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第一部 宰相家の居候
【バーレントSide】ディルクの片恋(後)
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
「レイナ嬢の体調が良くないようですし、詳しくは明日改めて説明させて頂ければと思ってはいますが……彼女からは、既に概略などはお聞きでいらっしゃいますよね?今お見せした、そちらが、資料の一部です。明日の補完資料として、宜しければ目を通して見て下さい」
太腿の上に置かれた書類に視線を落とすキヴェカス卿の顔色が、悪い。
「……もしやキヴェカス卿は、レイナ嬢と一言もこの件を話し合われていないと、仰る?」
問いかけた私の声も、イデオン公爵には及ばないにしても、ちょっと冷えていたかも知れない。
「……公爵閣下と話をすれば済む事だろう。さしずめ家庭教師から『出来が良い』だの何だのと煽てられて、その気になっていたのかも知れんが、いずれどこかの貴族に嫁がされて、子を産むだけの女に、そもそも誰がどれほどの事を教えると言うんだ。中途半端に知恵の付いた頭の固い女ほど、厄介なモノはない。さっさと女の身の程と言うのを弁えた方が良かろうに、何なのだ、アレは」
気のせいではなく、団欒の間全体の空気も冷えた。
公爵邸の使用人を敵に回すなどと言う恐ろしい事は、私にも出来ないので、とりあえずもう一度、キヴェカス卿に確認しておく。
「…つまりは一度も、真面に言葉を交わしていらっしゃらないし〝聖女の姉〟の立ち位置を、考えてみられた事もなかったんですね?」
「……は?」
「まさかそれすらも、ご存知ではなかったと?」
「あ…いや、そう言えば最初に公爵閣下が……」
同じ伯爵家と言う立ち位置だ。
必要以上に遜らなくても良いだろう。そう思って私も話をしている。
年齢に差はあれど、こちらは次期伯爵、向こうは三男なのだから、尚更。
「まず第一に、当代聖女は異国の出。その姉君もしかり。異国においては、そも、平民だ貴族だと言う括りがなかったそうで、幼少期に、等しく均等に教育を受けられる土壌があったんだそうですよ。義務教育と、異国の言葉では言うそうですが」
「義務教育…?」
「我々が通ったような『学園』に、男女の別も身分の別もなく通ったと言う事です。貴方が想像されていたような、一般的な貴族令嬢が家庭教師に習う様な教育内容とは、始めから次元が違うと言う事ですよ」
「……っ」
「加えて姉君――レイナ嬢は、聖女となった妹君の様な、魔力を持たない欠点を補って余りある程の、知性の持ち主だったそうで、妹君が『社交外交含め、姉ならば何でも出来るから』と、補佐を懇願された為に、わざわざ公爵閣下が異国まで出向いて、説得にあたられたと。何でも、異国でも最高峰の教育機関に、通っていた学園史上初の合格者だった為に、最初は随分と渋られたそうですよ。卒業すれば、こちらで言うところの、宰相室での雇用がほぼ確実なのに、妹君と言うあやふやな後ろ楯しかないこの国に来る謂れなどない訳ですからね」
聖女である妹には、国の庇護があるが、姉はそうとは限らない。
旗色次第では、影武者だの何だのと、犠牲にされかねない。
マダム・カルロッテの仕立て屋に向かう途中に、そんな風に微笑って、レイナ嬢が教えてくれた事があった。
頭の中がお花畑でなければ、分かる事でしょう?と。
「そ…んなものは、どこかの有力貴族なり商人にでも嫁げば……」
「始めから、地位や財産のある男に嫁ぐ事を目的とするなら、わざわざ国で最高峰の教育機関など、目指しますか?現に聖女の方は、義務教育とやらの学園は出ていても、姉君の様な教育機関にいらした訳ではない」
聖女がお花畑かどうかと言う事は、私は知らない。違うかも知れない。
今はただ、レイナ嬢との違いを明確にする為に、敢えて口にしただけだ。
