行かせました
とりあえず、存在確認をするまで
ここに居て下さい
それと、何かご要望はありますか?」
セシリアは、ちょっと考えてから言う。
「あのぉ‥‥その‥‥このドレスを
買い取ってもらえませんか?
なんにしても当座の生活資金も
必要でしょうし‥‥‥
なにより、動き易い男物の服が
欲しいんです
もう、家に縛られるつもりは
ありませんので‥‥‥
冒険者になりたいんです
ずっと、義父母達に、家の中に
押し込められていたから‥‥‥」
ちょっと創作を入れた家庭の事情も聞かされていたので、メラルク副団長は頷く。
「わかりました‥‥‥」
と、言ったところでグランツ団長が言う。
「それじゃ、そのドレスを
買い取ろう
見たところ、小さいが
まだ魔石の力は残っている
いや、ほとんど魔石の力が
使われていないからな‥‥‥
しかし、ちと惜しいよなぁ~
もう少し大きければ‥‥‥
イリス‥‥お前に、コレを
着せられたのになぁ‥‥」
至極残念そうに言うグランツ団長に、メラルク副団長はファーストネーム呼びされたコトもあって、薄っすらと頬を染めながらも、ちょっとそっぽを向いて言う。
「馬鹿なコト言わないで下さい
だいいち、私には似合いませんよ」
そんなやりとりを降る2人に、セシリアはオズオズと恥ずかしそうに言う。
「あのぉ~‥‥‥着れますよ
だって、このドレス‥‥‥
さっき言った事情もあって
詰めたりする時間も手間も
何にも無かったので‥‥‥
腰の部分のリボンを3本使って
ごまかしてあるだけなので‥‥‥
それに、逃げられる機会が
有ったらと‥‥‥ドレス下に
ワンピースを着ているので‥‥‥
脱ぐのを手伝って下さるらな
今すぐにでもお渡しできますが‥‥‥
流石に、侍女に脱ぎ着を
手伝ってもらわないとダメな
ドレスなんで‥‥‥
特に背中の方‥‥手が届かなくて‥‥‥」
切実に、ハイオシス帝国領内で使用されている貨幣が欲しいと思っているセシリアは、そう提案してみた。
ソレを聞いたグランツ団長が、嬉々として言う。
「よし、イリス手伝ってやれよ
お前がソレを着れるなら
着たところを見てみたい」
と、すっかり乗り気になってしまい、メラルク副団長は頭が痛いという風情を装いつつも、チラチラとセシリアの着るドレスを見ていた。
どうやら、本当は着てみたいらしい。
「わかりました
では少し待って下さい」
そう言って、談話室?のドアまで行き、メラルク副団長は自分付きの副官(家の侍従の息子)に声を掛け、セシリアを指差して、自分の若い頃の男装服を持って来るよう指示するのだった。
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