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第三部 宰相閣下の婚約者
813 王女様のブレンドティー
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翌朝。
朝食の後早速、ユリア大公夫人による「ミルテ王女の紅茶ブランド」設立のための本格紅茶教室が開催されることになった。
先だってのエリィ義母様による「淑女の為の紅茶教室」は、本当に基礎の基礎、しかもまだ第一回でしかなかったため、私自身はアンジェス国の茶葉の種類と茶園の話くらいしか分かっていないのだけれど、今回はあくまで「ミルテ王女のため」の紅茶教室。
アンジェスにおける主要茶葉と茶園の話だけは復習になったけれど、そこから先はレベルが上がるのも致し方ないと言うべきだった。
いや、味の違いが――との話になれば、ギーレンで王妃教育を受けていたシャルリーヌも相当なものだろうし、私だけが遅れていると言った方が正しい。
素知らぬ顔で話を聞いていなければいけないのは、なかなかに辛いものがあった。
「分かっていても、分からなくても、あからさまに表情に出してはいけませんわ、ミルテ様。前向きに学ぼうとする姿勢を前面に出されませ」
多分ユリア夫人の発言は、王女へのものであると同時に、私へのものでもある。
ゆっくりと目を閉じて、また開いて、私は発言への理解を夫人へと示した。
「商人が持ってくる茶葉をそのまま使用する家も、もちろんあるのだけれど、中にはその家の料理人だったり、こだわりの強い女主人だったりが来訪者の好みやその土地の水質に合わせたオリジナルブレンドを作ったりもしますのよ?」
お茶は水質によって抽出具合も変わるとかで、その土地に合わせてブレンド内容を変えるなどの工夫も珍しくはないらしい。
「ですからね? ここで気に入ったブレンドがもし作れたとしても、バリエンダール王宮では最適な抽出時間を再度探ることをお勧めしますわ。王太子殿下の結婚式で振舞うおつもりでしたら、あちらの水を使うことになるわけですから……ね?」
「なるほど! 分かりました、ユリアお祖母さま!」
高位貴族の邸宅だけあって、羊皮紙と羽根ペンに関しても当たり前のように用意がある。
ミルテ王女は、ユリア夫人の話を聞きながら、そこに一生懸命あれこれと書き込んでいた。
「とはいえ、まずは今あるブレンドの確認ですわね。ミルテ様は、今のままではまだ納得されていないということなのでしょう?」
「は、はい。バリエンダール国の王太子殿下の婚姻を祝うに相応しい味だと、そういう特徴が足りないのではないかと……」
どうやら試飲の段階で、美味しいと褒めてくれた王の陰で、ミラン王太子が「うん、ちゃんと飲める味だ」と、微妙な言い方をしたらしいのだ。
飲める味=普通=特徴がない。
そんな風に考えたミルテ王女の悩みは深い。
ゲーム〝蘇芳戦記〟では、シスコンを拗らせて闇落ちする側面を潜ませていたミラン王太子だけれど、現実世界では甘やかすばかりではない「兄」であるようだ。
「ユリアお祖母さまは、どうやって好みの茶葉を整えていらっしゃるのですか?」
「そうねぇ……」
問いかける王女の表情は真剣だ。
ユリア夫人も、茶化すことなく真面目な表情で首を傾げていた。
「ベースとなるお茶、メインとなる味のブレンドはあるようだから……あとは、アクセントの味と彩りかしら。ああ、メインとなる味の素材を減らした方がいいかも知れないわ」
「え?」
「メインが二種類以上あると、味が安定しにくいのよ。そこは一種類にして、代わりにアクセントの味として香りづけをする方がいいのではないかしらね」
「味の安定」
「きっとミラン殿下は、その味の不安定さに気が付かれたのではないかしら。あくまで想像ですけれど」
例えば、身体を温める作用があるハーブに、自分が好きだからとラベンダーの香りを付けたい……と、想像するよう夫人に言われて――思わず眉間に皺が寄ってしまった。
なるほど、明らかに素材同士がケンカをしそうだ。
そこに更に香りづけとなる素材を足すのだから、尚更だろう。
ユリア夫人の説明はとても分かりやすいし、ミルテ王女も単に王太子と婚約者の好きな味や香りをかけ合わせるだけでは、どうしようもないと気が付いたみたいだった。
「あのっ、では、身体を温める作用があるハーブを残すとすれば、アクセントには何が合うのでしょうか……?」
正直私は茶葉の香りだけで材料を当てるような器用な真似は出来ない。
けれど隣でシャルリーヌが教えてくれたところによると、ジンジャーとシナモンがケンカをしている状態なのだと言う。
「え、でもシナモンジンジャーミルクティーとかあるんじゃ――」
言いかけた私は、ミルテ王女とユリア夫人の視線を受けて、口を閉ざした。