「国を離れる事を渋るレイナ嬢に、公爵閣下が、公爵家で定例報告を受ける事を手伝うのは、その教育機関で学ぶ筈だった事に似ていないかと、聖女の後ろ盾が国なら、姉の後ろ楯には宰相がなると、言葉を尽くして招かれたそうですよ。だからこそレイナ嬢は、国の賓客であり、同時に公爵閣下の賓客でもある訳なんですよ」
この辺りは、ちょっと認めるのが癪なのだが。
使用人一同が大きく頷いているから、あながち誇張されてはいまい。
「彼女は定例報告書の貸借対照表が、公爵邸に来る前から読めた。アンジェス以外の言葉にも不自由していない。彼女が公爵邸で家庭教師についたのは、各国の地理と歴史と、イデオン公爵領内の主要産業を学ぶためであって、社交界で高位貴族の寵を競う為じゃない」
現に私がドレスをプレゼントしようとしても、固辞されましたよ。と、自虐混じりにヤンネにぶちまける。
「その、膝の上のレポートですが、当初公爵閣下からは『当家滞在中の客人に試用して貰った感想』として、送られて来ましてね。まさか『原材料の確保が軌道に乗せられるなら、安価で大量生産が見込める分、非富裕層への教育を浸透させる一助にもなり得る』だの『押花の様に花びらを散らす事で、貴族女性の私的用途として訴えかけられる』だの『薄さを変えれば用途の幅が広がる』だの、そんな事が書いてあろうとは、夢にも思いませんでしたよ」
「それは…公爵閣下が……」
「差し出がましいようですが、レイナ様がその『レポート』を旦那様に渡された直後、旦那様は驚愕されて、補足説明を幾つも求められて、あわや王宮の朝議に遅刻されるところでした」
セルヴァンが、そう言って、ヤンネの言葉を遮った。
私が受けた衝撃を、イデオン公爵も共有していたと言う事だと、軽く頷く。
「その時の公爵閣下からの手紙にも『聖女の姉は、出身国で同様の物を見た事があるそうだ。恐らく私よりも余程、開発流通に関して的確な助言が出来る筈。定例報告の際、話をしてみる事を強く勧める。ここに書かれた見本がもしバーレント領でも作成出来るなら、尚良いだろう』とありましてね」
レイナ嬢からも、もちろん見本を作って欲しいと言う一筆があった。
だがその時点では、イデオン公爵の一文の方に重みがあった事も否定しきれない。
私にも、当初キヴェカス卿の様な偏見があった事は確かなのだ。
だがそれは、具体的な見本依頼を見て唸った職人達の様子を見て、愚かだったと猛省した。
女性、しかも自分よりも年下と言う偏見さえ取り除けば、これほどまでに根拠の整った提案書はない。
「ならばと話をしてみれば、彼女の言葉には、一切の淀みがなかった。誰かから吹き込まれた訳でも、知ったかぶりをしている訳でもなく、全てが一度、彼女の中で消化されて、発せられる言葉だった。嗜好品を強請る言葉も、貴族間の噂話も、一言だって彼女の口からは出て来る事がなかった。格好をつけているんじゃない。そんな事を話す必要がない程、彼女には話題があるんですよ。だから、私は最初に貴方にお尋ねしたんですよ、キヴェカス卿」
一度も、真面に言葉を交わしていらっしゃらないんですか、と――。
「ディルク……っ」
その時、階段の踊り場から、怒気を孕んだ声が投げかけられた。
「ああ、どうやら私の出番はここまでのようですね」
私は敢えて、軽く受け止めた風を装いながら、キヴェカス卿の膝にあった書類を拾い上げた。
「申し訳ない。これは私にとっては、恋文にも等しい宝物でしてね。お貸しする訳にはいかないんですよ」
もしかすると、キヴェカス卿は勘違いしているかも知れない。
――イデオン公爵の、怒りの正体を。
それは私の言葉が過ぎる事への叱責でも、愚かな振る舞いをしたキヴェカス卿への失望でもなく。
(嫉妬――ですよね、兄上)
他の誰でもない、異母弟である自分が、同じ少女に目を向けたからこそ。
見せて下さい、異母兄上。
私が引き下がらざるを得ない程の、貴方の本気を。
「では明日また出直させて頂きます、公爵閣下。職人達の技術の粋を、レイナ嬢に見て頂くのが楽しみですよ」
