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2 夜会にて
しおりを挟むある日の親友のカーリン・リュオマ侯爵夫人と参加した夜会での事。
リスベスは父親の友人から最近留学から帰ってきた魔術の話ができる男性を紹介された。
話も弾み久しぶりの手応えに浮かれていたリスベスだったが、カーリンと別れお花摘みに行った帰りにその男性と友人達がバルコニーに出ていくのを見つけた。
リスベスは声を掛けようと近づいたがその友人の一言で凍り付いた。
「なぁ、噂のヴァートレンの令嬢と盛り上がっていたな」
そのからかいの言葉に男性が馬鹿にしたように鼻で笑いながら返す。
「いやぁ、あれはナイよ」
「なんでナイのさ?」
「社交辞令レベルで軽く口説いてるのに、どんどん目がマジになってきて手に触れようとしただけで、びくびくしてるんだぜ? あれ絶対処女だぜ? それに俺は幼女趣味はない!」
「あー。それは色々めんどくさいな」
「だろ? 一部の好き者が喜びそうな外見だし処女だろ? いくら侯爵家とのつながりができるからって、面倒臭いぜ」
「おやおや、処女狩り好きじゃなかったか?」
「宗旨替えしたんだよ。あの女が親巻き込んできたせいでな。最近の処女は押しが強くてかなわん」
「あーあの令嬢ね。お前逃げるの大変だったよな」
「おかげでするつもりもなかった留学する羽目になって本命に逃げられちゃったからな」
「ハハハ、自業自得じゃないか?」
「それを言うならお前だって……」
酔っぱらって下品に笑う男達。酔った男が集まったらエロ話。それはどこの世界でも変わらない。普通ならそんな男に捕まらなくて良かったと思うだろう。
しかしその出来事はリスベスをとんでもない考えに追いやってしまった。
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