「……ないんですか?」
「ミルクが入ると紅茶の味もまた変わりますからね……主流の飲み方ではないかも知れないわ」
「このブレンドにミルクを入れてみたことはありませんでした……」
じゃあ、このままミルクティーにして試してみてもいいのでは? と思ったけれど、それにはシャルリーヌが待ったをかけた。
「王宮でふるまわれるのであれば、その飲み方は二次的な楽しみとして提案するくらいの方がいいですわ。いずれにせよ、今のハーブの配合の割合は変えた方がいいと思いますし」
公式の場では、あくまでストレートティーが好まれるらしい。
「じゃあ……アップルジンジャーティーとか?」
あくまでジンジャーを残すのであれば、アクセントとして合いそうなのは、りんごだろう。
「シナモンを残して、カカオをアクセントにするのは、アンジェス国で既にブレンドされて出されているもの。バリエンダールならではの茶葉にはならないと思うわ」
私はまだ飲んでいないけれど、王都にあるフォルシアン公爵家経営のカフェで見たことはある。多少の配合は違えど、王家の側が二番煎じと思われるわけにはいかないはずだ。
「そうね……でもそうなると、彩り用の花を合わせるのが難しいかも。それなら、オレンジとマリーゴールドを足す方がいいんじゃないかしら。だって、以前にとある紅茶専門店で見たことがあるもの」
どうやらシャルリーヌさん、ラクダのシルエットイラストで有名な紅茶専門店で、オレンジ&ジンジャーティーというのをかつて口にしたことがあるらしい。
なるほどあのお店で売られていたことがあるなら、味としては失敗はないだろうし、こちらの国で何番煎じという話にもならないだろうと、私も思った。
「あら、いいわね。オレンジというよりオレンジピールでしょうね、この場合は。確かにマリーゴールドと合わせれば見た目も華やかになっていいかも知れないわ」
「オ、オレンジもマリーゴールドも国で手に入りますわ!」
私たちの話の成り行きを見ていたミルテ王女が「ハイ!」と言わんばかりに片手を上げた。
「ユリアお祖母さま、ここで試せますか⁉」
「もちろんですわ、ミルテ様。ですが、ブレンド前のバリエンダールの茶園の茶葉はお持ち?」
「はい。納得のいく味にならないのは、割合の問題かも知れないと思っていましたから、ここで色々試してみようと、ブレンド前の茶葉も持って来ました!」
「そう。ジンジャーとオレンジピールとマリーゴールドはもちろんありますけれど、オレンジピールも……バリエンダール王宮の味を再現した方がいいでしょうねぇ」
オレンジの皮の薄さ、砂糖漬けにする場合の濃さ。これだって各家に違いがあると言っていい。
そこはミルテ王女に試食して貰いながら、王家の味に近いものをアンディション侯爵邸内で作り出して貰うことになった。
「どうやら、方向性が見えてきたわねぇ……」
やれやれ良かった、といった風にシャルリーヌが息をつき、私も思わず頷いていた。
そうしてこの日は、ミルテ王女が納得するまで、茶葉とジンジャーとオレンジピールとマリーゴールドの配合が繰り返された。
「じゃあこれで、明日、サイアス様にも試飲いただきましょう!」
最後そう言ってシャルリーヌがカップを掲げた時には、既に日は西へと傾いていた。
「……さすがにお腹が水膨れよ……」
夕食は必要最低限。
何なら敷地内もちょっと散歩して、皆、明日に備えることになった。
「ギーレン国からのお客様だったわね?」
多分明日になれば分かることではあるのだけれど、ここは笑ってごまかしておく。
「はい。ユングベリ商会として取引の必要があったので、難しい時期であることは承知の上で約束を取り付けました。大丈夫です。ここで見たことをおいそれと吹聴されるような方でないことは断言できます」
「私も断言いたしますわ」
私の隣でシャルリーヌもグッと拳を握っている。
シャルリーヌのラハデ公爵贔屓は結構なものだ。とはいえ、ラハデ公爵の為人に関しては、潔癖もいいところだろうと私も思っている。
筆頭公爵家当主としての非情さはあれど、不正があれば、堂々と正面から叩き潰すであろうタイプの人だ。
そこは、エヴェリーナ妃よりも遥かに行動が読みやすい。
「そう……まあ、イデオン公爵閣下が拒否されていないことを思えば、こちらとしてもお招きするしかないわけなのだけれど……」
「ご迷惑はかけません」
多分、という言葉はここでは呑みこむ。
物理的に狙われるような何かは、ラハデ公爵が来ることによって起きるとは思えないけれど、後々多大な影響を及ぼすことにならないとは言えないからだ。
「あくまで商談ですから」
――私は、嘘は言っていません。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
いつも読んで下さり、有難うございます!