「……ああ。目を醒ましたら伝えておこう。今日はすまなかった」
度を越した自制心は、私でなくとも、いつか誰かがつけ入るかも知れませんよ。
「レイナ嬢の体調が良くないようですし、詳しくは明日改めて説明させて頂ければと思ってはいますが……彼女からは、既に概略などはお聞きでいらっしゃいますよね?今お見せした、そちらが、資料の一部です。明日の補完資料として、宜しければ目を通して見て下さい」
太腿の上に置かれた書類に視線を落とすキヴェカス卿の顔色が、悪い。
「……もしやキヴェカス卿は、レイナ嬢と一言もこの件を話し合われていないと、仰る?」
問いかけた私の声も、イデオン公爵には及ばないにしても、ちょっと冷えていたかも知れない。
「……公爵閣下と話をすれば済む事だろう。さしずめ家庭教師から『出来が良い』だの何だのと煽てられて、その気になっていたのかも知れんが、いずれどこかの貴族に嫁がされて、子を産むだけの女に、そもそも誰がどれほどの事を教えると言うんだ。中途半端に知恵の付いた頭の固い女ほど、厄介なモノはない。さっさと女の身の程と言うのを弁えた方が良かろうに、何なのだ、アレは」
気のせいではなく、団欒の間全体の空気も冷えた。
公爵邸の使用人を敵に回すなどと言う恐ろしい事は、私にも出来ないので、とりあえずもう一度、キヴェカス卿に確認しておく。
「…つまりは一度も、真面に言葉を交わしていらっしゃらないし〝聖女の姉〟の立ち位置を、考えてみられた事もなかったんですね?」
「……は?」
「まさかそれすらも、ご存知ではなかったと?」
「あ…いや、そう言えば最初に公爵閣下が……」
同じ伯爵家と言う立ち位置だ。
必要以上に遜らなくても良いだろう。そう思って私も話をしている。
年齢に差はあれど、こちらは次期伯爵、向こうは三男なのだから、尚更。
「まず第一に、当代聖女は異国の出。その姉君もしかり。異国においては、そも、平民だ貴族だと言う括りがなかったそうで、幼少期に、等しく均等に教育を受けられる土壌があったんだそうですよ。義務教育と、異国の言葉では言うそうですが」
「義務教育…?」
「我々が通ったような『学園』に、男女の別も身分の別もなく通ったと言う事です。貴方が想像されていたような、一般的な貴族令嬢が家庭教師に習う様な教育内容とは、始めから次元が違うと言う事ですよ」
「……っ」
「加えて姉君――レイナ嬢は、聖女となった妹君の様な、魔力を持たない欠点を補って余りある程の、知性の持ち主だったそうで、妹君が『社交外交含め、姉ならば何でも出来るから』と、補佐を懇願された為に、わざわざ公爵閣下が異国まで出向いて、説得にあたられたと。何でも、異国でも最高峰の教育機関に、通っていた学園史上初の合格者だった為に、最初は随分と渋られたそうですよ。卒業すれば、こちらで言うところの、宰相室での雇用がほぼ確実なのに、妹君と言うあやふやな後ろ楯しかないこの国に来る謂れなどない訳ですからね」
聖女である妹には、国の庇護があるが、姉はそうとは限らない。
旗色次第では、影武者だの何だのと、犠牲にされかねない。
マダム・カルロッテの仕立て屋に向かう途中に、そんな風に微笑って、レイナ嬢が教えてくれた事があった。
頭の中がお花畑でなければ、分かる事でしょう?と。
「そ…んなものは、どこかの有力貴族なり商人にでも嫁げば……」
「始めから、地位や財産のある男に嫁ぐ事を目的とするなら、わざわざ国で最高峰の教育機関など、目指しますか?現に聖女の方は、義務教育とやらの学園は出ていても、姉君の様な教育機関にいらした訳ではない」
聖女がお花畑かどうかと言う事は、私は知らない。違うかも知れない。
今はただ、レイナ嬢との違いを明確にする為に、敢えて口にしただけだ。
「国を離れる事を渋るレイナ嬢に、公爵閣下が、公爵家で定例報告を受ける事を手伝うのは、その教育機関で学ぶ筈だった事に似ていないかと、聖女の後ろ盾が国なら、姉の後ろ楯には宰相がなると、言葉を尽くして招かれたそうですよ。だからこそレイナ嬢は、国の賓客であり、同時に公爵閣下の賓客でもある訳なんですよ」