すみません、ラハデ公爵の来訪に関して808話で「明後日の午前」と書いていたのをうっかり見落としてしまっていました!
ご指摘有難うございます m(_ _)m 812話の方を修正しまして、改めて次話を「明日の午前」として話を始めます!
その次話は、もっと短いスパンで掲載したいと思ってますので……(。-人-。)
【その他お知らせ】
11/19(水)から、コミカライズ版の連載が再開となりました!
https://www.alphapolis.co.jp/manga/official/54000568
引き続き応援よろしくお願いします!m(_ _)m
また、他社作品ではありますが書き下ろし小説も配信&Amazon POD開始となっています。
詳しくは近況ボードをご覧いただき、併せて宜しくお願い致します……!
朝食の後早速、ユリア大公夫人による「ミルテ王女の紅茶ブランド」設立のための本格紅茶教室が開催されることになった。
先だってのエリィ義母様による「淑女の為の紅茶教室」は、本当に基礎の基礎、しかもまだ第一回でしかなかったため、私自身はアンジェス国の茶葉の種類と茶園の話くらいしか分かっていないのだけれど、今回はあくまで「ミルテ王女のため」の紅茶教室。
アンジェスにおける主要茶葉と茶園の話だけは復習になったけれど、そこから先はレベルが上がるのも致し方ないと言うべきだった。
いや、味の違いが――との話になれば、ギーレンで王妃教育を受けていたシャルリーヌも相当なものだろうし、私だけが遅れていると言った方が正しい。
素知らぬ顔で話を聞いていなければいけないのは、なかなかに辛いものがあった。
「分かっていても、分からなくても、あからさまに表情に出してはいけませんわ、ミルテ様。前向きに学ぼうとする姿勢を前面に出されませ」
多分ユリア夫人の発言は、王女へのものであると同時に、私へのものでもある。
ゆっくりと目を閉じて、また開いて、私は発言への理解を夫人へと示した。
「商人が持ってくる茶葉をそのまま使用する家も、もちろんあるのだけれど、中にはその家の料理人だったり、こだわりの強い女主人だったりが来訪者の好みやその土地の水質に合わせたオリジナルブレンドを作ったりもしますのよ?」
お茶は水質によって抽出具合も変わるとかで、その土地に合わせてブレンド内容を変えるなどの工夫も珍しくはないらしい。
「ですからね? ここで気に入ったブレンドがもし作れたとしても、バリエンダール王宮では最適な抽出時間を再度探ることをお勧めしますわ。王太子殿下の結婚式で振舞うおつもりでしたら、あちらの水を使うことになるわけですから……ね?」
「なるほど! 分かりました、ユリアお祖母さま!」
高位貴族の邸宅だけあって、羊皮紙と羽根ペンに関しても当たり前のように用意がある。
ミルテ王女は、ユリア夫人の話を聞きながら、そこに一生懸命あれこれと書き込んでいた。
「とはいえ、まずは今あるブレンドの確認ですわね。ミルテ様は、今のままではまだ納得されていないということなのでしょう?」
「は、はい。バリエンダール国の王太子殿下の婚姻を祝うに相応しい味だと、そういう特徴が足りないのではないかと……」
どうやら試飲の段階で、美味しいと褒めてくれた王の陰で、ミラン王太子が「うん、ちゃんと飲める味だ」と、微妙な言い方をしたらしいのだ。
飲める味=普通=特徴がない。
そんな風に考えたミルテ王女の悩みは深い。
ゲーム〝蘇芳戦記〟では、シスコンを拗らせて闇落ちする側面を潜ませていたミラン王太子だけれど、現実世界では甘やかすばかりではない「兄」であるようだ。
「ユリアお祖母さまは、どうやって好みの茶葉を整えていらっしゃるのですか?」
「そうねぇ……」
問いかける王女の表情は真剣だ。
ユリア夫人も、茶化すことなく真面目な表情で首を傾げていた。
「ベースとなるお茶、メインとなる味のブレンドはあるようだから……あとは、アクセントの味と彩りかしら。ああ、メインとなる味の素材を減らした方がいいかも知れないわ」
「え?」
「メインが二種類以上あると、味が安定しにくいのよ。そこは一種類にして、代わりにアクセントの味として香りづけをする方がいいのではないかしらね」
「味の安定」
「きっとミラン殿下は、その味の不安定さに気が付かれたのではないかしら。あくまで想像ですけれど」
例えば、身体を温める作用があるハーブに、自分が好きだからとラベンダーの香りを付けたい……と、想像するよう夫人に言われて――思わず眉間に皺が寄ってしまった。
なるほど、明らかに素材同士がケンカをしそうだ。
そこに更に香りづけとなる素材を足すのだから、尚更だろう。
ユリア夫人の説明はとても分かりやすいし、ミルテ王女も単に王太子と婚約者の好きな味や香りをかけ合わせるだけでは、どうしようもないと気が付いたみたいだった。
「あのっ、では、身体を温める作用があるハーブを残すとすれば、アクセントには何が合うのでしょうか……?」
正直私は茶葉の香りだけで材料を当てるような器用な真似は出来ない。
けれど隣でシャルリーヌが教えてくれたところによると、ジンジャーとシナモンがケンカをしている状態なのだと言う。
「え、でもシナモンジンジャーミルクティーとかあるんじゃ――」
言いかけた私は、ミルテ王女とユリア夫人の視線を受けて、口を閉ざした。
「……ないんですか?」
「ミルクが入ると紅茶の味もまた変わりますからね……主流の飲み方ではないかも知れないわ」
「このブレンドにミルクを入れてみたことはありませんでした……」
じゃあ、このままミルクティーにして試してみてもいいのでは? と思ったけれど、それにはシャルリーヌが待ったをかけた。
「王宮でふるまわれるのであれば、その飲み方は二次的な楽しみとして提案するくらいの方がいいですわ。いずれにせよ、今のハーブの配合の割合は変えた方がいいと思いますし」
公式の場では、あくまでストレートティーが好まれるらしい。
「じゃあ……アップルジンジャーティーとか?」
あくまでジンジャーを残すのであれば、アクセントとして合いそうなのは、りんごだろう。
「シナモンを残して、カカオをアクセントにするのは、アンジェス国で既にブレンドされて出されているもの。バリエンダールならではの茶葉にはならないと思うわ」
私はまだ飲んでいないけれど、王都にあるフォルシアン公爵家経営のカフェで見たことはある。多少の配合は違えど、王家の側が二番煎じと思われるわけにはいかないはずだ。
「そうね……でもそうなると、彩り用の花を合わせるのが難しいかも。それなら、オレンジとマリーゴールドを足す方がいいんじゃないかしら。だって、以前にとある紅茶専門店で見たことがあるもの」
どうやらシャルリーヌさん、ラクダのシルエットイラストで有名な紅茶専門店で、オレンジ&ジンジャーティーというのをかつて口にしたことがあるらしい。
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「オ、オレンジもマリーゴールドも国で手に入りますわ!」
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「ユリアお祖母さま、ここで試せますか⁉」
「もちろんですわ、ミルテ様。ですが、ブレンド前のバリエンダールの茶園の茶葉はお持ち?」
「はい。納得のいく味にならないのは、割合の問題かも知れないと思っていましたから、ここで色々試してみようと、ブレンド前の茶葉も持って来ました!」
「そう。ジンジャーとオレンジピールとマリーゴールドはもちろんありますけれど、オレンジピールも……バリエンダール王宮の味を再現した方がいいでしょうねぇ」
オレンジの皮の薄さ、砂糖漬けにする場合の濃さ。これだって各家に違いがあると言っていい。
そこはミルテ王女に試食して貰いながら、王家の味に近いものをアンディション侯爵邸内で作り出して貰うことになった。
「どうやら、方向性が見えてきたわねぇ……」
やれやれ良かった、といった風にシャルリーヌが息をつき、私も思わず頷いていた。
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「じゃあこれで、明日、サイアス様にも試飲いただきましょう!」
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「……さすがにお腹が水膨れよ……」
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シャルリーヌのラハデ公爵贔屓は結構なものだ。とはいえ、ラハデ公爵の為人に関しては、潔癖もいいところだろうと私も思っている。
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そこは、エヴェリーナ妃よりも遥かに行動が読みやすい。
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「ご迷惑はかけません」
多分、という言葉はここでは呑みこむ。
物理的に狙われるような何かは、ラハデ公爵が来ることによって起きるとは思えないけれど、後々多大な影響を及ぼすことにならないとは言えないからだ。
「あくまで商談ですから」
――私は、嘘は言っていません。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
いつも読んで下さり、有難うございます!
すみません、ラハデ公爵の来訪に関して808話で「明後日の午前」と書いていたのをうっかり見落としてしまっていました!
ご指摘有難うございます m(_ _)m 812話の方を修正しまして、改めて次話を「明日の午前」として話を始めます!
その次話は、もっと短いスパンで掲載したいと思ってますので……(。-人-。)
【その他お知らせ】
11/19(水)から、コミカライズ版の連載が再開となりました!
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