この辺りは、ちょっと認めるのが癪なのだが。
使用人一同が大きく頷いているから、あながち誇張されてはいまい。
「彼女は定例報告書の貸借対照表が、公爵邸に来る前から読めた。アンジェス以外の言葉にも不自由していない。彼女が公爵邸で家庭教師についたのは、各国の地理と歴史と、イデオン公爵領内の主要産業を学ぶためであって、社交界で高位貴族の寵を競う為じゃない」
現に私がドレスをプレゼントしようとしても、固辞されましたよ。と、自虐混じりにヤンネにぶちまける。
「その、膝の上のレポートですが、当初公爵閣下からは『当家滞在中の客人に試用して貰った感想』として、送られて来ましてね。まさか『原材料の確保が軌道に乗せられるなら、安価で大量生産が見込める分、非富裕層への教育を浸透させる一助にもなり得る』だの『押花の様に花びらを散らす事で、貴族女性の私的用途として訴えかけられる』だの『薄さを変えれば用途の幅が広がる』だの、そんな事が書いてあろうとは、夢にも思いませんでしたよ」
「それは…公爵閣下が……」
「差し出がましいようですが、レイナ様がその『レポート』を旦那様に渡された直後、旦那様は驚愕されて、補足説明を幾つも求められて、あわや王宮の朝議に遅刻されるところでした」
セルヴァンが、そう言って、ヤンネの言葉を遮った。
私が受けた衝撃を、イデオン公爵も共有していたと言う事だと、軽く頷く。
「その時の公爵閣下からの手紙にも『聖女の姉は、出身国で同様の物を見た事があるそうだ。恐らく私よりも余程、開発流通に関して的確な助言が出来る筈。定例報告の際、話をしてみる事を強く勧める。ここに書かれた見本がもしバーレント領でも作成出来るなら、尚良いだろう』とありましてね」
レイナ嬢からも、もちろん見本を作って欲しいと言う一筆があった。
だがその時点では、イデオン公爵の一文の方に重みがあった事も否定しきれない。
私にも、当初キヴェカス卿の様な偏見があった事は確かなのだ。
だがそれは、具体的な見本依頼を見て唸った職人達の様子を見て、愚かだったと猛省した。
女性、しかも自分よりも年下と言う偏見さえ取り除けば、これほどまでに根拠の整った提案書はない。
「ならばと話をしてみれば、彼女の言葉には、一切の淀みがなかった。誰かから吹き込まれた訳でも、知ったかぶりをしている訳でもなく、全てが一度、彼女の中で消化されて、発せられる言葉だった。嗜好品を強請る言葉も、貴族間の噂話も、一言だって彼女の口からは出て来る事がなかった。格好をつけているんじゃない。そんな事を話す必要がない程、彼女には話題があるんですよ。だから、私は最初に貴方にお尋ねしたんですよ、キヴェカス卿」
一度も、真面に言葉を交わしていらっしゃらないんですか、と――。
「ディルク……っ」
その時、階段の踊り場から、怒気を孕んだ声が投げかけられた。
「ああ、どうやら私の出番はここまでのようですね」
私は敢えて、軽く受け止めた風を装いながら、キヴェカス卿の膝にあった書類を拾い上げた。
「申し訳ない。これは私にとっては、恋文にも等しい宝物でしてね。お貸しする訳にはいかないんですよ」
もしかすると、キヴェカス卿は勘違いしているかも知れない。
――イデオン公爵の、怒りの正体を。
それは私の言葉が過ぎる事への叱責でも、愚かな振る舞いをしたキヴェカス卿への失望でもなく。
(嫉妬――ですよね、兄上)
他の誰でもない、異母弟である自分が、同じ少女に目を向けたからこそ。
見せて下さい、異母兄上。
私が引き下がらざるを得ない程の、貴方の本気を。
「では明日また出直させて頂きます、公爵閣下。職人達の技術の粋を、レイナ嬢に見て頂くのが楽しみですよ」
「……ああ。目を醒ましたら伝えておこう。今日はすまなかった」
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